俺ラディッツは弟を絶対に守り抜く   作:ドゥナシオン

10 / 233
破られる微睡の時間 或いは予定通り

エイジ737年惑星ベジータ

 

 

△月○日

 

弟が生まれて今日で二月目、今日も-カカロット-はぐっすりと保育カプセルの中で寝てる。

時折何か美味しいものを食べる夢を見ているのか、口をもぐもぐさせてるお顔がが超可愛い。

 

戦闘力は残念ながら-2-しかなかったが、可愛い弟が出来たのでそんな事どうでもいい。

 

「こいつの名前はカカロットだ。お前の弟だ、ちゃんと-面倒-見ろよ。」

「分かってるよ親父!他所に仕事行く親父達と違って俺は本星に残るからな。仕事の時は任せてくれ。」

 

親父はカカロットと名付けられた弟の戦闘力が分かった時、何か言いたげな顔してたけど、結局それには何も言わないで弟の名前を直ぐに付けてくれた。

 

カカロット

 

何度口の中で転がしても飽きない俺の可愛い弟は・・・・・大の泣き虫だった。

戦闘力が低いから、家庭で育てられる用の保育カプセル機を手配して家に設置するまでの間は、他の赤ん坊と同じ部屋で保育器に入れられる。

 

・・・・・そん時同日に生まれたパラガスさんの家の-ブロリー-君に面倒かけまくったのを兄ちゃんずっと覚えてる気がするぞカカロット・・・・爆泣きして他所様の御うちの子をぐずらせるとか駄目だろう・・・しかも家に連れ帰る三日間ずっとで、途中からはブロリー君も泣いてたんだぞ・・・俺の子守唄効かなかったのかね~。

 

 

▲▲▲

 

「オンッギャ~!!!オンッギャ~!!!」

「おい!いい加減誰かバーダックの家のガキ泣き止ませろよ!!」

「たって何してもこいつ泣き止まないぞ!!」

「おい!隣のブロリーもガキの泣き声でぐずりそうだぞ!!!」

「ええええ!!こいつ生まれながらにして戦闘力一万あんだぞ!!??」

「不味い!こいつが泣いたら施設が・・・」

「あの~・・・・・」

 

バーダック家の第二子カカロットは難産だったが母子ともに健康であり、父親バーダックは見るもん見たからと次の惑星征服の仕事に出かけ、母ギネは体力ごっそりとお産に取られてバタンキューしたのですぐさま赤ん坊・カカロットは施設の保育器に入れられるのを、有給で丸一日お休みを貰ったラディッツが見届ける。

 

生まれたてなのに、自分の知ってる赤ちゃんとはずいぶんと違うが可愛いのは万国共通だと、飽かずにラディッツが見ている時はカカロットはぐっすりとに眠っていたのだが、夕食に何か手軽に食べられる者でも買いに行こうとラディッツが保育室の前の席を立ち、三十分もしない間にベテラン(?)保育士達が右往左往するほどにカカロットの爆泣きは凄すぎ、生まれながらにして戦闘力一万と将来を嘱望されるであろうブロリーが、カカロットの泣き声を厭うてぐずった日には、パワーが暴走して施設がぶっ壊れるとあたふたする医療スタッフに、申し訳なさそうにする子供の声に振り返れば

 

「「「「ラディッツ様!!!」」」」

「・・・・弟が済みません、今すぐ泣き止ませます。」

 

フリーザ軍に入って仕事して早三年、最早ラディッツの地位は文官長候補であり不動のフリーザ様の小姓である。

最初は固辞していた敬称も、仕事だと割り切って受け入れ、今もかしこまってしまった医療スタッフの横を通って保育室に入る。

 

「何が嫌なんだ?さっきスタッフの人に沢山ミルク貰ってただろう。おしめは濡れてないし・・・・これでいいかカカロット。」

 

部屋に入ったラディッツは、直ぐに弟を保育器から出して胸元に抱き寄せ、頭を揺すらないように包み込む。

前世伊達にお兄ちゃんをしていないラディッツは、お兄ちゃん歴のプロである!・・なんのこっちゃい

 

それは兎も角て慣れた手つきで弟のお締めに触り、現状を把握してゆっくりと自分の体ごとカカロットをそっと揺すり、-子守唄-を歌う。

 

「ゆりかごの歌を カナリヤが歌うよ ね~んねこねんねこねんねこよ~」

 

某地球の一部民族のある世代が知っている子守唄の定番を、戦闘民族サイヤ人が優しい笑みをによく似合う優しい声で弟の為に歌う姿は、どこか神々しくさえあった。

 

ラディッツは妹が幼少期からぐずるたびにフルコーラスをエンドレスで歌い続けていたので忘れようもなく、今また弟に歌ってやれることが嬉しく歌うのを、隣でぐずりかけていたブロリーも、カカロット同様に泣くのをやめ、次第に微睡みカカロットと同じ時に寝入った。

 

「ごめんなブロリー君。後二・三日したらカカロットは家に行くからそれまで迷惑かける。」

 

寝入った弟を暫く持ち、そっと保育器に返してからラディッツは寝ているブロリーに詫びを入れるながらこの後の事を算段して速攻上司に相談する。

 

「弟のぐずりが酷いので明後日まで延長貰えますか?」

「・・・・フリーザ様に聞いてみる・・・」

 

本人気軽に言ってくれるが、フリーザ様にお伺い立てるナナバは本気で泣いた。

案の定ラディッツは私よりも弟の方が大切なのですかという嫉妬心剥き出しで、今すぐに憎い赤ん坊を縊り殺しそうにいきそうになって、丁度特戦隊が施設内にいたので呼び寄せ、主の大暴走をドドリアとザーボンも参戦しておとめして。

曰くそんな些事でラディッツの弟殺せば、せっかくクリーンなイメージを貫いてこぎつけた計画がご破算になりますと必死の説得をして。

 

それとせっかくの戦力アップになりそうなブロリーがぐずると物理的にも予算的にも面倒ごとになるのでラディッツの育児休暇(?)は無事にもぎ取れた・・・・なんのこっちゃいである。

別々の部屋にすればいいじゃんと言ってはいけないのだろうか?

 

余談だが休暇明けで仕事に出たラディッツは、速攻でフリーザにゲットされ、普段以上にフリーザ様の尻尾はラディッツの腰を強く巻き、不機嫌そうであったとのが嘘の様にご満悦であったとか・・・色々やばくないだろか?

 

▲▲▲

 

(おい!!)

(・・・なに?)

(お前が泣かないとあの人笑って見てるだけだ!!あれ聞きたいから泣けよお前!!)

(え~・・・分かったよ。)

 

「オンッギャ!!!」

「あぁカカロット、お前は泣き虫だな~。ギネ母さんまだ寝てるから俺で我慢してくれ。ついでだ、ブロリー君もおいで。」

 

こんな会話が赤ん坊同士であったかは知らないが、朝の早くからカカロットは泣き愚図り、戦闘とは全く別方向の気力体力持っていかれたギネはまだ寝ているので必然的に泣く弟を兄であるラディッツが・・・・・かなりデレデレとした顔で弟と何と隣で寝ている超エリート様を約束されているブロリーも抱き寄せ二人をあやす姿を、ブロリーの癇癪で施設破壊されんでよかったという職員たちは拝んでいたとか・・・・なにしてんだろ

 

ブロリーもブロリーで、実の父親が来てもそっぽ向くのに、ラディッツがあやせばゆるんだ表情するし・・・様々な意味でフリーザ軍は末期かもしれない

 

その後無事にバーダックたちの家に、カカロットの為の保育カプセルが設置され帰宅した時・・・・その夜はブロリーが謎の爆泣きをしてついで気も大量放出して施設は破壊され瓦礫の中でもブロリーは無事な姿で泣き続けたとか・・・・

 

「母さん、施設壊れる前に帰ってこれて良かったね。カカロットも怪我せずに済んだし。」

「本当ね~、カカロットの隣にいたブロリーって子大丈夫かしら?」

「無事だといいんだけどね。」

 

とか元凶を心配する暢気親子は、無事にカカロットを保育カプセルに入れて眺める。

 

「中の水は自動で取り換えられて栄養素もばっちりで、寝ながら沢山の事を学習するか・・・」

「そうよ、そのおかげで私達世代以降の子は周辺宙域の言語に苦労せずに済むの。」

「そうか・・・・はやく三年経たないかな・・・一緒に遊びたい・・」

「ラディッツ・・・・そうね、私も早く出てきてほしいな・・・」

 

中級戦士となれたラディッツと違い、下級戦士確定のカカロットはきっと直ぐに飛ばし子にされるのを、ギネもそしてラディッツも職業柄もう知っている。

自分が出世する事で、その辺免除してもらえないかとラディッツは本気で検討するのであった。

 

▲▲▲

 

△月○日

 

生まれた弟を守る為に、近頃は仕事の休憩時間を戦闘訓練に割り当てる。

時には施設にいる特戦隊の人達に頼み込んで承諾を得られれば相手をしてくれるのが一番助かる!・・・・・死にそうだけど頑張ろう・・・・

 

てかバータさん早すぎて目が追い付かなくて気が付いたら吹き飛んでるし!リクームさんがその先で待ち受けてた日には・・・・あかん・・・・気絶する一歩手前でいつもギニュー隊長が止めてくれてなかったら本気で仕事に支障きたしてる・・・・自主練しよう・・・・そうしよう・・・

 

俺の戦闘力三千から伸びないなぁ~・・・・弱すぎだろう俺。

 

でも、俺が強くなるのを嬉しそうにしてくれて、良い笑顔で付き合ってくれる特戦隊や他の武官の人達にマジ感謝!

・・・・時折やりすぎたって言う言葉は気にしない気にしない・・・・

 

△月○日

 

今日は親父と母さんの仲間の人達がカカロット生まれたお祝いに来てくれた。

 

「お前がラディッツか!俺はトーマ、お前の親父達と一番古い仲間だ。トーマおじさんとよ・・」

「クソガキに要らん事吹き込むな!ラディッツ、ギネの手伝いして来い。」

「え~・・・・分かったよ。」

 

お仲間の人達は親父の様子を見て大笑いして、親父の奴益々苦虫を嚙み潰したような顔しても俺には分かる!!

きっと仲間内での姿を俺に知られたくないんだろうな親父は。

 

暫く母さんの料理の手伝いしてたら今度は俺のお仲間がやって来て賑やかな宴会になったな~。

楽しい一日だった。

 

▲▲▲

 

「ラ~ディッツ!!遊びましょう!!!」

「・・・スーナ、マトマ・・・・今親父のお仲間の人達が来て宴会してんだ。

母さん手伝って料理してるからまた今度な。」

「え~・・・・料理手伝う?」

「俺も-外仕事-するようになってからそれなりに料理するぞ?」

「・・・・家庭料理とサバイバル飯一緒に・・・・似たようなもんか。」

「そうだよ!ようはお肉沢山塩ふって焼けばいいんだし!!!」

 

・・・・ドヤ顔でサバイバル飯と家庭飯はサイヤ人の中では一緒ですというのやめようよスーナ・・・マトマもうんうんと頷かないでほしい・・・出汁が出来るものないから割とフリーザ様達のご飯も似たようなもん何だよな。

違いがあるとすれば野菜が俺達よりも多め・・・・栄養的に今まで問題ないしいいか。

 

其れよりも昼からカカロット誕生を聞きつけて、カカロット十日目の今日に保育カプセルを取り囲んでどんちゃん騒ぎをしに来た親父の仲間の人達は皆気の良い人達で、近頃は大人のサイヤ人に冷たいスーナとマトマが楽しそうに混ざって何より嬉しい。

 

俺達はみんな同族で仲間だ。いがみ合わずには無理でも・・・せめて仲間内での殺し合いはしたくないと思う俺は、きっとサイヤ人として甘すぎるんだろうか?

 

 

近頃のラディッツは昔ほどに屈託のない笑みを見せる事が減り、急激に大人びてきているのは周知の事実。

 

特に弟が生まれる前あたりから、落ち着いた雰囲気を帯び始めて来ていた。

如何に周りが知らせないようしようとしても、書類に目を通すにつれ嫌でも同族と軍が他星を時には星系丸ごと食い物にしているのかが分かってしまう。

 

憧れていた銀河パトロール隊とは真逆の事をしているのを知っても、それでもラディッツは失望しなかった。

憧れが無くなる事も。

 

いつか、フリーザ様達がこんな事をせずとも儲かる代案を用意さえすればきっと惑星荒らしをしないでくれるだろうと信じて。

 

ラディッツがそんな絵空事を本気で信じるには理由がある。

 

「マトマ、この間言ったハスカップって星でさ・・」

「あぁ・・・宇宙海賊が根城にしてフリーザ様達のお得意商人の販路乗っ取ろうとしたのを、原住民の人達の協力ですぐに制圧したよ。」

「それさ、その後その星どうなったか知ってるか?」

「うん?あそこ元々通商結んでるから制圧以来の後すぐに軍の武官を数名用心棒代わりに在住させてほしいって言ってな。お前行きたいのか?」

「まさか!母さんとそこで酒浴びるほど飲んでもケロッとしてる蟒蛇親父と可愛い弟置いて俺がどこ行くってんだよ。」

「そうよね~、あんたがおじさん達置いてく想像ってできないもんね。」

「だろ?」

 

大人達は母ギネも飲み明かすのを横目に、ラディッツは報告書では知っていてもフリーザ軍が出撃した先の現地の様子を直接見てきた友人たちに聞いて確信がある。

 

良くも悪くもお金次第なのだフリーザ軍とは

 

住んでいる惑星よりもランクの低い惑星に現地住民を強制的に移住させる仕事をする傍ら、賞金を付けても強すぎて手に負えない犯罪集団を平然と壊滅させ、時には惑星に住む魔獣討伐も大金で請け負う。

 

殲滅の事は知らずとも、フリーザ軍が仕事をするのはお金が全てなのをラディッツは知った

 

なら、例えば戦闘武器特化に研究を振っているのを自前で出資してスタートレックとかで見たテラフォーミングで望む環境の惑星を作り上げ、自然だの生態系だのは他所の星から輸入して飾り上げるビジネスとか、労働の手が欲しいところはクローンを作るとか・・・武官の人達の働き口は、海賊や凶悪犯罪集団は無くならないわけだし、そっちでどうにかならないかとラディッツは本気で考えている。

 

それが本当に絵空事とはまだ知らずに

 

そしてそんな風に軍の良いところだけを話して楽しむ子供達を、何時しか飲むのをやめた大人達が痛ましげに見ているのにも気が付かずに・・・・いつか、フリーザと軍の本性は冷酷だと知った時、子供達は耐えられるのだろうかと、ギネとバーダックの他にも割とサイヤ人らしくない大人達は本気で子供達の将来を案じる。

 

本星に残っている通称ラディッツ世代は、少しづつ外で実践をするようになってきた。

 

「子供達にわが軍の本当の所を知られるのは-まだ-早いです。

しかし-戦力-を遊ばせておくのは無駄というもの。

どこかの宙域海賊や魔獣討伐にあてなさい。」

 

フリーザの鶴の一声で、子供達は外で働く事になった。

 

なにせラディッツ世代はほとんどが戦闘力五千は当たり前で中には九千を叩きだし、古いサイヤ人教官をぶちのめした猛者もいる。

 

なぜそんなに急激に初陣もしていない子供達の戦闘力が上がったか・・・・ボコられた古いサイヤ人が原因である。

彼等はもうラディッツ世代はフリーザ軍であり、同族でもなんでもない子供に対する容赦は無くなり、フリーザの命令がなくとも訓練であろうが何だろうが殺す気で責め立て、結果死にかけた子供達は戦闘力が向上するばかりか、ラディッツの楽しい雰囲気と底抜けの明るさによって眠っていた戦闘民族サイヤ人の血をバリバリに目覚めさせる。

 

自分を見下した同族なぞ最早殺す対象であり、子供達こそが手加減をやめて集団戦闘をここぞとばかりに発揮し、ラディッツに弟が生まれる半月前あたりから彼等に勝てるサイヤ人の教官はいなくなった。

 

それを知らないラディッツに、子供達もそんなそぶりは見せずに無邪気にしているのを見ているフリーザは、ここまで目論見がうまく言った事が嬉しいやら、扱いを間違えれば古いサイヤ人達よりも面倒になりそうだと複雑な思いが生じるのだが、その辺はフリーザの自業自得なのでどうでもいいし、ラディッツの扱いさえ間違わなければ割と何とかなる目途があるので大丈夫・・・・・なのだろうか?

 

兎に角子供達に本当の汚れ仕事をさせるにはまだ早く、彼等の-帰る場所-があるうちはさせない方針が決まっている。

 

ラディッツがいうような甘い事を言えなくなるような-根無し草-にする其の時まで子供達には今暫し微睡身の中ですごさせ、懐かせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エイジ740

 

フリーザの計画通り、その舞台が整う日がきた

 

 

-フリーザ様への報告-

 

ベジータ王が多数のサイヤ人達と共に、軍およびフリーザ様への反逆の意志あり計画している事を報告する-

 

一つの報告によって、誰か達にとっての幸福に満ちた日々に終わりの時を迎えた

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。