俺ラディッツは弟を絶対に守り抜く   作:ドゥナシオン

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-幕間-それぞれの人間模様

side悟空とチチ

 

「悟空さの馬鹿~!!!浮気者!!!」

「チ・・・チチ!!これ絶対に嘘だ!!おらは・・」

「言い訳なんて聞きたくねぇ!!こっだら綺麗な人と一緒に飯食って・・・熱々だって書いてあんじゃねえだかよ!!」

「ちょ・・・チチ!兎に角もの投げる・・・・包丁は本当にあぶねえぞ!!!」

 

夫婦喧嘩・・・とは言えないものだが村の本屋で購入した週間雑誌を読んだチチが、物凄いショックを受け、撮影が終わって後は自由時間で帰って来た悟空にいきなり週間雑誌を投げつけさぁ大変・・・

 

雑誌の一ページ目の見開きは

 

【人気絶頂の映画俳優・孫悟空!なんと今を時めく女優のエイリンと食事をする仲に!!】

 

ここまではいい・・・悟空も仕事で業界の人と付き合いをせねばいけないのはチチだって分かっている。

 

だが次の文句がいけなかった

 

【表に出ない奥様は実は仮面夫婦だからか?今の奥様を離婚して再婚するかもしれない程の熱量を両者から感じるという証言を本誌が掴んだ!!】

 

・・・・これである・・・

 

元来ゴシップ雑誌になんて縁のないチチは、表紙の題名を読まずにカッコいい旦那様が映っていたから偶々買っただけで・・・・まさかこんなお熱を上げる相手がいたのかと、純なチチはすっかりとゴシップ雑誌の詐術に騙されたのだ。

 

決定的な写真も証言も無く、○○かもしれない、○○から聞いたなどのあいまいな文句は、純なチチを騙すには十分であり取り乱してしまったのを悟空は全力をもって宥めにかかる!

 

「チチ!おらにはチチだけだ!!」

「そしたらなしてこんな話が出てくんだ!!??」

 

おらみたいな芋臭い田舎の娘っ子よりも、やっぱり都会の洗練された女性の方がいいだかとチチはなく。

 

相手の女優は本当に奇麗で正統派美人であったのがチチにとっては信憑性に拍車をかけてしまった・・・二人のツーショットも絵に成る程で、まるで映画のワンシーンのようで・・・・自分なんて逆立ちしたって敵わない女性が夫の相手だと言われては・・それでも・・・

 

「おらんだ!!悟空さはおらの旦那様だ!!おらと悟空さの可愛い息子の悟天ちゃんのおっとうだ!!!」

「チチ・・・・」

 

完全に誤解なのだが、誤解しても自分の事を渡すもんかと愛を叫んで泣くチチに、もう誤解を解かないでこのまま-するか-とか・・・・悟空はこの辺が碌でなし化してやがる・・・

 

近頃チチに対して愛を言うのではなく、愛を全て行動で表せばいいだろいうとか・・つまり何が言いたいかというと・・・・そういう流れに持っていこうとチチを抱き上げ口付けをしてさぁおらがどんだけお前を愛してるか教えてやると・・・・悟天が寝ている間に教えようとしたその時・・

 

「ちょっと待った!!!」

 

バン!!

 

「・・・・ふぇ?」

「・・・・・クリリン・・・・邪魔すんなよ・・・」

 

怒っていたらいつの間にかお姫様抱っこされていたチチは、クリリンの登場で我に返って事態に顔を赤らめ、良い所を邪魔された悟空が顔をしかめるのを非番のクリリンは無視してつかつかと家の中に入って子供部屋に行き、悟天とおむつとミルクと哺乳瓶を抱えて出てきた。

 

「・・・・その雑誌、俺も兄さんも見たから知ってる・・・後は二人で-ゆっくりとお話合い-でも何でもして、明日の朝までこの家出んな。」

 

その間悟天は俺とモンブランで見ると男前に言ったクリリンはじゃあなと若夫婦を残して扉を閉めて去っていった。

 

 

sideクリリンとモンブラン

 

「明日までじゃなくて何時まででも私達は良いけど・・・悟空さん大丈夫かしら?」

 

モンブランも件の雑誌の件は知っているので、悟天を預かるのはチチ達の良い休暇にもなるのだから一週間でもいいと思うのだが、その前に少し口下手なところがある悟空がチチの誤解を解けるのか心配になるのを

 

「・・・・多分もう雑誌の事なんてどうでも良くなってるよ。」

 

温かい日向で悟天を膝に乗せて紅茶を飲んでいるクリリンはどこか投げやりに答える・・・・気を感じる人間にとっては、お隣さんの甘ったるい気で胸やけ起こせそうなのだ・・・辛い・・・

 

「お二人はずっと仲良しさんですものね~。」

「・・・・うちだって負けてないさ。」

「ん・・・でも・・・ねぇクリリンさん・・・私もそのね・・」

「モンブラン・・・」

 

結婚しても、モンブランはクリリンに敬称を付けて呼ぶ。

 

どうしてかをチチに聞かれた時、だってクリリンさんは呼び捨てで呼べない程に素敵な人なんだものという事を平然と言ってのけて、何この可愛い子はと周りと超絶悶絶させた天然系お姫様。

 

そのお姫様の憂い顔の理由をクリリンは知っていても、その理由を叶えるとは言わない。

 

何故なら

 

「なぁモンブラン、お医者様もせめてお前の体が成長しきった二十歳になるまで子供は作らない方がいいって言われただろう?」

「そ・・・そうだけど・・」

 

モンブランの体は健康体になってきているとはいえどもまだ万全ではなく、もう少し体力や肉を付けたほうがいいと言われているからだ。

 

しかし結婚したからには矢張り早く子供が欲しくなってしまったモンブランは、直ぐに子を産んだチチが羨ましい。

 

同じ日に結婚をした仲の良いチチ、自分も愛している旦那様の子が欲しいと泣きかけたその時、いつの間にかその愛おしい旦那様・クリリンの膝の上にいた!

 

「あ!!悟天君が潰れ・・」

「悟天ならそこのベビーベッドで寝てるよ。」

「・・・いつの間に・・・」

 

モンブランの望みを知っているが、クリリンにとっては其れよりも大事な事がある。

 

「なぁモンブラン、俺は-モンブランちゃん-と結婚したのは、俺と将来モンブランちゃんとの子供を見たいからじゃない。

モンブランちゃん自身が大好きだからだ。」

「そ!!・・・それは・・・」

「んんん・・・確かに俺達男は産めないからか女の人よりも大好きな人の子をって気持ちは薄いかもしれないからかもしれないが、世界で一番モンブランちゃんを愛してる自信はある。

だから、そこだけに囚われないで俺を見ててほしい・・・・って・・・これじゃあ我儘なガキだな・・」

 

子供にモンブランを取られそうだからと恥ずかしいやきもち焼きだと笑うクリリンに、モンブランは力を抜いて全てをクリリンに委ねた。

 

「・・・・クリリンさん大好きです・・・」

 

我儘でもなんでも、ありのままの自分を好きだと言ってくれるクリリンが大好きだと言うモンブランの口に、優しい口づけが降りてくるのは直ぐの事であった。

 

 

sideラディッツとジュニア

 

その頃の鶴仙流の本部

 

「んっと・・・・これでよしっと!これであの出版社潰せたなぁ!!!」

「・・・・親父、流石にこれは不味くないか?」

「何がだ?これを証言したという関係者一同から裏をとったが、そうだったらオモシロいなとか酔っ払っていっただけの代物で、名誉棄損で訴えるには十分な証拠全部抑えたんだぞ?」

 

だから問題ないぞと真っ黒に嗤う父に、ジュニアは本気でドン引きした

 

発売早々にカカロットが一面トップ・・・・

 

「・・・・ジュニア、今日決算する事は全部お前がしておけ、俺は出掛ける。」

「へ?ちょ・・・いい!!・・・・・・人は殺すなよ親父・・・」

 

雑誌見た瞬間秒で全部を悟ったラディッツは、仕事を丸ごと息子に押し付け、謂われた息子も雑誌を見て全部悟りせめて人殺しだけはしてくれるなよと頼んで父を外に出したのだ。

 

証言したという人々の所に-笑顔-でもう一度詳しく俺に話してくれませんかと言って回って、証拠をつかんだので名誉棄損罪で訴えれば勝てるを確信して速攻で申請し終わった。

 

無論それだけの仕事でラディッツは疲れたとは言わない。

 

裁判で勝つのは確定で、その後潰れる事確実の雑誌記者達の受け皿を手配していたのだ。

 

あたかも本当の事の様に記事を書く手腕を、恋人同士の様に写すカメラ技術を、証言を引き出せる話術を、それぞれ生かせる分野で拾ってもらえるようにあちこち声をかけ終わってほっとした。

 

ラディッツも学んでいる

 

勝った後に恨みを買わないようにするにはどうすればいいのか、答えはこれであっているかはわからないが、とりあえず誰も不幸にならなければいいのではないかと・・・

 

「さて、裁判は一週間後で会社がつぶれるだろう事はその半年後か。」

 

まるで未来を読み解くような物騒な事を言っている父に、ジュニアは溜息をつく。

 

親父の身内に手を出すなんて命知らずな・・・

 

sideランチさんと天津飯とヤムチャとマイ

 

そんな鶴仙流の本部の中庭で、天津飯が青い髪のランチに言葉で振り回されていた。

 

「いつまで金の髪の私の気持ちを待たせておくんですか?」

「いや・・・その・・」

 

物凄くのんびりとした声音の中には確かに棘が盛大にあり天津飯はタジタジになっている。

 

天津飯だとて金の髪のランチは嫌いじゃない・・・とかいうその曖昧さが、ラディッツをして菩薩と言われている青い髪のランチを怒らせたのだ。

 

金の髪のランチは一途なようで、時折自分にも天津飯への愛が伝わる時がある。

ご飯を食べているのを見た時、美味しそうに食ってやがるなと突然思い、笑っていれば良い漢だぜまったくよとか・・・・自分以上に愛情にいちずそうなもう一人の自分に、目の前の男性はずるずると答えを出さずにその愛情を受け取っているのが不誠実に映る。

 

だから

 

「もういいです!!きちんと答えられないならその内に私の方は貴方が嫌いだと紙に書いてくしゃみをして金の髪のランチさんに見せますから!」

「そ!それは・・」

「嫌ですか?それなら本気で考えてください!!」

 

あの子の愛情に貴方はどうしたいのかを・・・・そう言われた天津飯はどうしても気にかかっている事を青い髪のランチに尋ねた。

 

「その・・・・貴女は私の事をどう思っているんですか・・・」

 

天津飯は真っ赤になりながらも青い髪のランチの瞳を射抜くように真剣に問い、問われた青い髪のランチはなるほどと何かを納得しながら

 

「それは貴方の頑張り次第だと思いますよ。」

 

私一生懸命頑張る男の人が好きですからと、軽やかに背を向ける青い髪のランチを、天津飯は呆然として見送った・・・・頑張らねば・・・

 

 

色んな所で色んな恋模様が咲くのを、ラディッツは地球の気を借りながら感じている

 

山村には今弟達の他にヤムチャが黒い髪のマイとロマンスを咲かせている。

 

「・・・私で・・・・本当に良いのかヤムチャ?」

「マイがいい。」

「・・・・その・・・もう少しだけ待ってほしい・・・」

 

もう少しで自分の中できちんとヤムチャに対する思いを答えにするからというマイの言葉に、ヤムチャはそれでいいと笑ってマイを抱きしめる。

 

もう少しでなくとも、自分は待っているからと声に出さない思いを伝える様に

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

sideブルマとターレスとラディッツ

 

あちこちが温かい気で満ち溢れているようでご満悦なラディッツに、ジュニアも嬉しそうに笑う。

 

近頃は在野の格闘家や武道家達の意識レベルが上がったのか、自然と治安維持に手を貸してくれている。

 

町や村の夜回りをしてくれる、年を取って引退した人が横断歩道の渡りの見守りをしてくれている。

 

それだけで治安維持に繋がり、地球はさらに住みよく心地良い星になっている気がしてラディッツ達の頬を緩ませる・・・・だが、その父の顔が一変して険しくなり、気が付けば消える様に窓から外に飛んで行かれた・・・

 

「あいつ・・・また姉君に・・・」

 

父があんなに血相を変えていく場所は近頃は一つしかないと、色々と知っているジュニアは慌てずに仕方がないと諦めた。

 

きっと父が行った先には・・・

 

 

「いいじゃねえかよデートくらい。」

「しつこいわね!私は今お兄ちゃんから頼まれている重力制御装置の改良してんのよ!!」

 

西の都・カプセルコーポレーションにてターレスがブルマを口説き、長い髪をポニーテールに結い上げて、作業着を着ているブルマはお断りだと言っているが聞きやしない!

 

ターレスも宇宙をさすらっている頃の服ではなく、地球のポロシャツにジーパンと一般的な服装をしているので然程違和感なく周りに溶け込んでいる。

 

尻尾の方は後ろから出して腰に回しているがそれはまぁサイヤ人だし仕方がないが、良い漢である事に変わりはない。

 

ターレスはブルマの周りにはいないタイプのいい男である

 

少し(物凄く!)悪めの顔から、甘く響く低音ヴォイスで強引に迫られて、近頃ブルマは少しだけぐらつき始めている・・・・私が好きなのはお兄ちゃんなのに、どうしてこいつにと悔しくなるのを、まるで見透かしているようにターレスは嗤いながらもう一歩詰め寄ってきた其の時

 

ふわりとブルマは抱き上げられた

 

「お兄ちゃん!!!」

「・・・・何しに来やがったんだお兄様?」

「・・・・・ブルマが嫌がっているだろう?」

「は!!?覗き見でもしていたのかよお兄様?

其れにブルマはあんたの妹であって恋人じゃないだろう?」

 

俺が口説いて何が悪いというターレスの言葉に、ブルマを抱えているラディッツは言葉に詰まった。

 

以前、ブルマを口説こうとしたターレスに、遊びでブルマに近づくなと言った時、なら遊びじゃなくて本気ならいいのかと言われた時、ターレスの言葉に重みを感じたラディッツはどきりとした。

 

もしも本気であったなら・・・・ブルマがそれを受けて入れたら?

 

それは・・・

 

「はっはっは!お前でもそんな風に悩むんだな!面白い顔だ。」

「ッ!貴様・・・」

「怒るなよ、存外俺も本気かもしれないんだぜ?」

 

あのお嬢さんは綺麗なんだからよというターレスの言葉に、そんな事は自分が一番知っていると言いかけたのを押し留め、遊びでブルマに近寄るなよと捨て台詞の様に言い捨てその場を去った・・・・

 

十の頃から見ていた女の子は、どんどんと大きくなり綺麗になり、意思のしっかりとした美しい女性へと変貌を遂げつつある・・・お兄ちゃんお兄ちゃんと言ってくれるあの声が、自分は・・・・だが、ブルマが自分を兄としてしか見ていないかもしれない・・・そうでなかった時も、自分は想いに応えてはやれない・・・

 

あの後ターレスが追いかけて来て、あのお嬢さんがあんたを好きだったらどうするんだと言われた時、頭が冷えたラディッツはきちんと答えている。

 

「お前はネズミから俺の事を聞いているなら、俺の体の毒の事を知っているだろう。」

 

大勢の政敵や身内から狙われ毒を盛られた事は自分だとて知っている。

なにせ即効性のもので二度血を吐いているからだ。

 

「俺の体内にはいまだに毒が残留している・・・・好いた相手に感染させるわけにはいかんだろう。」

「・・・・・あんた・・・それでいいのかよ?」

 

其の時何故かターレスは納得いかないと怒っているようだったが、答えを言わずにラディッツはふわりと笑ってその場を後にして、今度こそターレスから離れた

 

 

まるで其の時の庭に植わって満開に咲いていた桜が散るような、儚い笑みを浮かべて

 

 

悟天が生まれて季節がまた巡り、第一回超人大会が目前に迫る春の一日の一幕であった




皆様の応援を持ちまして、百話を超えて無事に折り返し地点に来ることが出来ました。

そして鳥山先生、素敵な作品を生んでくださりありがとうございました。

筆者が子供の頃に始まったドラゴンボールは、どのキャラクターも本当に魅力的で二次作品でこんな風に幸せになってほしいと思う人ばかりでした。

格闘色の強いドラゴンボールで、らしくない作品を書くような雑魚筆者ではありますが感謝の意を皆様と鳥山先生にさせて頂きたく思います。

本当にありがとうございます
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