セルと悟空が激突する度に、こんな激突を繰り返していたらいずれ天と地が裂けるのではないか
激突の場に留まっている誰もが感じた
セルと悟空は互いの拳や蹴りを完璧に防ぎ合いながらの連打戦を繰り出し、その度にセルの闘気と悟空の赤黒い闘気が天と地の間に散らばりながら激しい衝撃波を一つ一つ生み出している。
この余波ではいずれこの島が耐え切れなくなると、マークがもしもを考えて持ってきてくれた仙豆を少しだけ齧って気を回復させたラディッツがシールドを張っている。
人間、といおうか生物は自分の体を無意識に守る為に百パーセントの力を出せないことをお前達は知ってるか?
・・・・・・・・・・・・・・・
遡った一年前
マークが準優勝をして終えた天下一武道会が終わった後、来年はいよいよ第一回超人大会だと世間の期待が高まる中で、悟空とクリリンはレズンとラカセイから身体能力の限界というのをレクチャーされていた。
二人がどれ程修行しても全く兄に追いつける気がせずに焦りばかりが先行していた頃、先の約束もどきで組手の相手をする事になったターレスにその事を見抜かれた。
「あのな、世辞でもなんでもなくラディ坊ちゃんよりもお前達の方が戦闘力は上なんだぞ?」
スカウターで測れば悟空・・・・何をして五万台までいった?
え?レズンとラカセイとあのお嬢様が作った重力五十倍部屋の中で色んな修行してたら上がった?
クリリンは・・・それに付き合って二万あれば地球人としては破格じゃね?
まぁジュニアが七~八万行ってるのは瞑想を精神と時の部屋ってやつでやっているからだろう。
このままいければ・・・・まぁ間に合うだろう・・・色々と・・・
しかし二人がどうしたって納得しない、だってそう思って兄に挑んでも全部シールドで防御されるかいなされるか!避けられるか!!背後とられる!!!
これでは兄よりも強くなったという実感が全くわかないのは無理からぬことかもしれないのだが
「あのな、ラディ坊ちゃんのあの変則的な戦い方は、外部から気を供給できるっていう強みからあんな戦い方が出来るんだろうよ。」
それを抜いたらあいつは戦士としては三流だぞというターレスの言葉に、それはそうだが現状地球にいる限り兄の事を抜けないのではないかという悟空の言葉に、なら圧倒的なパワーでシールドぶち破れるようにすればいいんじゃねえのかという、超脳筋な答えを出したターレス
「そんな訳で、カカロット達の筋力を上げる方法サクッとないか?」
・・・・んな方法あったらとっくに自分達の軍団の強化かプログラム作りをして知的財産として大金で売っているよと、思ったレズンとラカセイは悪くないと思う
基本軍団の財政はこの二人の発明品で稼いでダイーズが金庫番をしている。
その稼ぎ頭達は、毎度毎度自分達を振り回すリーダー様に、リスクのあるものでもいいならありますよと、早速悟空とクリリンにレクチャーした。
生命体は百%の力を使えば通常の肉体が損なわれてしまう。
「サイヤ人ないし全身の筋力を鍛え上げて気の運行をきちんとできるのであれば、或いは力を抑制しているリミットを外せるかもしれな」
それは何も武道家だけではなく、運動選手だとてアドレナリンを出した状況であれば極限の力を出せると言うのもあるくらいで、やろうと思えばやれるのである。
ただし、それは瞬間的ないし短時間で肉体が耐えられるだろう程であろうし、己の肉体が耐えられなければ破損する事もある大変リスクの高い方法である。
それでもやってみるかというレズンとラカセイの言葉に、悟空は躊躇いも無くやると言い、自分はまだそこまで肉体が出来上がっていないから技の練度とバリエーションで勝負してみると言うクリリンで別れた。
それは種族的な差も戦闘に適した身体構造や才能の差という事もあるので、悟空は兄弟が別の道を行くと言っても馬鹿になどせずに、互いでそれぞれの道で強くなって兄を超えようと励まし合ったのが一年前
二人で強く成る道は別々に見えても先は一緒、あの兄を超える事
何なら併せ技でも使ってでもいいのだから
力の悟空と技のクリリンと、きっと未だに特撮を覚えているラディッツが知ったらそう評する二人なのだから
だから・・・・
人体を守る為のリミットを外す負荷に、まだ体が出来上がったとはいいがたい悟空の体が激突の中で傾いた時、勝機と悟空の腹目掛けて繰り出された手刀はラディッツのシールド展開が間に合わずとも、セルの右腕は肘から下が切り取られ、迫っていた兄弟の気を感じていた悟空は躊躇いも無くセルに突っ込み顔面を蹴って地面に叩きつけ
「よぉクリリン、遅かったじゃねえかよ。」
何食わぬ顔をして隣に来たクリリンを見ずに話しかけ
「いいタイミングだって褒めてくれていいんだぞ悟空。」
ニヤッとするクリリンはジュニアはどうしたと悟空に聞き、騒ぎで爺ちゃんの体調が心配だから行ってもらったと聞いて納得をした。
クリリンとしても、最早自分の祖父でありお爺さんと慕っている孫悟飯の安全は確保しておきたい。
じきにヤムチャさん達もお爺さんの安全を確かめたジュニアもやってくる。
見れば悟雲兄さんもマークに少しずつ仙豆を貰いながら回復しつつある。
自家中毒を避ける為にも兄が一度に仙豆を摂取するのは危険なので、少しずつの回復が望ましい。
制空権を渡さない為に二人は空中にとどまりセルの様子を見れば、腕の斬られた箇所を然程気にした様子が見当たらない。
「・・・・おめぇ痛覚ってもんがねぇのか?」
通常、戦闘中で興奮していてもあれは痛みを覚える範囲なのダメージだろうと悟空とクリリンは見て取り
「・・・・作られた生命体だから痛覚を抜かされでもしたのか?」
「自然の摂理に反した奴だ。」
「さっさと土に戻してやろうぜ。」
戻って来たジュニアと天津飯が人工的に生み出されたセルに対する嫌悪感を示し、ヤムチャが強気な発言をする。
悟雲師兄もおり、頼もしい仲間がいればこのまま全員で一気に畳みかけようという鼓舞も入っているが・・・・ヤムチャの発言を聞いたセルは嗤い始め
「腕が無くなって痛くないのはな・・・・」
はぁああ!!!
笑いだして何事だと全員が最大限の警戒をして構えた時、セルが気を高め攻撃が来ると悟空達も来を解放し全員の前面にシールドを展開したラディッツの対応を嘲笑うように
ズバァという音共にセルの斬られた腕が生えた
「ふっふ・・・どうせ気の感知で分かってしまうだろうが私としても少し消耗してしまうが、この通り再生できるので痛覚がないのではないのかと思っているのだよ。」
これはサイヤ人たる父君の能力ですかなというセルの言葉に、ラディッツ以外の全員が戦闘民族サイヤ人できちんと自分の種族の事を知っているラディッツをガン見した!!
そして・・・
「・・・・兄ちゃん・・・」
「な・・・なんだカカロット・・・」
「・・・おら達も頑張ればあれ出来るんか?」
・・・・・・
「あんなとんでもない事出来るか!!!!!!!」
セルという敵と弟のとんでもない発言に、叫んだラディッツは絶対に悪くないと思う