俺ラディッツは弟を絶対に守り抜く   作:ドゥナシオン

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足掻いた先には勝機がある筈

セルの腕が再生してから、ラディッツ達の方が苦境に立たされた。

 

再生出来るのをいい事に、セルは己の身体のダメージを無視した戦い方に切り替えてきた。

 

クリリンの光輪の乱舞の中をものともせずに突っ切り、テレキネシスで自分の筋力を止めようとしている餃子と、庇いにきた天津飯にかめはめ波をゼロ距離で浴びせて吹き飛ばし、激昂して新狼牙風風拳を仕掛けてきたヤムチャの目の前で吹き飛んだ足を再生しつつそのまま顔面を蹴り飛ばした。

 

どちらもダメージが最小限になる様にラディッツのシールドが展開されたが三人のダメージは深刻であった。

 

餃子と天津飯は焼かれる事はなかったが、防げなかった衝撃に全身殴打の様になり、ヤムチャの方も衝撃で脳を揺らされ気絶した。

 

だが、セルはとどめを刺す事無くひたすらにラディッツに近づこうと走り出し或いは飛んで迫ろうとしたが、弟達と息子がそんな暴挙を許すはずもなかった!

 

三人はアイコンタクトも気による合図も無しに三方向から同じタイミングでセルに迫った。

 

ジュニアの爆裂閃光弾の援護を受けたクリリンの光輪は今一度左腕を斬り落とし、ジュニアは第二弾の技、どどん波に回転をつけ貫通力を高め更に一本の指から繰り出す技を二本の指にする事で放出出来る気の量を上げ新技・鶴渦波(かくかは)を放ち、悟空はリミット外しの二倍でクリリンと共に合わせかめはめ波を空中でセルに向けて放った!

 

鶴渦波はセルの頭部を貫通した

 

勝ったと、誰もが思ったその時!セルの顔に赤黒い気を纏った合わせかめはめ波がセルの顔面に当たった時、信じられない事が起きた!!

 

合わせかめはめ波をセルが吸収したのだ!!それも口から食べる様に!!!

 

気を完全吸収したセルは、直ぐ様頭部再生に回し、こきりと首の関節を鳴らしながら頭を左右に振ってみせた。

 

あまりのとんでもなさに悟空達は呆然と仕掛けたが、ラディッツに近寄ろうとしたセルの行動に意識に喝を入れながら肉弾戦を挑んだ。

 

再生させずにダメージを負わせて一気に畳み掛ける作戦へと切り替えたのだ。

 

悟空達の猛攻は凄まじく、流石のセルも辟易とした表情を覗かせだがそれは一瞬のこと。

 

何かを思いついた様に腕と足でセルは三人の攻撃を受け止め、嫌な笑い方をした。

 

その笑い方と急激に膨れ上がる気に、いち早く気がついたラディッツは飛んで三人の下に行き、弟達と息子を蹴りながら残りの気全てでシールドを・・・張ろうとしたが

 

「ようやく私の下に来てくれましたか父君〜。」

「が!!・・・釣り餌か・・・」

 

セルは気を急激に膨れ上がらせる事で大爆発を起こす構えを見せ、これまでのシールドの強度でも弟弟子達を守りきれず、今度こそはと至近距離のありったけを注ぐだろうと、張ったセルの罠にラディッツはまんまと掛かってしまったのだ!

 

「親父!!」

「兄ちゃん!!」

「兄さん!!!」

 

白い袍の襟首を掴まれ、ジュニアと同じ背の高さを持つセルに持ち上げられたラディッツは、セルが自分を掴んでいる今が勝機とばかりにセルの腕に手を添え振動を送ろうとしたが・・・何も起きなかった!

 

「ふふ、可愛いな〜父君は。」

 

仙豆の事は知らずとも、先程悟空達を守るためにシールドを張ろうとした時に全ての気を使い切ったのをもうお忘れかと嘲笑われる。

 

技が不発になろうとも、外に出された気は自分のプレゼントした腕輪で供給出来なくなったのも忘れるとは、父君は意外と抜けておられるのかと、嬉しそうに!!

 

「これでお仕舞い、中々楽しめたぞ父君。」

 

セルの左手の掌がラディッツの心臓部分の上にひたりと置かれ、淡い光を放ち始める。

 

ただの気功弾であっても、自前の気を全て使い切ってしまったラディッツには防ぐ術はなく、ラディッツを助けようにもセルはラディッツを盾にする様に悟空達の方に向けている。

 

ジュニアも新技に膨大なエネルギーを乗せてしまい、クリリンも光輪の連発とそして悟空はリミット外しのツケが体全体を支配した!

 

戦士達が動けない中、ラディッツは必死に丹田から気を放出しようとするが

 

「なるほど、これが父君の気の味か。」

 

先程の痺れる様な味とは違い甘いのだなと、セルの腕を掴んだ指先にセルの唇が押し当てられ気を吸われていく!!

 

気が・・・吸われていく

 

なけなしの気まで吸われ、ラディッツの意識は朦朧とし始める。

 

嫌だ、弟達を息子達を守れずに死んでいくなんて・・

 

自分が死んだとて、セルが弟達を見逃す保証なぞどこにも無い!

せめて諸共に死ねる様にしたいがその為の気を奪われてしまってはなす術が・、あ!・・、しかし、だが!!一か八かだ!!!

 

「う・・・がああああ!」

「は、やはりか、」

 

それは一瞬の事であり、周りと苦しんでいるセル本人は何をされたのか分からない。

 

セルが悲鳴を上げラディッツを取り落としたのだ。

 

とどめを刺されかけたラディッツは、必死に外に放出して待機させていたわずかな気を、セルの尻尾、それも付け根部分にシールドを張るように尻尾を引きちぎらんばかりに凝縮させたのだ。

 

掴まれるだけならば鍛錬されていない者は力が入らなくなるが、こと付け根部分をダメージを喰らえばサイヤ人は肉体に負うダメージよりも痛みが奔る、謂わばここはサイヤ人の急所の一つ!

 

付け根の方には神経と血管がより太く通っており、筋肉に守られている全身よりも粒子状の気は通りやすく、神経と血管を直接ズタズタにしたのだ。

そしてなによりも、尻尾はサイヤ人が大猿化する為の重要器官

 

セルのベースがサイヤ人の自分であるのならば、重要器官を守る為に体は危険信号を発して痛みを出すのではないかと推察したが、当たったようだ

 

取り落とされたラディッツはすぐに弟達を抱えてセルから距離を取ったその時、上空から凄まじい気配が飛んできて、すぐに誰かわかった。

 

サイヤ人の急所までもを受け継いだことを知らずにのたうつセルを蔑む様に睨んでいるのは

 

 

「ターレス・・・爺様は?」

「ダイーズ達に守らせてる。」

 

地球一殺意の高いターレスのお出ましであった

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