地球 荒野にて
「だりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!!!!」
「闇雲に気功弾を撃っても俺には当たらんぞクリリン!!」
「へ!そいつはどうかなっと!!」
一見無軌道にばら撒かれたように見えた気功弾の半分が、ジュニアの背後から迫り察知したジュニアが避ける先に、読んでいたクリリンの光輪がいくつも飛来しそして・・・止まった
「・・・見事だ・・・」
「へへ!俺は力の方はからっきしだからな。」
肉弾戦される前にアウトレンジ作戦とらないと負けちまうからなとからりと笑うクリリンに、俺の負けだとジュニアもからりと笑って一旦休憩をとる。
ンッグンッグ!!!
「プハ~!!!・・・修行の後の水って美味いな~。」
「しかも親父お手製の仙桃を水にしたものだがら格別だな。」
岩山を背もたれにして汗を存分にかいた二人は、ラディッツ特性仙桃水があんまりにも美味しいので一気に飲んでしまい、図らずも同じタイミングで水筒を逆さに振ってしまい、互いを見遣って笑ってしまった。
3月になって気候も温かくなり、修行日和で二人は仕事も休みの日なので久しぶりに手合わせをして五度戦い、ジュニア三勝・クリリンが二勝で休憩になった。
クリリンの二勝の内、二度目のはトラップが上手くいったが一度目は・・・・
「なぁジュニア・・・」
「どうしたクリリン?」
「お前なにか悩んでんだろう?」
それもかなり飛び切りの、悟雲兄さんには言えないような特大級の悩みをと、不意にド直球で聞かれたジュニアは、普段なら気が良く人のデリケートな部分に絶対に土足で入るような真似をしないクリリンの真剣な声音と表情で聞かれた事で、誤魔化す事もはぐらかす事も出来ずにポカンとしてしまった。
・・・確かに自分は近頃悩んではいるが・・・
「何故そう思った?」
それこそ四六時中共にいる父だって・・・・もしかしたら気が付いていてもそっとしておいてくれている可能性の方が高くなって気がしたが、今は其れは置いておいて
「さっき俺の事を捕まえようとして逃げた俺を咄嗟に捕まえようとした時に腕が伸びただろう?」
其の時、ジュニアもまさかこんなことが出来るのかと自分のことながら驚き、その隙をつかせてもらったクリリンではあるが、其の時のジュニアの驚いた顔に覚えがあり、そしてその後に自分の掌をじっと見つめていた事も覚えている
それはセルの体が切られても気功弾の貫通を受けても再生したあの体の秘密を知った時の事であった
あいつの肉体の再生能力はどうやら俺らしい
そう言った時の、ジュニアの顔は・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
肉体の再生なぞという魔法の様な不可思議な事はサイヤ人ではありえない
セルとソラを保護して大分落ち着いたある日、夕食をとってのんびりしている時にあの時の再生能力は誰に由来するものかと悟空が知りたがり、ラディッツが否定した事で謎が深まりかけた
サイヤ人ではない、では三つ目を持つ天津飯に備わっているのかと問えばあんなまねできんと断言され、餃子も聞かれる前に首を横に振り・・・あらゆる意味で人間やめている桃白白も・・・一応純粋地球人枠であるからして、消去法でいけばと悟空達はまさかとジュニアを見れば、ジュニアは何かを探すように瞳を彷徨させていた。
ジュニアは普段なら自分の強さを磨く事に余念はなく、周囲から様々な知識を得ようと貪欲ではあるが、己に受け継がれたはずの神と大魔王の記憶をたどった事は一度として無かった。
それは生きる為に必要な事は探さなくとも識っている事であり、日常場面において二つの偉大な記憶は必要が無かったからだが・・・自分の受け継いだ記憶を検索した結果
「・・・俺の力だ・・・・」
俺・・・というよりもこの肉体の力だと、ジュニア自身が驚いた
地球人のみならず、戦闘民族とまでいう戦闘特化の人種であるサイヤ人をしても出来ないような肉体再生に、ジュニアは本気で驚いたのだ
神の記憶にも大魔王の記憶にも自分達と同じ事が出来た者がいない事も知った・・・ならば自分達は一体なんなのだと・・・
緑色の肌に尖った耳・・・まるで宇宙から来た異星人のようで、己の出自というルーツが酷く気になり始めた瞬間であった。
卵から出た時点で、否、卵から出る前から己を抱きしめていた甘えん坊の父を終生守ってやろうと決意して生まれた自分であるが、近頃-家族-といおうか・・・同種族というものにジュニアは心をかき乱されるようになった・・・きっかけは悟白が生まれてからであった
・・・・・・・・・・・・・・
「本当に悟白はセルの髪を短くしただけのような感じだな~。髪が生まれた瞬間から生えてるのもサイヤ人らしいな。」
「めんけえ尻尾も悟天ちゃんと一緒だな!サイヤ人の赤ちゃんだって一目でわかるべ!!」
「・・・・母乳を四六時中欲しがるのもそうなのか?」
「・・・・・はっはっは・・・おら達の食欲半端ねえから・・・・なんかそこはご免って言った方が良いか?」
「サイヤ人ってのはよく食べるからな~。」
皆が新しく生まれた生命に夢中になった、無論ジュニアも其の内の一人なのは間違いない。
無尽蔵ともいえる体力で泣く悟白を、悟天で慣れている悟空夫妻とジュニア達がサポートしてあげもしている。
そんな周りにソラも穏やかに笑って感謝をし、近くによると撥ねつけられるので少し離れた場所からそっと見るセルというのが最近の定番化しつつある。
今は大祖父祖父の腕の中がお気に入りなのか、悟白は悟飯の腕の中であれば無条件で眠って可愛らしい事この上ないが、誰もが悟白のサイヤ人らしさを口にしてその通りだと話が盛り上がるのを聞くにつれ、ジュニアの中で自分は一体何なのであろいうと言う、今まで発生したことの無い疑問が生じ始めた。
それはきっと、自分の出自が分からない仲間と言っていいのかどうかわからないが、三つ目の天津飯に同郷の者が現れたとも起因しているのかもしれない。
セルが保護されて三か月後に、鶴仙流の本部に天津飯を尋ねてきた者達がいた。
男女二人連れで、女性の方はショートヘアーの髪に幾らか白髪が混じっており、連れ立ってきた男は白髪であったが、二人共に天津飯と同じく三つ目であり、訪ねてこられた天津飯達を大いに驚かせた。
立ち話も何じゃからと外の騒ぎを聞きつけてやってきてくれた鶴仙人の鶴の一声で二人を本部内の応接室に招き入れ、天津飯と自分の二人だけで訪ねてきた二人の応対をした。
本当ならばラディッツがいてくれれば心強かったのだが、生憎とサイヤンℱの仕事の方で不在であるので仕方がない。
どう切り出したか鶴仙人が悩む中、白髪の男性の方が自分達の自己紹介と、天津飯を訪ねてきた事とその経緯をポツポツと話してくれた。
自分達は宇宙から飛来した三つ目族という者達の末裔であり、今は大陸の南のジャングルの中に里を築いて暮らしている種族であり、自分は其の一族の長をしているという。
ここに来たのは女性は天津飯の母親の姉であり、外の一族の者と駆け落ちしていた妹をずっと探していたのだと言う・・・
「・・・・駆け落ちした母は俺を生んで亡くなったのか、父親共々俺を捨てたのかははっきりとわかりませんでしたが・・・・兎も角俺にいきなり親類が出来ました・・」
「そうか・・・良かったなと、言うべきか?」
己の出生の秘話にもなる事を知った天津飯は即日ラディッツの家に飛んで一切を話してくれた。
無論悟飯宅なので孫家全員いる中であるが、天津飯にとってもう全員身内なので構わんである。
三つ目族だからと言って他の種族との婚姻は認められんという事は無かったが、母が愛してしまったのが既婚者であり、相手も妻と別れられない理由があって・・・その果てに駆け落ちをしてしたようで・・・
「五年は外も探したのだが二人が見つからずに、もう無理だろうと諦めていたのだよ。」
郷は閉鎖的ではないが文明の機器とは縁のない郷ではあったが、そろそろテレビや通信機器やらを取り入れて外の世界に置いて行かれないようにしたところ、超人大会で決勝に進んだ天津飯を見つけることが出来たのだ。
「俺が其の時に駆け落ちしたという夫妻の子共かどうかはわかりませんが、同胞である俺の事を訪ねて来てくれたそうです。」
そして母かも知れない人の姉という人が、自分を見て確信したらしい。
三つ目族にはいくつかの特徴があるらしい
一つは己の近しい身内は会えばそうだと分かるようで・・・確かに自分も女性を目にした時、何か言葉に表せないような温かい感情が胸を突いたが、どうやらそれのようで、是非時間がある時に郷に来てほしいと言われた。
そして三つ目族の子供は、地球の人と交わっても必ず三つ目族の子が生まれるとの事であり
「もしも産む方が地球の女性の場合はお産が重いらしいのです。」
どうしてか分らないが難産になる傾向があり、その為の薬が郷には常備されているという・・・
「・・・・俺は近々ランチさんに結婚を申し込む予定でしたが、その前に知れてよかったです。」
何も知らずに結婚をして、知らず難産の果てにランチを喪っていたらと思うとぞっとする・・・郷に行けば、少なくともその危機を回避できる薬と知識があると言う・・
「その前に知れて本当に良かったな・・・」
弟弟子の家族が見つかった事、ランチと結婚が近い事、そのランチが危機に陥る前に知れた事をラディッツ達は自分達の様に喜んだが、ジュニアは羨みもした。
種族を知れて同族たる家族が増えて・・・・そんな中、悟白の事もあって・・・
ジュニアも知識があり背丈も大人並だが、まだ本人は生まれて間もない八歳児であり精神的な成長がきちんと果たされているとはいい難い面もあるのだが、本人も周りも其の事をすっかりと忘れていた。
まだまだ迷える多感な時期であるんだなと、クリリンは何も言えないが黙ってジュニアの側によって無言で身を寄せた
俺はお前の家族だぞと、無言で示してくれるクリリンにジュニアの心は少しだけ軽くなった。
親父だとて異星人だが、地球人も魔族もお構いなしに受け入れて、挙句が人造人間という物凄いものを養子にしているとんでもない父親で・・・・自分が何であってもきっとあの人もお前は俺の息子だと叫ぶように言ってくれるのだなと思うとおかしくなりながら、自分の腕に靠れかかるクリリンの頭の上に己の頭を置いて、年相応というもので甘えた
自分が何であってもいいではないかと感情の整理がついた其の二ヶ月後、宇宙からの救難者を一度は受け入れる事になって、サイヤンℱの警備員隊として自分と父が中の都の軍人達と共に出迎える事になった。
遠くからは一応一般人になっている悟空と、天津飯達が当然スタンバっている
救難信号が発せられた宇宙船の速度から、二日後に地球の大陸の中心の荒野に降り立つ事が算出され、防衛網が素早く構築された。
敵対意思のないものであれば良いが、ラディッツの危惧していた侵略者達であれば大惨事を想定し、天津飯達以外の鶴仙流の高弟達とサイヤンℱの警備員達は都の外を守るように展開し、市民にも不要な外出は避ける様に、何事が起きないと確信されるまでテレビを消さずに注視していてほしい旨が呼びかけられた。
そして一度何事かが起きた時は建物を出て地下や指定された避難場所に逃げて欲しい事も
そして全世界が固唾を呑んで救難信号を出してきた宇宙船が地球に辿り着いた時、鈍色の厚い雲が空を覆っていた日であった。
ラディッツは初手から地球と繋がりを持っていつでもマックスでいける状態にし、ジュニアも普段のスーツ姿から黒の道着で待ち受けている中、小型宇宙船は降りてきた。
軍の銃もいつでも撃てる状態にした時、着陸した宇宙船から大柄な男達が降りて来て頭を下げてきた。
どうやら敵対しないという意思の表れのようで、ジェネラルは銃は撃てる状態はそのままでも一旦地面に向ける様に合図をした後、一歩前に出て同じように頭を下げた事で、男も少しだけ警戒を解いたのか中にいる残っている者を迎えに行きそして・・・
「ほほぅ・・・太陽が隠れているのならばこれは不要じゃな・・・」
「あ・・・・」
「・・・・貴方は・・」
「なんと!!儂の同胞がこの地におったか!!」
最後におりてきた者は、神様とピッコロ大魔王とそして・・・ジュニアと同じ緑色の肌に尖った耳をし、額から触角が生えていた!!
皺が深く神様と同じ年代の様な者はジュニアを見て驚いたが、ジュニアの方が驚いた!!