スラッグ達の目論見が暴かれて十数分後の山村
「悟空さ達と兄様・・・大丈夫だべかな?」
「クリリンさんも急遽仕事を休んで応援に行かれましたが・・・」
「お兄ちゃんがいるから大丈夫だと思うんだけどね・・・セルはどう思う?」
「ん?・・・父君がいれば滅多な事にならないと言ってあげたい所だが・・・こと宇宙からの飛来者となると私の予想半中外なので何とも言えんな。」
「・・・・役立たず・・」
「はっはっは!我が嫁殿は相も変わらずに手厳しい。
だが、確かに・・・・む?・・・・ブルマ、暖房器具をオンにして、父達は出来れば冬に着るものを引っ張り出してきた方がいい。」
宇宙からの飛来者のニュースを見たブルマは、十中八九悟空達も駆り出され、そのお嫁さんで自分の妹のチチとモンブランが不安がっているかもしれない事を予想し、両親に許可を得て山村に駆け付け、セルも入れて四方山話をして少ししたら寝ようとなった時、セルが訝しげにしてすぐに鋭い顔つきになって暖房器具と冬支度をするように言って来た。
今はもう五月だと言うのに・・・だがセルの真剣な表情に、ブルマ達も何かを感じて言われた通りの支度をする為に動き始め、見届けたセルは寝室で一足先にわが子と寝ている大祖父・悟飯の下に向かい、眠っている二人の側に椅子を持ってきて陣取った。
山村は中の都かもしかしたら王宮並の警備が敷かれている。
それこそサイヤンℱの警備員・鶴仙流の高弟達とそして最新鋭の警備ロボット達で固められていて地球上でラディッツ達の側の次くらいにに安全地帯とも言えるが、先程一瞬で父達の居る方角からどす黒い気を感じたと同時に、寒さを感じた・・・まるで悟白が生まれたあの日の様に・・・
自分の勘なぞはずれて欲しいが、もしもそうでなければ地球全体に異常が起こっている・・・・突如冬が帰ってくるほどの
その同時刻の神殿では、地球の神が唖然としていた・・・・
「・・・神様・・・」
「ポポ・・・・・」
己の同族が地球に飛来しただけども驚き、そして図らずも知れた己のルーツ・・・
スラッグの言った事が本当であるのならば、自分は天変地異に見舞われたナメック星というところから逃がしてもらった事になる。
そう言えば、ユンザビットの地に置いてきたあの物体も家というよりはスラッグ達の乗って来た宇宙船の方が近く感じられてきた神は、その同族が悪だと知って打ちのめされた・・・もしかしたらナメック星人とは元来があのように悪であり、記憶を失った自分がピッコロ大魔王を生んだのはその為かと酷い誤解をして・・・だが、そんな誤解に呆然としている時間は神には許されはしなかった・・・
何故なら
「神様!!!!」
「ッ!!・・・・どうした悟雲?」
「今、下界をご覧になっていますか?」
「見ておる、スラッグという私の同胞が悪であったと・・・」
「申し訳ありませんが世界の全てを見てください!冬が戻ろうとしているのです!!それもスラッグ一味のせいで!!」
「・・・・なんじゃと!!???」
思考の沼にはまりかけた時、ラディッツからの緊急念話で断ち切られた。
セルが感じたようにラディッツも世界に冬が戻ろうとしている気配を感じ取り、急いで神に世界中を確認してほしいと打診し、個人ごとで呆けかけた神が慌てて下界で急激に寒さが訪れてしまったところを見れば!ラディッツ達の下にいるメダマッチャという輩が、人の居ない場所を選んで世界中に展開して何かの装置が暗雲を生み出し、外からの熱量を無くさせ世界を冷やしているではないか!!!
その事をラディッツに報告すれば、ラディッツの怒りが思念であっても伝わるほど凄まじい業火となされた
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
少し遡ったラディッツ達が、スラッグとその一味の本性を暴いてさぁ侵略者退治だと構えた時、ラディッツは地球の異変を感じた!
ありえないが・・・地球の表面温度が急激に下がっている!!
今は人の居ない山奥や高原地帯やユンザビットのあのあたりであるが、何も手をうたなければ一時間以内に人里まで寒さが伝わり、下手をすれば雪が降って人々が恐慌をきたす可能性がある!
人々に注意を促す為にスラッグ達の事を速報で伝え、長引かせて日常生活に影響を出さない為に警戒態勢から要注意に警戒度を下げたが、冬が戻った現象は直ぐにスラッグ達の仕業だと予想でき、パニックが起きかけない!
「お前達!地球に何をした!!!」
「ほう?貴様、何かを感じ取ったか・・・」
スラッグ達の先制攻撃でカプセルハウスは吹き飛ばされ、戦闘開始の合図となりかけたのをラディッツの言葉に全員が動きを止め、スラッグなどは目を細めて嗤っている。
何をしたのかなぞ素直に話す奴がいるかと揶揄おうとしたが、ここでも情報戦はラディッツに軍配が上がった!
「そこにいるメダマッチャが何故世界各地にいて!何かの装置で厚い雲を生み出し地球全土に展開させている目的はなんだ!!!」
ネタは上がっているが答えだけが無い状態に、スラッグはこいつは一体何なのだと改めてラディッツを注視した。
尻尾があるのは珍しいが、他の者達に比べれば圧倒的に弱い気しか感じられないが得体のしれない何かを感じる
「ふっふ、我等は暗黒世界の方が暮らしやすくこの地球とやらを手始めに暗黒世界にしてから、我等の宇宙クルーザーに改造してやるのよ。」
「おめえ等!!親切で助けようとしたこの星に何てことしやがる!!!」
「最早許さんぞ貴様等!!!」
その為の下拵えをしているという言葉に、自分達の星に対しての非道に悟空達がブチギレ、一触即発状態にしたが、スラッグは静かにしているラディッツから目を離さない。
・・・・こいつを引き離すべきだと情報を与えたのだが果たして・・・
「・・・ジュニア、カカロット、この場を任せて良いか?」
「兄ちゃん?」
「世界各地を見るには神様でも無理だ・・・・俺も探し出して指示を出して消してくる。」
だが目の前のメダマッチャという奴が大勢いて世界各地に展開しているのか、また装置はどこから来たのか・・・少し考えているラディッツに、時間稼ぎの意味と、お前も嵌められたのだと嘲笑う為にスラッグは種明かしをした。
あの救難信号は生命体を見つける為のピンガーとしてだけではなく、受け取った相手に自分達しかいないように見せかける為のものでもあった。
謎の軍団(フリーザ軍)から命からがら逃げてきたのは本当だが、自分達のお抱え技術者たちは其れよりも一足先に太陽系の近くに逃がして潜ませ待機させ、自分達が地表に降りて一時間後に念の為にレーダーと目視用のステルスをかけさ山奥に潜ませた。
「孫悟雲と言ったな、お前が儂達を欺いたように、儂もお前達を欺かさせてもらったのだよ。」
メダマッチャに食べ過ぎたからと手洗いに立たせた時、メダマッチャの能力の分身を作らせ通風孔から地面に潜らせ脱出をさせ、今いる場所から念を入れて五十キロ先でメダマッチャの分身から更に分身を作らせながら潜ませていた配下の場所まで行かせ、小型化させた装置を世界各地に持っていかせて展開場所で元のサイズに戻させ地球を暗雲で覆わせたのだ。
「くっく、このままいけば夜明けが来たとしても生命は凍死しようのぅ~。」
儂等は其れでも一向にかまわず寧ろ好都合だがそちらはどうするという言葉に、悟空が震える拳を握りしめ、撃って出ようとしたのをラディッツが即座に弟を包み込んで止めた!
「にい・・・ちゃん?」
敵の前で何してんだと、怒りを霧散させる程に悟空は驚いたが
「安い挑発に乗るなカカロット、お前達も怒りに囚われては勝てるものも勝てんぞ。」
・・・・考えてみれば、本当に強大な敵は自分しか相手にした事は無く、自分が此処を離れれば弟達は初めての初陣かもしれない・・・心配だが、それで地球の寒冷化を進ませてしまう訳にはいかない!
「すまないが餃子は俺と一緒に来てくれ!残りはクリリンと悟空・ヤムチャと天津飯・・・師兄はあのメダマッチャ本体とこの場を頼めますか?」
いつの間にかふわりと飛来した自分の兄弟子に、ラディッツはメダマッチャと弟達を託す。
近頃重力室の装置を十倍から二十倍でも軽々と動けるようになった・・・・地球人辞めていそうな頼もしい兄弟子に頼んでみれば
「ふむ・・・毒は使わんでもなんとかなりそうだが、お前はどうする?」
「装置破壊をターレス達にも頼んだので俺も直ぐに行ってきます。」
装置を壊すのに専念したいので、メダマッチャの分身を餃子のテレキネシスで止めてもらった瞬間に風切羽で仕留めるがそこまでは言わず、後を頼みますと餃子を抱えて消える様に飛んで行った。
スラッグの思惑通り戦力は分断された
もしも装置の事がなければ今回はターレス達も戦力にして早々に幕引きをしようと算段したラディッツの計画は破られ、時間との勝負になってしまった。
・・・・セルの時と同じ、罠を仕掛けられて後手に回り、あの時は上手くいったが今回もという保証はどこにもない!!・・・・死なないで持ち堪えてくれよ・・・
祈るように飛ぶラディッツの目の前に、北の山脈から黒い雲が発生しているのを発見しメダマッチャを見つけた。
十数名になっていたメダマッチャの他に隠れ潜んでいないかと、地球と繋がったラディッツが地表をさらってそれが全部だと判明した瞬間、餃子の頭に手を置いた。
止めろと言う合図であり、餃子は瞬時に十数のメダマッチャの筋力を止め、動けなくなったメダマッチャは数多の気の粒子に引き裂かれ絶命し、装置ごと技術者も同時に塵になるまで粒子を浴びせられ、メダマッチャ達と技術者がいた痕跡は、地面の血だまりだけとなった
「・・・悟雲兄様・・・」
「餃子、俺はここで地球全土を調べてターレス達に情報を流す。」
「分かりました!僕が守るから安心してください!!!」
直ぐ次に行くかと思った兄様が、片膝をついて集中し始めたのでこの後の予定を聞いた餃子は元気よく受け取り、頼もしいなとラディッツに頭を撫でてもらってさらに張り切った。
悟雲兄様が地球と繋がったのであれば、あっという間に小細工など見つけられる・・
それまで天達が持ち堪えてくれると餃子は信じて
だが、ラディッツ達の想像以上に各地に展開された装置の数の多さを知り、時間との勝負にラディッツ達は焦る事になるのであった
「けっけっけっけ!いいぞいいぞ!!もっとこの星を冷やしちまえ!!」
地球の寒冷化が顕在化するまで後数十分・・・・間に合うだろうか・・・・