スラッグとの激闘の果てに、スラッグの同化を反対に抑え込みジュニアがスラッグを取り込んだ事で一件は落着された。
だがその代償の様に、ジュニアの父ラディッツが瀕死の状態となったが仙豆とサイヤ人の肉体を誰よりも日々研究している見習い医師のトニーのお陰で、十日の入院で住むことが出来た。
「兄ちゃん・・・・なんか食いてぇもんねえか?」
「悟雲兄さん、持ってきた本は全部読んだんだったらこちらをどうぞ。」
「親父、今月分の決算には目を通しておいたから休んでいてくれ。」
「馬鹿弟子が・・・・さっさと床上げできるようにせんかい・・」
「もう!鶴のおじいちゃんはもっと素直になればいいのに!・・・お兄ちゃん痛いところない?」
その十日間、ラディッツのお見舞客が引きも切らずに大混雑で、退院した時は病院側にほっとされたよ・・・複雑・・・・
それでも家に帰れたのは嬉しい。
病院は一応大事をとって、日頃から気の扱いに長けている鶴仙流の高弟達を診てくれている東の都の大病院に入院したせいで、距離が離れているから爺様達とは毎日テレビ電話で会話が出来たけど
「悟雲や・・・・本当に肝が潰れるかと思ったぞ・・」
「・・・私よりも早くあの世に逝こうとしないでいただこうか父君・・・・」
あ・・・うん・・・セル、その一言が滅茶苦茶重いから・・・・爺様にはボロボロと泣かれて心配かけてしまったやら、大事にされてるなって思うと嬉しいやらやっぱり複雑で、山村の皆も駆けつけてくれてその日は村を上げての俺の退院祝いのお祭りが急遽開かれてどんちゃん騒ぎ・・・花火まで上げられてびっくりだ・・・良い村だ、良いところだ地球は・・・
「・・・黄昏てるけどな、あんたが死んだら俺達本当に困るんだけどな・・」
「あ・・・はっはっははぁ・・・すまんターレス、ダイーズさん達も寒冷化装置壊してくれて助かった。」
お礼というか報酬どうすると言いかけたら、ダイーズさんに真面目な顔を向けられて
「ラディッツ補佐官殿・・・本当に、二度と!前線に出ないでいただきたい!!」
それがクラッシャーターレス軍団への報酬だと、クラッシャーターレス軍団の良心・ダイーズさんからの本気で説教付きでのお言葉であった。
ぶっちゃけダイーズ達も地球は気に入っているが!ラディッツの生命優先である!!
気に入ったものを守ったとて!ラディッツが死んでしまったら-ネズミ-は容赦なく自分達の事をフリーザに売るだろう!
もしかしたらラディッツの死因は自分達であるとか話を盛って!!
そんなやばい奴に目をつけられたのだから仕方がないと諦めているが!兎に角二度とラディッツの生命が脅かされる出来事なんて御免である!!
「次はどんな事があっての依頼であっても断る!!俺達はあんたの側にべったりと張り付くからそのつもりでいてもらうぞ!!」
報酬の高なぞ関係なくだとダイーズが言った時は、えぇ~それ勿体なくねぇって言ったリーダの頭を、クラッシャーターレス軍団の常識人・アモンドによってどつかれ大人しくなった・・・実はアモンド、宇宙刑務所に囚われていたような犯罪者であるが、世の常識に関して言えば至極真っ当で・・・倫理観だの常識だのを知って上でぶっ壊しにかかってくる奴だから質が悪い奴であるが、犯罪しなくとも戦闘出来て美味いものが飲み食いできる環境を邪魔する輩は、リーダー・ターレスにだって容赦はない。
そんなこんなで周りから心配されて嘆かれて忙しかったラディッツであったが、それはほんの序の口でしかなかった・・・・・それはソラの過去が原因であった
・・・・・・・・・・・・
スラッグとの融合というか・・・・半強制的な同化を経て自分達の種族と出身惑星と同族達の事を知れたジュニアは、病院で寝たきりで退屈なラディッツの為に四方山話のように語って聞かせた。
無論神にも聞いていろとお達しを出した上で、自分が知りえた事を全て・・・
自分達はナメック星人という宇宙人であり、ナメック星人は本来は穏やかで平和を愛する善なる種族であり、スラッグは例外中の例外であった事を知った時、一番喜んだのは神様かもしれない・・・・自分の種族が悪ではなかったのだと思うと嬉しく思う反面、自分は少し例外になりかけたのかと思うと複雑だが・・・それでも、心穏やかな種族なのだと知れてよかったと・・・
そんな神様の想いを知らずに、ナメック星の風景や暮らし方、最長老という方がいてその下に長老達がいて村々をそれぞれに統括している暮らし方などを聞きながら、ラディッツはトロトロと微睡む生活を数日送った。
起きているだけでも疲れ、少しずつの回復だがジュニアの知ったナメック星人やその星や生活を聞くのが楽しく、弟達やブルマも何くれとなくしようとしてくれているので退屈を覚える事無く過ごしたが、ナメック星人の能力なのか、竜族としての自分かあるいはスラッグの能力なのかはわからないが、どうも相手の過去を見ることが出来るようになったという。
・・・そんな能力が発生したとはと、聞いた一同びっくりである・・・
なんでもスラッグの過去を見たのを皮切りに、同化後に自分の能力は物体を出す以外は何が出来るかと、ラディッツ達が寝た後に瞑想しながら探ったところ見つかった能力らしい。
「それって・・・・ソラの記憶も見られるの?」
それは他愛ない一言であった
今でこそソラは我が子・悟白を育てている事で安定しているが、それ以前は自分の事すら知らない自分がと、とても不安定であった・・・もしもそれを知ることが出来るなら
そう思ったブルマは思い立ったらすぐの性格で、兄が退院して山村に戻って次の日にソラ自身に提案をしたのだ。
もしかしたらソラの記憶をジュニアが見ることが出来るかもしれないと
「・・・本当か・・・そんなことが出来るのか!!??」
悟白を寝かしつけていたソラの強い言葉に、微睡んでいた悟白が泣いてしまい頭に血が上ってしまったソラは泣き声に慌て、掴んでしまったブルマの肩からそっと手を放して悟白を抱いてあやしながら
「私は・・・・知りたいんだ・・・」
もしかしたら自分には家族がいて・・・ならば悟白をその家族に見せてあげたいんだと・・・・泣くソラにブルマも泣いて
「お兄ちゃん・・・・ジュニアのね・・・」
困った時の頼れるお兄ちゃんの下にソラを連れて行き、速攻ソラの事をお願いした!
「ソラ・・・・お前は知りたいのか?」
頼み込まれたラディッツは・・・物凄く困った・・・・何故ならソラが乗ってきたかもしれない宇宙ポッドはどう見てもフリーザ軍のものであったし・・・もしかしたらソラは脱走兵か討伐対象として狙われ命からがらに宇宙ポッドを奪取して逃げてきた可能性か高いからだ。
前者であったならばまだいい
自分は脱走兵ではないがフリーザ軍にいたみなので共感してやれるのだが・・・討伐対象だった場合、十中八九ソラと周りも対象であったら相当な目に遭った事は予想に難くないからだ
フリーザ軍の討伐は今までしくじったためしがない程徹底的にやられる・・・様々な事を・・・・
その過去を掘り返して・・・・ソラの家族が亡くなっていて自身もそんな目に遭っていた事を知った時・・・ソラの心はもつのだろうか?
折角、地球のこの場所に馴染んで居場所が出来て、悟白という血のつながった家族も出来たのだから過去はそっとしておいてもいいのではないのだろうかとラディッツは思うのだが、ソラ自身が知りたいと願っている。
自分の事を、家族がいたかもしれない事を・・・・そして何故自分が此処にいるのかを・・・
最後の言葉が、思案するラディッツの心に届いた
自分だとて何故この地球に来たのか・・・・現状に不満はない・・・・だって自分は幸せなのだから
ではだからと言って、家族と仲間達から離された事はどうでもいい訳では決してない!
ここに来ずとも、自分は・・・・自分と弟は家族の中で幼馴染達と共に成長しながら生きていく道を断わりもなく消されたのだから・・・・
何故・どうして・何の為にと知りたいのは自分も同じなのだから・・・
「分かった、ジュニアに聞いてみる。」
力強く頷いてくれたラディッツに、ブルマはラディッツに抱き着いて喜びソラもお父さんありがとうと涙を流したのを
「娘がこんなに望んでいる事を、駄目と言える父親はそうそういないぞ。」
ブルマを片手で抱き上げながら、ソラの頭を優しく撫でながら茶目っ気たっぷりに言うラディッツにソラははにかんで笑った。
それがパンドラの箱を開ける事だとは知らずに・・・・・