エイジ757 五月十日
スラッグ騒動から二ヶ月経ち、あれからラディッツの気持ちは少しばかりおちつた。
対策の大まかな方針がラディッツの中で固まった事と、目の前に迫っている脅威を案じるのは当然だがそれでも日常生活も家族もおろそかにしていいはずがないという思いで
そんな健気な兄に、悟空達はどうにかして元気になって欲しかった!
「なあ!悟天は今年で三歳になるだろう。」
「そうだけどさ、それがどうかしたのか悟空?」
兄を元気づける為の企画をしている筈の悟空とクリリンとジュニアの集まりで、突然我が子の年齢を言い始めた悟空に、それがどうしたお言うクリリンに悟空は二っと笑った
「モンブランが健康に育つためにっていう願掛けでナーリキンのおっちゃんが武道大会開いたみてえによ!おら達も賑やかなお祭り騒ぎの武道会開いてみねぇか!!??」
そんでマークやその周辺の武道家やそして・・・・
「・・・・・どうしてまた俺達が回しをつけてやんなきゃなんねえんだよ悟空!!!」
「はっはっはっは!似合うからいいじゃねえかよクリリン!!」
おらだって悟天だってこうして回しつけてるんだからいいじゃねえかよと大笑いしている悟空に、そういう問題かと・・・・なんだかんだと言いながらも兄弟である悟空の頼みごとを聞いてくれるクリリンっていい奴だな~。
それを見てラディッツは本気で腹を抱えて笑って転げまわってやがるけど・・・
「兄ちゃん!今年は悟天が七五三祝いするだろう!!??」
それを悟天の誕生日でやってやりたいんだと言う悟空の発案を、ラディッツは微笑んで賛同した。
「そうだな、もう悟天は三つになるのか・・」
「儂も悟天の七五三のお祝いをしてやりたいの~。」
寒さが堪えて少し風邪気味になっていた悟飯は、暖かい気候で持ち直したがまた七五三祝いの冬に寝付いてしまうかもしれない自分の身を思って、元気なうちに曾孫の祝いをきちんとしてやりたいと言う。
「じっちゃん!兄ちゃん!!皆でど派手な祭りしようぜ!!!」
そうして開催されたお祭りは
-山村武術大会をみんなでやろう!!!-
そんな横断幕が掛かった大会が開かれた
悟空達がアイディアを出して、大会の主催までの段取りはそういう事になれている鶴のじっちゃんに頼み込み、悟空の息子と馬鹿弟子と孫悟飯の為ならと鶴仙人と後ろで聞いていた弟子達が燃えに燃えて、マークにも声をかけた時
「私に任せろ悟空!」
絶対にお前の息子さんの記憶に残るいい大会にしようなと力強い了承を貰い
「そういう事ならば私達も喜んで参加させてもらおう。」
昔の誼で声をかけたドスコイさん達も二つ返事で受けてくれた。
古来相撲とは子孫繫栄・五穀豊穣等を占う神事であり、こういう祭りにはうってつけなのである。
また力の強い力士が幼子を抱けば無病息災になるというゲン担ぎもあるのだ。
それを聞いた悟空は悟天と兄を元気づけることが出来ると大喜びをしてチチに報告をした。
「そっか、同じ武道でも始まりは色々と違いがあるんだな~。」
「おらも相撲の始まりを聞いた時は奥の深ぇもんだなって感心したぞ。」
その日は悟天に回しをつけてドスコイさんに抱っこをしてもらって相撲の真似事をしてもいいかと悟空はチチに相談する。
「んだな!そのドスコイさんってお方の元気を分けてもらうんだからきちんとお頼みしねえといけねえな!!」
「んん・・・・そうしたらどう・・・あ!そうだ!!」
悟天に回しをつけて相撲の真似事をするからには、ドスコイさんにきちんとお礼をしなければいけないというチチの言葉に、お金でどうこうするのは嫌だな~と感じた悟空は-良い事考え付いた!!-と手を叩いた!!
それが即ち・・・
「俺と悟空が回しつけて相撲とるってなんだよ其れは!!??」
「相撲業界のPRだよ!!」
ヤムチャか兄ちゃんにビデオカメラを回してもらってPVを撮り、後日プロの人に依頼してドスコイさん達の普段の稽古やインタヴューも撮ってもらって編集してもらって相撲業界活性化の貢献をするのだと言う悟空の真っ直ぐないい笑顔に・・・負けてしまったのだから仕方がない・・・・
五月十日はいい天気で・・・雲一つないお空にパンパンと、お祭り開始合図の狼煙が上がった。
「ではただ今より!!孫悟空さんの息子さん、孫悟天君の七五三祝いの為の武道大会を開催させていただきます!!!」
いいぞお!!!
悟天ちゃんおめでとう!!!
悟空君!チチちゃん!!おめでとうね!!!
マークの伝手で、天下一武道会のプロ司会者まで引っ張ってくることが出来た祝いの大会は物凄く盛り上がった!
先ずは大会に先立ち本日の主役・悟天ちゃんは回しをつけて、同じく回しをつけている父に抱き上げられて舞台に上がって降ろされて四股を親子で踏み、塩を掌に乗せられたのを舞台に撒いた。
「いいぞ悟天山!!」
「カッコいいぞ悟空海!!!」
そこかしこで相撲の四股名で呼ばれた二人は二カリと笑って向き合い
「それでは!悟天君!悟空さん!!見合って見合って・・・」
プロ司会者が間に立って行事軍配を持って采配し
「はっけよいのこった!!!」
プロ司会者の合図で悟空が悟天にゆっくりと向かい、投げようとする振りをしたところ悟天も父に負けまいと悟空の腕をうんうんと頑張って押す姿に、見ていた村のじっちゃん・ばっちゃん・老いも若きも一同可愛いって正義だと、山村一同の心が一つになった時
「う~~ん・・・う〜ん!・・ええいい!!!」
悟天の気合が響いた時
「うわ!!!」
悟空が横に転がり
「参った!!!」
「勝者!悟天君!!!」
からりと笑って悟空は降参し、様々な意味での大歓声が広がった!
勝負がついた親子の下に、ドスコイが来て悟天を抱き上げ
「強い子だ!!きっとお父君に負けない天下一の子になろう!!!!」
悟天を祝福をしてくれ。
座布団が飛び交い、花びらや紙吹雪も舞う中での祝福に、ドスコイに高い高いをしてもらうのをキャラキャラと笑う悟天と嬉しそうにしている悟空を、ラディッツ達は目を細めて喜ぶ。
今日は本当に何と良き日なのであろうか・・・・
祝福が終わった後はドスコイさん達へのお礼とするクリリンと悟空が本気の相撲勝負をしての撮影し、その後にマーク達が声をかけた武道家達の大会が行われた。
制限時間三分の中で互いに持てる力を正々堂々と使い合っての試合ルールに、回し姿の悟天はぶつかり合いながらも互いに敬意を持って戦い合う男達の姿に、何時しか手に力を込めて見入って
「がんばれ!!!がんばって!!!!!」
日頃は引っ込み思案の悟天が、両手を握りしめて初めて人前で大声を出して応援をしていた。
どちらも頑張れと夢中で応援する姿にチチと悟空も目を丸くしたが
「みんな頑張ってけれ!!!」
「いいぞ!そこだ!!・・・惜しいぞ!!」
悟天を中心に悟空夫妻も来てくれた武道家達全員を応援し、そして正午で大会は終わり閉幕になって宴に突入した。
「悟天ちゃんお疲れ様。」
「あ!モンブラン小母さん!僕ね!お父さんに勝てたよ!!!」
「うんうん、見てたわ。」
凄かったわねとモンブランに褒められた悟天は顔を真っ赤にしながらみんなすごかったねと興奮しっぱなしであった。
「悟天は悟空に似たのかの?」
武術の手解きでもしてみるかという悟飯の言葉に、チチも悟空も悟天が望めが基礎は自分達が教えてそこからまた考えようとお喋りをしながら、宴の準備に精を出し
「えぇ・・・この度は私の曾孫であり、孫悟空とチチの息子の悟天の為に格も大勢の方々に来ていただけたことを感謝させていただきます。
本当にありがとうございました。
皆様に祝われ曾孫は世界一の果報ものじゃと儂は思っております・・・・来てくださった皆様、準備をしてくださった皆様、宴をしてくれる皆様、本当に・・・本当にありがたく・・・・」
孫家の家長・孫悟飯は曾孫を祝ってくれる人々への感謝の言葉を述べようと気を張ったが、最後は涙に詰まってしまったのを誰も急かす事はしなかった。
こんないい日だ、こんなに気持ちのいい日はきっとそうは無いのだから・・・・
「おおじ~じ?・・・・だいじょうぶ?」
そんな大じいじを心配した悟天は悟飯の下に行き必死に足をさすって元気づけようとした。
「良い子じゃな悟天・・・・皆様、どうかこの子がこのまま優しい子になれるように、遠くからでも見守ってやってくだされ・・・よろしく、お頼みしますじゃ。」
優しい曾孫を抱き上げ、悟飯は全員に向かって頭を深々と下げて願った。
悟飯も老いたりとはいえども武道の達人であり、寿命ももって後一年か二年あればいい方であり・・・・もしかしたら今年の冬は越せないかもしれないと人知れず心に定めている。
悟雲も悟空もクリリンも大人になり、周りの子供達も大きくなったが・・・悟天の大きく成る姿を見られない事が心残りであるが・・・・これほどの人々が悟天を見守ってくるのであれば何の憂いも無い・・・
その姿は慈愛に満ちており、不覚にもラディッツ達は涙が溢れ止めることが出来ず、シンとしてしまった中で
ドシン!ドシン!!ドシン!!!
「悟天君が五つの時も、七五三祝いに来させていただけるかな悟空君!!」
大地から災いと邪気を振り払う四股を、悟天の歳と同じく三度踏んだドスコイが力強く悟空に問いかけ
「私も悟天君だけと言わずに!孫家の皆さんと大勢を見守りますよ悟飯さん!!」
世界チャンピオンの名に懸けてというマークの言葉に、山村の人々もその中に混じってターレス達も盃を掲げて無言で誓い、盛大なお祝いの宴に突入をした。
泣き笑い、食べて飲む傍らで山村の子供達も相撲をしあい或いは格闘ごっこを大人達に相手をしてもらい、沢山の名勝負がそこかしこで起こり、ようやく首が座り始めた悟白を抱えてソラもブルマ達と一緒に楽しむ中
「・・・・父君・・・・その・・・」
「安心しろセル、悟白の時も七五三祝いを賑やかな大会にする。」
「・・・・・かたじけない・・・」
少しだけ皺が出始めたセルを、ラディッツは自分に靠れかけさせセルの憂いを受け止めて悟白も大事な子供だと笑って言って安心させる。
大祖父が曾孫の行く末を案じる様に、セルも近頃ではソラの他に息子の行く末を思い始めていた矢先、父が後見を務めてくれるのならばと安堵する。
だが・・・近頃-外からの巨大な敵-に懊悩していた父を見て、セルはジュニアに-とある事-を真剣に尋ね、そしてもしかしたら、自分の残っている全てを息子に委ねる日が近いと思い定めてもいる。
父が巨大な組織と宇宙の帝王からその身を探されている事を知っているセルとしては、息子と・・・父の為にも-力-がいくらあってもいい程なのだから・・・
妻と息子の為に最後の生命の使い道を見つけたセルは、父の言葉に決心がついたのであった
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そんな良き日を、邪魔しようと言う愚か者をジュニアが一人で全て片付けた
「お・・・お前は神の・・・」
「違う、俺は孫悟雲の息子の孫ジュニアだ。」
神殿にて神をしている者の縁者ではないと言いながら、ドラゴンボールを狙って来た-ガーリックjr-の首根っこを押さえて宙づりにしている。
スラッグと融合したジュニアの戦闘力は瞬間最大値が二百万に届くほどの莫大な気を有して最早地球に敵なしとなり、不穏な気を感じた父ラディッツを押し留めた。
「親父が此処で悟天を祝福してくれ、俺がすぐに片を付けてくる。」
そう言った息子の頼もしさに、ラディッツは言葉に甘えさせてもらう事にして息子に任せたのだ。
不穏な気配がかつて神の座を争った者の息子にして生まれ変わりである事を知っても、自分の産み主の大本は神だからとかいう理由は一ミリも生まれなかったジュニアは、ガーリックjrの手下達を諸共に魔封波で封印をした。
こんな良き日に距離が離れていても地球で血を流す気が起きなかったジュニアは、先ずは天界の神殿に言って魔封波の札を神に書くように依頼をしに行った。
「下界で不穏な輩が蠢いているのは知っているだろう、一網打尽に封印するから札を書け。」
・・・・・相変わらず神様には素っ気ないジュニアの言葉に、それでもその言葉の根っこが優しさである事を知っている神様は苦笑しながら札を書き、
「気を付けるが良い。」
「・・・・分かっている・・」
言葉を掛ければきちんと受けるジュニアを見送り、悟天への寿ぎをした後はジュニアの動向を見守った。
近頃の地球が騒がしく、その騒動が終わり今日は何やら強者達が一同に介してなにやら宴を準備している事をガーリックjrは情報を得た。
それならば誰もが油断しているであろうと予想して暗躍しようとしたガーリックjrの一味たちの野望をあっさりと潰えさせて苦も無く捕らえ、纏めて小瓶に封印したジュニアの頼もしい姿を目に焼き付けた。
もう自分も産み主のピッコロ大魔王をも超えたジュニア・・・・もしかしたら新しい時代が始まろうとしているかもしれないという予感がする
そんな日でもあった・・・・