俺ラディッツは弟を絶対に守り抜く   作:ドゥナシオン

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地球の存亡の危機!地球の興廃は一戦に賭けられた
プロローグ:普通の人達も大変なのです・・・


地球が統一されて久しく、エイジ758年は統一国家が成立され王朝が建てられちょうど三百年記念であった。

 

その記念すべき当代の国王は、代々の国王よりもめちゃんこ忙しいお人であった。

 

どれ程忙しいかと言えば、王朝が建てられた初期の動乱時代や、中間時期にあるあるの王朝興廃の危機よりも忙しい!!

 

・・・・地球平和で多民族・多種族な世界であるのにドンパチして統一国家から独立しようなんてのは噂どころか笑い話の中ですらないのに王様と閣僚達は日夜忙しい・・・それもここ十数年で様々な立ち上げ必要な部門やらその為の予算案をつける業務やらが目白押し!!

 

鶴仙流が興ってからというもの-気-という概念が割と一般人にも身近になった事で、遠くない将来もしかしたらそういう事を悪事に使うものが出るかもしれないと言う懸念から気を扱える者を軍に招聘するなり、アドバイザーを雇うなり兎に角として軍と警察が対応できませんなどという事が国家としてあってはならない!

 

その為のスペシャルチームを立ち上げたのを皮切りに、赤いリボン事件で国家反逆罪を企てるかもしれない犯罪集団を未然に防ぐ諜報部も必要とされるは、異形の世界規模襲来(某大魔王様です・・・)で、気を扱えない軍人でも勝てる高火力武器の製造に踏み切った(カプセルコーポレーションは平和理念から対人に使わない事を誓約書に書かせたうえで協力してる)

 

そのとどめは宇宙人の存在と、その中には侵略行為を前提にしている輩がいると言う事実を知って急遽その存在と銀河公用語という言葉を知らされて、急いで宇宙に対する監視衛星の打ち上げと同時進行して銀河公用語を覚えさせた矢先に侵略者が立ってきて!撃退に成功したは良いが宇宙警備部門までが必要になったのだ!!

 

もう本当になんなのである!!

 

王朝設立あるあるの混乱時期だって!中興の祖と語り継がれる王朝滅亡の危機を回避した百五十年前のご先祖様だって!次から次へと地球内部から徐々に騒動の規模が大きくなって!!果ては宇宙にまで警戒が必要になるなんて無かったのに!!

 

ぶっちゃけて言おう!この騒動の渦中にはいつも決まった人物がいる!!

 

孫悟雲

 

鶴仙人が東の都に居ついて鶴仙流の道場を興すきっかけになり

桃白白と共に赤いリボンをぶっ潰し

異形の集団をいち早く突き止めて鶴仙流と在野の武道家達を軍と連携できるように努めてぶっ潰し

宇宙人の存在とその襲来から地球を守った・・・・これを英雄と見るべきか、騒動巻き起こす奴と見るか賛否両論に真っ二つ化したのだ本当に・・・

 

 

「彼の御仁が居られなければ鶴仙流は興らず、そうならばレッドリボン軍の規模拡大を防げずに世界が征服されていたか!或いは異形の輩かスラッグという輩に少なくとも人類は存亡の危機になったかもしれんのだぞ!!」

 

概ねこの流れであるのだが

 

「何を言う!騒動の時系列と、孫悟雲が惑星ベジータというところから地球に来た時期がほぼ同じではないか!!

きっとあの者はやがてもっと・・・それこそ地球滅亡に繋がるような厄災を齎すのに違いない!!」

 

時に騒動を連れて来てしまう者は、歴史の中でもごく稀にいる。

 

そして孫悟雲という男は其れに当て嵌まると言う者も少なからずいるのを、孫悟雲ことラディッツに好感を持つ軍部と、予算案の仕組みを物凄く知っているので気功を悪用する対策を立ち上げる時に手伝ってくれた事で矢張り好感を持つに至った文官達と、何よりも現国王からして孫悟雲とその周囲を頼もしく思い、彼等の平和を守ろうと言う理念を好もしく思うが、騒動を引き連れてきてしまうと言う意見を無視はできなかった。

 

その通りかもしれないと言う事象が起きすぎているから・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

「ふぅ・・・宇宙警備と宇宙からの侵入をしようとする者達の監視する為の衛星をカプセルコーポレーションと精密機械メーカーのゴールド会社がどの会社よりも安い値段で引き受けてくれて、資金援助をマネーカンパニーが補強してくれると・・・・・なんだかのう・・」

「どうかなさいましたか国王陛下?」

 

スラッグ騒動から半月という異例の速さで宇宙警備を踏まえた奏上が上がって来た事で緊急会議をする事になり、その前に民間会社からの協力者達の名簿を見て溜息をつく国王に、猫獣人の三毛猫族で国王と同い年で学友の宰相が心配げに尋ねれば

 

「んっむ、孫悟雲が騒動を引き連れてくる厄災の種だという声があるであろう?」

「・・・・根も葉もないと言えないところが辛いですが、彼の御仁は平和を愛し家族と仲間達とこの地球に住まう者達を愛している温厚な者なのですが・・・」

 

宰相も国王が彼の-鶴速達便-で国王とその御一家の私信の橋渡しをしている時に幾度が直接会って話もしているので為人を知っているだけに、厄災の種と言われると辛いところがある。

 

いつでも穏やかに笑っている孫悟雲

 

だが、その周囲は何かしら血生臭い騒動が引きも切らずに起こってしまう・・・何の因果であろうかと思う程に

 

そして彼の名前が出た事で、国王が何故溜息をついたのかが分かった。

 

「カプセルコーポレーションは孫悟雲がカプセルコーポレーションのご令嬢を救った事で縁が出来、ゴールド会社とマネーカンパニーは彼の弟達が関わっていますな。」

 

カプセルコーポレーションのブルマは孫悟雲の妹だと有名で、ゴールド会社のご令嬢・モンブランは彼の弟の妻であるので、彼の発案した宇宙警備施設の値段を安く引き受けてくれたのは分かるが、何故あまり儲けにならなさそうな今回の件にマネーカンパニーがいち早く手を上げたのか気になって調査してみれば、彼の弟の悟空とクリリンが昔彼等を助けた縁があり、以来季節の挨拶や折に触れての近況報告をして縁が続いており、夫妻が彼等の助けを常々したいと思っていたのを

 

 

「儲けではなく世界を助ける彼等の一助になれると張り切ったそうでございますな。」

 

儲けは他の部門が生み出せるから大丈夫だと言い切ったとか

 

カプセルコーポレーション程ではなくとも、生活用品からカプセルコーポレーションが作らない軍需産業もしている事で世界第二位の企業であるマネーカンパニーだからこそ言える事ではあるのだが

 

「・・・・こういうのを見ているとな、良くも悪くも彼とその周りの者達が世界の大きな動きの渦の中にいるのだと感じずにはおれんのだよ・・・」

 

平和への貢献を嬉しく思う反面、彼が厄災の種で地球を滅亡させるような事を引き起こすかもしれないと思うと背筋に寒気が奔り、時折本当に気が遠くなりかける。

 

自分達は気というものをそもそも扱えない

 

気功弾を撃つ者なぞそもそもが希少で空を飛ぶ者すらいなかったのに、ここ十年の目まぐるしい変化に、ついていけるものばかりでは無いのだ・・・

 

英雄を見て楽しむ民衆達

 

楽しい・凄い・素晴らしいと娯楽映画を見る様には自分達は出来ないのだ。

 

それを犯罪として扱われた時の対策をとる為に、国家存亡の危機に陥らない為にも対策に明け暮れているのが実情である。

 

無論民衆の中にも同じように懸念している有識者達がいて、その最たるものが孫悟雲だと言うのが何か皮肉めいているというのは穿ち過ぎだろうか?

 

鶴仙流とサイヤンℱの警備員達が民間で自分達と同じ対応をしてくれているのでずいぶん助かっている。

 

助かっているのだが・・・・

 

「・・・宰相よ・・」

「はい陛下。」

「・・・・もしも一部の者達が言う様に、孫悟雲が地球の滅亡を引き起こす災厄を撒いた時・・・・儂は国王としてどうすればよいと思う?」

「陛下・・・・」

 

それは地球統一国家の元首たる者の言葉ではなく、-普通の人間-の苦悩であった。

 

仮にそうなったとしても、気を扱えも感じも出来ない自分達に一体何が出来ようかという無力に嘆く声であった・・・

 

スラッグ報告を受けてから、国王は宇宙の脅威とそして異変を嗅ぎ取っていた。

 

宇宙全体を呑み込もうという軍から逃げてきたという

 

それは此方を油断させる為かもしれないと言う声もあるが、こちらを油断させる為ならば、宇宙船の損傷などもっとわかりやすく作りやすい話があるだろうに、壮大過ぎて聞くものによっては荒唐無稽と取られるかもしれない事を話したからには、其れなりの信憑性があり、何よりも孫悟雲がその話を否定しなかったというところが引っかかっている。

 

彼は、孫悟雲は何を知っているのだろう?

 

まさかその様な危険な輩がいる事を知っていて、長い年月隠していたのだろうかと疑いもした。

 

・・・・政治とは、統治者とは因果なものだとつくづく思う・・・・

 

守るべきものが多ければ多い程、守るべき者達を愛すれば愛するほどに警戒心を強め時に友誼を結んだ相手すらも疑い、調べ、そして・・・脅威であれば消さなければならない・・・

 

その道を歩いてきた国王とても、これ程の規模の大きな事を目の前にして挫けそうになるが

 

「陛下、我等臣下は其の時がこないように最善を尽くします。

しかし、もしもご懸念の事が起こってしまった時はそれこそ孫悟雲達の出番であり、我等はその働きを十全する為に動けばよいと考察いたします。」

 

孫悟雲が災厄を連れてこようがこまいが、気が飛び交う荒事に対処できるのは彼等しかいないと宰相はきっぱりと割り切る。

 

そこに恥じ入るところは何もない

 

適材適所

 

国と臣下達と民達の心を安定させるのは自分達の政治手腕と指導力の働くところであり、荒事は軍とそして彼等の働くべきところ

 

仮に、宇宙から災厄が来た時は

 

「国王陛下御自身が、彼等を御信じなさいませ。」

「儂自身がか・・・・・」

「はい。」

 

宰相の言葉を聞き、少し心が落ち着いた王は冷めてしまった紅茶に口をつけながら執務室の窓からふと空を見た。

 

青い空に浮かぶ雲・・・・孫悟雲はあの空を飛んで手紙を届けてくれていた。

 

自分はこういう仕事だけをしていたいんです

 

空を飛んで人々が喜んでくれるだけの仕事をしていたいと笑っていた青年・・・・

 

その青年から、地球存亡の危機が伝えられたのは宰相と話をしていた三日後であった・・・・

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