俺は、フリーザ軍の中で武官兼文官を兼ね備えて、中級戦士達の五十人規模の師団の補佐官をしていて、もう少し手柄を立てたら上級戦士団の補佐官に昇級する予定だったんだが、半年前にこの太陽系と似た宙域の二つにラディッツ様探しの特派員を十人ばかり選定されるってんで志願して、運良く俺が見つけられて何よりだ。
探している他の奴等もラディッツ様の事が本当にお好きで、俺と同じく手柄云々よりもラディッツ様に真っ先にお会いしたいからだ。
俺は元々はただのしがない下っ端武官だったのを、ラディッツ様が俺を買ってくだされたんだ。
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まだ八歳ではあるが、キュイの出身惑星では戦闘力が五千以上であればもう一人前の戦士として認められ、フリーザ軍の中で普通に働ける歳であった。
キュイが所属している部隊が命令書には無い制圧先の住民達の必死に抵抗に嫌気を感じて殲滅してしまい、あまつ惑星のいたるところを破壊したのだ。
・・・・戦闘狂のサイヤ人でもあるまいし、雑で酷い仕事の片棒を担がされたキュイとしては、そんな仕事をしたのが嫌で仕方がなかったが表情に出てしまったのか、当時フリーザ軍の本拠地になっていた惑星ベジータに戻ってすぐに部隊長達に見咎められてリンチされていたところを
「お前達なにをしている?一人の・・・しかも少年戦士ではないか・・・」
この頃戦士達の仕事の査定を勉強中のラディッツが、仕事内容確認の為に偶々通りがかって救われたのが始まりであった。
命令書は部隊長しか渡されないが、字が読めるキュイがこれまでも全員に知らせていたので内容違反なのは知っていて、だからと言って下っ端が面と向かって楯突くわけにもいかずに不満を我慢していたが、リンチから救われ事情聴取をされラディッツが出くわした一件の内容が詳らかにされた時
「なるほど・・・・君も含めて随分な命令違反をしたもんだ・・・追って沙汰するけれでもキュイ下級戦士は俺とくるように。」
当時十歳であったがこの時のラディッツは文官兼フリーザ様の小姓という事で特戦隊以外の上級戦士よりも地位は高く、その言葉に異論を言う者はおらずに解散となった。
「君は命令書を優先できる戦士みたいだね。」
そうすると、彼等のような者の下にいるのは勿体ないし、それに構想している事があるから手伝って欲しいとキュイはラディッツに言われて目を白黒とさせた。
自分に一体何の用があって、何をさせたいんだがさっぱりとわからなかったが、数日後にラディッツ直々に辞令を受けた。
「今日から君は武官兼文官をしてもらい、部隊長が命令書の通りか逸脱しすぎないかの監督と補佐をしてほしい。」
近頃雑な仕事が多くてフリーザ様もご立腹であり、とはいえ命令書の通りに出来る人材は限られている。
下の世代を育てる事もかねて、今から優秀な若手を育成する為に立ち上げた長期プロジェクトの第一号生がキュイになったのだ。
手の空いている文官達が部隊長の補佐官になった若手に指導する事になり、時に依頼内容と違った複雑な事案や罠や誤情報で任務に支障をきたした場合は、直ぐに補佐官達が本部或いは支部に助けを求められるシステムを作り上げ、任務達成のノルマをこなせるようにという壮大な計画であった。
その一員になったキュイの指導官は、当然の如く計画を立ててフリーザに許可を降されてプロジェクトを推し進め、その一環でキュイを誘ったラディッツになった。
キュイのもと居た部隊は解散になり、新しい部隊の隊長の補佐官になって緊張して命令書の通りに動かなければとガチガチになったキュイは、それを見越していたラディッツにキュイを頼むと言われた部隊長に随分と助けられた。
命令書の通りにするのは第一であるが、それによって部隊に損失を出しすぎる事はよくなく、臨機応変に動きながらも出はどのタイミングで本部ないし支部に応援要請ないし相談をすればいいのかをキュイは叩き込まれた。
最初の頃は慣れずにへまをしそうになり部隊にも隊長にも随分と迷惑をかけたが、ラディッツが時間のある限りキュイに会いに来ては相談に何くれと乗ってくれては助言を貰い、様々な人達のアドバイスを貰えるように橋渡しをしてれた事でこんにちのキュイになれたのだ。
しがない戦士で終わるかも知れなかった自分が出世コースに乗れたのは紛れもなくラディッツのお陰であった。
そして何よりもラディッツ様は優しかった。
落ち込んだ時もいい事があった時も必ず自分を労わりの言葉をくださり、小さな悩みでも真剣に聞いてくださりそして一緒になって解決策を考えてくださった。
様々な仕事をフリーザ様の傍らでしている多忙な身であった人なのに
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「そんなお優しいラディッツ様を、俺達古参はフリーザ様共々血眼になって探していましてね。」
優しい上に戦闘力が全く持って低くてその上戦いがからっきしのラディッツの身を案じて、犯罪集団及び統治が全くできない無能な帝国だの連合だの星系王国なぞ全部殲滅ないし併合・制圧・侵略して、残るは太陽系を入れた三つに宙域になったという
「・・・・・・・俺はそれを喜ぶべきなのかキュイ?」
キュイとラディッツは、例によって例の如くのいつものフルメンバーに見守られてながら(お察しください・・)、中の都の王宮内で、国王と宰相と武官長のジェネラル大将の立会いの下でキュイの話を聞いている。
そして聞いたラディッツは物話凄く複雑であった・・・そりゃそうだわな
キュイを見た時、頭の中が真っ白になったがそれはほんの一瞬で、偶々祖父の下に遊びに来ていたターレスがキュイをラディッツから引きはがして拘束しつつ連絡封じとしてスカウターを破壊し、結構な騒動になったのだがラディッツに止められ穏やかに話を聞く事になった。
ラディッツは元よりターレス達も近々軍からの捜索隊ないし誰かが地球に来ることは予想済みであったし・・・・何よりも・・・・・戦闘力が五万のキュイではジュニアの本気で瞬殺できるという保証済みだからだが・・・・兎にも角にも、
「フリーザ様達にはお前が俺を見つけた時点で連絡済みなんだろう?」
スカウターをぶっ壊したはいいのだが、どうせ自分の姿を認めた時に超長距離通信使って知らせたのだろうと言うラディッツの問いに、お察しの通りとキュイは満面の笑みを浮かべた。
「そしたらフリーザ様達はいつ頃地球に来られる?」
今キュイとラディッツは広い部屋で机を挟んで座って話をしており、ラディッツの後ろに弟達がスタンバっており、国王と宰相とジェネラル大将は別室の大型モニターでその様子を緊張した面持ちで見ている。
ラディッツこと孫悟雲から地球の存亡にかかわる事を知らされ、それを直接聞いてほしいと言われたのでこの措置になった。
国王としてはもっと他の閣僚達にも直接見て欲しかったのだが、孫悟雲を探している征服者達の襲来であるのならば、-本当の話-を知るのは少なければ少ないほど良いと言う宰相の言葉に従って三人だけになり、そしてキュイの言葉に固唾を呑んで待った。
一体、その征服者たちがいつ来るのか・・・・・それは・・・・
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「キュイという者の言を信用できるものと鑑み、国民への発表はフリーザ軍とやらの襲来の一か月前に行うのがよろしいかと存じます。」
キュイの話がすべて終わった後、キュイ諸共全員が国王の居る部屋に向かい今後の方針が宰相によって説明された。
これから半年後にフリーザ自ら来るはずだと言う。
しかし早くに国民への発表をしたとしても国民自体に対処できることはなく、パニック期間を長引かせて自暴自棄になって犯罪件数が増えても困る。
であるのならばこちらも対処できるかもしれないと言う心理が働く一か月後あたりに-侵略宇宙人達からの宣戦布告-と発表し、その際避難場所等や対応方法を合わせて知らせる算段をつける。
無論キュイという者の言葉よりも早く来る可能性が大いにあるが、大船団来るのであれば襲来の一日前くらいには捉えられる技術と監視網は出来ている。
監視は怠らずに不意をつかれないようにするの当たり前だが、本当は侵略者達はラディッツを追って来るのだが、-真実-を知った国民がラディッツを差し出せばいいではないかという声と、それはいけないと言う声を上げる者達で対立ないし暴動が起きられても困る事であり、それは官僚内や王宮で働く者達にも当て嵌まる事である。
兎に角この件に関しては対応策を練る者達は孫悟雲に好意的で口の堅い者達が進めていく事が肝要であり・・・・それでも自分達に出来る事は少ない・・・何故なら、侵略者達を迎撃するのはその当の本人と周りの者達なのだから・・・
「・・・・申し訳もというのは・・・・あまりにも厚かましいでしょうか陛下?」
「・・・・・孫悟雲・・・ラディッツ・・・其方も今やこの地球に住む一人・・・儂等に出来る事はすべてやる。」
だが届かないところを頼むと言う国王の言葉に、ラディッツは頭を下げその様子をキュイは意外そうに見ている。
てっきり元凶になるラディッツ様を詰って追放の刑に処して自分達に渡す事で地球の生き残りを図るかと思っていたのだが・・・
「それでこのキュイの事ですが・・・」
「そなたに一任しよう・・・」
それと自分を即座に死刑にしろと言わないところも意外だと、ターレスとジュニアに左右からホールドされているキュイはじっと犬獣人の国王を見つめ、視線に気が付いた国王は、今其方を殺したところで何になると無益な死を生み出すつもりはないと言われた。
・・・・侵略を生業としている自分からすれば甘ったるい言葉でしかないが、それでも国王の瞳は力強く覚悟を決めている為政者の表情をしている。
「わかりました、どうせ俺なんかじゃ出来る事は何もないので、フリーザ様達が来るまで大人しくしていますよ。」
周りに敵しかおらずともキュイは不遜な態度を崩す事無く、それでも覚悟を決めている相手に一定の敬意を示す為に頭を深々と国王に向けて下げた。
こういう為政者をキュイ自身が好意を持てるから
たとえそれが半年後に地球と共に命運尽きる国王だとしても・・・・
国王もそんなキュイに何かを感じ取り、礼を受け取ると深く頷きそれから解散になった。
国王達には国王達のやるべきことを、そして
「全員を精神と時の部屋での修業をさせる。」
半年の内、三か月で重力百倍ないし八十までには耐えられるようになってから順次入るようにすると言うラディッツの計画が動き出す。
地球の存亡をかけた戦いの火蓋がついに切って落とされた・・・・・・・・・・