「・・・・・地球の人ってのは危機管理が全くなっていないのか、それとも危機意識が全くないのか両方無いのかどれなんですか?」
ラディッツを探し当てたキュイが、地球の国王陛下から下されたお沙汰だって十分甘いと言うのに、ラディッツの今現在の家族の家長たる孫悟飯と遊びに来ているブルマやその他の面々の気楽さというか能天気さというか・・・・なぜみんなフレンドリー?
「ラディッツの子供の頃を知っておるのか。差支えない範囲で良いので聞かせてくれんかの?」
「きっとお兄ちゃんの事だからバリバリとお仕事してたんでしょ!」
「んん・・・おらはやっぱり兄様はめんこかったと思うだよ?」
「この人が宇宙人・・・・ソラ小母様と似てないね?」
・・・・・ラディッツ様のお祖父様と妹君様達と甥御様・・・・距離がおかしいと思う程近いんですが?
国王からキュイの身柄を預かるように言われたラディッツは、早速ターレスを呼んで依頼をした。
「・・・・ラディ坊ちゃん達が修行や仕事で家を空ける時、俺達にこいつを見張ってろって?」
「まぁ・・・多分キュイは何もしないと確信はあるのだが、周囲が納得できるような状況を作ろとしたら・・・」
「俺達が見張っていますって言うポーズが妥当だな。」
「頼めるか?」
クラッシャーターレス軍団はリーダーのターレスを含めて孫悟飯親衛隊化している・・主にセル騒動のせいで・・・
爺さんを二度と危険に巻き込んでたまるかが標榜化しているので、フリーザ達が来るまで山村の家から出ない事を条件に生かされたキュイの見張り役を頼んでみれば
「いいぜ、滞在中には飛び切り美味い飯と酒を用意してくれ。」
後いくつかの娯楽と煙草とお菓子と・・・・・ニート生活を満喫するようなラインナップであったが、背に腹は代えられないとばかりにラディッツが全部いいぞと了承している傍らで、その危険人物(笑)は、その守られる筈の孫悟飯と偶々家に遊びに来ていたブルマとチチと悟天に迫られ大汗をかいている!
・・・・ぶっちゃけご老人とご婦人と幼児に無縁なのに、こんなに一斉に来られて対処不能で・・・・キュイの頭は情報処理できずに煙出そうであったのだ・・・・用心棒いらなくないか?
・・・・・・・・・・・・・・・・
キュイからは暢気そうに見えているが、悟飯はある決意を新たにしている。
この騒動の一件が解決するまでは、石に齧りついてでも生きてラディッツの側にいるのだと。
もしも今このタイミングで自分があの世に逝ってしまっては、まかり間違って自分が心労を掛けたせいだとか言い出しかねない優しい子・・・・
ラディッツと悟空を見つけた時にはとっくに高齢と言って差し支えない自分が、ここまで長生きできたのは偏に心の底から楽しい人生を与えてくれたラディッツと悟空達のお陰・・・・いつあの世に逝っても悔いはないと思えるほどの素晴らしい人生を、孫達を通して出会えた良き人々と共に送ることが出来たのだと・・・・曾孫にすら会えたのだから。
だがここに来て孫のラディッツの人生が激変する事が起きると言う!
ラディッツは初手から隠す事はせずに身内とその周辺に一切の事情を包み隠さずに話し、全員がラディッツを渡さないと決意して修行ないし開発ないし様々な事で忙しくなる中、悟飯は己が生きる事で少しでもラディッツの励ましになるのだと決意した。
少しでも普段通りにして、ラディッツの心が安らぐ様にと、優しいお祖父さんをしているのだ・・・ほんとかな・・・
それは兎も角として、その一方でセルもまた決心した事がある
キュイが襲来(?)して三日経った時には、ラディッツの周囲はある程度落ち着いた。
最初の日はラディッツの周囲が殺気立ってキュイを滅しようとか、渡さないとか大混乱になったが、ラディッツとターレスは近々こういう時が来ることを予見しており、対策をたてていたという事で周りは落ち着きを取り戻すことが出来たのだ。
そして落ち着いた夕餉が孫家に帰って来たのを、セルは目を細めてひっそりと喜ぶ。
大祖父君に隣には父と叔父になる悟空が陣取り、父の横にはジュニアが、悟空の隣には妻のチチが悟天を膝に乗せて後は思い思いの席に座っている。
自分の隣には少し複雑そうだが息子を膝に乗せている妻のソラがいてくれている。
あぁ・・・・何という良き光景であろうか・・・・
賑やかで温かくて、この光景の中にいつか大きくなった悟白が混じって楽しいおしゃべりをする頃には自分がいないと言うのは少々寂しく感じるが、父と対峙する為にした行為を後悔する気は全くない。
無いが・・・・今この光景が風前の灯火だという・・・・宇宙の覇者のような者が父を狙っているという。
流石は我が父だ
宇宙の帝王すら魅了してしまうとは
だがこの団欒の邪魔をされては堪らない・・・・・しかしもう自分は戦うどころかいつ息絶えるか・・・・・だからその前に・・・
「父君。」
「ん?どうしたセル?」
決して大きな声ではないが、ラディッツはいつでもセルの声を微かであっても拾い上げて答えてくれる。
それが直前で誰と話していても、隣の妻にも聞こえないような小さな声であってもだ。
お前の声は独特だから聞こえやすいんだよ
いつだったかなぜそんなに自分の声を拾えるのだと問うた時、そう父に言われた事がある。
この声で後何度、父君と戯れで呼び始めた素敵な言葉を言えるのだろうかと思った時もあったが
「明日は全員が仕事休みだとか?」
「・・・そうだな・・・明日と言おうか、今回の騒動が終わるまで全員休業させてもらう許可をとったんだよ。」
なにせ地球の存亡がかかっているので、様々な理由を付けて半年間の休みを一斉にとったのだ。
悟空達がきちんと修行に精を出せるように・・・・仕事をまた再開できるようにするためにもだ。
そう答えたラディッツにセルは提案をした
即ち
「いいお天気!!!お父さん!お母さん!!早く早く!!!」
「これ悟天ちゃん!!そっだら走ったらこけちまうだよ!」
「はは!悟天の事はおらが見ててやるからチチは爺ちゃん達とゆっくりと来いよ。
悟天!競争すっか?」
「クリリンおじちゃんも一緒ね!!!」
「俺はモンブランとゆっくりと行くよ。その代わり合図は出してやる。」
よーいドン!!
クリリンの合図に一目散にかける悟天を、悟空がゆっくりと追いかける。
四星球を縫い付けた赤い中華帽子を被り、鶴仙流の衣装を小さくして丸に孫の字が入った服を着ている悟飯は、尻尾を振り振りとさせながら懸命に野原を駆け、それを白い半袖シャツにジーパン姿の悟空が捕まえて高い高いをした。
キャッキャと楽しい笑い声が青い空に吸い込まれていく。
セルが提案したのは、家族団欒を思う存分できる今の内に、親しい者達全員集合してピクニックに出掛けないかという事だ。
半年間という短い間にレベルとパワーを上げるには相当な修行が必要であり、身体を痛めつけるような日々を送る事になるであろう。
その前に全員で心の底から楽しい日を一日だけでもと
その楽しい日が心の支えになるのではなかろうかと
「セル・・・・・そうだな・・・本当は明日からはもう修行三昧にする気だったが、お師匠様達に聞いてみる。」
悟空とクリリンはそれぞれ舅殿に予定を聞いてみてくれと指示を出し、自身もお師匠様達と武天老師様に声をかけ
「・・・・お前達に声かけなければ怒ってるよな?」
「当たり前だろうが!!!そんな楽しい事を!俺とミゲルとトニーを外すなんてしないでくれよ!!??」
「・・・・してないから声かけたんだろうが・・」
何だかんだでセルの発案してくれたピクニックに、孫ファミリー全員集合になった
悟空に肩車されている悟天が歌いながらこの一行を導いている。
天気が良く、綺麗な湖のまで敷物を敷いてお弁当が広げられた。
悟飯と鶴仙人と亀仙人を中心に、悟空達も思い思いの場所に座ってラディッツが全員に飲み物が渡ったのを見て乾杯の音頭をとり、楽しいお昼ご飯が始まった。
お弁当はラディッツとチチとモンブランとソラが作り、ブルマはデザートの桃饅頭と餡子饅頭を沢山こさえ、悟空とクリリンは山に入ってイノシシをとってきて野原の真ん中で豪勢に焼肉をしている。
肉が美味しく焼けた端からターレスがかぶりつくのを怒って取ろうとする悟空とクリリン
それを仕方がない夫だと笑っているチチ達
悟白を抱っこさせてもらいながら、弟達のわんぱくを笑っているブルマ
いつまでたっても子供じゃのうと酒をチビチビと飲みながら微笑んで見ている悟飯達
「親父、肉は俺が焼くからゆっくりと食べていろ。」
「兄者は細いのだから食わないと駄目だろう。」
「兄様!お野菜も食べるんだよ?」
「キュイ!お前も肉食べるか?」
「・・・あのですねヤムチャさん・・・・あぁ・・いいです、少し貰います・・」
「ふふん!ヤムチャ様はとってもお優しいんだぞ!」
「・・・そういう問題なのかプーアル?」
「そういう問題なの!!ウーロンは本当に分かってないんだから!!」
そして父を中心に賑やかにしている天津飯達とヤムチャと空飛ぶ猫のプーアルと、意外に周りの面倒を何くれとなく見ているウーロン。
ウーロンは時折り亀仙人を伴い悟飯の下に来てくれている。
ジェットフライヤーを飛ばせるのだから大したもんであり、憎まれ口を叩いても情に厚い奴なのだ。
「悟天君は大きくなったら何になるんだい?」
「んん・・・この間見た武道家の人達カッコよかったし・・・でもでも!パソコンでお仕事してる悟雲おじちゃんもカッコいいし!沢山の草花を知ってるトニーおじちゃんもカッコいいし・・・僕悩んじゃう・・・」
「そうかそうか!悟天は夢いっぱいで大変だな。」
「そうね~。沢山あるのは良い事だけど、どれにしようか迷いすぎるのも大変よね。」
「そうなんだよ!だってどれもカッコよくて素敵なんだもん!!!」
夢を語らっている悟天とマーク達・・・
そしてブルマから悟白を受け取りながら、自分の隣に座って周りを見て楽しそうに微笑んでいる妻と腕の中で穏やかに笑っている悟白
楽しいこの光景を余すことなく目に焼き付けようとセルは微笑んで周りを見まわしている。
不意に強い風が吹き、悟白の帽子が飛びそうになって慌ててソラが取ろうとした時、間一髪のところでセルが飛んで行きそうだった帽子を捕まえる事が出来た。
妻に渡さずそのまま悟白の頭に被せれば、妻はもごもごとありがとうと小声で言ってくれ、どういたしましてとおどけて返せば調子に乗るなとはたかれた時、心がむずむずとして嬉しくなった。
何故なら、其の時の妻の顔は赤くなって満更でもない表情を浮かべてくれているからだ。
楽しそうにしている妻と息子と、この場にいる全員が愛おしい・・・・
ただ孫悟雲を倒すだけに生み出された自分に心を生じさせ暖かくしてくれたのだから
この先、何年・何十年たってもこの光景が繰り広げられるようにするには・・・・地球勢が勝たなければならない・・・
その為にも・・・
「今日は楽しかったね~。」
「んだな~。提案してくれたセルさに感謝しないとだな。」
「ふん!あいつは自分が楽しみたかっただけだよ・・」
「ソラ・・・そうかもしれないわね。でも、楽しい時間だったわね。」
「そうですね~。またこうして集まれるといいですね。」
愉しい時間はいつかは終わる。
夕暮れ前に悟飯宅に帰り、今日は楽しかったとそれぞれが帰路についた者達もいた。
近々結婚をする予定だった婚約者達の下に帰っていったヤムチャと天津飯達。
きっと夕食は熱々に食べるんだろうな・・・・ヤムチャに付いて行ったウーロンとプーアルは胸やけ起こさんといいのだが・・・天津飯に付いて行った餃子もか・・・
亀仙人も久しぶりにランチちゃんに会いに行くかのうと天津飯に負ぶさっていったからな~・・・
「俺達も明日は大会が始まるからな・・・」
「また今度ね悟雲、悟空、クリリン、ジュニア。」
「悟天君またね~。」
マーク達も帰り、残った面々は夕餉の分までこさえたお弁当を温めてお腹いっぱいになるまで詰め込んだ。
「おら・・・もう入んねぇ・・・」
「桃饅頭美味しすぎて食べ過ぎた・・・」
「チ・・・粽美味しいけどもう無理!」
大食らいの悟空・ラディッツ・クリリンのお腹もはちきれそうになるほどであったが、美味しすぎて大満足である!!
その頃にはいつの間にか鶴仙人師匠と悟飯と悟天と悟白は先に寝室へと引き取っていた・・・・いつの間に・・・
「お前達・・・どんだけ食べるのに集中してたんだよ・・」
「う・・」
「まぁ明日からは地獄の修行の幕開けだから仕方がないですよ隊長。」
「そうでっせい!若いうちはそのくらいかそれ以上の馬鹿を隊長だってしたでっせい!」
「ンダンダ!!」
「うるせえぞお前達!!!」
さしものターレスに呆れられてぐうの音も出ないラディッツ達を、ダイーズ達がフォローしてくれたのがなお恥ずかしくなり
「ほんと!お爺ちゃん達がおやすみなさいって言ったのも気が付かないくらいに食べてんだもん。」
「食いだめでもする気だったんか?」
「クリリンさん達が喜んでくれるのは嬉しいんですが・・・」
「明日も明後日も作るから、そんなにがっつかなくてもよかったのに・・・」
・・・・・女子達の言葉がとどめになった時・・・
「はっはっはっは!!」
セルの爆笑が部屋一杯に響き渡り、いよいよ穴掘って埋まりたくなってきた孫兄弟であったとか・・・・・
「父君、今日は私の我儘を聞き入れてくださり嬉しかったぞ。」
「セル、これは我儘とは言わんから安心しろ。」
今日は本当に楽しかったと、ラディッツが笑い普段セルに笑いかけないジュニアもいい日を送れたと満足そうに笑い、悟空とクリリンもまたみんなで遊びに行きたいなとビールをチビチビと飲み干し、お開きになった。
明日からは沢山の特訓が待っているが、-皆-がいれば頑張れる・・・・そう思っていたのに
次の日の朝、朝餉の席にセルの姿は無かった
孫ファミリー
言わずと知れた孫悟飯を筆頭に孫兄弟(ラディッツ・悟空・クリリン)と、ジュニア・ブルマ・チチ・悟天・モンブラン・牛魔王・ナーリキン・鶴仙人・亀仙人・天津飯・ヤムチャ・プーアル・ウーロン・マーク・ミゲル・トニー・セル・ソラ・悟白が入ってスペシャルでヤジロベーが入っておりますm(_ _)m
その内に天津飯とヤムチャの婚約者も入る予定です