俺ラディッツは弟を絶対に守り抜く   作:ドゥナシオン

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一つの終わり或いは始まり:破章

広大な宇宙の一つの宙域にて苛烈なる閃光が目まぐるしく明滅する

 

閃光が明滅するたびに、-フリーザ軍-或いは-サイヤ人の戦士-達の命が尽きる。

 

数百を超えるサイヤ人の戦士達は、下級・中級・上級問わず、己達が認めた王の指示の下に、まとまって戦っている・・・本来ならばあり得ない

 

戦闘民族サイヤ人は、確かに強者と認めれば従いもすれば命も聞く。

だがそれは、自分達の生命が脅かされる事はたとえ国を造り上げたベジータ王の言葉であっても聞くつもりは全くない。

 

強者に従いこそすれ忠はなし・・・・・・それは普段であれば

 

だが彼等は、男女問わずに戦士達は無謀にも思えるフリーザ軍に戦いを挑み、王と共にフリーザ軍をひいてはフリーザと-サイヤ人の恥さらし-を殺す為に王の下に纏まって戦っている。

 

このままでは-古きサイヤ人-と呼ばれている自分達が消される未来が見えたから

 

上級戦士であろうと使い捨ての様な過酷な場所に率先して組み込まれ、生き延びて戻っても直ぐに同じような戦場に送られる日々、其の時自分達を見るフリーザ軍と-ラディッツ世代-の者達の冷ややかな目を見れば嫌でも分かってしまう

 

ゴミを見る目

 

死にたくなければフリーザを殺すしかないというベジータ王の言葉に、大半の大人のサイヤ人は従った。

己達が反逆をする事で、子供を殺されようとも構わないと図らずもベジータ王と同じであったのは偶然か、それとも、子供達が己達の親を疎んじた様に、親達もまた子供達を切り捨てたか。

 

其れとも余程自分達を使い潰す意図を隠そうともしなかった-自分-と、其の寵愛を受けている-ラディッツ-憎しで凝り固まったか。

 

 

「どちらだと思いますかザーボンさん?」

 

予想よりも攻め寄せてきたサイヤ人の数に、些か驚きはしたが潰せる範囲内な事には変わらないので余裕のあるフリーザは、この度の反乱を起こしたサルどもの数の多さの原因は、一体どこにあるのかと戯れに側近の一人に尋ねる。

 

フリーザの予想としては、付き従うにしても自分達の仕打ちに耐えかねたベジータ王が、側近の上級戦士五十人を引き連れて来るだろうと予想していたのだが、まさか一般戦士の、それも下級・中級戦士も参戦するとは思いもしなかったのだが

 

「そうですね、子に疎まれた事も、ラディッツが憎いというのも両方かと思われます。

近頃我々はラディッツ世代を優遇する傍らで、古きサルどもに対する給料を低下させ支給品もランクもずいぶん下げましたので・・・まさか、ベジータ王と側近の他にも怒りを直接ぶつけに来るとは私としても驚きでしたが・・」

「違いねぇ、ゴミどもは不満を持っても惑星ベジータの安酒場で飲んだくれて憂さ晴らししている間に-蒸発-するというのが俺の予定でしたが・・・ちょいとばかり効きすぎましたかね?」

 

ザーボンの発言の後に、ドドリアも私見を述べる。

 

サイヤ人、ひいてはベジータ王が反乱を起こして一網打尽にした方が処理しやすいと、反乱を誘発する為に、ありとあらゆる神経を逆なでる作戦を随所で展開をしたのだが、まさかここまで効きすぎるとは思いもしなかった。

 

確かに反乱の誘発には成功したのだが、数は予想より上回り、しかもフリーザ軍の全体としては微々たるものだが、それでも被害は出ている。

 

ビームガンを付けているフリーザ軍の下級戦士を、攻めてきているサイヤ人の下級戦士はボディーブローの一撃で殺すほどに戦闘力が上がっている。

 

罠を見越して展開した前線の一角が、あっさりと崩壊したので測ってみれば、最低でも八千に届いており

 

「どこにいるフリーザ!!!!」

 

軍を食い破り船内に侵入を果たしたベジータ王は、四年前は確かに一万と少ししかなかったのが、三万にまで上がっている。

 

バラバラであった戦闘民族サイヤ人を纏め上げて国を興し、王となるからには同族の中でトップの強さだとは知っていたが、それでも前線から遠ざかって久しい。

 

それでも、鍛え上げてきたというのだろうか?

 

自分とラディッツ憎さに

 

「どこにいるフリーザ!!貴様を殺した後!!!貴様の-色小姓-も見つけ出して地獄に送ってくれるわ!!!」

 

自分とラディッツ憎さに凝り固まって・・・

 

叫びあげながら二十名の側近と走る様子は映像でとらえて司令室にいるフリーザもライブで見ており、自分を殺すあたりの下りは笑止と冷笑を浮かべたが、ラディッツの箇所で殺気が漏れ出る。

 

あの子をどうすると?

 

その直後、冷え付いた部屋にガタリと物音が立った

 

無論フリーザの殺気になれている側近達が立てるはずはない。

なにせラディッツが手元に居なければ、案外短気な主は気に入らない事があれば八つ当たりであっても配下を殺す冷酷無比な方。

 

では何の音かと言えば

 

「フリーザ様!!あのサルを!!俺達で包み込んで殺す許可をください!!!」

「出過ぎた事とは分かっています!しかしあの汚れたサルに!我等がラディッツ様に対してあの様な下種な言葉を吐かれては黙っておれません!!!」

「貴方達・・・」

 

普段戦闘とは無縁の通信専門の男達が、眦を決し底冷えの殺気をたたえてキレている

 

そしてベジータ王を映すモニターの中でも同様の事が起こっていた。

 

「サル如きが!!!我等がラディッツ様を穢すか!!!」

「貴様の様な恩知らずこそ地獄に落ちろ!!!!」

「き・・・・貴様等!!あれとてもサイヤ人ではないか!!王である俺こそ!敬われるべきを木っ端戦士如きが王である俺を侮るか!!」

「やまかしいんだよ!黙って死ねサル野郎どもが!!!」

 

ラディッツはラディッツ世代のみならずフリーザ軍の兵士達に慕われている。

過酷な任務に相応の報酬で報われていても、メンタルケアなぞいういう言葉すらがないフリーザ軍において、疲れていればどこからともなく温かいお茶を持ってきてくれて、怪我をしていれば労りの言葉を申し訳なさそうな顔で言ってくれるらしくないサイヤ人ラディッツを!色小姓と言った!!地獄に落とすと言った!!!

 

穢れた言葉を吐くこいつこそ!地獄に落ちるべきゴミ屑!!!

 

狭い通路で互いをののしり合いながら気功弾が飛び交い、ベジータ王は自分達が仕留めるのは無理だと悟ったフリーザ軍の戦士は、スカウターで即座に通信連携を取り、天井をぶち破らせてベジータ王の後続の戦士達を平らげていく。

 

 

スカウターも万能ではなく、フリーザは予めスカウターに細工を施していた。

それは自軍とラディッツ世代のサイヤ人には-最新-の物を配布し、殲滅リストに入っているサイヤ人には旧式のままのものを支給している。

 

今日この時の為に

 

旧式のスカウターにだけ効果のあるジャミング電波を予め船内に流せば、或いはベジータ王も自分の手を煩わせる事無く辿り着く前に大勢の自軍に不意を突かれて殺せると思っていたのだが甘かった。

 

後続を殺せてもベジータ王は即座に反応し、手刀で或いは蹴りの一撃で並みいる兵士達を壁に叩きつけながら殺しまくっている。

 

「ふむ・・・・道を開けて差し上げなさい、今のベジータ王の場所は、この部屋とは一直線でしょう。」

「畏まりました、その後は私とドドリアが・・」

「いいえ、疲労しているとはいえ戦闘力は貴方達を超えています。

窮鼠猫を嚙むというのをされても面白くありません。」

「・・・・申し訳ございません。

この後我等も一層精進いたします。」

「そうなさい・・・・それに・・・あのゴミ屑は私がこの手で引き裂きたい・・」

 

まさか自分の側近よりも戦闘力が上がっているのは予想であり、ザーボンもそして声に出さないがドドリアも忸怩たる表情が浮かんでいるが、それを差し引いてもあれを引き裂きたくて堪らない・・・早く・・・早く殺されに来い!!!

 

▲▲▲

 

道が空いた・・・漸くこの態での低い下賤な者共は、王である俺の偉大さと強さが身に染みたようだ・・・フリーザとて!!殺してやる!!!

 

急に開いた道を、己の力を見せつけた武威によるものだと勘違いをしたベジータ王は、突如開いた巨大な扉の中に何の疑いも無く飛び込む。

 

「フリーザ!!!!」

 

 

変わらずにポットに乗り続け、側近二人を侍らしているが自分の力にひれ伏させる・・筈であった・・・が・・・

 

ゴシャ!!!

ドシャ

 

「あ・・・・・ぎぃいいいいいやぁぁぁ!!!!!」

「・・・・たかだか腕が引き千切れたくらいで、随分と情けない声を出すのですねベジータ王は。」

「あ・・・あぁ・・・なんで・・・」

「貴方、本気で私との差を分かっていなかったのですか?それが本当ならば呆れた者です。そんな程度の低い低能が、よくもまぁ-あの子-を穢してくれたものですよ。」

 

いつの間に移動したのか、掴まれた感覚さえないベジータ王の右腕は、フリーザによって無造作にねじ切られ、引き千切られた腕はゴミの様に放り捨てられ、何が起きたのか分からないまま痛みだけがベジータ王に襲い掛かり、恥も外聞もなくベジータ王はのたうち回り、その様をフリーザと室内の者達はゴミ屑を見る侮蔑の視線を投げつける。

 

大壮言語を吐き散らしながらも実行できない実力を知ろうともせず、計画性も低い低能サル如きが・・・

 

「ど・・・どうして・・・・なぜフリーザだけではなく!!下級で下賤な貴様らまでもが俺をそんな目で見下す!!!王である俺を!!!!」

「分かりませんか・・・・まぁ分かったとしても、最初から貴方達・・・いや貴様らサルどもを消すのは計画の内だった・・・・だが」

「ぎいやぁ!!!」

「楽に死ねると思わない事だな・・・」

「ひ・・・ひぃ!!お前達!!!!お前達もフリーザに・・・」

「無駄です、もうこの船内にいるサルどもは-今のところ-お前達だけで、それももう貴様しか残っていない。それにすら気付かないとはなんとも無様な事を・・」

 

残った左腕は、フリーザの右人差し指が光ったと見えた次の瞬間、遅れて感じた焼けつくような痛みに、再びベジータ王は地面を転げまわりのたうつ・・・今まで敵と戦ってもその身に傷をつけられた事のないベジータ王は、強い反面痛みの耐性が低く、無様を晒すのをフリーザは残酷を好む嗜虐心を起こすどころか、周囲の者達同様に侮蔑を込めた蔑みを以って見下ろす。

 

ベジータ王が頼みとした戦士達という名のゴミ屑どもはとっくに始末しており、それすらも気が付けていなかった無能もの。

 

「貴方の功績といえるかどうかとは分かりませんが、唯一の快挙と言えば同族からラディッツとラディッツ世代を輩出した事でしょうかね。」

 

最早興味の失せた相手に、フリーザは相手が最も嫌がる者達の名を上げれば、案の定ベジータ王の苦悶の表情は憤怒にとって代わる。

己を脅かしながらも、それすらも気が付かない程王である自分を意識の箸にも上らせない、切り裂いても飽き足らない無礼者どもの末路は・・

 

「安心なさい、あの子達は貴様等と違って大切に私の手元で働くのですから。」

「そんな・・・そんな事がまかり通って!!!」

「ゴミ屑は死になさい。」

 

自分は、死ぬ間際にまで聞かされる屈辱的な言葉を押し付けられながら、ベジータ王の頭は文字通り消し飛んだ。

 

のたうち回った顔を、憤怒の眼差しをフリーザに向けたその瞬間、フリーザの気功弾の一発によって、その生涯を閉ざした。

 

「他愛のない・・・私の両手すら使う価値のないサルが・・・・王の子供は今どこに?」

 

死体になったベジータ王にフリーザは早々に目もくれず、ベジータ王子の所在を確認する。

父親と同じく己に逆らう気を見せるものであれば、即座に殺すべく。

 

 

ピィーピィー

 

だが、その問いの答えは聞けなかった。

 

「報告!!!太陽の方角よりサイヤ人の戦士が複数向かって・・・・張りなおした上級戦士達を突破・・・いえ・・・全滅!!???」

「ほほぅ、-本命-が来ましたか。一応聞いておきますがどなたが?」

 

ベジータ王を殺した事で、ある程度満足したフリーザは激昂を沈めて普段使いの言葉で新手の確認を通信兵にさせる。

 

ベジータ王なぞ、所詮は愚かしい道化の前座でしか無い

予想通りであれば

 

「は!数は六人!!向かってきた者は・・・サイヤ人の戦士・トーマ・セリパ・パンブーキン・トテッポ・・・・ラディッツ様の父バーダックと母ギネ!!!」

「矢張り、送った者共では仕留められませんでしたか。

しかしバーダックさんだけではなく残りも生きていたとは驚きです。」

「フリーザ様にご報告!トーマ達の戦闘力・・・そんな三万!!??

バーダックに至っては五万と!!」

 

任務と偽り刺客を配置していた惑星に送り込んだバーダックは、生きて自分達に向かってくるだけでもフリーザ軍にとっては驚愕であった。

 

少なくとも戦闘力一万の兵士達を百人とオーバーキルと思われるほどの戦力を送っていたのを食い破って来ただけでもあり得ない中、バーダックに至っては戦闘力五万と、あり得ない数値を叩きだされたフリーザ軍全員が、スカウターの故障かと騒ぎ出す。

 

無理もない

 

ギニュー特戦隊のギニューには届かずとも、リクーム達に近づいており、念動力を買われて入ったグルドを完全に上回る。

 

その戦士達が、一路フリーザの首を狙って一丸となって宇宙空間を朱に染めながら攻め上ってくる様は悪鬼の群れであり、憤怒の表情を一様に浮かべ兵士達の精神を呑み込み文字通り命をも呑み込んでいくバーダックが、咆哮をあげ空間を満たし尽くす

 

 

「フリーザ!!!!!!!!」

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