「いよいよ五日後に迫りおったか・・」
「なんだ、前線には絶対に来ないでほしいと言われた兄者が緊張してどうする?」
「むむ・・・・お主が出て良くて何でわしは駄目なんじゃ悟雲の奴め!!!」
「そうはいうがな、あの小僧の懇願に負けて戦場に行かんと言ったのは兄者自身だぞ?」
「・・・・わかっとるわい!!!」
そりゃ・・・フリーザ軍の当時最新のナノウィルスポイズンを、体内に取り込んで使役している実は地球人どころか人類辞めている自称地球人・桃白白と、世に名高い孫悟雲達を排出した鶴仙流の祖であっても、普通の気功の達人くらいの鶴仙人ではね~である。
そんな事は自分が一番よく分かっている鶴仙人ではあるし、第一弟の言う通り・・・
「お師匠様・・・お願いです、絶対に戦場には近づかないでください・・・」
必ずブルマ達と同じ避難所でお待ちくださいと、現地球最強の男が童の様な泣きそうな顔で懇願してきたのだぞ!!
「分かったと言ってやるほかないではないか!!!」
フリーザとその軍が来ることが確定した時、鶴仙人はフリーザに殺されてでも言ってやりたい事があったのに!!あの普段は雲のように飄々としてあちこちフラフラしている馬鹿弟子は何かを察したのか!片膝ついて両腕を握ってきて、泣きそうな顔でお願いですからと言って来られたら白旗振る以外何かあんのか!!
鶴仙人はもう本当に馬鹿弟子が可愛くてしゃあない奴なのだ・・・・出会い方は最悪で、その頃は悪党親玉気取って世間の鼻つまみ者であった自分をここまで変えられたとしても後悔がない程に!
その馬鹿弟子を追いかけてたフリーザとかいう奴!!ふざけんじゃねえである!!
毒を盛った相手を十八年も探していたってなんじゃそれは!!
そんな相手に負けてしまえば、地球は滅亡してそして・・・あの馬鹿弟子は捕えらてしまう・・・きっと籠の鳥の様に・・・・
「白白よ・・・・実際のところ今のお主達で地球は守れそうなのか?」
兄の弱気な発言に、桃白白は孫悟雲ことラディッツとかかわりを持ってからの歳月を振り返った
・・・・・・・・・・・・・・・
不思議な奴であった
心が弱っちい癖に根性はあり、何よりもどんな苦痛を受けても逃げ出さない闘志が秘められていた。
そんな奴の周りには、自然と武の才能を持つ者が次々に寄ってきてはあいつが手解きをして、何時の間にやらその者達の限界を突破させて儂と真剣な組み手が出来るレベルに上げていくという摩訶不思議な事をしてのけた。
おかげで天津飯と餃子とヤムチャはもとより、きっと小僧と出会わなければ一生涯気を扱う達人にはなっていないような者達が、十数人集まればパワーを半減させたターレスくらいにならば勝てる程の強さを手にしている。
それを知れば宇宙を征服しかけているフリーザとやらにとっては脅威に映り、もしかしたら小僧を手に入れた事で気紛れを起こしてそのまま帰還すると言う道も絶たれたかもしれないと思うと、あの小僧は良くも悪くも大騒動を巻き起こすものだと、兄と静かにお茶を飲みあいながら、おかしな小僧に想いを馳せるが
「小僧とあ奴等なら大丈夫だろう。」
儂も出るしなという言葉に、そうかと鶴仙人は弟の言葉に気を落ち着かせて程よくなったお茶を飲み始める。
弟は駄目な時は無慈悲なくらいにあっさりと無理だろうと人ごとの様に言う奴じゃと信頼をして。
だが・・・・其れでもあの優しすぎる馬鹿弟子は当日大丈夫だろうかとの心配は尽きないのだが・・・
その馬鹿弟子は、ここ最近休みなしであちこちに顔を出して対策を練り合って万全を期そうと必死になっていたな。
避難先はもとより、整った避難所にスムーズに逃げられるようにと襲来発表の半月後に避難訓練が行われた。
「やっていないのと一度でもやっているのとでは絶対に違います!
当日だと思い必死になって頂くようにお願いいたします!!」
その避難訓練のお知らせに際して、最も地球で忙しい人物の筈の孫悟雲がメディアに出てきて避難訓練告知と本気でやってほしいと頭を下げた事で、大半の人々は危機感を持ってきちん参加して、
「医療施設に入院している人々や老人施設の人々を逃がすのは襲来の三日より前に先に受け入れたほうが良いかと提案いたします。」
「体の弱い方々を優先的に逃がし、妊産婦の方々を把握して医者を待機させておいた方が良いかと。」
「飲料水及び食事は三日はもつようにして、瞬間的に凝固する簡易トイレも目標の三倍造っていますが、五倍を目途にします!」
「各避難所にそれぞれの病気に対応するクスリと医療器具が少々足りないようなので医療関係全てに当たりなおします。」
避難の仕方の見直し、避難所で必要な物を洗い直しがされていった。
誰かを取りこぼす事無く逃がし、助けるという壮大で夢物語とも思えるかもしれない事を、関係者一同はそれでもやり遂げるのだと必死の面持ちで、この半年近くほとんど家に帰っていない者が続出するほどであったが、誰も辛いともやってられないと放りだす者がいなかった。
いたとしても、周りの同僚が時間を削ってでも包み込むようにして決して放り出さない事で奇跡的に仕事は続いていった・・・
軍人達も警官もサイヤンℱの警備員も鶴仙流の高弟達も何度も何度も避難所に誘導するシュミレート訓練をした。
避難当日雨が降ったら?冬だから雪だって前日かその前から降っているかもしれない。
道が悪路になった時どう対処するか、万が一山の洞窟の方に雪崩が来た時どう防ぐのかすらも検討され、鶴仙流の高弟達と気を扱うサイヤンℱの警備員が奇しくも悟空とブルマがドラゴンボール探しで寄った万年雪の山に実際に雪崩を引き起こして訓練をした。
おかげで気のバリアーの質も上がり、その訓練の安全確保もかねて見守っていたジュニアがこれならば前線でも通じるだろうと判断を下し、父にこいつ等もきちんと戦える戦士に入れてやってほしいと許可を求めるほどであった。
「・・・・・その・・・お前達も前線に出たいか?」
一応本人達に確認を取れば・・・・一斉に片膝をつかれて包拳の礼を無言でとられてラディッツは溜息をつきながら、弟妹弟子達の心意気に降参した。
危険だから避難所警備という名目で避難させる気満々であったのだが・・・・こうとなっては許可しなくとも勝手に飛び出されるよりは、きちんと組織だって動けるようにそちらの訓練を、精神と時の部屋で修行を終えたジュニアと天津飯とヤムチャに指導させながらみっちりと修行させた。
悟空の方は荒行なのか、仙豆を口に入れながら二百倍の重力に挑戦して死にかけながら強くなると言う・・・・親父がしそうな無茶な修行してるし、流石にクリリン達には百倍を限度にさせている・・・・地球人とサイヤ人では違うのだからと宥めるのに本当に!苦労したのだ!!
トニーは医療者達と仙豆の事を共有しあい、一気に力が戻っては仙豆の事がばれて消滅させられる恐れがあり、ならば仙豆を四分の一ほどの大きさにして唾液と接触後すぐに溶けるカプセルないし包でくるんで直ぐに飲めるように細工をしようと開発を急いでいる。
仙豆はどれ程の大きさだと体力の回復はどの程度になるのかの治験をマーク達在野の格闘家や武道家達が協力をしてくれたおかげで、そのデータは一日もせずに取れたほどであり、トニー達の作業は一気に捗った。
その在野の格闘家の現チャンピオンマーク・リングネームサタンは、襲来発表があっても変わらずに格闘技大会に精を出し、大会が終わった後は必ずファンと世界を安心させるようなビッグなパフォーマンスをしては、また会おうと終わった後自発的に街の夜回りをしていた。
夜は精神の脆さが出る
自暴自棄になって暴れる人を、若しくは暴れる前に見つけて上げて止められればと願って・・・・平和の世であったならしないであろう悪事をさせる事を未然に防いであげたくて
功を奏したのか、チャンピオンーサタン達が夜回りに出ている事がマスコミに取り上げられてからは夜の犯罪率はぐんと減ったのがサタン達を喜ばせた。
そのサタンの妻のミゲルは今や押しも押されぬ歌姫になり、そのミゲルを筆頭にミュージシャン達が連日連夜人々を勇気づけるように明るく楽しい歌を、誰かを愛する歌を、慰める歌を、怯える心に寄り添う歌を歌い続けた。
サタン達もミゲル達も、どちらのイベントも無償であるのにもかかわらずに笑顔であった。
そしてどちらも-来年の新年イベント-も無償でする事を確約して世間を勇気づけた
彼等もまた-来年-が来ることを信じているから
そして月日はあっという間に流れた
「国王陛下、孫悟雲氏より連絡が入りました。」
敵の襲来が五日後に迫ったと