俺ラディッツは弟を絶対に守り抜く   作:ドゥナシオン

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お師匠様の言葉と返答と・・・

お兄ちゃんの馬鹿!!

私達だけが助かるなんて絶対に嫌よ!!

お兄ちゃんの事大好きな人達を見捨てられるの!!??

 

・・・・・なにを曲げても、守りたいと思っている妹からの言葉に、最悪の決意をしかけたラディッツは動揺した

 

だって・・・そんな事を言われても!俺はお前達が愛おしいんだ!!生きられる道があるならそちらを選べるなら・・・悪魔にだって魂を渡してもいいと思う程に・・・

 

 

動揺したラディッツに、言葉をかけるなら今だと意気込んだ悟空の声は

 

 

どどん!!!!

 

ドガン!!!!

 

 

「・・・・へ?」

「は?」

「・・・・なんで?」

 

 

どどんって・・・・どどんって!!!

 

 

ブルマの言葉で完全に呆けていたラディッツの背中にどどん波がぶつけられた!

 

痛くは無いし衝撃も然程来なかったが!!使える天津飯と餃子も物凄く驚いているのを見るに今のは間違いなく・・・

 

 

「お師匠様!!!???」

 

鶴仙流の高弟達の後ろから・・・・なんで悠然とお師匠様が歩いてこられる!!??

 

「・・・・この・・・・しっかりとせんか馬鹿弟子が!!!!!!」

「えぇ!!??」

 

驚いて駆け寄れば叱られたラディッツは様々な意味でぶっ飛んだか、お師匠様は大激怒しているのだ!!

 

あまりにも情けない馬鹿弟子の姿に、コッソリとついてきて足手纏いにならんように影から見守るだけにしようと思っていたら!!こ奴は今更何をひよっとんのじゃい!!!

 

腹が立っておまわず活を入れる為にどどん波打ち込んでやるほどじゃったわい!!!

 

「・・・・貴様!!ラディッツに攻撃してただで・・・」

「やかましい!!この馬鹿弟子に文句言えたら!!儂を煮るなり焼くなり好きにしていいから黙らんか!!!!!」

「な!!」

「ちょ!!!リーキュ!!この方は俺の大事なお師匠様なんだ!!ちょっと待っててくれ!!」

「は?・・・・・サイヤ人のお前にどう見ても弱い地球人が?」

 

意味不明過ぎて、あらゆる意味で生真面目なリーキュはフリーズ起こして黙ってしまった

 

大事な幼馴染に何してくれんだというリーキュと、この馬鹿弟子を叱れたら後はお前達に殺されてやってもいいからというとっても聞き捨てならない台詞を宣ったお師匠様を庇うラディッツに、周囲の目もあらゆる意味で丸くなってリーキュ同様に唖然とした・・・・其れこそ私の子に何をすると激怒しかけたフリーザも、戦闘力が百にも満たない爺さんに気圧されるほどに

 

そして地球勢は鶴仙人様は悟雲師兄と約束して安全なところに言ってくれていると思っていたのにこの場にいる事自体にもうびっくりであり物凄く焦った!!!

 

「鶴のじっちゃん!!ここあぶねえんだぞ!!」

「そうです!!今からでも桃白白さんに避難所まで送ってもらってください!!」

「俺達が追撃を止めるのでお急ぎを・・・・」

「やかましい!!!!!!」

 

慌てふためく悟空達と弟子達にも一喝した鶴仙人は、自分の叱責の声にびくりとして黙ってしまったのを見届けて嘆息し

 

「悟雲よ、さっきブルマが言った言葉はな、全部この場にいる者の総意と思って構わんのじゃ。」

「そ!!お師匠様まで!!!」

「悟雲、儂等は死ぬかもしれん・・・・だがな、周りを見てみろ。」

「?」

「ちゃんと顔を上げてしっかりと悟空達を見ろ。」

 

小さな体から出たとは思えない程の威厳に溢れた声音は、フリーザ軍若手のナンバーワンの名を欲しい侭にしていたリーキュや宇宙の帝王たるフリーザをも圧した。

 

鶴仙人は、孫悟雲という雲に乗って高みへと昇り続けそして、本物のお師匠様になっていたのだ。

 

弟子が強くなりたいと望めば共に方法を考え導き、弟子が惑えば手を差し伸べてやり、迷ってかつて自分が歩もうとした最悪の道に行き駆ければどんな事をしてでも、己の全てを賭して元の道に戻すお師匠様に・・・

 

 

そんなお師匠様の言葉通りに顔を上げてラディッツが見た光景は・・・全員が怒っている顔であった

 

弟達は全員が涙ぐんでおり、息子なんてフリーザ軍の方ではなく自分に殺気をバシバシとぶつけてくるし・・・

 

「師兄様・・・我等は・・・小妹の言う通り共に死出の旅に向かったとて文句等ございません!!」

「共に抗ってください!!お願いですからご自分の心を偽らないでください!!!」

「貴方が!地球の人々を見捨てて平気なはずがある訳ないじゃないですか!!」

 

 

弟妹弟子達から非難轟轟の嵐を食らって・・・・・

 

「分かるか?」

「・・・お師匠様・・・」

 

小さな体の大きな心を持ったお師匠様にそっと腕を添えられ、冷たくなった心と体に温もりが込められて・・・

 

「皆、お前が好きなんじゃ。」

 

お前と最後を共にしても良いと思う程に、共に命を懸けても良いと思う程に

 

「そんな者達が、あ奴等の言葉で生かされて嬉しいと思うか?」

 

確かに世の中には生きているだけで幸せだろうという者がいるし、地球の中にも必ずいるのは否定しない。

 

ただ

 

「お前が選ぼうとする五百人の者達はな、断言するが全員ブルマと同じ回答をするぞ。」

 

絶対に嫌だと

 

孫悟雲という優しい男の心を壊す事になってまでも生きていて嬉しいと思う者は

 

「残念ながら一人もおらんぞ。」

 

儂もそうじゃしなという、事実を、優しく諭すでも包み込むでもない何時もの様に淡々と話す鶴仙人の言葉が、却ってラディッツの心に届いた。

 

自分は大切な人達に生きて欲しいと・・・・だから決意を反意させようとしたのに・・

 

 

「フリーザ!!!!おら達は兄ちゃんを絶対に渡さねえぞ!!!兄ちゃんの事なんもわかってねえお前なんかに!!大好きな兄ちゃん渡してたまるかよ!!」

「ん!!??ちょっとカカロット!!あんたフリーザ様が優しいたって限度が・・」

「やかましい!!親父は地球に生きる人達が大好きで!!!誰かを選べるほど器用な奴じゃないだぞ!!それすらわからない奴等に!!殺されたって親父は渡さんぞ!!」

「親父って・・まさかお前異星人のくせしてラディッツの子共だって言うつもり・・」

「ジュニアは確かに悟雲兄さんの子供なんだよ!!

悟雲兄さん!!俺達は誰一人として兄さんに生かされる側に選んでもらおうなんて思いません!!選んでほしいんじゃない!一緒に抗って欲しいんです!!!」

 

大切な弟達が、息子が、仲間達が抗おうとしている・・・・・

 

宇宙を席巻している帝王を相手に、大軍を前にしても怯む事無く・・・

 

気が付けば・・・弟妹弟子達全員の気が膨れ上がって抵抗の姿勢を見せつけて・・・

 

みんな・・・・俺は・・・・・決めていたのに皆を守るつもりでその実逃げたかったのかもしれない・・・・

 

圧倒的な強さを誇るフリーザ様の力に怖れをなして・・・・楽な方の道を選びたかったのかもしれない・・・・

 

なのに!!そんな馬鹿な俺を!カカロット達は俺を守ろうとしてくれている!

 

ブルマはどこまでも一緒だと言ってくれた

 

この場にいる全員は誰一人逃げようとしないで・・・

 

「お師匠様・・・・」

「なんじゃ?」

 

俺は・・・・言ってもいいだろうか?言ってしまっていいんだろうか?

 

弟達の言葉でフリーザ様達の怒気もさっきも膨れ上がって一触即発状態になっている

 

次に誰かが何かを言ったか何かが起これば確実に交渉決裂になって戦闘開始になってしまうのに・・・・そしたら・・・誰かが死ぬ事になって・・・でも・・・元々そうする気でここに来たのに・・・俺は・・・覚悟が足りなかったんだ・・・

 

フリーザ様達と戦うという本当の覚悟が・・・

 

 

その覚悟を、勇気をくれたのは確かに自分が大好きな人達で・・・・・だから!

 

だから俺は・・・・俺は!!!

 

 

フリーザ様!!!俺は地球に住まう人達が大好きなんです!!!

 

 

・・・言ってしまった・・・・とうとう・・・フリーザ様のお言葉に反する事を今生で初めて・・・それでも

 

「地球の皆が大好きで!!誰かを選ぶ事なんて出来ません!!」

 

 

逆らった事に後悔はない・・・・だって・・・どちらも愛しているから・・・みんな好きだから・・・だから!

 

「これより俺は!間違っている方に全力で抗わせていただきます!!!」

「兄ちゃん!!!!」

「は!遅いぞ親父!!!」

「この馬鹿弟子が・・・ハラハラとさせおって・・・」

「兄様!!!」

「お兄ちゃん!!!!」

 

ラディッツの顔からは迷いが消え、あの眩しい程の笑顔で思いっきり宣言した

 

侵攻してきた貴方達を止めますと

 

その宣言に、悟空達は構えながら大歓声を上げ、フリーザは左目をピクリと眇め他の者達の怒りに火をつけた!

 

だから嫌だったのだ・・・・ラディッツは優しくて情が深くて直ぐに絆されるから

 

現にこうして慕う者達を見捨てられなくて・・・

 

「そうですか・・・・それが貴方の答えですかラディッツ。」

 

ヒヤリとする冷たい声・・・・自分が少年期に幾度も聞いてきた声は敵対勢力達に向けられていたものであり自分に向けられるのは辛く怖ろしい・・・身も心も凍りそうだがそれでも!!

 

「・・・・決意は変わりませんか・・」

 

熱い意志を宿した黒曜石を思わせる瞳がぎゅっと上がり、優しさを仕舞ったラディッツにもう反意はないという意思を感じ取ったフリーザは嘆息しながら、瞳に冷たい物をよぎらせながら開戦を命じた。

 

「全軍、ラディッツとこの場にいる全員を捕らえなさい。」

 

ラディッツ以外は手足が無くなろうとも生け捕れば構わない

 

その後に悠々と地球を制圧すればいい

 

そして

 

安心しなさいラディッツ、先程の言葉はきちんと守りますよ。

 

貴方にきちんと()()()()()()()()()()

 

貴方自身で大好きな人達を、二度と私に逆らわない為の枷達を自分で選ぶのですよ?

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