俺ラディッツは弟を絶対に守り抜く   作:ドゥナシオン

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-幕間- これも一つの戦い・・・

「武天老師のおじいちゃん・・・・お兄ちゃんや悟空達は大丈夫かな・・・」

 

兄がフリーザの言葉を振り切り開戦の合図をした後は、微弱な電波から自分達の隠れている場所を知られたら不味いとすぐさまモニターを自爆させてから一時間以上が経ち、兄の背中を押した娘とは思えない程に悄然としている姿が痛々しい・・・

 

長い髪がほつれているのがさらにそう見せているのかもしれないが、そんなブルマを父のブリーフ博士と母・ビキニが抱きしめそして、チチ達が慰めている。

 

ブルマがいる避難所は父と母とそして戦っている男達以外の孫家ファミリーが勢揃いしており、ブルマ同様に皆夫と仲間達の無事を祈っている。

 

あんな大軍を相手にして無事ではないにしろ生きて帰ってきてほしいと・・・

 

「姉様・・・・きっと悟空さ達が勝つだよ!だってあんなにいっぺえ修業したんだもん!」

「クリリンさん達も悟雲お兄様と同じくらいに辛い修行をされたんです・・・」

 

きっと大丈夫だと互いに勇気づけ合うのを、亀仙人と悟飯達は健気な子達だと目頭熱くなるのを感じる・・・・本当は怖いだろうに互いを思いやり合ってその思いを押し殺して笑い合うのがいじらしくて・・・・

 

「大祖父ちゃん・・・」

「ん?どうした悟天?」

「あのね・・・小父さん達は勝てるの?」

 

ブルマが見せてくれたモニターにはたくさんの敵が映っていて、悟飯の膝の上で見ていた悟天は怖くなり、いつでも泰然自若としている優しい大祖父ちゃんに助けを求める様にか細い声で問うたのを

 

「大丈夫じゃぞ悟天、お主の父も小父さん達もうんと強い!」

 

だから安心して待っていようと、悟飯の代わりに亀仙人が元気よく答えて悟天の頭を優しく撫でてやる。

 

・・・・本当は、鶴と同様に自分もあの場所に飛んで行きたかった・・・・

 

何の足しになるかは分からないが、弟子を勇気づけることが出来るのであればと・・

 

しかし、その前に鶴仙人から頼みごとをされたのだ・・・それも途轍もなく重要な頼みごとを

 

「亀・・・・済まんが儂は悟雲の側にいたいのだ・・・ブルマ達の事をお前に頼んでもいいか?」

「・・・鶴・・・お主・・・」

「はは・・・滑稽じゃろう・・・」

 

かつて巨悪を倒す為に尊敬していた師が相打ち倒れた時、正義を否定した自分があの当時のような状況の渦中で弟子を見守りたいというのだから・・・散々そんな人達を否定して、善だの悪だの関係ない!自分の為だけに好き勝手に生きる事の何が悪いと嘯いた自分があまりにも手のひらを返したような事をしているのだから・・・滑稽ではないかと鶴仙人は己を自嘲するように半笑いをした。

 

しかし

 

「笑わんよ鶴よ・・・・」

 

あの日の事を、鶴とこうして胸襟を開いて話す間柄になっても夢に見る。

 

師が死んでしまいそして・・・そりは合わなかったがそれでも辛い修行を共に乗り越えた最後の兄弟弟子が立ち去った時の、張り裂けそうなあの日の出来事を忘れる事なぞ出来はしない。

 

それでも、恨んだ事は無かった・・・鶴には鶴の考えがあると・・・・その先が悪の道だと知った時は酷く失望し嘆いたが・・・それはもう昔の話で、こ奴も儂も大切な弟子をおもう武道の師だ。

 

「行ってこい、ブルマ達の側には儂がおる。お主は悟雲を守ってくれ・・・」

「亀・・・・あいつはな・・・あいつは馬鹿弟子じゃから・・・手がかかって・・・かかりすぎてしょうがない奴なんじゃよ・・」

「うむ・・・」

「きっと・・・あいつは昔馴染みにあってしまえば決意なんて忘れ果ててしまう阿呆なんじゃよ・・・」

 

心配だから・・・それ以上にどうしようもない奴だから自分が見ていてやらないと駄目だからと、悟雲の心情を思って泣いた鶴を・・・どうして笑えようか?

 

笑わば笑え

 

そ奴こそが滑稽なる奴じゃ

 

約束をした

 

鶴は悟雲の心を守る

自分はブルマ達の心を守る

 

力が足りずにもしかしたら最悪な結末を迎えるかもしれないが其れでも、せめて最後の最悪の瞬間まで心を守ってあげたくて・・・

 

ブルマ達を慰めるべく陽気に振舞いその甲斐あってか、それとも・・・

 

「悟空さ達が勝ったらうんとご馳走作ってやんねえとな!」

「・・・・その前に私はお兄ちゃんの事どう慰めてあげればいいんだろう?」

「お兄様ね~・・・とりあえずあんたの胸貸してやんな。」

「ええ!!??ちょ!ランチさんそれって・・」

「泣きたいだけ泣かせてやれっていう意味だよモンブラン・・・」

「そうだべな・・・・・今回一番心情的に辛いのは悟雲さだもんな・・」

「・・・・あの人が消えた時も一番泣いていたの父さんだもんね・・・」

「皆で慰めてあげよう。」

 

彼女達の生来の優しい大らかな心のお陰か、この避難所の中に悲壮感はなく優しい空気に包まれているのを、亀仙人と悟飯はほっとする。

 

牛魔王も山村の人々も悟雲達を信じているようで、後でどんなものをこさえて上げようかと笑っている・・・内心では不安かもしれないが、それでも-未来-の話を明るくしているのだ・・・

 

大人達が落ち着きを見せているせいか、避難した時は不安そうであった子供達も備え付けられているおもちゃや遊具で仲良く遊び始め笑っている姿が微笑ましい・・・

 

ここは大丈夫だと、悟雲達に知らせて上げられないのが残念だ・・・

 

そしてそれはブルマ達の避難所だけではなく、各地の避難所も恐怖や悲しみは消えこそしていないが、各所にはテレビや音楽を聴くための機材があり、絶世の歌姫を始めとした有名な歌手からアニソン・ポップ・ジャズ果てはクラシックも一人一人が聞けるほどの用意があり、孫悟雲と孫悟空の出演した映画を始めとした多数の映画がある。

 

この場所が敵に見つけられないように外部とは完全にシャットアウトしているので外の状況を知ることは出来ないが、それでも人々を祈るように信じる。

 

外で戦っている人達の頑張りを想い、怖れる心に負けまいと、避難している人々もまた心の戦いをしている。

 

外で自分達を懸命に守らんとしてくれている戦士達を信じてあげたくて・・・

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