フリーザ様~
今度はあの星が狙いですか?資料をドドリア様と集めておきました
目がお疲れのようなので、ザーボン様に教わってハーブティーを淹れてみました
フリーザ様にお仕えしたいという者がいまして、ちゃんと裏を取ってみたら使えそうな者でした
こうすればほぼ無血で・・・俺もっと頑張って勉強してフリーザ様みたいに上手く事を運ぶようにします!!
フリーザ様~
フリーザ様~
なにをしても、どんな事があっても自分を一番にしていた-あの子-は・・・
「あの・・・フリーザ様・・・・」
「ん?どうかしましたかじぃ・・・ナナバ文官長。」
コホン・・・・どうも気が緩むと爺の事をそのまま呼んでしまいそうになってしまいますね・・・軍のトップたる者、上下関係を明らかにして公私のけじめを付けねばいけないのに・・・いけませんねこんな事では・・・
さてその爺が何やら言いたげですが、そろそろあの子が出勤してくる時間ですから、早々に話を聞いてあの子をゆったりと待ちたい所です。
昨日はあの子の弟だが妹だかが生まれるというので、お祝い代わりに有給を上げて喜んでくれましたし、きっとそのお礼をあの満面の笑みでしてくれるでしょう。
今からそれがとても待ち遠しい・・・自分の生き方は好きです
他者を従え、従わねば踏み躙って言う事を聞かせて、それでも駄目なら全て消し去るのが物心ついた時から大好きで、私を怖れながらも敬う者達を見るのが堪らなく愛していますが、時には真っ直ぐに私を慕ってくれる者がいるのもいいものです。
ギニューさん達もその傾向がありますし忠誠心を疑った事もありませんが、ギニューさん達は私の成した功績に惹かれそして私を見て忠誠を誓ってくれましたが、あの子は違う
フリーザ軍にいながらも、私に会う事なんてある筈も無くトップの顔も知らないのはサイヤ人の子供だから。
自分達の王の顔を知っていても、私を見かける機会とてある筈も無いのですから
下っ端よりもなお下の地位で爺の手伝いをしていただけのあの子は、不思議と周りにスルスルと馴染んでいった。
時折私の居ない時にザーボンさんとドドリアさんに爺からの書類を運んできて接触をして、二人はサイヤ人の子供なのに折り目正しく分を弁えたあの子を早々に受け入れた。
珍しい事があるものだと思って終わっていたが、あの子の話はどんどんと軍内の者達の口の端に上り、ギニューさん達の事や、サイヤ人の子供達がこちら側に傾いてきている事に私の興味は最高潮に達して会ってみれば、あの子は私の事を知る事無く私に対してあの眼差しを向けてきた・・・・
初めて恋をしたような、憧れを見つけたような熱を帯びた眼差しと紅に染めた頬をそっと開いた口を・・・・何と可愛いものを見つけたのでしょう。
休暇明けのあの子の顔もそんな感じになるのだろうかと思うだけで口角が上がりそうになるのを抑えていれば
「実はその・・・ラディッツの弟の泣き方が酷く・・・・隣の保育機に入っているのが戦闘力・一万という破格の赤子と隣合わせでして・・・・ラディッツの弟の泣き声でかんしゃくを起こされたら大惨事になるので、ラディッツの弟が家の保育カプセルに入る数日間有給を延長させ・・・・フリーザ様!!???」
聞いた瞬間切れましたとも・・・
えぇ!えぇ!!その泣き声の酷い弟とやらを縊り殺せばいいですよね!!??
「フリーザ様!!!なりませんぞ!!!今そんな事をすれば!ラディッツの心は確実にフリーザ様から離れてしまいますぞ!!
たった数日です!!その後は有給の取り過ぎという事で!年内のラディッツの休日は全て自主返上させるように仕向けますのでどうぞおやめを!!!」
「フリーザ様!話は文官長様から聞きました!!ラディッツは貴方様の事を偉大で素敵なお方だと嬉しそうに言っているのです!
まかり間違ってもフリーザ様のおそばを離れる恐れはありませんぞ!!!」
・・・・弟なんぞを優先するのが許せなくて見た事も無い弟を殺したくなって、爺とザーボンさんとドドリアさんと、ギニューさん達に本気で止められてしまって・・・そんなもの、あの時振り切って殺してやればよかったと!!今では本気で後悔していますよ!!!!
・・・・・・・・・・・・・
異形の姿になってもラディッツはラディッツのままであった
戦闘力が急に高くなっても直ぐに攻撃を仕掛けて来る事無く、口で説得しようとする辺りからそのあたりが伺える
そして・・・・またもや自分よりも弟を優先してくるあたりが全く変わらないところが!!憎らしくなりますよ本当に!!!!
「フリーザ様!!!もうおやめ下さい!!!!!俺は貴方の所に戻ると・・・」
「だったら!!抵抗なぞせずに今すぐ私に降って提示された条件で満足すればいいでしょう!!!」
どこまでいっても平行線で・・・・言葉と共に繰り出される拳と肉体のぶつかり合いの応酬に、ラディッツは泣きたくなる
一度発せられれば撤回されることの無いフリーザの命令
どんな事があっても覆った事は無く、そしてどんな事になってもフリーザの方が折れない事を知っているラディッツは-止める手立て-が一つしかない事を知っている
即ち・・・それは・・・・
そんな事をしたくないのに!!そうしなくてもいい様に、撤退させられればよかったのに・・・最早そんな道は無くて、もう取るべき道は一つしかなくて・・・考えたくもなかった-三つ目-の道しか・・・・
ラディッツのこの戦争の落としどころは三つしか浮かばなかった
一つはフリーザ様達が撤退せざるを得なくなり、地球侮りがたしとなった時に自分からフリーザ様の下に戻り、地球に手を出さなければと条件を出して二度とフリーザ様のお側を離れないと誓う事
一つは自分達が負けた場合、自分と約束通り弟達と他の者を入れて五百人生かしてくれるだろうが・・・・自分と周りを巻き込んで自爆くらいしないと自分のとばっちりで死んだ人達に合わせる顔がないのでそうする積りで
最後の一つは・・・・最後の一つは!!
「あぁあああああ!!!!」
白銀色の体毛に覆われたラディッツが吠え上げながら、掴んだフリーザの右腕を放さずにぶん回して遠心力の力でフリーザを崖方向の地面の上に叩きつけた。
フリーザが叩きつけられたのは岩山のある場所で、いくつもの岩山にぶち当たりながら地面に叩きつけられるもフリーザ自身の力で止めることが出来ず、地面に叩きつけられ数百メートルほど奥までこすられ再び岩山に背中を叩きつけらる事で止まった
あんな力・・・・あの子が・・・
戦闘力が誰よりも弱かったあの子・・・・比例するように誰よりも心の強かったあの子・・・あの子が・・・・
その力に呆然としたフリーザが、何かを感じて岩山を背もたれにしたまま顔を上げれば、酷く冷たい色をしたラディッツの瞳とぶつかった
この子の瞳は・・・・こんな色もするのですか・・・・
その色が殺意だと知っても、分かっていてもフリーザはラディッツの瞳を覗き込む
あの初対面の日、幼いラディッツが毒ある美をもつフリーザに一目惚れしたように、フリーザもまた憧憬を素直に晒す純粋なラディッツに一目惚れをしたのだ
そしてその後も互いの知らない一面を見つける度に嬉しくて益々惚れ込んで・・・今もまた、冷たくも美しいラディッツの黒曜石の瞳に心を奪われ・・・・笑みが浮かんでしまう・・・
白銀のサイヤ人には気を付けろ・・・・確かに、伝説で聞いた黄金のサイヤ人となったあの弟をあっさりと抑え込んだ子のこの方が脅威なのでしょうが・・・・・美しいと思った私の負けなのでしょうね。
冷たい瞳に似つかわしく、力を込められたラディッツ右腕が自分に迫っているのを知っても、フリーザに怖れは無かった
美しいこの子のこの姿は、きっと終生私以外に向けられる事は無い
最初で最後、私だけが独り占めをしている・・・・ならば、これはこれで私の勝ちでもあるのでしょう
生ではなく、己の価値観の中の勝ちをフリーザは確信した
どこまでいっても他人の価値観なぞどうでもよく、己の欲望と価値観だけで思考しそして満足する
本当は生きてこの子を堪能したかったのですが、これはこれで悪くない
きっとこの子は私を殺した事に終生心を囚われよう
私の勝ちですよラディッツ
-死-が勝ちだとほんのりと笑うフリーザに、ラディッツは拳を叩き込み
バギャアアアアン!!!!!!!
大地が割れる音が当たりに響き、音が静まると同時に世界からも音が消え果てた・・