自分も含めた未来を白紙の状態で手にれるトンミの思惑の半分は、ラディッツとまぁ副産物的にではあるが弟のカカロットを遠くに飛ばせたその時点で半分は完遂した。
銀河の北の最果てに飛ばす事に成功したトンミは正直ほっとしていた。
何故なら
「僕がフリーザ様の意識に干渉して、ラディッツとカカロットの二人を飛ばし子代わりの事をするように仕向けたんですよ。」
「・・・な・・・んですって?」
「いやぁ~あの時はうまくいくのかどうか本当に、結果が分かるまで落ち着きませんでしたよ~。」
あまりなトンミの告白に、己の意識に干渉されたと言われたフリーザは目を見開きそして・・・
フリーザは再びラディッツに抱きしめられていた!!
「放しなさいラディッツ!!!」
「なりませんフリーザ様!!!まだすべてを聞いていないのです!!!
トンミさん・・・何故そんな事をしたのか詳しく話してくださいますよね?」
殺気の塊と化したフリーザの気配を感じ取ったラディッツは、すぐさまフリーザを腕の中に抱き留めそして、修羅の顔をしてトンミに問いただした。
自分が飛ばされた時に怒りが沸いたのは弟も巻き込まれたから
そして今ラディッツの怒りは、フリーザ様の意識に干渉などという聞き捨てならない言葉を聞いたからだ。
何者の言葉にも左右されずに自由な道を行くのが相応しいフリーザ様に!一体何をしてくれたのだと・・・・相も変わらずフリーザ様の事好きすぎだろうと、さしものトンミを苦笑させる。
しかしだ、フリーザの意識に干渉したのは後にも先にもあの一度だけであったと、勿体ぶる事無くトンミはきちんと白状した。
「僕がこんな不思議な白銀の状態になっているのは・・・・そうだね・・・推測だけど自分と他人の未来を視続けて、特に他者の未来を視ているうちに視ている対象者の意識に干渉できるようになってしまった後だね。」
それもその力を極めると同時に自然となってしまったのだと
荒唐無稽のような不思議な話でしょうと、呆気に取られた一同を煙に巻くような笑みを浮かべながら、トンミの推測話は続いた。
それはクーデターに加わる事が確定しているサイヤ人を見つけ、その日取りを知りたいと深く視ようとした時に
-あぁ・・・早くあの小僧をぶっ殺してえな・・・-
突然、相手の声が自分の脳内に響き渡ってきて
-王はフリーザを殺そうって言うんだけど、俺達としてはあの小僧をブチ殺すか犯してやってぶっ壊すだけでいいんだけど・・・そうだ、俺はそっちだけに専念してあの小僧の事を終えたら何喰わない顔して軍に戻ればいいじゃんか。-
フリーザに勝てる見込みは薄いんだから、王達は見捨てて俺だけは生き残ってやる
・・・・物凄く自分をしても下種すぎるその思惑に、頭の中が赤黒い思考に染まり死んでしまえと怒鳴れば・・・そいつは自分で自分をその場で殺した
右手を心臓に当ててエネルギー弾をぶち込んで
「・・・・ふむ・・・」
目の前で死んだサイヤ人を、トンミは実験動物でも見る目つきで見下ろした
自分が死んでしまえと強く思ってこいつが死んだのは果たして偶然だろうか?
だが、直前でこいつの声を聞いている・・・・思考を聞いてそして自分が強く思った事が、思考に干渉したとでもいうのだろうか?
「実験してみるか。」
幸い素体に事欠かないし
破滅の未来が視える馬鹿は本当に多い
其れだけラディッツを狙う者が多い事だが素体にして始末できれば上々だと、未来が視える者に深く潜りこめば同じ事が起きそして自分も同じように相手の死を強く考えるだけではなく、様々な事柄を試すこと数百体目にしてトンミはある程度自分に備わった能力が分かってきた。
「成る程・・・・弱い奴は死んでくれるけど、強い者程僕の干渉が効かない・・・訳でもないか。」
死という己を害する事は効かずとも、例えば自分の利益に沿った考えを少しづつトンミの望みに思考を誘導していく方法を見つけることが出来た。
これならもしかしてと、五百人を使い潰して結果を得られたトンミは自信をもってフリーザの思考誘導に勤しんだ。
はじめは惑星ベジータを消す時あの子をどうしましょうかという軽いを持ち掛けて、その辺をどうしようか本気で悩んでいたフリーザだったのであっさりと話に乗ってきてくれた。
バーダックとギネは残す事は確定しているが、その周りのサイヤ人達は残す価値も何も無いので消す事は確定している。
何の拍子にそんな事をラディッツに知られてしまっては・・・ならばその日はどこかにやった方が安全であり、その為の理由もラディッツが不自然に思われないようにするにはと、良い感じにフリーザの思考を誘導していきそして最終的にラディッツには功績積みの為の飛ばし子もどきをさせる事に成功した。
あぁ・・・・これで漸く僕の望みを叶えられそうだ・・・
白紙の未来が欲しいと願って何が悪いと、一人祝杯を傾けるトンミの顔は緩みその反面、この後の宇宙は壮絶になるだろうなと苦笑もした。
そんなトンミの予想は大当たりをし、そこから征服し統治しながらの長い長いフリーザ軍の旅と宇宙に厄際がもたらされる日々が始まった。
あまり死人が出ないとはいえども零ではなく、確実に被害はだし重傷者も多数出て、何よりも日常が壊されるというのは生命が無事であればよいというものでは無いのだから。
だがそんな事はトンミにもフリーザ達にも知った事ではない
この宇宙は弱肉強食であり、それが嫌であるのならば強くなれという絶対的な摂理が確かにあるのだから。
そんなフリーザ達も精神的に沈む時が幾度もある
ラディッツを見つけられない・・・
征服した先の惑星の監視衛星を調べたとて、宇宙的には小さな宇宙ポッド二つが映っている確率なぞほぼゼロであるのはトンミでなくとも、本当はフリーザ達も分かっていても、億万が一の奇跡的な確率で売っているかもしれないという祈りにも似た希望を捨て去ることが出来ずに、探しそして落胆しての日々であった。
だが、ラディッツが生きている事が分かる明確な物がある。
希望は無くならないから大丈夫だろうとトンミは他人事として見続けそして、そしてその通りだった。
嘆きの底に沈んだとしても、生きているのだからいつか必ず会えると沈んでも沈んでも浮上し、ラディッツが残していった餅つき大会やカレー作りの日等で大騒ぎをしてエネルギーを充電し、そしてまた進んでいく。
その過程で本当に使えない王国・帝国・連合・共和国等の統治機構は全て潰してフリーザ軍はその都度移動を止めて統治機構を再編成しそしてまた進んで行ったある日、不味い未来が視えた。
ポンジャ付近で数年経たないうちにラディッツが地球で見つかり、そしてあっさりと捕まってしまう。
別にそこはいいのだ
ラディッツが見つかったら捕まるのは確定しているのだから
・・・・問題は・・・・あっさりとラディッツが捕まった事で矢張りフリーザ様と周りの心が安定して、統治している場所の興味が失せて現状維持したら・・・・あの忌々しい猫みたいな紫の生物に-発展無くしたお前は無価値だから消すね-とか・・わけわからん奴のせいで・・・・・あれは一体何なのだ!!!
何故そんなにフリーザ様の事に干渉してくるんだ!!!
発展していないのは宇宙全体がそうではないか!!!
トンミもフリーザ達に付いて行き、宇宙全体が停滞して腐敗していく感じを受けて驚いてはいるが、ならば何故フリーザだけがそんな目に遭わなければならないのか理不尽に思えてきた時、とんでもない事が起きた
ポンジャが乗っ取られそしてヘラー一族という過去の遺物達と全面戦争する羽目になった。
・・・・軍医としての仕事増えるのはめんどうだし、何よりもバーダックと子供達が心配であった。
昔話が本当であるのならば、あいつ等はフリーザ様達よりも強いのだから・・・
しかし勝てた
それも自分にとって収穫付きで
船内で待機していれば、相手になったヘラー一族の女戦士と思しきものを見た時、寸前まで船内にいた者達の視えていた未来がまた白紙になったのだ。
理由は分からない
しかし女戦士を地球に送った映像を視た後は女戦士の未来も白紙になり、その後に起こった出来事にはきっと何か意味があるはず。
「君が生きていても死んでいても構わないけれども、まぁ生きている事を祈ってあげるよ。」
女戦士をポッドに乗せて、そして地球に座標を合わせて逃がした後、トンミはしれっとした顔で重症者達の手当てをしてご満悦になった。
顔を合わせたフリーザ達の未来もまた白紙になった事と、このポンジャとそして周辺を落ち着かせる為に結構な時間足止めを食らう事が決定されたから。
どうやらラディッツがあっさりと捕まらないほうがいいようだと結論付けたトンミは、意識干渉でフリーザ軍への不満が溜まっている者達の意識を反乱へと誘導して足止めに勤しみ、そして時間をたっぷりと稼ぐことに成功して
「君は遂にフリーザ様を抑える程の力を手に入れることが出来たんだね。」
僕も頑張った甲斐があるよと、人を食ったような笑みを浮かべるトンミに、リーキュ達は自分達の邪魔を散々をした事に対して殺意を新たにし、ラディッツを始めとした地球の面々は何と思えばいいのか困惑する。
それはそうだろう
トンミの話が全て本当であるのならば、自分達が強くなる時間を稼いでくれた事になるのだが・・・・この地球を含めて宇宙全体を巻き込んだ大騒動を起こしたのはそもそもがトンミという事になるのだから・・・
全ては白紙の未来が欲しいと願った事が原因で・・・
そんな中、フリーザだけが黙考沈思していた
もしもトンミの話がすべて本当であるのならば・・・・自分は-あの怠惰な神-に殺される運命が待っていた事になるのだから・・・
あの神に殺される運命が無くなり、白紙にされた事をどう思えばいいのだフリーザはと本気で苦悩しそして、この戦争の落とし所を見失いどうするべきかに心中で嘆息するのであった