戦争をしに来た
正しくは侵略をしに、もっと言えば大事な者を取り返した暁には全てを殺すつもりであった
それを五百人という破格で提示したとしても、地球人の大半を殲滅する気で来て蓋を開けてみれば・・・・大事なラディッツには跳ね除けられるわ憎いラディッツの弟と互角の勝負をさせられるという屈辱を受けるわ・・・・挙句が全てがネズミのトンミの掌の上で踊らされていたという・・・・滑稽な道化もいいところだ・・・
だがしかし、あの怠惰で仕事を人に押し付けてくる破壊神から、結果的に守られたという事実を無視するわけにもいかない・・・
私以外は父しか知らない
父も兄には破壊神と天使の存在を伝えていない
もしも知った日には・・・・あの戦闘狂はとち狂って戦う事を望んで破壊神を出現させる為に何をしでかすか分かったものではない
とばっちりで自分達にまで累が及ぶのは御免被りたいのは父と私の見解は一致している
だから、サイヤ人を自分の代わりに滅ぼせという仕事の押し付けを父は兄ではなく政治がきちんとできる私に振って来たのだろう。
以降はフリーザにやらせますと・・・・引き合わされた時から、生物の格の違いは一目瞭然・・・膝を屈する気は起きなかったが逆らおうという気すらも起きなかった
父以外の言葉を聞くつもりのない自分が、何年も掛けて仕事をするくらいには・・・
そのおかげでラディッツを・・・この子を手に入れることが出来たのはまぁ僥倖だったが、そんな未来があったわけでもないのに従ったのは、従わざるを得なかったが正解だった。
父がする仕事を私がする事になっても、どうでもよさげであったあの怠惰な神は、きっともしかしたらトンミが視た未来の通りにする予定だったからこそ
即ち自分の仕事をするのはどちらでも良かったのだろう
将来破壊する予定であるのだから
もしかしたら、仕事に携わっておらずとも私達一族を抹殺する気であるかも知れないが
なにせサイヤ人を消す理由が-宇宙の害悪になりすぎてその上発展性も何もないから人間レベルだけを下げていくゴミだからね-・・・・だったか・・・
それはどういう意味かと一度訪ねたが、-そのまんまの意味、後は自分で考えてよ-
僕が教えてやる義理なんてどこにもないんだからと、欠伸をしながら言い放ってお供の天使とやらとともに消えてそれっきり・・・・その後ずっと考えたどり着いた結論が、宇宙の秩序を下げるという意味だろうかという解釈を持ち、そして納得をした
サイヤ人は戦う以外は何もしない
傭兵以下の存在
傭兵は集団を纏める誰かがきちんと政治が出来ないとやってはいかれない
雇い主が何を求めて何をすればいいのかきちんと把握し、望む通りにしなければ依頼が干される・・・・だというのにサイヤ人はそれが無かった・・・・あったとしても戦いに夢中になるとそれを直ぐに忘れ果て殲滅し星を破壊し使い物にならなくしても気にも留めない。
ただ暴れたいだけ戦いたいだけ自分を強くしたいだけで、自分達と同じ生命なのだろうかと疑いたくなるほどに発展性も何もない種族
確かにこんなのが宇宙に居られて暴れられるだけであっては、自分の様なものからしても増えられるのは御免被りたい。
自分とても似たような事をしているが、そんな私をしても邪魔だと思う種族なのだから・・・・・だが、トンミの言う通りラディッツが成長してからサイヤ人達も変わった。
その変化を齎せたこの子を追いかけて十八年目にして・・・・こんな真実を明るみに出されて・・・
悩んだのは何もフリーザだけではなく、かつての文官長補佐官ラディッツも同じように悩んだ。
この戦争の落としどころをどうすべきか・・・・自分一人だったら悩まない・・・だが!戦った弟妹弟子達の中には、腕の無くなったものもいて・・・なによりも侵略行為を働かれた側が容易に許すことなどある筈も無く・・・・・それでも・・・
「フリーザ様、そしてみんな・・・・俺は・・・・・フリーザ軍と地球の和睦を提案する・・・・どうだろうか?」
・・・・・・・・・・・・・・・
和睦・・・・和睦と言った
もしかしたら!フリーザとその軍を一網打尽に出来るかもしれない兄者が!!選りにも寄って和睦と言った!!!
「あ・・・」
「この地球の為だ。」
「・・・・・は?」
先程の怒りが再度こみあげてきた天津飯の口が開く前に、ラディッツの重い声音がその場を支配し続きを話した。
「フリーザ様はこの銀河の大半を席巻されている。
俺が知っている昔通りの軍だったらきちんと統治が行き届いて、この地球程ではなくとも秩序が約束されている・・・違いますかトンミさん?」
「その通りだよ、なにせ無法地帯に君がいたら死んでしまう怖れしかないからね。
その点は僕もきちんと協力して、現地の人達の診察をしたり医療関係を発展させて懐柔する役目を全うしたと自負できるよ。」
その他にも壊したインフラ整備と法とパトロール機構を実施してそして使えるので生かしておいた官僚を組み込み統治機構をある程度作り上げながらラディッツ達の行方を示す何かがないかを探し、無いとなると次の宙域へと向かっていったのだと。
ラディッツの言葉通りだというトンミの言葉に、ラディッツは頷き
「その秩序は軍がいるというよりも-帝王・フリーザ-がいて成り立つものなんだよ天津飯・・・・もしも今この場でフリーザ様とここにいる全員を殺したら、軍は瓦解して宇宙の秩序が失われ宇宙の大半が戦乱の世になる。」
理由は簡単だ
フリーザ達が、使い物にならないとはいえ辛うじて機能していた纏め役である王族・官僚・長老達という立場の者達を消したからだ。
無論統治機構に関わった全ての者達を消すという事ではないが、どんな集団にもトップは必要である。
たとえそれが周りから担がれる神輿であろうとも、神輿も無い状態では纏まる事も出来はしない。
古い血筋、実績があった者達、大義名分が立つ為には神輿であっても必要であり、それらは今のところフリーザ軍ひいてはカリスマ性がありそして圧倒的な強さを持つフリーザ様しか存在しない。
その唯一の纏め役がが消えれば、秩序は崩壊し秩序だった統治に押さえつけられてきた無法者達が自分達が支配をすると乗り出しそしてあっという間に宇宙は無法地帯になる恐れがある。
それこそフリーザ様達が遠征を始める以前よりも更にひどい状態、自分の知る前世の戦国時代の麻の如くの乱れる様に・・・そうなった時、地球は食い物にされる道しかない・・・・自分は今は地球・テラの気を借りて強くなっているが一時のものであり、宇宙には・・・・それこそフリーザ様の兄君のクウラ様と機甲戦隊の方達や下手をしたら父君・コルド大王すらも出張ってこられた日には勝ち目がない。
弱いのだ自分達は
この広大な宇宙の中で、辺境であり最果ての惑星だったからこそ侵略されなかった平和な地球は、最早そうも言ってはいられない状況に追い込まれている。
フリーザ様達を退かせたとしても、もしかしたらそれだけで耳目を引いてこの地球の豊かさを知られてしまえば完全に侵略対象だ。
蒼い惑星・・・・・大気が澄んで資源も豊富でその上で農耕にも適している奇跡の星
そんな星を欲する者はきっと大勢出てくる
ここまで来てしまえば個人の思惑なぞ思案の外である・・・・その状況を生み出した一端の俺が言える事ではないかもしれないがそれでも・・・・・俺は守りたい、その為にも
「トンミさん、腕を失ってしまった者達は、どうにかなりますか?」
ラディッツの言葉に、天津飯の形相は一変したが、気にせずトンミはさらりと答えた
「そうだね~、遠目からざっと見た限りだけど、あの人達の腕なら再生医療でどうにかなりそうだ。」
バーダックっと違って毒で細胞を殺されたり酷い潰れ方もしていないから
「診てみない事には百の保証は出来ないけれども、半月もあれば元通りの生活を送らせてあげることが出来そうではあったね。」
「そうですか・・・・・」
トンミから回答を得たラディッツは悟空達に目を向ける。
詫びる事は可能で、まだ完全にどちらかが滅びなければ収まりがつかない所まで行っていない今だから・・・・
「もう一度言う、俺は本気でフリーザ軍と地球の和睦を国王陛下に進言しようと考えている。」
この宇宙は今とても危ういバランスの上で成り立っており、そのバランスを崩せば即座に地球にも余波が来る事を全て話す事を決意して