日常を始めたければきちんと元気になってから
エイジ758 十二月二十五日
ゴロゴロしていたい
家の中でぬくぬくとしていたい・・・・今年はクリスマスなんて絶対に無理・・・世間様の何処かでやるとしても、もしかしたら山村の人達が俺達の勝利を信じて準備していてくれいてやるかもしれんけど・・・・正直俺が無理・・・死にそう・・・
「ラディ・・・母さんの膝じゃなくて、ちゃんとベッドで・・・」
「・・・・やだ・・・目が覚めた時に親父と母さんがいなかったら俺本気で死ねる・・・」
「・・・あのなクソガキ・・・俺達は幻でもなんでもねえんだよ!」
お前が何日ぐーたら寝ていようが消えるもんかって親父に言われたって・・・
「もう少しこうしてたい・・・・駄目かな母さん?」
「!!・・・もぅ・・・ラディの気がすむまで好きにしてていいわよ。」
ただ今のラディッツは、特大ソファーの上で横になり、母ギネに膝枕をしてもらっている。
本当にキングサイズのベット程の大きさで、真ん中にギネが座ってその左側にバーダックがおり、右側にいる息子は休みたいと膝枕を求めてきたのだ
嬉しい・・・大きくなっても自分に心の底から甘えてくれる息子がいとおしくて堪らない
バーダックもこの事で五月蠅く言わないでねと、ガッツリとギネから釘を刺されたバーダックはむっとしながらしょうがねえなと頭をバリバリと掻きながら、-地球国民が安心・納得する-茶番ニュースの続きを見るともなしに見た。
バーダックだとて何も鬼ではない・・・・戦闘狂の側面があって戦場では返り血を浴びて赤鬼ではあるが!愛してるぞクソガキを標語にして、最愛の妻ギネが割と外に出て言っても自分は外に出られない軟禁(実質監禁・・・)生活を十八年も強いられようとも、心折れる事無く昨日遂に己の悲願を達成した精神は鬼神もかくやな奴なのだが
本当によく頑張ったなラディッツ・・・
とか、心の中では沢山た~くさん褒めながら態度にも言葉にも出せない超絶不器用親父なのだ・・・戦場では超一流の戦士でカッコいいのに・・・私生活が不器用なのだ・・壊滅的よりはましであろうがそれは兎も角として
ラディッツは向こう十年グーたらしたって誰も文句言わんのではなかろうかと、バーダックすらが思う程に、ラディッツは疲れ切っていた。
・・・・・・・・・・・・
「・・・・とりあえずお師匠様、俺は今から国王陛下の避難しているシェルターを開けてきます。」
国王陛下達が避難しているシェルターのパスコードはラディッツしか知らず、つまりラディッツが死んでしまったら地球は終わりなのは決まっているのでそうなって、晴れて勝ったのだからお迎えに上がるという事である。
そしてお師匠様達は鶴仙流の弟妹弟子達の事を頼みたいというラディッツの言葉に、鶴仙人はラディッツの両親だというバーダックとギネをちらりと見た後
「本来ならばお前のご両親に挨拶をしたいところなんじゃがな、-色々-と落ち着いたらお主の方から連絡をくれ。」
そうしたらいつでも山村のお前の家を訪ねるというお師匠様の言葉に、胸がじんわりとしたラディッツは顔を歪めて無言で頭を下げ、去り行くお師匠様達を見送った。
とりあえず、ラディッツと悟空とジュニア以外の全員は今日の所は-其々の場所-に帰る事にした.
いつでも何かあれば山村の、孫悟飯もいるあの家に集まる事があるが、今日は・・・ラディッツが-大丈夫-という連絡をくれるまでは行かない事を決めて。
それからラディッツは国王陛下とその側近数名と-密談-をしている間、バーダックとギネは王宮の一室で待たせてもらい、その間悟空とジュニアは天界の神殿に行って-ピラフ-を迎えに行った。
孫悟飯達が避難しているシェルターのパスコードはピラフしか知らず、そしてピラフの声認証が無ければ開かない仕組みになっている。
-俺達が勝ったら、お前が爺様達を迎えに行ってくれ-
ピッコロ大魔王とピラフを神殿に頼んだ事
何時か必ずマイ達に会いに来るだろうが、ラディッツが強引に引き合わせを図り、ピラフもマイ達にきちんと会いたい気持ちが積もり積もっていたので悩んだ末に引き受けて・・・
「「ピラフ様!!!!!!」」
・・・・地球の平和が戻ったというグッドニュースを悟空達に聞く前からマイとシュウは大泣きをしてピラフに抱き着いて、ピラフの身を案じていたのは何も二人だけではなく
「久しぶりじゃなピラフちゃん。」
「急に何にも言わずに村を出ていったもんじゃからマイちゃんとシュウ君泣いとったよ。」
「また村に戻ってこんか?」
山村の人達も覚えていたのだ、八年前に出ていったピラフの事をずっとずっと・・・
自分達の身の周りの電子機器をドクターゲロの様に無料で直してくれたり、時には使いやすいように改良してくれたり、お礼にお茶やお昼ご飯を出せばびっくりとした顔をして・・・そして、神妙な面持ちながらも美味しいと全身で叫びながら食べてくれていたピラフの事を
だからずっと案じていた
きっと-あの子-はあまり幸せな人生を歩いてなくて、だから、何気なく出したお茶だのお菓子だの簡単に作ったご飯などをあんなに大事そうに食べていたのかもしれない
「悟雲ちゃん!!あの子を見かけてら帰ってくるように言っておくれよ!!」
「いつでも戻ってきていいんじゃと伝えてけれ!!!」
「マイちゃんとシュウ君だけじゃない!おら達も待ってるって!!」
・・・・結局その言葉をラディッツはピラフと再会した時伝えられなかった・・・世界を破壊していたかもしれない大事を引き起こしたピラフにそれを言うのは酷だろうと・・・だから、八年越しにその事を伝えた上でシェルターのパスコードと声は事情聴取で得ていたのを使って登録をしておいて迎えに行く役目を振り、ピラフ一味は大魔王も込みで一旦山村に行く事になって
「・・・・・ただいま爺様・・・・」
その日の夜に物凄く疲れ切ったラディッツが、バーダックとギネを伴って山村に帰還を果たした。
様々な事に疲れ果て、山村の人達に労いの言葉や明るい話題を振りまく気力もなくなったラディッツは、とりあえず爺様・孫悟飯に両親を引き合わせる事は辛うじてできた。
「あ・・・・俺はその・・・・この・・ラディッツとそこにいるカカロットの・・・父親でバーダックって言うんだ・・」
「こらバーダック!!!ごめんなさい、私はバーダックの妻でラディッツとカカロットの母親のギネって言います。」
物凄く言葉をつっかえつっかえするバーダックに、ギネは二人を大切にしてくれた恩人になんて口を利くのよとバーダックを叱りつけながらきちんと悟飯に挨拶をするのを、息子二人はこそばゆそうにした。
照れ臭いのに・・・・泣きだしたくなるほどに嬉しくて・・・泣きそうになる・・・だってこんな奇跡が起きるのだから・・・一生会えないと諦めていた父と母が・・・
「挨拶いたみいる。
儂はこの地球の山村に住んでいる孫悟飯、いつもラディッツと-カカロット-に世話になっているしがない爺ですじゃ。」
自分達が大好きな爺様と挨拶を交わし合っているんだから・・・
悟飯は普段は悟空を悟空としか呼ばないが、この時はバーダックとギネの心情を慮ってサイヤ人名のカカロットと呼んでいた。
優しくて素敵な爺様なんだと、二人は再会を果たした両親に自慢したいが・・・・
「ぁ・・・・・」
今までの緊張の糸が切れたせいか、クラリと眩暈を起こしたラディッツが体に力が入らずそのまま倒れ、直ぐにバーダックが受け止めたが、ラディッツはそのまま意識を落とすように眠りについてしまい、其の時からラディッツの強制的な休養生活が始まった合図にもなった。
ラディッツは悟空が抱え直して兄がこのほど立てた別宅に連れて行き、当分は父と母と兄だけのゆったりとした生活をしてもらう事にした。
無論兄が望めば自分達は直ぐに駆け付けるが、呼ばれるまではと・・・だからこそブルマも山村にはおらずにカプセルコーポレーションの自宅に戻り、鶴仙人達もあの時泣く泣く別れたのだ。
偏にラディッツの心も休んでもらう為に