遡った三時間前の地球
「少しだけ庭で日向ぼっこしてくるよ。」
母ギネの膝枕の上で小一時間程昼寝をしたラディッツは少しだけ疲れが取れた顔をしたので
「遠くへいくなよ?」
「・・・・分かった・・・」
父のお墨付き(?)をきちんと(?)得てからラディッツは苦笑しながら一人で家の裏庭に出た。
本当はバーダックとしてはフリーザ達を信用していないので許可はしたくなかったのだ。
外道のあん畜生なら有りえそうな、矢張りラディッツは連れて行きましょうとかもあり得る!
だが裏庭ならと許可を出し、ギネもその間に夕食の支度に取り掛かった。
「バーダック、カカロットと悟天は何が好きだろうね?」
「んあ?・・・・とりあえず肉でもだしゃいいんじゃねえのか?」
「それってあんたの好みでしょう!!もぅ・・・・悟飯お爺さんは柔らかくて・・・後でラディッツと相談してみる。
ソラもクリリン達も来るだろうから・・・・」
地球に居座って二日目だというのに、ギネはもうこの家の台所の主に収まっているようで、生来の天真爛漫な図太さに、ラディッツの大半はギネに似たんだな~と、バーダックは苦笑しながら冷蔵庫をごそごそとしながら夕飯のメニューを考えるギネを苦笑しながら見守る。
二人とも優しく、しかし図太いところは自分でも呆気に取られるくらい図太い。
だがまぁラディのあの意志の強さは俺に似たのであり、そこを何で他の奴等は分かんねえんだろうなとか・・・・・平和なバーダックであった。
「・・・・シクラメンも咲いてクリスマスローズも・・・花は冬らしいけど・・暖冬かな?」
今年は雪が少なくて、気を薄っすらと纏わせれば長袖のフランネルの白シャツと焦げ茶色のコーデュロイのズボンだけで十分暖かい・・・・雪が降らないと雪解け水が無くてそれはそれで困るんだけど・・・
「平和だな~。」
経った三日前にドンパチしていたのが嘘みたいで、そのドンパチが怖くて震えて泣いていたのが嘘みたいな・・・・・
冬の木漏れ日の中に溶けそうな程に、十年前に植えた桃の木の下に座って寛いでいたラディッツの姿が搔き消えたのは其れから十分後の話で
「ラディ!!どこにいるのラディッツ!!!!!」
それから少しして夕食のメニューを暖かい庭で相談しようとしたギネの叫び声にバーダックはすぐさま反応し、丁度撮影も終わった悟空と半勤で帰って来たクリリンも出くわして一斉に村中を探した。
ラディッツの気配の無さが災いし、異変があって乱れたであろう気すらも感じ取れなかった事が原因だと分かった時、矢張り一人にすべきではなかっと臍を嚙みながらバーダックは息子の寝室に入り、ベッドわきのサイドボードに大事に置かれている赤いスカウターに手を伸ばし
「・・・・悪いなラディッツじゃなくて・・・あいつが消えた・・・・」
「!!!????」
「・・・・・お前じゃないか・・・・あん?こっちは今言った通り・・・来る?勝手にしろ・・・」
そんな遣り取りをスカウター越しで父親がしている時、一旦外から戻って来た時悟空とクリリンとソラは物凄く泣きそうな顔でギネと悟飯に苦い報告をしていた。
「母ちゃん爺ちゃん!!!兄ちゃんがどこにもいねえ!!!!」
「村の人達も誰も見かけていないと・・・」
「父さんの行きそうなところ全部見てきたけどどこにいなかった!!!・・・・どこに・・・」
「親父・・・・」
怒りで青筋を浮かべているジュニアの横で泣きそうな悟空とクリリンと、泣き崩れるソラを抱きしめながらギネも泣きかけた時
「駄目だ・・・世界中の映像検索させたけどラディ坊ちゃんが映ってねえって・・」
「「もしかしたらすでに地球にいないかもしれません・・・」」
「そ・・・そんな・・」
ラディッツが見当たらなくなった時、悟空はすぐさま姉に助けを求めて連絡し、受け取ったブルマはすぐさまターレス・・・というよりターレス軍団の科学力持ちのレズンとラカセイに助けを求め、両名とカプセルコーポレーションの技術力を使って世界各地の映像をラディッツで検索をかけたが見つからず、直接伝えに来たターレスとレズン達が来た時・・・・物凄い怒気と怨嗟の念を煮詰めたらこんな感じになると言うようなどす黒いオーラと・・・・そして・・・
「・・・・何かあったのか?」
「あ~私達不味い時に来ちゃった?」
その気配の主が来る前に、ベジータ王夫妻が来てそして・・・
「・・・・・ラディッツはどこですか?」
ラディッツがいなくなったと知られてから一時間ぽっちでフリーザ様来れちゃった・・・どうやって?
「・・・・・単独で宇宙を突き切って来たって正気じゃねえ・・・・」
ラディッツは最終的には私のものですを絶賛掲げ中のお方は、なんとバーダックは空の疑惑を掛けられすぐさま第3形態に自然になって、母船から一人で宇宙を突き切って来たらしい・・・・いっちゃなんだが、和睦提案後直ぐに飛び立って三日という短くない時間を最新のエンジンで飛ばしに飛ばしていた距離を、たったの数十分で走破してきたフリーザ様はヤバかった・・・目は血走っているは気配がどす黒いは、某怠惰な破壊神が見たらお前ヤバすぎ判定出して破壊消滅されても文句言えない程の闇堕ちラスボスここに極まれりな程にヤバい中
「あ~・・・地球にいる者達聞こえておるか!!!!」
ラディッツの念話と同じ者が、少し甲高いおっちゃんの声でその場にいた全員に響き渡り、声の主は自己紹介と自分の使える能力の説明をそこそこして速攻でラディッツを攫った相手と居所を全員に教え、そして
「流石に兄を相手にするのは私一人では骨が折れますので、二時間もすれば私の母船が追い付きますからそれで追いかけます。」
相手が憎らしい兄であれば、あの子も早々に害される事は無いという完全保証できてしまうのが業腹だが、無策で飛び出しても馬鹿であると、今の兄達の戦闘力と悟空とベジータに手伝え要請を出し、エンジン爆発しても構わんと言うほど臨界点ギリギリの速度を出して追いついてきた母船にフリーザ達は乗り込み出発となったのだ。
「カカロット!!絶対にお前がクウラの顔面へこませてラディを連れ帰れ!!」
「皆ちゃんと帰ってきてね!!」
「悟空よ!!悟雲もじゃがお前達も無事に帰ってくるんじゃぞ!!!」
「父さんの事お願い!!!!」
地球に居残らざるをえなかった面々に見送られながら、ラディッツ救出隊は宇宙へと飛び立ったその頃、北の界王は絞られていた。
何故フリーザ達にまで情報をくれてやったのだと
だがしかし、西・東・南の界王達に、何故ラディッツの危機と居所をフリーザにまで教えたかと責められている北の界王の言い分は一つ!!!
「悟空達だけじゃ宇宙は追っかけられんじゃろうが!!!!!!」
これである
宇宙に行くには当然宇宙船が必須!ではただいまフリーザ達に同行しているベジータ王に助けを請えばよかったじゃないか問う言い分もあるかも知れない。
三界王(北の界王除いた時の呼び名にします・・・)にとっては、同じ様に侵略行為をしてきたサイヤ人達であっても、フリーザ達よりもはるかにマシという観点から、サイヤ人達をそこまで警戒はしていない。
なにせフリーザと比べれば、フリーザの血族とその配下達と、ヘラー一族みたいな輩でない限りはどこだってマシだろうという意見はあるかも知れないがそれは兎も角として、ベジータ王の今持っている宇宙船はぶっちゃけフリーザの母船や最新の宇宙船に比べれば速度はだんちで劣る。
そしてフリーザが言及したように戦力としても無理である。
あの誇り高く自分の手だけで何事をも解決するのを好むフリーザが、今でも殺してやりたいと憎んでいる悟空に言葉だけとはいえでも頭を下げた格好にならざるを得ない程に今のクウラと其の三人の配下達は強くなっている。
伊達に西の守護神と今でも伝説になっているパイクーハンの故郷の戦士達を相手にしてきた訳ではないクウラ達の戦闘力は、金の髪になった悟空達をわずかに上回っている。
この僅かというところが、高次元の強さの世界では天と地程の差になる事がままある戦の世界で、好きだ嫌いだを言い合うのは愚か者であり、フリーザが愚を犯す事は無かったのだ。
必ず兄を降してラディッツを取り戻すという決意の高さが伺い知れ、悟空達の他にも連れてきたレズンとラカセイに、エンジンが壊れても構わないので少しでも速度が上げるようにと指示出しもしている。
トゥーハンダーイヤーの指名手配を全て取り消す事を条件に出してターレスに出させた二人の人材を目いっぱい有効活用しつつ、先程の様に現在のクウラ達の知りえる限りの戦闘力を共有し
「その十倍くらいの強さ以上だと想定しながらいけばいいでしょうかね。」
兄を縊り殺していい許可を出しながらそんな事をさらりと言うフリーザ様・・・物凄く帝王っぽい・・・
王とは矢張り揺るぎない存在であらねばならないのだなと、そんなフリーザを見ながらベジータは学んでもいる。
大切な、唯一ともいえる存在の物を攫われても落ち着いて(・・・一人で宇宙飛び出したが・・)指示できるところに尊敬の念をもてるベジータは、何気ないフリーザの言動や人の動かし方、そして謀略までも学んで己の目標たる確固たる戦士の国を盤石にすべくつぶさに観察している。
ベジータにとって、矢張り王とは先代の父ではなくフリーザなのだから・・・・
だが、その冷静沈着な帝王フリーザとそしてラディッツ救出隊一同がキレ散らかす情報が北の界王からもたらされた。
「お主達・・・・・ドラゴンボールというものを知っておるか?」
最初に威厳を出そうとしていた北の界王とは思えない程に、おずおずとした声かけから始まり、ドラゴンボールを知らないフリーザ達は首を傾げ、知っている悟空達は其れがどうかしたのかと首を傾げそして其のドラゴンボールの説明が知らないフリーザ達の為に成された後に知らされた事とは・・・・
「小僧を小娘にすると・・・・」
「そうだ、嘘か本当かは知らんがナメック星人というあの不思議な技を持つ連中の粋を集めて作られた願い玉で・・・・確か・・」
「ドラゴンボールでしたね・・・・結局あの真偽を確かめに行く前にラディッツ探しの方に熱中して私どももすっかり忘れていました。」
様々な情報収集をしているのは何もフリーザだけではない。
強さを手に入れるのに余念のないクウラも、自分の強さの足しになるものはないかと、意外にも雑事等の情報も欠かさずにして、玉石混交の情報を自ら精査していたりもする・・・ストイックな戦士であり、一見馬鹿げたうわさ話なども丹念に自ら調べる方であり、ドラゴンボールとやらも調べようとしたのだが、ラディッツ探しを優先したのだが、あの時得た情報は結構あちこちから入って来たものであるので信憑性は高くであるのならばナメック星人とやらからドラゴンボールを取り上げ
「それでその願い玉で子ザルを娘っ子にして・・・」
「うむ、俺の子を産ませる。」
・・・・・・・全ラディッツ大好きっ子達が殺意を持つ言葉を、眠るラディッツの横に浅く腰をかけてラディッツの頬を優しくなでながら、あっさりと言ってのけたクウラであった。
だがここにいるのはラディッツ大好きでそして・・・
「それは良いお考えです!!!」
「小僧は情が深いですからな!クウラ様のお子を身籠れば自然と小僧はクウラ様のものに!!!」
「それに俺達もクウラ様と小僧の御子をお育てしたいです!!!!」
クウラ様宇宙一を掲げているサウザー・ドーレ・ネイズは今から大興奮ものである!!!
ラディッツ優しい・・・故に腹にクウラ様の御子を宿せば、サウザーの言う通り身も心も子供の父親であるクウラ様に絆されようし、第一自分達も二人間の子供をお育てしたい!!
何より後継者がいる事で弟君のフリーザ様よりも安定した位置にいると、父君・コルド大王に認められ正式な大王の後継者はクウラ様に決まる公算も大きい!!
政治や支配はフリーザ様に任せて自分達・・・・といよりはクウラ様は弟様よりも高い位置にいるという事実と指図されない地位があればいいのだ。
一石二鳥どころか三鳥も四鳥も美味しいラディッツの女性化は・・・
「ではクウラ様・・・」
「あぁ、ナメック星に進路を向けろ。」
自分達の位置と宇宙船の最大出力計算結果十日後となった・・・・