俺ラディッツは弟を絶対に守り抜く   作:ドゥナシオン

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大乱闘:後編

「・・・・・超サイヤ人ゴッドは・・・・幻として消えるのかね~。」

「おや、珍しく諦めるのですかビルス様?」

「だって見てごらんよウィス・・・・-本来なら-超サイヤ人ゴッドになる筈の-孫悟空-の奴は超化すらしてない・・・・・なのに、超化していたベジータ王よりも強いっ気配感じるってどういう事かな・・・・」

「・・・・ポテンシャルが高いから超化を上回る・・・・そんな彼が超化して戦っていけば、才能が開花してあのブロリーを一瞬で抜けるでしょうし、それで彼が気に入らないと言っているフリーザとクウラすらも倒せるでしょうに・・・・何故彼は超化しないのでしょうかね~?」

 

それは兄が嫌がっているからだとは、破壊神様どころか多くの事象と人の心の機微すらも見通す天使様も知らない理由であった

 

-あれはお前の心を荒らす・・・・・どうしようもなくなった時以外はならないで欲しい・・・・・-

 

戦闘狂のカカロットを意識の下に落としはしたが、超サイヤ人というものがいるのをベジータ王から教わったラディッツは、超サイヤ人に弟が再びなった時に今度こそ意識が戦闘狂カカロットに則られないかを危惧した。

 

確かに今後強敵が来ることが洋装されている現状ではあるが、ラディッツはそれでも優しい弟の心を案じる事が止められず、戦力を放棄させる愚かな事をしでかした。

 

だが、超サイヤ人というものにならずとも強くなればいいだろうという超前向きな悟空は、姉ちゃんに重力室強化を頼んで撮影の後すぐに特訓してから家路につくとからりと笑い、フリーザ戦の後は兄が攫われたという報を聞くまで一度もならなかった。

 

ちなみに超化して直ぐに、ラディッツが危惧した戦闘狂カカロットは嬉々として表に出ようとしたが

 

 

うるせえ!!!!忙しいんだからどっか行けってんだよ!!!!!!

 

とか・・・・気合というか八つ当たりで黙らせビビらせ引かせたのであった・・・危惧は杞憂かもしれないな・・・うん・・・戦闘狂カカロットよりも強い獣性で吠えられたら、内面の戦闘狂カカロットだってビビっただろう・・・誰に似たんだか・・・

 

 

それは兎も角として、大乱闘と言おうか、蹂躙というか・・・・カオスの場面を少し離れた大きめの隕石の上でだらしなく横になって高みの見物をしているどこぞの破壊神様は、現状を見ながらおお欠伸をしつつ呆れているのを、超サイヤ人ゴッドと戦う事を楽しみにして、三十五年という-昼寝-には長く、-熟睡-には短い期間で、大好きな寝る事よりも優先させた事を、あっさりとあきらめの言葉を放つ主にウィスは少なからず驚く。

 

気紛れで怠惰で、でも自分の楽しみをあっさりと諦める事は早々に無い主が、ブロリーという戦士をしても-破壊神-の足元どころか視界にさえはいる事も無い小さきものを相手に自分の楽しみを諦めるとは・・・・だが、予言魚の言葉を受けて-異物-たる転生者を生かしておくことを選んだ時点で、超サイヤ人ゴッドとは違う楽しみを見つけたのであれば・・・・・気まぐれが発動したのかと、ビルスの性格をよく知っている天使・ウィスは考えながら、その気紛れを発動させた対象者が現在いる場所を見据える。

 

 

ビルスに気紛れを起こさせたサイヤ人ラディッツは、未だにクウラの宇宙船の中にいる。

 

探ってみれば、内部から-二人-の気配は確かにするが・・・・三人いるはずなのに何故・・・・何も感じられないのだろう・・・

 

破壊神の神たる気配すらも自在に感じるられる天使の自分をしても・・・・過去転生者達ではそんな事は一切なかったというのに・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

破壊神の気紛れを無意識に発動させ、そのお供の天使にも疑問を起こさせるという偉業を成し遂げた(やらかした・・・・)ラディッツは、元から寝かせられていたブリッチのベッドに横たわり、ベッドの側にクリリンは他の部屋で見つけた椅子を寄せて座っており、ブロリーの父パラガスは外の様子を宇宙船のカメラで見ているだけで三人の様子を気に掛ける気配は一切なかった。

 

「・・・・なぁ・・・・・・」

「・・・・・なんだね地球人の子よ。」

「・・・・俺はクリリンってんだが・・・あんた達なにがしたいんだ?」

 

ブロリーという戦士は、戦士としてどころか一般成人のサイヤ人の肉体にもなっていないラディッツの体の事を一頻り悲しんだ後、フリーザの奴ぶっ潰してやると静かに宣言した後、悟空が戦闘力を爆発的に高めた超化というのに変身して宇宙船の外に飛び出したのを、そんな事私が許さないんだからと、これまた短い髪を金色に染め上げ怒りの形相でスーナも追いかけて出ていった後には、自分と眠っている兄と、ブロリーの父親だと名乗ったパラガスの三人になった。

 

クリリンの座っている位置からも大型メインスクリーンは見えており、ブロリーの言動と、その事で激怒している悟空達の遣り取りはきちんと見えている・・・・フリーザ達をぶっ飛ばすのは自分も大賛成だが、悟雲兄さんがそんな事を許すとはとても思えない。

 

それどころかブロリーがした事を知れば大激怒をするのがクリリンの目には浮かぶ。

 

悟雲兄さんの性格を知っているのであればその事は分かっている筈なのに、分かっていてフリーザに手を出すのは暴挙以外の何物でもないだろうというクリリンの問いに、パラガスはクリリンの方に向き直り、真剣な瞳を向け

 

「私はな小僧・・・・ブロリーの望む事を叶えてやりたいんじゃよ・・・」

 

己が望んだわけでもないのに生得した高すぎる戦闘力と、それ故に妬まれ危険視され茨の道に落とされた可哀そうなあの子の願いを・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

惑星ベジータが消滅したあの日、ベジータ王につかなかったサイヤ人の子供達は全員がフリーザの手によって助けられる手筈であった。

 

それは偏に助けた者達に恩を売り、忠誠心を植え付ける為だが理由はどうであれ生きることは出来る-筈-であったのだが、ブロリーは保育カプセルから出されて早々に単身で飛ばし子ではない、サイヤ人の上級戦士達がエントリーするような過酷な戦場へと追いやられていたのだ。

 

保育期間も悟空よりも半月早く終わらされ、不安定な精神状態の中で一人で戦場に飛ばされたブロリーは、其れでも敵を殺して生き延びそして、矢張りブロリーが心配でベジータ王の許可も得ずに単身で我が子を追ったパラガスに見つけてもらい惑星ベジータに帰還し、そしてフリーザ軍に置いて行かれブロリーの超パワーで奇跡的に助かったのだ。

 

「すまんブロリー・・・・儂がいるせいで・・・・」

 

その奇跡で助かったのはいいが、ブロリー一人であれば或いは宇宙空間を長時間飛んで、もしかしたら生命の居る惑星に行くことが出来るかもしれないのに、自分というお荷物がいてはそれも叶わんだろうとパラガス嘆いた。

 

水は辛うじてあった

 

寒い星で、氷に覆われておりそれを溶かして飲めばいい・・・・だが、食料は・・・

 

「ブロリーよ、儂を殺して肉を食べろ。」

 

そして体力が満ちたらすぐにこの惑星から脱出しろと、パラガスは意を決した。

 

強大な力を有していたために、下級戦士以下の体の妻は我が子の出産に耐えきれずに命を落とし、パラガスは悲嘆にくれた・・・・自分の子供が強い事を喜ばぬサイヤ人の父親はいないが、夫としてはサイヤ人らしからぬパラガスであった。

 

つまりは妻に対する愛情が強かったのだ・・・・これが妻が生きていれば何の事も無い事でもあったかもしれないが、我が子に殺された妻・・・だが・・・それでも妻の面影があるブロリーを憎めなかった・・・・そしてまた愛しい心が生まれた・・・

 

そんな愛しく可愛くて仕方がないブロリーをこんなところで朽ち果てさせて堪るかと、パラガス一世一代の父親心を見せたのだが

 

「・・・・・馬鹿言ってないで助かる方法考えろ・・・・」

 

一緒にラディッツ探して暮らすんだぞと、当のブロリーににべもなく撥ねつけられた。

 

そんな自分に情を見せる父親を、ブロリーも憎からず思うようにはなっていた

 

家族を大事にしろと言ったラディッツの言葉が、家族を心の底から愛しているのだと身をもって示していたことも相まって、ブロリーの心にも小さくともー愛ーという概念を生じさせた結果であった。

 

そんな息子が口にしたラディッツの名前に、冷え切っていたパラガスの心はほんの少しだけ暖かくなった

 

たった三日だけの交流であった・・・・彼の弟のカカロットの泣き声の酷さにブロリーが癇癪を起しかけたが、ラディッツが聞いた事もないような・・・・あれは子守唄というものかもしれないが、サイヤ人が金輪際歌わないよう歌で弟を宥めた時、癇癪を起しかけたブロリーもまた安らいだ顔で眠りについた・・・・生まれた時の戦闘力が高ければ高い程、幼少期には精神が不安定な者が多いとされている中で、一万という過去に類のない程の力をもって生まれたブロリーの心の安定を案じていた・・・だが!!

 

「ラディッツ補佐官・・・・」

 

惑星ベジータの王宮文官たるパラガスは当然ラディッツの身分を知っていた。

 

下手をしたら惑星ベジータの王よりも身分が高い事もあるラディッツに、文官長でもない科学技術者の自分が話しかけるには畏れ多いがそれでも・・・・

 

「その・・・・今歌った歌や、歌っている時の姿を映像で記録させてもらってもいいだろうか?」

 

それを見て自分も覚えたい、そして将来ブロリーの精神が不安定になってしまった時にこれを見せれば或いは落ち着くのではないかと考えたパラガスの願いに

 

「俺の歌なんかで良ければ・・・」

 

パラガスの思惑も知らないまでも、自分の子供を愛している父親最高すぎると内心でパラガスの事を超絶賛しながら、ラディッツは快諾した。

その後すぐに映像を撮る機具を設置しそしてパラガスは全て魔改造して-其れ専用-の映像を永久保存できるスペースを確保したスカウターに録画する事に成功し、それを事あるごとに保育カプセルで眠るブロリーに聞かせ、下手ながらも自分も歌って聞かせる日々であった。

 

幸せであった・・・眠るブロリーの将来に夢を馳せ、ラディッツとも交流をもち、あの時縁となったカカロットとブロリーが仲の良い友でなくとも知己を得られればいいと夢想したあの時が・・・・だが、生きていればもしかしたらブロリーの強さがあればいつかフリーザ軍の耳に届きそしてやがてはラディッツの耳にも・・・・その為にもブロリーをどんな事をしてでも生かそうと決めたのだが・・・

 

「あんたも・・・一緒だ・・・」

 

二人でラディッツを探して暮らすんだと・・・・ぶっきらぼうながらもブロリーに言われたときにパラガスは泣いた・・・嬉しくて

弱い自分を置いて行かないと言ってくれるブロリーの言葉に、思いに

 

毎晩のように歌われていた父の下手な歌声は、何時しかブロリーの中に理性とそして愛の種が生じそして小さかく生じていた愛が育った結果であった・・・

 

だが、嬉しくもある反面それではどうやって弱いパラガスも脱出をすればいいのか・・・親父と幼子は頭を付き合わせるように座って物凄く悩んだが、そんな苦悩もラディッツによって救われた・・・・もっと正確に言えば、ラディッツを探す捜査船に救われたのだ。

 

何としても遠くに飛ばされたラディッツを見つけ出さんと目を血眼にしていた捜査船の乗組員が、生命反応を-二つ-感知した事によって、すわあのお方かと急行した船によってだが、間接的とはいえども、ラディッツが遠く飛ばされた事で生じた事であり、救われた船からあらましを聞いたパラガスは、ラディッツに心の底から感謝し救われた船で体力を養い、そしてひっそりと息子を連れて救命艇を一つ拝借して船から脱した。

 

強すぎる力がある相手に、警戒するのは何もサイヤ人だけではない。

あのフリーザとても例外ではないだろうと懸念して

 

そこからパラガスとブロリーは星々を転々としながらラディッツを探す当てのない旅に出た。

 

文明がある星であればそこで少し腰を据えて情報収集をする為の機材を買い付け、資金はブロリーがソロの傭兵として稼ぐ生活をした。

 

情報源は、救われた捜査船から拝借したフリーザ軍の通信機器で、パラガスの科学者としての腕を存分に振るって最重要機密事項まで傍受する事に成功したのだ。

 

「・・・・親父は弱いけどやるもんだな・・・」

 

長い放浪生活の中で、人とのつながりを多少なりとも持つことが出来たブロリーは、長くは無いがポツポツと話す子供に成長してくれた。

 

荒事の中で育ちながらも意外な程に真っ直ぐに育って行ったブロリーは、時に強すぎる力に精神が圧倒されかけ戦闘狂への道へと幾度も落ちかけだ

 

しかし、それでも

 

「おやじぃ・・・・歌って・・・ラディの歌とおやじの歌を・・・・」

 

暴れ出しそうなる自分の体を、必死に抑えながらラディッツの歌と自分の歌を聞く事で理性を失うまいと死に物狂いなブロリーが愛おしくて・・・

 

「ブロリー・・・・ラディッツを見つけたら、きちんと彼に挨拶をできるようにしよう。」

 

彼は文官で礼儀正しい方が好かれるだろうと、あまりそういう事が好きではないブロリーに根気よく礼節と人の情を教え込み、ラディに好かれる為だと必死に覚えたブロリーは、次第にソロ傭兵として大きな戦場やでかい賞金首と戦い腕を上げ、戦い方も我流ながらも見つけ、戦場での生き方も学んでいった。

 

ブロリーは本当に戦いの天才・申し子であった

 

一度食らった相手の技を己の者にして何倍もの強さにして相手に返し、死にかければサイヤ人の特性で更なら高みへと昇った。

 

戦いの天才児が、理性と知性を兼ね備え完璧ともいえる戦士が誕生したのだ

 

弱いと言われ続けたラディッツのお陰で

 

そんな放浪の旅も十八年目にしてラディッツの行方がが分かった時に終わりを告げた。

 

何時もの様に無線を傍受してそしてラディッツが地球という場所で生きている事を知ったブロリーは無論の事、パラガスも共に喜んだ。

 

ブロリーの悲願ともいえる望みを叶えることが出来ると・・・だが、その言葉にクリリンは首を傾げた。

 

そんな強い縁と想いがあるのならば、ブロリーたちの言動は癪だが認めるところもある。

 

自分だとて・・・・血は繋がっておらずとも悟雲兄さんが行方不明になり探した果てに訳の分からない者達のところに居ると知れば死に物狂いになるだろうから・・・

 

「十八年目にしてフリーザと軍が兄さんを見つけた時、なんでその時来なかったんだ?」

 

盗聴でフリーザ軍の動向を知っているならば、何故その前後に来なかったんだというクリリンの言葉に、パラガスは苦笑しながら答えた。

 

「無線傍受までは出来てもな、フリーザ軍程の速さの船を作る事は儂にはできんかったのだよ。」

 

大きな組織を作って、科学研究もすればできたかもしれないがそれでは目立ってフリーザ軍に自分達の事を知られたら厄介な事にしかならんだろうとのパラガスの言葉に、クリリンは道理だと納得した。

 

幼少の頃から側に仕えさせていた兄の幼馴染達とは違い、力はあれども忠誠心を持つかどうかわからない強者なんて疎まれる公算の方が高い。

 

それに、兄を独占したいというフリーザとぶつかるのは決定しているのだから

 

ならば

 

「悟雲兄さんが、あんた達と行く事を拒否して地球に残りたいと言ったらどうすんだよ?」

 

地球とそこに住まう自分達を愛してくれている兄は地球を離れる事は無いだろう

 

なにせ心の底から慕っているフリーザをも其れが理由で跳ねつけたのだから・・・

 

そんなクリリンの言葉に

 

「それもブロリーが決める事だ。」

 

ラディッツの言葉を受け入れても、受け入れずに攫っても自分はブロリーの望みを叶えるのみだというパラガスの言葉に、クリリンは嘆息する

 

どうして兄の周りには情の深い者ばかりで、それが理由に戦い合わなければならないのだと・・・・・兄自身は、平穏と和を望む人なのに・・・

 

様々な者達の思惑を孕んだ戦いはブロリーの乱入によって強制的に終わりへと導かれていく

 

ブロリーの手によってフリーザとクウラに死が迫っているが、-誰-の望みが叶うかは分からない結末へと向かって・・・・

 

 

その思惑に抗う様にラディッツの閉ざされた瞼がピクリと動いて見えたのは、クリリンの錯覚であろうか・・・・兄の唇が-テラ-と動いたのも・・・・自分が望む者が見たいが為の・・・・

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