俺ラディッツは弟を絶対に守り抜く   作:ドゥナシオン

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最終決戦のゴングは鳴れり・・・・

ブロリーがカカロットこと悟空を己の道に引きずりかけようとしてから十分後、それまでは少しは静かになった宇宙空間が、またもや超パワー同士の激突によって静寂は破られた。

 

それも悟空達と機甲戦隊と、フリーザとクウラの激突なぞ比にもならない程の超パワーに、宇宙空間であるのに空間が揺らいでいると、遠くで見守る事しか出来ない者達に戦慄を奔らせる!!

 

その光景に、パワーに付いて行けずに完全に蚊帳の外に追いやられた者達は様々に複雑な表情を浮かべているが、誰一人として戦いの中に入ろうとはしなかった・・・出来ないというのが正しいのかもしれない・・・・

 

戦闘力を数値としたスカウターで十億まで叩き出したクウラををして戦力差が激しくて中に入れない事に、己の弱さに激高し中の者達の強さに嫉妬を覚えるがどうにもできずに、どうにもできない己が更に腹ただしい事この上ない!

 

そして兄同様に、フリーザもこの事態に怒りを覚え身を震わせ、瞳孔がヤバいくらいに見開き殺気をガンガンに放出しているが、さりとて中に入る事を-あの子-に命懸けで拒まれているので動くに動けず、屈辱に打ち震える!

 

そしてそんな心境は戦闘民族サイヤ人の王を冠しているベジータ王もまた同様であった。

 

クウラのような嫉妬心よりも、王を名乗る自分がこの戦いに参戦する事も許してもらえない程の力量不足な自分を恥ずかしく己を殺してやりたいほどに腹ただしい。

 

周囲から穏やかな王だと評されようとも、心の中では常に強さを、己の意思を誰にも邪魔されずに貫き通せる強さを、愛した者達や守りたい者達を守る強さを常に求め続け、戦士としても王としても高みをも目指す誇り高さをもつベジータにとって、この状況は屈辱であった・・・だが・・・あの中に入るのは自殺行為であり、自分は最早一民族の王でありそれ故に勝手は許されない身・・・・同胞たる氏一族を守るべきだと、そう自負してきたベジータには己の命を大事にしなければいけない責務がある!

 

漸く五十以上にまで増えたサイヤ人の一族の為にも・・・・

 

一キロ離れていても激突の余波は凄く、もって行かれそうになりながらもクウラ機甲戦隊とフリーザ親衛隊の三人は、己の主に余波がいかないようにエネルギーの盾を張っている。

 

クウラ機甲戦隊の三人は使えなかったが、お前達ならできるだろうから力を貸せ問いうマトマの暴言とも取れる提案を、主が大事で通じたサウザー達は首肯して受け入れ、六人がかりでエネルギーの盾を張り、クウラとフリーザとそして、ラディッツの息子のジュニアと、戻ってきたクリリンを盾の中に入れて守っている。

 

ともすれば、ブロリーが放った流れ弾で盾が壊れそうだという超出鱈目な事が幾度かあったが、その度にジュニアも参戦しその間に機甲戦隊と親衛隊にクリリンが弱仙豆を渡して気の回復をさせて守っている。

 

一蓮托生

 

事の発端がクウラ達の野望であろうとも、ここまでくればそんな事は吹き飛んだ

 

ブロリーという、存在自体が出鱈目な戦士のせいで・・・

 

そんな出鱈目な戦士の相手をする羽目になっている兄と悟空を、クリリンは心の底から案じながら、遠くの戦場を見て冷汗が止まらない・・・

 

戦闘の激しさよりも・・・・寧ろ出鱈目戦士ブロリーのぶっ飛びすぎている嗜好の方にだ!!!

 

・・・・あいつの頭いかれてやがんのか?

 

どうして好きだという相手と楽しそうに戦っていられんだよあん畜生は!!!

 

クリリンは大激突を仕掛けたブロリーの身勝手さに腹が立つ!!怒りで頭がどうにかなりそうで、

 

「ブロリー!!!兄ちゃんに何すんだよ!!!」

「どけよぉカカロット!!ラディと俺の邪魔するなら、カカロットでも許さないぞぉ?」

「ッ!!カカロット!!無理せずお前も引け!!!」

 

無論渦中の悟空なぞ大激怒し、どこかの世界線で超サイヤ人2というものに魔ステップアップする程にブチギレた!!・・・・・超サイヤ人になる事に兄が嫌がるからと忌避感すら会った悟空の想いをすっ飛ばさせる・・それほどの事をどうしたらやらかせるのか不思議だろうが・・・・ブロリーだしの一言で説明がつこう程に!ブロリーという男は身勝手で我儘で自儘で自分勝手で!理性がある分質が悪くなっている!!

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

遡った十分前

 

ラディッツの瞼が動いたように見えたのはクリリンの幻覚ではなく、-テラ-の波動が近くに感じた事で、体内エネルギーが上昇し始め目覚めようとした合図であった。

 

テラは分身体の鳥に、惑星エネルギーの三分の一を託すという、地球の神が知れば真っ青な暴挙を犯してまでもラディッツを探しに行かせたのだ。

 

行き先には悟空やジュニアとクリリンが向かった事で方向はある程度分かり、テラは他の星々から少しずつエネルギーを借りながら健気にもラディッツの近くまでたどり着いたのを、地球のエネルギーと結びついたラディッツが感じ取り目覚めることが出来たのだ。

 

ゆっくりと瞼を開ければ

 

「悟雲・・・・兄さん・・・・」

「・・・・ク・・・リリン・・・・泣いているのか・・・・」

「俺・・・・俺と悟空とジュニアと・・・ベジータ王と奥さんのスーナさんとフリーザと親衛隊のマトマとリーキュで攫われた兄さんを追いかけてきたんです!!!」

 

兄が無事に目覚めた事で、張り詰めていた気が緩んだクリリンは大泣きをしたくなるのを堪えながら、端的に今起きている出来事を説明・・・しようとしたが・・・

 

「分かっている、俺を攫ったのがクウラ様達だという事もその目的も。」

「え!!??・・・・どうして・・・」

 

ベッドに身を起こした兄から、現状を全て知っていると言われたクリリンは当然驚いたが

 

「すまないクリリン、説明している時間は無いだろう?」

「!!そうです!その・・・・兄さんを探していたブロリーって奴が・・・」

「久しぶりじゃのう、ラディッツ補佐官。」

「貴方は・・・・お久しぶりですパラガスさん・・・」

 

兄弟の会話に割って入って来たパラガスを、ラディッツは懐かしそうに目を細める。

 

ブロリーを起点とした縁であったが、ターレスの教えてくれたサイヤ人の生き残りリストに名が無い時は酷く失望した・・・・子供であったブロリーと文官気質のパラガスさんならば、フリーザ様の保護には入れたのではないだろうかと推察していただけに、生存リストに名が無い事に胸を痛めたが生きていた・・・・今の騒動がクウラからブロリーに移った事は、テラの目を通して知れているがそれでも

 

「貴方とブロリーが無事でよかったです・・・・」

 

パラガスに優しい笑みを向ける

 

ジュニアがブロリーの手によって負傷した事は、後で-自分で説得したブロリー-に謝らせようとか考えて・・・

 

まっとうな者相手ならば、会いたかった相手がもうやめる様に言えば、フリーザ様やクウラ様でない限りは少しは此方の言い分を聞いてくれるとか・・・・ふつうそう思うだろうが・・・・

 

 

「ラディ!!!会いたかったラディ!!!!!!!」

 

とりあえず全員と合流したいというラディッツの願い通り、クリリンはパラガスから宇宙服を渡されそれを着てラディッツと共に外に出た。

 

たまたまここに来る途中で宇宙船のエネルギーが無くなったので-略奪-という名の補給を宇宙海賊相手にしたクウラ達が、使える物資も同時回収した時に紛れていたのが功を奏し、しかもそれは相手の体形によって変わる最新式だったのがクリリンの幸運であった。

 

時間があれば地球からここまで来る時に、ブルマが宇宙服の一つも作ってあったのをくれただろうが、如何せんそんな時間は無かったのだが現地調達が出来た。

 

そしてクリリンと違ってパラガスの方は、ブロリーの足手纏いになりたくないと船内に残る事になり、ラディッツとクリリンだけが未だに言い争っている悟空とブロリーの下へと向かった。

 

ラディッツの無事な姿にジュニア達は喜色満面の笑みを浮かべる傍ら、クウラ達は当然ラディッツが出てきた事に苦虫を嚙み潰したような顔をしているのを見て、フリーザ達の溜飲が下がる。

 

訳の分からない乱入者も、ラディッツを慕って来たのであれば当然ラディッツのいう事は聞くだろうと・・・・予想したのだが・・・そのブロリー本人は、ラディッツの姿を認めた途端、ラディッツまっしぐらになってそして抱きしめた!!!

 

ぐえ!!!!

 

・・・・ラディッツの心の声はこれ一択であった・・・・声にこそ出さずに済んだが!超サイヤ人ブロリーに!全力で抱きしめられたのであればお察しであろう・・・

 

 

「ラディ!!会いたかった!!!話したいこと沢山あるんだ!!!伝えたい事が沢山あるんだ!!!!」

 

そんな苦しむラディッツの内心を知らないブロリーは、ラディッツを胸に抱きしめたまま己の気持ちを迸らせる。

 

どうにか一度ブロリーから距離を取って、フリーザ様達と争う事をやめるように説得しようとしたラディッツの思考は

 

「今からフリーザ達殺すから待ってくれラディ!!!」

 

・・・・・その瞬間、ラディッツは白銀の姿へと変貌を遂げてブロリーの腹に拳をめり込ませて吹き飛ばし、小惑星五つ先までぶちのめしていた

 

フリーザを殺す

 

その言葉は、ラディッツにとっては禁忌であったから・・・ラディッツの力は優にクウラ達を凌駕し、ブロリーを吹き飛ばす程であったが

 

「あってって・・・・ラディ~酷いじゃないか~。

お前の為にあいつ等をぶっ飛ばしてやるっていうのにぃ~。」

 

吹き飛ばされたブロリーは何事も無い様子で戻ってきてそして

 

「お仕置きぃ~。」

「ッ!!!!」

 

両手を組んだエルボーでラディッツの頭部を強かに打ち据えようとしたが、ラディッツはクリリンを抱えてすぐさまジュニア達の横に飛んで難を逃れ再びブロリーの下へと飛んで、言葉による説得を試みようとしたが、聞く耳をもたないブロリーは、しょうがないからラディを気絶させてからあいつ等ぶっ殺すよという言葉に

 

「ふざけんじゃねえぞ馬鹿野郎が!!!!!!!!」

 

ブロリーの身勝手さと、ブロリー以外のこれまでの怒りが積み重なった悟空の怒りを天元突破させるに至り、悟空の金の髪は更に逆立ち参戦した

 

ここに、北銀河の命運がかかるかも知れない大戦争の最後の戦いの火蓋が切って落とされたのであった・・・・

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