「爺様、今日は寒くなるから早めに温かくして寝てくださいね。」
「これは体に良いそうなので食べてみてください。」
「暖かくなりましたね・・・・皆で湖まで行きましょう!」
俺が爺様を背負いますから
そういって老体どころか、何時あの世から迎えが来てもおかしくない自分の身を、何時だって優しい笑みを浮かべながらも案じてくれる優しい子・・・・自分の寿命を延ばす為にさまざな事をしてくれる良い子は・・・・
「・・・・・こんな儂の・・・・年よりなんぞを心配する癖に・・・・」
何故お前はその満分の一でも己の身を顧みないのだと、地球に帰還して二日を経てもベッドに横たわって昏々と眠る続けるラディッツの手を握をおしい抱きながら、孫悟飯の瞳から後から後から涙がハラハラと零れ落ちるのを、フリーザは複雑な表情でラディッツの眠るベッドから少し離れている窓辺に陣取って眺めて二日になる。
ラディッツの身は確かに取り返した・・・・だが・・・・望みが叶っても孫家の家の中は悲しみに支配されている・・・・ラディッツが目覚めない事で・・・・どうしてこの子の目が覚めないのか?
フリーザは帰還途上であっても、トンミとはいかないまでもトンミの次くらいには腕の覚えのある軍医にラディッツを見せたが結果は
「生命エネルギー及び体のどこにも異常は見当たりません・・・・血液検査の結果もサイヤ人よりも少し下回る数値です・・・・」
ただと・・・・軍医はよどみない報告をしていた口を一度閉ざし、ちらりと主の後ろに居る者達に目を向け、この先を言っていいかと目線でフリーザに訴えれば
「構いません、あの子の体内に何故毒が複種類入っているのかは、この場にいる全員が知っていますから。」
その事で過去のラディッツの肉体のデータと乖離している事があればすぐに報告しろという言葉に、軍医・タイムは目を見開く・・・・だって・・・・主・フリーザの後ろに居るのはフリーザ親衛隊の方達だけじゃなくて!!噂で名高いラディッツ様が唯一フリーザ様の事を後回しにしてでも愛している弟君カカロットと!ラディッツ様の息子だという人とかで・・・・そんなラディッツ様を寵愛してそうな人達が!ラディッツ様の体内に毒しこまれてますを知った上でフリーザ様と平然と一緒にいられるって絶対におかしいだろう!!・・・とか思った軍医タイムは悪くないだろう
トンミとラディッツ同様にらしくないサイヤ人で医療に興味があったので、トンミに目を付けられて強制的に師弟関係を結ばされて軍医も押し付けられたタイムは、もうどうにでもな~れとやけっぱちで報告をした。
まぁこれは報告しても、カカロット達は怒らない事だろうとしんじて・・・何故なら
「トンミ先生とフリーザ様がお入れになられた毒が、全て消えているのです。」
「・・・・・は?」
半永久的にラディッツの体内からラディッツを毒の類全てから守る為に設計されたナノウィルスの毒が消える事はまずもってない・・・・だってあれは、トンミがフリーザ軍の科学の粋をすべて使ってこさえた代物であり、あれを消し去ろうとすれば体内のナノウィルスが拒絶して暴れ、結果ラディッツが苦しむ事になる。
ラディッツを守る代物ではあるが、成長阻害も含めての事なのでいつかラディッツが治療しようと試みる事を想定し、治療自体を不可能にする設計にもなっていたものが・・・・消えた?
それも忽然と、まるで元から何もなかったかのように体内に痕跡一つすらないという報告にフリーザは本気で目を丸くする中、そんな物騒な物が消えてよかったが、兄は起きられないのかという悟空達の言葉にフリーザは気を取り直し、ラディッツが目覚める方法を探してあらゆることをするようにタイムに再度命じたが、ラディッツが目覚める事は無く地球に着いてしまった。
移動の二日間、兄は、父はいつかきっと目を覚ますと悟空達は信じていた・・・いや信じたかった・・・・
何時だって、自分達を愛して笑ってくれる兄が・・・・・昏々と眠っている・・・見た目はいつもと変わらない寝顔なのに
「起きてよ・・・・ラディッツ・・・・クウラ様達も今回の事は悪かったって・・・あのクウラ様が反省してるの・・・・ブロリーって子も、あんたと一緒にいられればよかっただけなのに欲張ってこんな事してご免って・・・・謝ったのよ?」
もうラディッツが怖い目に遭う事なんてないから、起きてよと泣いて縋るスーナの声にも、弟達や息子の声かけにも何の反応も見せず・・・・
「起きなさいラディッツ・・・・・・美味しいご飯を・・・食べ損ねますよ?」
ラディッツが心の底から敬愛し愛しているフリーザの声にすら・・・・
そして帰還した地球でも、歓声ではなく嘆きの声が溢れかえった
フリーザの母艦が降り立った時、すぐさまバーダック達は駆け寄り降りて来るであろうラディッツを待ったのだが、タラップから降りてきたのは沈痛な面持ちをしたジュニアであり・・・・
「親父殿・・・申し訳ない・・・・親父を・・・・また親父一人を・・・・戦わせてしまった・・・・」
何があったとバーダックが口を開く前に、ジュニアは地に蹲り詫びた
お爺様とかガラじゃねえよ・・・・どうせラディが悟飯爺さんに言っている真似なんだろうけどよ・・・・バーダックで・・・それは出来ない?かたっ苦しい奴なだお前は・・・なら親父殿くらいにしろ
でないと返事しないからなというバーダックの言葉に、親父の父親の事を親父殿というのかと苦笑したジュニアは、フリーザ達が去ってからは倒れた父の代わりに忙しくて家にろくすっぽ帰っておらず、面と向かって初めて使った親父殿という言葉が詫びの言葉になった事が申し訳なくて・・・・・自分で言った通り、また父に全てを託すしかなかった自分が許せなくて・・・・
そしてジュニアの口から全て語られ、悟飯は最後まで全てを聞いた後、よろめくように立ち上がり、鶴仙人と亀仙人に脇から支えてもらいながら孫の眠る寝室へといそぎ・・・・・そして二日をその中で過ごした・・・
誰が来ても何を言われてもラディッツの傍らを離れない悟飯の気持ちが、ラディッツの家族達には痛い程理解できる。
叶うならば、自分達もずっとラディッツの側に居続けたいが・・・・仕事がある
悟空は平和な世界が戻った事を信じてもらうべく、和睦の次の日から早々に仕事に復帰する宣言を発しており、地球で待機していた天津飯達にも道場の運営と、近頃は師兄から任されるようになったサイヤンℱ警備会社の仕事があり、クリリンも警察官としての仕事がある。
なによりも、自分達がいても何が出来る事は無く、なら自分達がやれることを全力でするだけ
「悟雲兄さん・・・・兄さんが目を覚ました時にさ・・・俺達が仕事さぼったって知ったら嫌っすよね?」
自分が理由で仕事を休んだと知ったら、きっと悟雲兄さんは自分が不甲斐ないせいだとおちこんでしまう・・・だから・・・
「悟飯お爺様、俺達は仕事に行ってきます・・・・」
バーダック父さん、ギネ母さん・・・・行ってきますというクリリン同様に、悟空達も後ろ髪を引かれる思いで仕事に出掛け、そして武空術で直ぐに帰ってきてはラディッツが目覚めていない事にがっかりとして、食事も寝るのも体を保つ為だけに淡々とこなす・・・・そんな砂を噛むような二日間であった・・・・
「貴方は・・・・・何故私達に何も言わないのですか?」
そんな日の三日目に、フリーザが初めて孫悟飯に言葉を掛けた
ラディッツの目覚めを待つ為に家に滞在する事にしても、大騒動のきっかけを作ったものとしての謝意も何も示さなかったフリーザが沈黙を破った・・・・耐えきれなくて
ラディッツの親であるバーダック達やターレス達は、自分達も散々似たような事を散々に他所の星々にしていたから、自分達に詰る資格は無いだろう
しかし・・・・この地球に元から住んでいる者達には自分達を詰る資格はあるだろうに、誰もそんな事を口にはせず、それどころか自分と親衛隊の三人どころか、惑星サイヤを長期開けられずにスーナを置いて直ぐに帰ったベジータは兎も角、兄と配下の三人と、そしてブロリーとパラガスにまでにいやな顔一つ見せずに、寧ろ食事の心配や、寝所の用意までしてくれる・・・・訳が分からない・・・
その訳の分からない奇妙な事に耐えきれずに聞いたフリーザの言葉に対し
「孫は・・・・ラディッツが貴方方を許したのでしょう?」
この子は優しいから・・・・優しすぎて情が深すぎてそれでいつかラディッツの心が壊れてしまって心配をするほどであるが・・・・それでも・・・
「孫が許した事を、何故儂等がとやかく言えよう?」
ラディッツが許したのだから
ただそれだけだと事も無げに笑いながら孫悟飯は宇宙の帝王の問いに対しての答えを告げる
自分の事であれば大概の事を許す自分の孫は素敵でしょうと、その孫を案じての悲しみを押し殺して笑う孫悟飯に、フリーザは気圧された・・・・自分の爪先程の力もないただの老人であるはずなのに・・・・自分以上の存在の大きさを感じさせられて言葉もなかった。
こんな人物を自分は知らない・・・・穏やかで弱くて・・・・なのに大きな存在
破壊神ビルスに対面した時でさえ、力の差を感じさせられたが其れだけの事であったのに・・・・・この老人に対して、自分は何も言う事が出来ず、しかし何か、何か言わなければ負けた気がして無理やり何かを言おうとしたその時
「こりゃブルマ!!!そんなに走って転んだら・・・」
「止めないでよ武天老師のおじいちゃん!!ウーロンも止めないで!!!」
「たってよ!!!悟雲さんの部屋の中には・・・」
「知ってるわよ!!!邪魔するわよ悟飯お爺ちゃんと-フリーザさん-!!!!」
バン!!!!
ノックも何もなく、地球の空の色と海の青さをそのままにしたような青い髪を振り乱し、美しい青い瞳には生命力の強さを表す光が漲り
「お兄ちゃん起こすのにドラゴンボール使うから!!今夜全員集まったら会議するからそのつもりでいてちょうだい!!!!!」
地球人五百人生かすからとラディッツを懐柔しようとした時に、其の策を蹴っ飛ばした時と同じ威勢のいい言葉で告げてきた・・・・・嵐のような娘に、
「ブルマちゃん・・・元気が出たのはいい事じゃがのぅ・・・・・」
せめて扉はノックしておくれと苦笑する悟飯と違って、フリーザさんとか・・・今生でそんな呼ばれた方をはじめてされたフリーザは様々な意味で呆気に取られて口をポカンと開けて返事が出来なかった・・・・地球人とは・・・・どこか自分達とは違う生き物なのだろうか?
・・・・・・・・・・・・・・・
「おらは・・・・兄ちゃん起こす為ってのは分かるけどよ・・・やっぱドラゴンボールを使うのには反対すっぞ?」
「俺も・・・そもそもが悟雲兄さんは自分達の代では二度と使いたくないって言ってたのをブルマ姉さんも聞かされたでしょう?」
ブルマは昼間に宣言した通り、全員が仕事を終えた頃を見計らって携帯電話で天津飯達も呼び出し、その前から道場で弟子達を見ていた鶴仙人ともれなくついてきた桃白白も入れての大会議になった。
場所は孫家の横の大きな空き地に大勢が入れる一室だけのカプセルハウスを展開して全員はいれるように整えて待ちかまえ、そして遅くなったジュニアも入れての一大会議をぶち上げた。
・・・・クウラとクウラ機甲戦隊と、ブロリーとパラガスがいるのがブルマ的には若干釈然としないが!お兄ちゃんが許したんならしゃあない!!私も頑張って許してあげるからの精神を敢行し、そして構想をぶち上げたのだが・・・・悟空達からの反応は芳しくはなく、寧ろ反対されたのを
「おい小僧ども・・・ナメック星のようにドラゴンボールがあるのならば、何故それを使って小僧を起こさない?」
自分は本場のナメック星のドラゴンボールで・・・そのなんだ・・・小僧を小娘にして花嫁にしてとかしようとしたのに、なぜこいつ等は躊躇いそれどころか反対しているのだという言葉に、元凶が口開くんじゃねえよとブチギレそうな天津飯をヤムチャ達が引き受け
「実はさ・・・兄ちゃん昔ドラゴンボールを使った事があるんだ・・・」
まぁあれは悟雲兄さんの事でドラゴンボールを使ったのが正しいかと、其の時の話を思い出しながら悟空は簡潔に話
「ただ使った後な、兄ちゃん自身がドラゴンボールを使った事で考え込んじまったんだよ。」
「・・・何故だ?あれは確か願い玉と言われるくらいで、願いを叶える為の代物であるのならば、願いを叶えられるのが当然なのではないか?」
自分達の様な遠くの異星人の耳にはいる位の物であり、ならば道具がその通りに作用するのはなにも不思議な事は無いだろうというサウザーの言葉に、ラディッツがドラゴンボールを使った事があるのをこの数日で知ったバーダック達は、そのラディッツが考え込んだ事があるというのを初めて知ったが、叶うなら何でもいいじゃないかというバーダックとギネ達の言葉に悟空は首を横に振る。
「その願い玉・ドラゴンボールはさ、死人すら生き返らした事があるって、おら達の神様が教えてくれたんだ。」
ラディッツの肉体を健康な戦士の肉体にすることが出来なかったが、それでも身長は伸びる筈であったのとそっくり同じく伸びる事が願いとして受け入れられた時、悟空達とそしてラディッツ本人も喜んだが、程なくしてラディッツはある事に気が付いたのだ
願いが叶えられる為の、その為のエネルギーは何で賄われるんだ?
自分の肉体は毒に侵されそれ故に成長できなかったのを、ラディッツは割と早い段階で気が付いてた
政敵も幾人もいて、何度かそれ系で血を吐いていたので
だが、神の龍をしても解けない毒・・・・解毒は無理でもそんな強力な毒の力を掻い潜って身長を伸ばすには・・・・いったいどれほどのエネルギーがいるのか?
自分は其の対価を支払わなくて何故いいのか?
神龍はあの時、願いは叶えたと言ったきりで、その願いを叶える為に何かをしろとも支払えとも言っていなかった・・・後年、ピッコロ大魔王事件で縁が出来た地球の神様にその事を聞いてみたが
「儂も良くは分からん・・・ただ作れる気がして作っただけなのじゃよ。」
そしてドラゴンボールと何故か名付け、今までの中には死人すら蘇らせたものがいるのを、天上から見ていたが誰も何かを支払った事は一度として無かったという神の言葉に、ラディッツは唖然とした。
死は絶対である
輪廻転生で前世の記憶を以って現世に生まれなおすのならばともかくとして、仮死状態でもなく、遺体がそのままであれば数週間の死後であっても人が蘇ったと聞いた時、それはこの世の理に反しているとさえ感じてゾッとした!
そして、そんな摂理を曲げてもなんの対価も発生しない事が不自然さに拍車をかけた
食べる為に食べ物を作る、或いは他の生命を殺して食べる
暖かくするために服を作る、その為に生き物を殺して毛皮をとるなり、或いは植物から糸を取り服をこさえる
生きる為の行為にも何かの代償があるのに・・・・・死人を生き返らせる事にすらなんの対価も無い事が・・・・
もしかしたら、自分達の周りではなくとも、知らないところの惑星なり生命なりがその代価の為に消えているかもしれない可能性に、ラディッツは怖気が奔りそして・・
「おら達に二度とドラゴンボールを使って欲しくないって言われたんだよ・・・」
知らずに生命を消し去っているかもしれない事に、自分達が手を染めて欲しくなくて
一度目はそんな不可思議な事があるとも思ってもいなかったラディッツは、突然ドラゴンボールとそして身長だけでも伸ばしてもらえることと、なのよりも弟達の優しさが嬉しくて深く考えずに受けたが、考え付いてからはもう駄目であった。
「フリーザ達が地球に来る前に、戦いに出るおら達と姉ちゃんが集められて言われたんだよ。」
もしもこの戦いで俺が亡くなってもドラゴンボールを探そうとするな
何かの奇跡でその後フリーザ様達が地球を去ってドラゴンボールを探せる状況であっても、生き返らせないでくれ
「もしそれで俺が蘇っても・・・・」
自分は自死すると・・・・それで対価を支払ったとあの世で神龍に伝えて、弟達に対価がいかないようにするとまで言われのだ・・・・・
そしてもしも・・・・自分達が死んだとしても、悲し事を全部自分で抱えて生きていく、その代り生き返らせないとも・・・
その兄が使わないと言ったドラゴンボールを、ブルマは使うと言っているのを悟空達が反対するが・・・
「分かってるわよ・・・お兄ちゃんが!何のために自分達の代では使わない!使わせないって言ったのか分かってるわよ!!!」
だから!!その代価となるのは何なのかを、願いを聞かれる前に神龍に聞き、もしも自分達で用意できるものであればそれを用意して一年後に対価を支払う為だけに呼び出す!!!
「でもね・・・・駄目なものだったら・・・・其の時は諦めてまた別の方法探すわよ・・・・」
お兄ちゃんの想いと、自分達の想いを両立する為に、ブルマはこの三日間必死で考え動いていた。
兄を倒す事を目標にしていたゲロおじいちゃんは、其の所為か兄の体の第一人者とも言える程になっており、すぐさま相談したが無理だと意気消沈され、人が目を覚ます方法のあらゆる文献に目を通し・・・その果てに悩みに悩んでドラゴンボールを限定的な方法で使う事にしたのだ。
ボロボロと泣きじゃくりながら話を続けようとするブルマを
「姉様・・・・」
「お姉様・・・・」
「ブルマ・・・・」
チチとモンブランとマイが駆け寄り抱きしめる、男達の方をじっと見つめる。
ブルマが此処まで考え抜いた事をどうするのかという、女房と恋人の視線に、悟空達は顔を見合わせそして・・・・
「おらじいちゃんの部屋からドラゴンボールを借りてくる。」
「じゃあ俺達の内の誰かがボール集めして来ますよ。」
夜目が効くから俺が行くぞというクリリンとジュニアの言葉に、ブルマはフルフルと震え、必死に笑みを浮かべ
「こんな事もあろうかと!!一人一個とってこれるようにドラゴンレーダーを七個作ってあるわよ!!!!」
これで三十分もせずに揃うわねと、気丈にも笑って言おうとするブルマに、男達はブルマ姉ちゃんらしいと苦笑しながら、机の上に出されたレーダーを受け取りに行く。
「親父に起きたら姉君に感謝しろって言っておく。」
「行って来るぞ小妹。」
「直ぐに帰ってくるから待ってね。」
「ブルマ、悟雲師兄が起きたらお前の事デートに連れて行けってガツンと言ってやるから待ってろよ。」
「姉ちゃん、神龍呼ぶのは明日にすっぞ。」
「悟空の言う通り、ブルマ姉さんが倒れたの知ったら悟雲兄さん泣いちゃいますよ。」
一人一人がブルマを励ますように言葉を送りながら抱きしめレーダーを受け取り出掛けていき、悟空とクリリンは姉の身も大切だと言いながら飛んで行った。
その頼もしくも優しさに溢れた背中に、ブルマは再びぼろぼろと泣いて崩れ、父達もブルマに取り縋るように抱きつきながら必死にこらえていた涙を流す。
誰もがラディッツの事で不安で一杯であったが、ラディッツの父母と祖父が泣かないのに、自分達がと耐えていたが・・・・・一筋の光明に安堵した事で、耐えていた糸が切れ泣き崩れるのを、ギネが近寄り崩れた女の子達をそっと抱きしめ
「皆ありがとう・・・・」
ラディッツの為にというその言葉に、鶴仙人と亀仙人もこぼれそうになる涙を上を向いてぐっと堪え、さしものクウラとブロリーも言葉を喪う中、フリーザは出掛けて行った者達が全員戻るまで、夜空の下で待ち続けた親衛隊達と共に・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「願いに対価はない・・・・強いて言えば、強い願いを叶える程、ドラゴンボールに邪気がたまる。」
次の日の朝に呼び出した神龍に、ドラゴンレーダーまで作りあげたブルマが全員の代表として聞いた質問を、願いは其れかとは言わずに神龍は願いにカウントせずに質問として答えてくれた・・・・・神龍なんだが人間味に溢れている気がするがそれは兎も角として、神龍はきちんと質問に答えてくれた。
強い願いを叶える程にその浄化の為の歳月は長くなるため、本来は百年に一度使われるくらいがちょうどいいという神龍の言葉に、これで三度目だけど大丈夫なのかと青褪める悟空達に、お前達の願いならば今後五十年は使わなければ大丈夫だと神龍は苦笑しそして・・・
「お前達の兄を目覚めさせるのは私には無理だ。」
その代り起きる方法を教えると言われた
「お前達の兄は、毒と無理やり気の道を通す為に体を損ない、そんな状態で地球の気を借り受けて膨大なエネルギーを使った為に体が耐えきれなくなったのだ。」
本来はそこで死んでいる程であるが、その地球がラディッツの肉体と繋がり守った
だが
「その地球から無理やり連れ出された上に、地球との繋がりが弱まった状態でその時以上の力を使い、体内を守る為の地球がこ奴に送って保たせていた五行の力が枯渇したのが原因だ。」
世界の循環にも、そしてどれ程小さな生命であっても五行の力が巡らなければ生きていけない
一つでも崩れれば不調を起こし、星であれば異常気象となり、生命であれば病気となる。
それが一斉に枯渇したのが原因であり
「今地球が必死になってこ奴に五行の力を送っているが、焼け石に水となっている。」
-テラ-が姿を見せていないのは、本体である地球の核から原初のエネルギーたる地殻エネルギーから少しずつラディッツの肉体に贈っているせいであるが、原因たる五行の力をつかさどる臓器を蘇らせなければいけない。
幸いまだその臓器は幽かに生命活動をしているが、もって数日だという言葉にその場にいる全員が絶望に落ちかけたが
「この世界の何処かにある、陰と陽の力が交わる土地でのみ成る果物を五つ食べさせれば・・・」
それが数日の内であれば望みはあると、神龍は優しく告げるのであった