俺ラディッツは弟を絶対に守り抜く   作:ドゥナシオン

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エピローグ:俺ラディッツは・・・・・

ポタリポタリと-ナニカ-が俺の上に滴り落ちる・・・・・-最初-は何だったかな?

 

あぁそうだ・・・・上級武官のナッパが、どういうつもりか知らないけれども俺に何度もつっかってきたのが我慢できなくて、腹立ちのままにナッパに体当たりした後、覚えてないけどナッパにボコボコにされて死にそうになって・・・・メディカルポッドで回復して家に戻されて、目が覚める寸前の俺の胸に母さんの涙が滴り落ちたのが始まりだ・・・

 

俺が死にそうだって大泣きしてくれた母さんの涙が始まりで、でもその後俺の上に滴り落ちたのは優しさの真反対のもの、滴り落ちる程の悪意と殺意と毒で吐いた自分の血と・・・・・誰かが悲しむ涙になって

 

そして・・・・・今はテラが泣いている・・・・泣きながら俺にエネルギーを分け与えてくれて・・・生かそうとしてくれている

 

「・・・・・ラ・・・」

「ピィ・・・・」

「・・・・・・」

 

あぁ・・・・無理をしないでいいとテラに言いたいのに声が出ない

 

そんな一言さえ言えないなんて・・・いよいよ俺の魂ってやつも限界か・・・・仕方がないな・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

テラ、つまり地球という惑星から散々星を形成する力を借りて、その上今回は星々という途轍もない・・・宇宙の力を借りた上に伝説だというサイヤ人の超エネルギーをそれも五人にまで借り受けて、身の丈に合わない力を振い続けていれば・・・・・記憶の代わりに自分の魂を削っていたんだろうな俺は・・・

 

平成のライダーシリーズで、本来ならば使えない力を使う代わりに、自分という存在の記憶を周囲の人間が無くしていき、遂には存在そのものが忘れ去られた事で救済される事無く文字通り消滅したヒーローがいたっけ・・・まだそんな事を覚えてるなんて・・・それでもそんなヒーローに俺は憧れ目指したんだ・・・忘れられないほどに

 

 

ラディッツは前世で特撮好きのオタクで大学にて自分で特撮部を立ち上げたほどであり、その特撮の世界で多くの事を学んだ。

 

悪と呼ばれている者達も英雄と呼ばれている者達も、何かしらを抱えて生きているとか・・・・フリーザ様にもそんな面があって・・・・だから俺の事なんて追いかける為に無茶苦茶したわけで・・・そして力の代償と責任についても

 

でも、俺は結局その教えを自分で捨ててフリーザ様の悪事の手伝いして生きてきた

 

ベリアルみたいなものだ

 

生まれは光の国みたいな日本で生きていた記憶と倫理観だって覚えていたのに、自分の思いの為にそれを捨てたんだから・・・・

 

その事に後悔なく生きて走ってここまで来れた。

 

それでも、皆に何も言えないまま死ぬのは悲しいな・・・・・爺様やお師匠様・・・俺の事で悲しんで逝ってしまわないか心配だ

 

俺と違って二人は天国行きだろうから、逝かれても会えないし・・・・カカロットもブルマもジュニアもクリリンも・・・あぁ・・・・・悲しいな・・・・-また-俺は不意に大切な人達を置いて・・・・・・

 

沈んでいく・・・・今まで感じていたテラの温もりも届かない深い深いところに

 

覚えている・・・・・先の人生でも俺は沈んで・・・そして不思議な事に前の人生の記憶を持って生まれてサイヤ人になって・・・・今回は前回と違って悪行の限りを尽くしたから地獄に行って裁かれながら、フリーザ様達を待つ・・・・俺は・・・もっと

 

 

-自分の力が及ばずにどうしようもない時は皆と一緒に死んで終わり-

 

そう、周りと自分自身に言い聞かせていた言葉だが・・・・・二度目であっても心残りは同じで・・・・そっと手を伸ばす

 

テラすらも追って来られないような闇の中で、一体誰が掴み上げてくれるのだろうと苦笑しながら・・・・先程まで聞こえたテラの泣き声すらもう聞こえない深い闇の中なのに・・・

 

それでも今回は落ちたくなくて・・・・でもどこかで諦めていただけに・・・

 

驚いた

 

伸ばした手が沢山の手に掴まれた・・・・

 

大きくってごつごとつした戦士達の手が、緑色の少し爪が鋭い手が、柔らかい女の人達の手が、中には真っ白で子供のような手から、白くて肌色の模様がある手と、水色の手も伸びてきてそして・・・しわくちゃの手も沢山伸びてた

 

あぁ・・・あぁ!!!俺はこの手の持ち主たちを知っている・・・どれも俺が愛している人達の手・・・・・

 

手達は、意志あるようにどこまでも落ちていくラディッツを追いかけていく

 

逝かせない

逝かせてなるものかと必死に健気に・・・

 

俺を追ってきくれたのだろうか?・・・・・そんなラディッツの疑問に応えるように

 

「兄ちゃん!!!」

「お兄ちゃん!!!!」

「悟雲兄さん!!!」

「兄様!!」

「お兄様!!!」

「親父!!!!!」

「父さん!!!」

「悟雲おじさん!!!」

「悟雲!!!」

「馬鹿弟子!!!」

「「「師兄!!!!」」」

「クソガキ!!!!!」

「「「「「ラディッツ!!!!」」」」」」

 

沢山の大好きな人達の手が、自分を掴んでくれようとして・・・・なのに・・・堕ちる速度が速まって!!

 

あぁ・・・・俺の魂は、黄泉の国への境界線を越えたんだな・・・・

 

地球の魔族が住む黄泉ではない、天国と地獄への入口たる黄泉路の国へ・・・

 

みんなごめん・・・・折角伸ばしてくれた手を・・・・・

 

堕ちていくのを止められないラディッツは、流れ出る涙も止められなかった

 

折角迎えに来てくれたのに・・・・

 

黄泉平坂につけば、本当に戻れなくなる・・・・その事を知っているかのように手の持ち主達の声は焦り叫び・・・・その声に応えるように

 

「間抜けだね~お前は。」

 

迎えに来た者達の手すらつかめない間抜けが神の名を戴くなんておかしな話だと、物凄く呆れた声の中に、どこかのんびりとした声も聞こえながら背中を押してくれる人は・・・・

 

「あ・・なたは・・・」

「約束守れよ?」

 

ここまでの事を僕がしてやるなんて滅多にないんだからさ

 

声の主を確かめる前に、背中を押されて上がったラディッツは、沢山の手の中に入りそして掴まれ・・・・

 

「あ・・・・・・」

 

目を覚ました

 

ぽっかりと・・・本当に何の気もなく・・・ただ朝が来たから目を覚めした・・・確か前回気を失った後は目を開けるのすらが億劫だったはずなのに・・・・

 

これはどうなっているのだろうと、目を開けて体を起こそうとしたラディッツは・・起き上がれなかった・・・・押し倒されて・・・

 

「兄ちゃん!!!兄ちゃん!!!!!」

「ごめんなさいラディ!!!ただラディといられればそれでいい!!もう我が儘言わないから側にいさせてよ!!!」

 

弟とブロリーに押し倒されて・・・その二人の後ろには

 

「悟雲よ・・・・こんな年寄りよりも先に逝かんでおくれ・・・」

「このクソガキ!!!俺は兎も角ギネ達に・・・」

「馬鹿!!!あんただって泣きそうだったろう!!!・・・でも・・・バーダックも私も皆も・・・・起きてくれてよかったよラディッツ!!!!」

 

爺様と親父と母さんが・・・・よく見れば・・・親父の目の端に・・・涙!!??

クリリン達も泣いて・・・・お師匠様達も・・・

 

そして部屋の後ろの方に・・・・フリーザ様達がいる・・・・

 

ラディッツが大切に思っている人達が、大きな部屋に運ばれたラディッツの枕元に集まり、悟空とブロリーも渋々とその場を明け渡して次の人に兄との抱擁を譲る。

 

何時まで寝ていたのか分からないが、ギニュー特戦隊も全員揃ってきて、政務をほっぽり出してきたのかフリーザ親衛隊にしてラディッツの幼馴染も全員揃って大泣きしながら突撃をしてきて・・・・ベッドが壊れて全員呆然としてそして

 

「く・・・ふ・・・・はっはっはっはっはっは!!!!!!」

 

呆然としたラディッツが大笑いをした

 

その声は元気いっぱいで明るくて・・・・フリーザ達の事が明らかになってからは久しく聞かれなかった笑い声で、ラディッツを探していた者達がずっと聞きたかった明るく大きいのに柔らかく優しい笑い声は・・・・いつしかラディッツを喪わずに済んだ事で涙ぐんでいた者達の口の端を上げさせそして・・・・・

 

「・・・・・・能天気なものだねあいつ等は・・・・」

「そうですか?楽しそうな方が私はいいと思いますがね~。」

 

楽しい事は貴方もお好きでしょうという従者の言葉に、破壊神は揶揄われたようで面白くない・・・・

 

「見てみろ、サイヤ人達の次に滅ぼしてやろうとしたフリーザ達も一緒になって笑って、その兄も満更でもない顔して・・まぁ・・・あいつ等のお陰で-北銀河-の人間レベルが上がってるから見逃してやらなくもないけどさ・・・・」

 

孫家の側にある大樹の木の枝に、だらしなく横向きに寝そべりながら、ラディッツの帰還に喜ぶ一同を観察しているビルスはぼやくようにフリーザ達はまだ当分見逃してやると言い放つ

 

西銀河に進攻しようとした・・・というか西銀河最強一族がいる惑星に好き好んで戦いを挑むクウラのお陰で、実はその惑星の一族の戦闘力が爆発的に伸びあがり、もって周辺の賊退治やら治安維持に貢献しているおかげで、第七宇宙自体の人間レベルが上がろうとしている・・・・・おまけに

 

「あいつのお陰で、甘ったるい界王神も本気で悪を討つ力を付けるとか言って修練に入ったんだっけ?」

「えぇ、あのらしくないサイヤ人の話を界王達が大界王に話をして、そこから界王神に伝わったようですよ。」

 

正義感に溢れたあの界王神が、悪だと言われ続けて北銀河の害虫とまで呼ばれた一族の一人が、北銀河の平和に直接的にも間接的にも関わっているという話にショックを受けたらしい・・・・・真面目な奴だけに、本気で修行したらあいつも僕にいつか追いつくのかね・・・・そしたら・・・・あの邪魔な世界も消せるだろか?

 

「・・・・まぁいいや、僕は楽しければそれでいいんだから。」

 

第七宇宙の人間レベルの事で他所の宇宙と比べられる序列なんて考えるのが面倒だから

 

「ラディッツが・・・・あいつがご飯を作れるほど回復したら起こしてよウィス。」

 

まだきっと、当分は寝て過ごすだろ奴の側にいても面白くないから、帰って昼寝して待つからウィスが見張っててという主の気紛れの言葉に、天使は苦笑しながら引き受け一礼をして頭を上げれば、もうそこには主の姿はなく

 

「・・・・これからが大変ですよ、ラディッツさん?」

 

主に目を付けられたからには、きっと平凡な日常なんて遠いものになるだろうと

 

そんな多忙な日々が始まるまで

 

「ぜひ平和を謳歌してくださいね。」

 

笑いさざめく者達の中心にいるラディッツに、天使らしい祝福を送る

 

この殺伐とする筈であった事は容易く予見できた世界を、遠くの未来は分からないが今現在は優しい気持ちで満たしている者への礼として・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

物騒で多忙な未来が来るとはつゆにも考えていないラディッツは、最後は矢張り弟のカカロットを膝に頭を乗せさせて甘えさせながら周りを見回す。

 

すこし・・・・かなり嫉妬に駆られている大好きな人達もいるけれども・・・それでもラディッツはその人達も大好きな気持ちに変わりはなくて・・・また新たな気持ちで生きていくと思い定め

 

-俺ラディッツは弟と-愛する全ての人達-を守り抜きながら生きていきます-

 

新たな誓いを静かに、そして身を焦がさんばかりの熱量を伴いながら胸中で誓いを立てる

 

この場と地球にいる人達だけではなく、宇宙にまでいる大好きな人達と笑い合って生きていく為に




これにて本編完結となり、この後は後日談に入ります。

破壊神ビルス様との約束はどうなるのか、ラディッツや悟空達の未来はどうなっていくのか

内容は確定していますが、また不定期にはなりますが後日談も完結できるように頑張っていきたいと思います。

本編完結のこの場をお借りして、沢山の誤字脱字や言い回しの間違い、人物や技の名前の間違いを、根気強く直してくだされた皆様

沢山の感想やここは違うのではないかとご意見をくださった皆様

時には物語を良くしてくださるアイディアをくださった皆様に心より感謝いたします。

本編完結まで来られたのは評価や感想をくださった方達・誤字脱字を直してくださった方達はもとより、一話でも読んでくださった方達のお陰です。

時折り日刊ランキングの上位にまで入れたいただく程に評価された時は、本当にびっくりしてランキングを何度も見てニヤニヤとしていました(苦笑
ここまで読んでくださり本当にありがどうございました。

興味があれば、後日談の方もよろしくお願いいたします。
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