俺ラディッツは弟を絶対に守り抜く   作:ドゥナシオン

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和睦の締結の集いと次代への道を開かれる事と・・・

エイジ759 二月地球 中の都 都市内

 

その日は二月の真冬の筈なのに、小春日和の様に暖かい日であった

 

地球全土で雪が十日前からやんでおり、まるで地球が-客-をもてなす為に精一杯の持て成しをしようとするかのように、冬の気配がピタリとやんだのを、天界で地上を見守っている神様とお付き人が目を丸くする中、ラディッツは苦笑した。

 

-テラ、雪が降った方がフリーザ様達には珍しいと思うぞ?-

 

冬の気配がなくなってすぐにラディッツはテラにそう進言してみたのだが、テラは自分(地球)は誰にとっても居心地のいい星だと主張したいようで、異常気象にはならない程度に温かくする事を選んだのだ。

 

「・・・・星の意思って随分と低俗的だね・・・・」

 

一億年近く宇宙の秩序のバランスとりの為と、宇宙の発展になんの貢献もせずに-美味しい物-も供せないような役立たずなところとむかっ腹が立った星々と住人を消してきたビルスが、近頃知った星の意志の思うところを聞かされた破壊神様的にはがっくりとさせられるものがあり

 

「なんだか-私達の方-ではなくて貴方達人側に近いのですね~。」

 

破壊神様のお供をしている天使様も苦笑させる快挙を成し遂げた!・・・・なんのこっちゃいだが、確かにラディッツの知るテラは人の、それもなんだかカカロットに近い気がしているので黙って苦笑するしかなかった。

 

なんだろう・・・・根っこは単純で気持ちがいい子で優しい子で、うちのテラは凄いんですと自慢したいくらいな出来た惑星なのだ。

 

その惑星を起点として、北銀河の宇宙を席巻一歩手前で追い込んだフリーザ様率いるフリーザ軍と、北銀河一の辺境の惑星・地球が、暴力の支配ならば見逃さないというベジータ王率いる惑星サイヤを中心とした新興勢力の見届ける中で和睦の調印をする日が来る少し前の笑い話であった・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

「はい!!ここの枠内にお相手の母艦が着陸しますのでこの線よりもっと後ろの方に!!!」

「この柵からは出ないでください!慌てなくとも、上空にお越しいただいた方達の姿が映るパネルが展開されますので、肉眼で見るよりも安全かつ正確に見られます!!」

「お花を渡す子供達の準備は!!??帽子が届かない!!!???武空術で取って来るから他の事は全部間に合わせろ!!!!」

「サイヤンℱの警備員以外の武空術は本日は中の都と半径五十キロ内では禁止です!!」

「あぁ迷子に・・・・親御さんは・・・少し飛ぶから捕まって、あ!あの人達か!!おおーい!お子さんはここに・・・・」

 

-銀河を守る人達-は、フリーザ軍と呼ばれる人達は中の都の入り口付近に母艦を止める事になりそこから平和の祭典の為のパレードが行われる。

 

それをラディッツが赤いスカウターでフリーザ様に知らせた時

 

「歓迎パレードとは・・・・私達何か手土産がいりますかね~。」

 

と苦笑し、文官長として乗り込んだゲンインが本気で何か今すぐに手配できないかと慌ててコンソールを弄り出す音が聞こえたので

 

「地球の人達は何かが欲しくて歓迎パレードをするわけではありません。」

 

どうかこの地球の歓迎の心をそのままお受け取り下さいというラディッツは歓迎パレードの準備に勤しむ人達の想いを代弁する。

 

経緯はどうであれ、これよりフリーザ様達は本気で地球ひいてはそこに住んでいるラディッツの安全な生活の為に、地球と和睦をして宇宙にまだまだある悪党達の巣を壊しに行くか征服しに行く。

 

故に、その事をきちんと知らされた国家上層部一同と鶴仙流の高弟全員が感情ではモヤモヤとする事はあろうとも、共存する道を違えない事を胸に刻む、その為のパレードの支度を王室とサイヤンℱ警備会社と鶴仙流で準備をする事にしたのだ。

 

そうをする事で、自分達も平和の道を作り心を定める為に

 

その中に何と悟空も加わった。

 

「おらさ・・・・あいつ等も兄ちゃんの事本当に大好きなの知っちまったからさ・・・」

 

ちょっとくらいは歓迎する手伝いすると、照れたように言う悟空が微笑ましくて

 

「悟空は兄様と違って素直じゃないな~。フリーザ達が好きになったらそう言えばいいのに。」

 

餃子に揶揄われた悟空は益々赤くなり

 

「チャオ兄ちゃん!おらは別にあいつ等を好きにじゃなくって・・・・あぁもう!!おらなにすればいいんだヤムチャ!!天兄ちゃん!」

 

ドスドスと足音がする程に苛ただしく歩いて、其れでもきちんとお手伝いするのを、餃子は益々可愛いな悟空はとクスクスと笑い

 

「こりゃ餃子、悟空を揶揄うでない。」

 

後ろから音もなく来たお師匠様にポカリと頭をこつかれた。

 

どうも近頃の餃子は可愛い見た目と違って人を揶揄ったり容赦のいらない悪党相手には毒も吐くし・・・・ちょっと心配なお師匠様・鶴仙人に

 

「ごめんなさいお師匠様!僕もお手伝いしてきます!!天!その機材浮かして持っていくから・・・」

 

へへっと笑ってごまかして逃げた。

 

楽しい・・・石をぶつけられて荒野で一人ぼっちだったのが幻の様に、天に出会って兄様に出会ってお師匠様の門下には入れてから僕はずっと幸せだ。

 

そんな風に楽しそうな餃子を見て、あ奴も心が豊かになったなと喜んでいいのかと鶴仙人は苦笑する。

 

最初の出会った頃は心と感情が空に近くて、表情もそれにあわせたように無表情で、幼年組の弟子達に気味悪がられていたのを、天津飯と悟雲が何くれとなくそんな餃子の面倒を見て、悟雲は率先して武道の修行と学問だけではなく様々な経験を餃子を中心として幼年組をあちこちに連れ回し様々な体験をさせていた。

 

畑の手伝いを皮切りに、終われば東の都の屋台を周って買い食いをさせて、半月に一度は遊園地や動物園、はては博物館にも連れて行き時には原っぱで悟雲を捕まえる遊びまでさせて・・・いつ頃だろうか、餃子が大口を開けて笑い始めたのは。

 

その頃にはもう餃子は鶴仙流の大事な弟子で、幼年組の全員と仲良くなって・・・・

 

「次代を継ぐことを・・・・儂は出来ているでしょうか武泰斗様・・・・」

 

近頃は気が緩むとすぐに目から何かが零れていかんと・・・上を見上げればそこは綺麗な青空で・・・・在りし日のお師匠様を思い出し、目から何かが零れる代わりに呟きが零れた。

 

-己だけが強ければいいのではない。無辜の者達を守り続ける為に儂はお前達を育てるのだ-

 

決して己の強さだけを追い求めずに、自分達の為に心血を注いでくれたお方・・・邪悪を後世に残さない為に、自分達を守る為に己の生命を全て使い切った偉大なる師匠・・・

 

自分は・・・・そんなお師匠様の思いを知らずに・・・知ろうともせずに今後は自分達で共に手を携えて武泰斗様が守ったこの世界を守っていこうと言ってくれた亀の手を叩いて

 

「正義なぞくだらん!!巨悪の前では何の意味もないではないか!!!」

 

ピッコロ大魔王という化け物に恐怖し、己の心の弱さに屈して酷い言葉を吐きながら決別をして何百年と経って・・・近頃は少しだけ・・・漸く武泰斗様の心の内の万分の一が分かってきたかもしれない。

 

大事な弟子達の、其れだけではなく大切な者達の未来をも守る為にはどうすればいいのか・・・その真似事でもできれば・・・・・少しは唾を吐いてしまったお師匠様に詫びれるだろうかと物思いに耽る兄を、弟の桃白白は手伝いの為に近くを通ったが声を掛けずにそっと踵返して他のルートで天津飯達の居る大広場に移動した。

 

昔と違い邪気がなくなりその代り過去を悔いる事の増えた兄者・・・もっと人生を楽しめばよいのに真面目な兄者だと思うも、そんな兄者も可愛いものだと微笑む桃白白であったりする。

 

そしてあわよくば、山村の破壊神様とやらと手合わせできないかを兄者から風変わりな弟弟子に打診してもらえればとかも・・・・少しだけ優しい心を持っても、基本的な変○的な程のバトルジャンキーさは変わっていない桃白白なのだ・・・・困った奴・・・・

 

そんな風に、地球の皆で協力して短い期間であったが最高の歓迎準備が整った。

 

フリーザ達の母艦が到着し、相手を信頼していると伝える為にフリーザ自身がタラップから移動ポットに乗って降りた時、其れだけで周りから大歓声がおきそして

 

「ち・・・地球にようこそフリーザ様!!!」

「これ!あの・・・その・・・」

 

花を渡す男子・女子は地球に住まう子供達でやりたいという子供達からくじを募り、公正な抽選の結果、ナムと同じ部族の男の子と南の都の女の子がフリーザに花束を渡す大役を得たのだが、二人は真っ赤になって男の子の声は裏返り、女の子は花を渡そうとしたが届かない事が分かりどうすればいいのか途方に暮れて泣きかけたのを、地球陣一同焦った!!

 

そうだ・・・・フリーザという人物は、普段は移動ポットという乗り物に乗って子供の身長では花を渡すのに届かなかった!!

 

どうしよう・・・・事前情報があったのにそれが活かせなかった・・・折角孫悟雲からの情報なのに!!!

 

その孫悟雲は王宮内の方で待機だし!円滑にこの事態を打開するには・・・・

 

「おや、これが地球の花かい?綺麗だね。」

「あ・・・そうです・・・この日の為に王宮内の花壇で育てたのを・・・ふ・・・フリーザ様に・・」

「あぁ泣かなくても大丈夫だよ、ほらこうすれば・・・」

「あ!!!」

 

どうすればいいかと大人達も隣の男の子も凍り付いてしまった中、短髪の黒い髪で白い地球の袖がキュッとしまった長袖の白いシャツと黒い細身のズボンと揃いの色の黒い皮とおぼしきブーツを履き、水色の上質な布で作られていると一目で分かる貫頭衣を羽織っている青年がいつの間にかフリーザの移動ポットの前に立ち、泣いている女の子の前で膝をついて優しく話しかけそしてそっと抱き上げ

 

「ほら、これで大丈夫だろう?」

 

フリーザと目線が届く位置にしてもらえた。

 

漸くお花がきちんと渡される状況に慣れた女の子は落ち着きを少しずつ取り戻し、

 

「あ・・・その・・・フリーザ様・・・これ・・・これは!地球の冬の寒さにも負けずに綺麗に咲くお花です!えっと・・・暖かい時だけではなくて、寒くて厳しい時でもこの花の様に耐えて共に春に辿り着けるようにと!国王様ご自身でお育てになられたお花です!!」

 

この日の為に一生懸命覚えた口上を述べることが出来た。

 

出来たのだが、女の子の心の中は不安で一杯であった。

 

どうしよう!私がもたもたしてたから・・・・フリーザ様嫌になっちゃったらどうしようかと、渡そうとしている花が一向に受けとてもらえない事に半べそをかきそうになった其の時

 

「これほど素敵なものを私にくれるのですか?」

「へ?・・・・あ!!はい!!!」

「そうですか・・・・嬉しいですよ。

歓迎の式典だけでも十分ですのに、この星の王自らが育てたものをこんな良い形で渡して頂けるなんて光栄です。」

 

大切にしますねと言われ、ありがとうございますとも言われながら受け取ってもらえた女の子は

 

「・・・受け取ってくれてありがとうございます!!!」

 

花が咲くようとはこんな感じかと、フリーザと追いついたザーボンとドドリア達が思う程に、満面の笑みとなった。

 

花に関する感想はお世辞ではあるが、あの子の様な可愛い笑顔が見られるならば安い物だと、興味は無いが大切そうにするフリーザは女の子と下でほっとしたように笑っている男の子の笑顔にこそ本当の笑みを向ける。

 

こういう表情に囲まれるのは悪くはないと感慨に浸りつつ、フリーザは移動ポットのままで、女の子を抱き上げたゲンイン女の子を降ろした後に他の親衛隊達はザーボンとドドリアと数名の文官達と共に、車が初見の宇宙人達にとっても一目で高級と分かる黒光りするオープンカーに乗って地球人達の大歓声や笑みを受け取りながら進んで行く。

 

どうやら地球もフリーザ軍の様に多民族の集合体で纏まっているらしいと、共通点を見つければ親近感も多少は湧く。

 

なによりも彼等を守ればラディッツは自然と喜んでくれるのだから、この和睦は絶対に違える事は無い。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

十五分かけて市内をパレードしながら王宮に辿り着いたフリーザ達を出迎えたのは、フリーザ達の予想に反して惑星サイヤの王・ベジータとスーナであった。

 

「これはベジータさん、それにスーナ・・・あの子は?」

 

初手から挨拶の前にラディッツはと尋ねられたベジータとスーナは苦笑した。

 

まぁ、門の前ではラディッツとその弟達が出迎えるものだと思っていたであろうフリーザ殿の出鼻をくじいたようなものだから仕方ないかと思いながら

 

「公平な外交締結の為の立会人たる惑星サイヤの王・ベジータがこれより先導させてもらう事をフリーザ殿は了承されるか?」

 

この場から、和睦締結の儀式に入っている事をフリーザ言外に告げる。

 

ここから先は調印式が王宮の大広間で行われる前に、互いに送り合っていた和睦の条件の最終すり合わせをする為に一般市民どころか一部の大臣達以外は報道関係者も入れない。

 

その中で不正が行われない為の防止の為に自分達第三勢力が立ち会う事を全地球人達に知らしめる為の言葉に

 

「構いません、よろしくお願いしますねベジータ王。」

 

フリーザも軽い口調で受ける。

 

もう内容に変更は無いのだから気負うものは何もないとばかりに

 

内容は、フリーザが詫びとして軍の最新の科学技術を一定範囲内のみだか地球の求めに応じて拠出する事

 

地球はそれをもって侵略の事で二度とフリーザ軍を責め立てずに賠償を求めない事

 

そして、地球の文化や食物全般を可能な範囲でフリーザ軍が輸入する事と支払いは宇宙の鉱物で地球のレアメタルに相当するものや貴金属て支払う事と、フリーザ自身と一定数以内の人数であれば、宇宙船で地球に自由に出入りする権利である。

 

地球にも不利にならない様に、宇宙の物の相場を熟知しているサイヤ人の文官を地球に大使として置くことで輸入を認め、報告では前線で戦った鶴仙流の高弟達は悟雲の昔馴染みの軍医が全て治したとあり、そしてその孫悟雲達から和睦の声が上がり賛同したという事が決めてとなり、国王は内容に異を唱えず、フリーザも追加することはない。

 

 

長い廊下を通り、重厚な扉を守る衛士達が両左右からゆっくりと開いた先に待っていたのは

 

「映像ではなく、初めての対面を心より嬉しく思いますぞフリーザ殿。」

「えぇ、私も心待ちにさせて頂いていましたよ国王陛下殿。」

 

年経た犬獣人の国王であった。

 

「では最終の合意内容は三日前に通信でやり取りしたあの内容でよろしいでしょうかのう?」

「はい、もしかしたらこちらで輸入させていただきたい者が増えると思いますが、それはその都度問い合わせさせていただくという事で?」

「こちらの文化を気に入って頂けたのならば嬉しい限りですじゃよ。」

「ふふ、ご謙遜を。この星の娯楽は先ごろ言った様に商品として爆発的に売れると思いますがどう思いますかベジータ王は?」

「ん・・・・確かにこの星の食べ物は他と比べ物にならない上に珍しい科学の発展もしているようで・・・どこを見ても広い宇宙の中でも二つとないものばかりかと・・・・」

 

最終合意確認の部屋では国王の後ろには鶴仙流の高弟・天津飯とヤムチャと餃子が控えており、フリーザの後ろにはザーボンとドドリアが控えている中、ベジータは一人だけで腰を掛けて国王とフリーザと話をしている。

 

そんな中、王達の話は三日前の遣り取りから変更する事は無く、どちらかというと全員の顔合わせと打ち解け合おうとお茶を飲みながら談笑している。

 

互いに信頼しあっている証として、高戦力のフリーザ親衛隊が外れ、地球側も悟空達は一般参加にしてもらっている。

 

そしてある程度時間がたった頃、呼びに来た侍従を合図に席を立ち、部屋からテラスに続く窓を開ければ、すぐ目の前が調印式の準備が整った大広場であり、国王とフリーザが何やら目配せをしあいながらベジータと表に出れば、パレードの始まりの時と同じかそれ以上の大歓声が当たりを包み込み、まだ調印もしていたいというのに万雷の拍手が沸き起こり、出てきた者達全員を驚かせた。

 

まさか、これほどまでに地球人達から受け入れられるとは思っていなかったフリーザとお供達であり、国民達がこれほど平和を喜んでくれて本当に嬉しいと国王は涙ぐみそうになるのを、互いに一人の青年の姿を認めて落ち着きを取り戻した。

 

その青年の髪はあちこちに跳ねながら踝近くまで伸びた黒髪で、左胸に黒い丸枠の中に黒糸で鶴と刺され後は真っ白な生地で作られた白い袍に身を包んだラディッツが、調印式の二つの台の間に静かに佇んでいる。

 

何時もの様に、優しい柔らかい笑みを浮かべて

 

ラディッツはこの調印式に先立ち、自分の出生と宇宙で暮らしていた時の身分を全て語り、そして今は地球に住む一人である事を全地球人に向けて明かし、そしてこの場に立っている。

 

どちらの陣営の者であり、だが第三勢力の惑星サイヤの王と同種族である事を提示し、地球内にいながらも地球とフリーザ軍の和睦の公正さを見守れる立ち位置になれるようにして。

 

相変わらず、あの子は文官としての仕事ぶりには抜け目がないと、ラディッツが調印台の真ん中で立っている事でラディッツの真意を理解したフリーザは、ラディッツの文官としての働きぶりが鈍っていない事に感心し、そして嬉しくなる。

 

何故ならばラディッツの文官としての才能を見出したのは自分を育てた当時のフリーザ軍の最重要人物・ナナバであり、その期待に応えるように育ち今も衰えずにいるラディッツをフリーザー達-は我が事のように誇らしくなる!

 

フリーザの後ろに居るザーボンとドドリアなんか・・・あの小さかった子ザルがこんなに立派になりやがってとか・・・お前達なに目線だよと突っ込みたくなるような感想でジンとしてるし、ゲンイン達なんて今すぐにでも抱き着きたくなるのを互いに抑え合って我慢しながらラディッツは文官が本当によく似合うぞと心中で叫びまくっているのだ・・・・フリーザ軍って本当に色々と末期だね~と・・・・だけでは済まなかった・・・

 

ラディッツ!!!地球も宇宙も平和は俺達が全力で守るから俺の所に来てくれと・・・・惑星サイヤの王もラブコール送っていたるする・・・宇宙の二大組織終わってるな~色々と・・・・

 

だが!地球の国王の咳払いでデレそうになった一同ハッとし、表面は崩さなかったフリーザとベジータは何事も無かったように歩を進め調印台に地球の国王とフリーザが並び立ち、ベジータはラディッツの横に並んだ。

 

調印を見届ける為に

 

そして十二時の鐘の音が鳴り響いた時、時間だと騒然としていた人々は次第に口を閉じゆっくりとだが静かになった時、国王がフリーザの方を向き、地球を代表して-瀕死の瀬戸際にあった地球を救ってくれた事-をフリーザとベジータにお礼の口上を述べ、そして-同盟締結-に応じてくれた礼を再度述べた。

 

そう、表向きは同盟締結であるのだ。

 

地球人達が複雑な宇宙の事を理解してもらうには時間がかかりすぎる上に、中には理解をしても侵略者は許さないとなる者達が一定数いるだろう。

 

その者達が台頭してテロでもされる事態なるよりも、国民すべてを欺き地獄に落ちる決意を国王と大臣達と一部の官僚たちはしたのだ。

 

そして地獄に行く決意をした国王はもう一つの事を決意しており、閣僚達と何度も何度も話をして、そしてフリーザとベジータに先程のギリギリで伝えた事がある。

 

 

 

「この同盟締結を前に、この場で私は王太子に国王の座を禅譲し、次代の新たな地球の国王が締結をする事とした!!!」

 

今後の地球の為にも、長い時間フリーザ殿とベジータ王と共に平和の道を地球が共に逝けるようにするには、老い先の短い自分などではなく、気力体力もしっかりとした王太子こそが相応しいという国王の言葉に、あの部屋で直前であっても聞かされていたフリーザ達は平然としているが、初耳の・・・寝耳に水を食らった地球は中継越しに見ている全員も呆然としてそして・・・・

 

えええええええええええええええええええええ!!!!!!

 

物凄く驚き、声量だけで地球全土が振動する程となり、紹介に預かったといいながら登場しようとした王太子を驚かせたが、国王は厳然とした顔を崩さず早くここに来いとまだ少し頼りなさそうな王太子に目線で命じる。

 

地球の国王だとて、何も始めからこんなに肝が太かったわけではない。

 

なんなら現王太子よりも臆病なところがあり、その頃の自分であったれば宇宙の帝王だの宇宙人の王だのに囲まれた日には泣きそうだったろうと己の昔を美化する事無く思いながらちらりとラディッツを見遣る。

 

他の国民達と同じく唖然としている・・・・あの何事にも動じない孫悟雲がだ

 

-真実-を知る国王としては、彼には様々な重責を乗せておりその上で王室の交代に関する事にまで関わらせては疲れが増すだろうと言わずにおいていたのだ。

 

この優しい青年ならば、きっと・・・・だが、そんな彼におんぶにだっこになる事は許さんと王太子と閣僚達には幾度も釘をさし続けている。

 

自分達が第一に地球を守るのだと思えないならば王宮を去れとまで言って。

 

この地球が滅ばないようにする事は一番だが、それが誰かの何かの力ありきりであるのならば、地球と民達を守れる者に政権を渡すべきだという信条と共に。

 

その言葉をじっくりと考え熟考した末に頷き、父上もまだまだ自分を見張っていて下さらなければ困りますからねと言った頼もしい王太子を信じて今日の運びになったのだ。

 

背の小さな自分と違い、自分の頭三つ分はスラリとした高い背丈に黄金の毛並みをもった息子は、太陽の光のせいもあるだろうが、次第に落ち着き事態を呑み込んだ者達から少しずつ拍手が起こりそして

 

「新しい国王万歳!!!」

「王様!!!今まで沢山有難うございました!!!!」

「ゆっくりお休みされながら!今後も私達の事を見守っていていてください!!!」

「偶には隠居の楽しみで都に遊びに来てくださいね!!!!」

「新しい王様よろしくお願いします!!!!!!」

 

沢山の拍手となりそして嬉しい言葉が自分と新しい王となった息子に投げかけらる・・・嬉しい・・・宇宙侵略者に対し無力なりにも戦い以外の事の全てで国民全員を守り切ると決めて頑張った自分と官僚達と息子の働きが認められたようで・・・・難しい時代にこれからはなるだろう。

 

そんな中に、新米の王を放り込むのは時期尚早であり中継ぎ的にもう暫くは禅譲せず、安定したと思える数年後にした方が良いという声が多い中で

 

「なるほど、新しい王の下で新しくできる道を歩く・・・・思い切った事をされますね。」

 

一歩間違えれば新しい王がぽしゃって地球の命運も危うくなるという一種の賭けの様な話だが、嫌いではありませんよとフリーザが応じ

 

「俺も新米王のようなものだ。一緒に道を違えず躓いても支え合って転ばないようにしあおう。」

 

ベジータ王も応えてくれたのだ。

 

その二人の言葉に、国王は信を置く事を決めそして禅譲が成されたのだ。

 

権謀術数が渦巻き国を守りつつ利を求める政治の世界で、甘いであろうが信じてみようと

 

あの孫悟雲が信じる者達を一度だけと

 

少しだけ甘くなった老王の決意がどう転ぶかは分からないが、禅譲され冠をその場で頭に戴いた新しい王は、地球の国民達に頭を下げ国を守り抜く事を簡素な言葉で誓い、そして初仕事してフリーザと同時に和睦と同盟調印にサインを施し、全世界とベジータとラディッツが見守る中でそっと握手を交わすのを、驚きから覚めたラディッツはその光景を焼き付けんとじっと見つめる。

 

願わくばこの握手の意味が解かれることの無い様にと願いながら

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