私は・・・・確かあの忌々しい孫悟空を道連れにして自爆した後、核が無事だったので再び復活して・・・その後は私を追い詰めた腹ただしい小僧に・・・・・堕とされた地獄でフリーザ達と反乱を起こして直ぐに鎮圧をされて・・・・気が付けば-妙な声達-に出ていけと言われた直後にブラックホールのような穴に吸い込まれてしまった。
出た先も似たような景色であったが、私を見た鬼たちは誰だお前はという妙な目で見てきたので、何を寝ぼけた事を思いながらも私は-セル-だろうと名乗ってみれば
「お前みたいな奴が-セルさん-な訳あるかオニ!!」
「誰だお前は怪しい奴・・・・おい!こいつが出てきた穴から大量の陰の気が!!」
「至急セルさんと他の方達の応援を呼んでくるオニ!!!」
「閻魔大王様にもお知らせするオニ!!!!!」
・・・・・・セルさんとは誰の事を言っているのだこいつ等はと、異次元のセルは鬼達の言葉に首を傾げる。
・・・・・・・
異次元の悟空達が互いの次元にある筈の壁と壁を越えるというあり得な事態に見舞われたとき、同時刻に地獄で閉じ込められていた-数名の凶悪亡者達-もまた同様の事態が起こった。
その内の一人は北の界王が西の界王の知らせを受け取り、少しは怖さが薄れた・・・話しかけられるようになった(なお遠くからなので可能・・・)ので自分の直轄地ではないがビルスに知らせた異次元のクウラであり、そして異次元のセルであった。
出ていけとは誰がどんな意図で言って来たのかは知らないが
「降りかかった火の粉は振り払わせてもらうぞ諸君?」
優雅に右手を胸に当ててお辞儀をした異次元のセルは、オニ達がもつ黒い矛でかかってくるのを、一瞬で制圧し
「貴様!!悪事を浄化する神聖な地獄で非道は許さん!!!!」
・・・・・なんと・・・
ドギャン!!!
「貴様確かパイクーハンと言ったな!!貴様もこちらに来たのか!!??」
私とフリーザを瞬時に取り押さえた奴の名前が気になりオニ極卒に聞いてみれば、意外にもあっさりと教えてくれた。
「あの方たちは生前に功徳を積まれた勇者で、死後その功績を以って特別に肉体を与えられてあの世で修行されている方達の内の一人でパイクーハン様だオニ。」
お前達の真逆のような人達だオニよとは・・・・一言余計だろうがそれは兎も角!
そんな聖者様が私同様に何かによってどこからか追い出されるとは滑稽だと思い嘲笑ってやれば
「貴様のような奴は知らん!!貴様が-セル殿-だと名を騙った不埒者である事以外はな!!!!」
・・・・・・・だから・・・・何故に私を知らないと言っている者達はセルさんだのセル殿と私の名前に敬称を付けているのだ?
パイクーハンと打ち合いながらも、異次元のセルはまるで前回とは反対に余裕をもってパイクーハンだろう者と対峙する。
確かに前回は叩きのめされたが、自分を知らないというパイクーハンと以前出会ったパイクーハンと戦い方はほぼ一緒であり、だが自分の事を知らない上に
「・・・・弱いな・・・」
「な・・・・がぁ!!!」
「「「「パイクーハン様!!!!!」」」
何度目かのぶつかり合いの後、状況に飽きた異次元のセルは早々に幕引きを図り自分の腹目掛けて飛んでくるパイクーハンの右足の蹴りをパイクーハンの外側に躱して流れるように右ひじを顔面に叩きつける。
蹴りの威力を殺すことが出来ず、パイクーハンは異次元のセルのカウンターを避ける事が出来ずに衝撃で脳まで揺らされ意識を落とし、-外-に通じているであろうオニ達が出入しているところへと向かった。
ここにどうしてきたのかも、ここがどこなのかも知る為にはあまりにもここは情報が少なさげである。
広い世界の・・・・天才科学者を有しているカプセルコーポレーションにでも行けば何かヒントくらいを考えさせることは出来るであろうと・・・・オニ達の業務用通路を通った先にいたのは
「・・・・なるほど、私とは似ても似つかない-セル-ではあるが・・・・自然生命体にしてはフォルムも内部の気もあまりにもちぐはぐ・・・私の知らない人造人間の類を生み主が作ったか・・・」
いずれにしろお前は厄介の種になりそうだと、宇宙でただ一つの種族・サイヤ人特有の尾を腰に締め、パイクーハンと似た服を見にまとった偉丈夫な黒髪を長髪にした男が立ちはだかり
「・・・・・何故か貴様を見ていると虫唾が奔ったぞ?」
異次元のセルはその男を視界に入れた途端にいい知れない不快感を感じ吐き捨てるのを
「奇遇だな、私も貴様にそれを言おうと思ったぞ?」
己と似た声の男が薄っすらと笑いそして・・・・大激突をしながら通路を通った。
蹴り合い殴り合い、エネルギー弾を浴びせ合いながら
「か!め!!は!!!め!!!波!!!!!」
「・・・叔父君の・・・・風切羽・閃・・・・」
五行山の八卦炉の真下にある広いスペースに出た異次元のセルは機を伺いながら溜めていたエネルギーでかめはめ波を撃ち、叔父・悟空の技ではあるが相手も-本物のセル-である事に考えが至ったセルは、ならば叔父君の技も使えて当然よと思考を乱す事無く、父が唯一使える放出攻撃の気の技、風切り羽の型でも殺傷力の高い閃で高威力のかめはめ波を切り裂き霧散させる事に成功する。
-風切羽はいいぞ、玉の形を軽く相手に当たれば制圧するだけで済むし、本物の風切り羽のように鋭い羽の形であれば相手を縫い留めることが出来るんだ-
かつて父に武功を見せて欲しいと強請った事があった。
死にゆく自分には過ぎたものだが、策を練らずに一対一が出来る状況であれば使わなくてもよかった気の制御ガジェットを付けさせ人質を取った事で漸く戦えた本当の父の強さを知りたくて。
そして父は面倒だとも思わずにゆっくりと一つ一つの動きの型を見せてくれそして技も見せてくれた。
風切羽・射干玉は非殺傷の技であり、閃は制圧から殺傷力を有する技でありエネルギー弾ですら切り裂く。
相手にも幾ばくか突き刺さっただろうがもしも相手が自分と同じセルであるのならばと考えていたセルは第二弾を空中に浮かせて放とうとしたが
ボコ!!!
「・・・・・こうきたか・・・」
目の前の緑色のセルが地中に腕をさしている姿と高エネルギーを纏った両手が足下に現れるのを見たセルは、呟きながら冷静に風切羽のエネルギーを瞬時に自分に戻しシールドを張ったが
「魔閃光!!!!!」
かめはめ波よりも溜めの少ない連射が可能な魔閃光の方がセルのシールド構築の速さを上回り直撃を受けダメージを負いながら八卦炉にぶつけられた。
かめはめ波の振動と魔閃光の威力に五行山は外まで亀裂が入り八卦炉が壊れた事で崩れかけるのを、孫悟雲が来た気配を感じたアンニン・太上老君はこの場を悟雲に託して巨大化をしつつ五行山の中央に向かった。
五行山が崩れればあの世とこの世の陰陽の理が本当の意味で崩れてしまう!!
陰の気が溢れ地獄が・・・もしかしたら-魔界-すらもが現世に出現してしまう!!
それだけは何としても防がなければならない・・・・たとえ己の身を石化させ山の一部になろうとも・・・・それがたとえ時間稼ぎにしかならなくとも・・・・もって十日か・・それよりも短いか・・・・・
「後は・・・・頼んだよ孫悟雲・・・・・」
ピシリピシリと音をたてながら石化するアンニンは、地球の意思たるテラ思念波で一切を伝えて孫悟雲への伝言を託し、終えた後にまだ開く唇で最後の希望を呟く
破壊神ビルス様が暴れまわっている奴等を破壊するだけではきっとすまないと、神としての余地が働いたアンニンは託す相手にすまないと思う。
こんな超常現象はきっと神が対処しなければならないだろうが・・・・・それでも不思議とあの子ならば・・・・あの子と周りにいる子達ならばきっと・・・・この地球と宇宙を守ってくれると信じて
ここに、地球どころかこの世界の命運が託された戦いの火蓋が切って落とされた事を知らないラディッツは、怒りに駆られながら己の息子を殺そうとした相手に激高し、身の丈に合わない力を行使しながら異次元のセルが幾度再生しようとも引きちぎり頭部を潰しぶん投げて薙ぎ払うが
「ッ!!!あ・・・・・クゥ!!!!」
ドックン!!!!!
風切羽・閃を異次元のセルに放った直後に空中で体勢を崩し両手で胸を抑え悶え苦しみ始める!
「兄ちゃん!!!!」
「兄さん!!!」
「兄者!!!!!」
「師兄!!!!!」
白銀のパワーには超の二段階に慣れた悟空でも近づけず、目まぐるしい戦いをいつでも飛び込めるようにするしか手段がなく臍を噛みながら弟達は一瞬でも見逃さないと堪えながら見続け、エネルギーに耐えきれなくなったラディッツを悟空が支えクリリン達が四方に睨みを効かせられるように展開しながらゆっくりと地上に降り立ち、辺りを警戒するのを異次元の悟空達も集合し周りを見まわしながらラディッツの様子に驚きが隠せなかった。
この世界のラディッツが心臓病にでもなったのかと勘違いをしながら、まさか自分達の世界のセルではなかったろうかと全員の脳裏に浮かんだ瞬間
「孫悟空!!!!!!!!」
空中から大音声が響き
「ここがどこだか知らんが!!!私は今とても最高の気分だ!!!!黒い霧のようなものが私の中に後から後から入り込み!もっと吸い込めばいずれは貴様の首を獲れそうなほどに!!!!」
それまでは活動を休眠させていただくが、首を洗って待っていろという言葉と共に
太陽拳!!!!!!
「な!!!」
「まぶ・・・・」
「あ・・・の野郎・・・」
太陽が破裂したかのような閃光が当たりを照らしつくしそして・・・・眩い光が完全に去り目がなれ空中に跳んだ異次元の悟飯達は自分達の世界のセルかもしれない奴の姿は探し出すことは出来ず
「・・・・あの緑の奴がなにもんだかお前達は知ってんのか?」
地上に残った悟空の質問に異次元のベジータは知っているという答え、なら家で話全部聞くからついて来いと悟空はぶっきらぼうに言い放ち、激痛に苛まれ意識を失った兄をそっと抱き抱えながら異変を察知して向かってくるジュニアに念話を飛ばして山村の自宅に向かわせる。
そして天津飯達にボロボロにされたセルを連れて来て貰う・・・・兄を殺そうとしながら兄を愛する息子になった奇妙な奴は・・・・悟空達にとっても最早家族でありそして、全員でこの訳の分からない状況を打破すべく戦士として再び迎え入れるのであった。