俺ラディッツは弟を絶対に守り抜く   作:ドゥナシオン

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タイトル えむ


-幕間-笑む

「そうじゃったのか・・・」

 

ベットの端に腰をおろしている-孫悟飯-は、向こうの悟空がポツポツとゆっくりと話す事を全て聞き終えた後にそう一言言った後、床に座り込んでいる悟空の頭をゆっくりと撫で始める。

 

大変だったとも悲しかっただろうとも憐みや同情の言葉を何一つ言わず、しかし悲しそうな辛そうな孫悟飯の気配に、悟空が顔を上げる。

 

そこに見たのは・・・・優しい笑みと痛みを堪えるような悲しい瞳をした-じっちゃん-がいたのだ・・・・・

 

自分が知らずに-踏み殺してしまった-じっちゃん

 

占いババの場所で一日だけあの世から戻ってこられたそのじっちゃんに再会した時も・・・・自分は期せずして会えたのが嬉しくて気が付かなかったかもしれないだけで、もしかしたらこんな顔をしていたかもしれない・・・・

 

だって・・・・自分が殺してしまったんだから・・・・

 

-ラディッツ-に大猿の事を聞いてから胸の奥にしまっていた悲しさが、胸の痛みが堪えられなくて泣くのも身勝手な気がするのに・・・・

 

「お前は知らなかったのだろう悟空や?」

「・・・・へ?」

「この世界の悟空はの、兄がいたから大猿の事を知る事ができた・・・・しかしお前は一人で地球に来たのじゃろう?」

 

何も知らなかった事を子供が回避できるわけではない

 

「お前は悪くない・・・・もしも儂が向こうの孫悟飯でもそういう・・・・・お前の祖父も優しかったのであろう?」

 

一切を知っても再会した時に泣いて抱きしめ合う程に・・・・・そんな言葉に、ボロボロと悟空はまた泣く・・・・・どうして・・・・どこの世界の-孫悟飯-は優しいのだろう

 

自分の祖父も、戦うのが好きではないのに世界の為に闘う息子も・・・・そしてこの世界の孫悟飯も・・・・・だから・・・・

 

「ごめんじっちゃん・・・・ごめんなさいじっちゃん!!!」

 

ずっと言いたかった言葉を、この世界の孫悟飯に溢してしまう・・・・本当はセル戦の後に貰った特別な肉体であれば、天国であれば申請すれば行ける事を界王様に教えてもらったのに・・・・じっちゃんに会いたいと言えなかった・・・・あの世に逝ったら謝ると、そう考えていたのに・・・・いざ会おうとすると会おうと思えなくて・・・・今分かった

 

怖かったのだ自分は

 

本当の事を知った自分に、そうじゃお前に殺されたのだと言われるのが・・・・本当に優しかったじっちゃんならもしかしたら言わないかも知らないが、もしかしたらと逃げていたのかもしれない・・・・・

 

そしてずっと言えなかった言葉を、言わなくてもいい相手に言っているのに・・・・

 

「謝れる子はいい子じゃな悟空は、大丈夫じゃよ・・・・・儂はあの子と悟空を拾ってからの日々がずっと幸せじゃった・・・・・そして再会をした時にとても喜んだというならばお前の孫悟飯もおなじであったのだろうよ。」

 

優しく受け止めてくれる・・・・・どんな事があっても、生きていたのに一年間合わなくて、七年間もの間生き返れる機会を不意にしてでも突然生き返った自分を、泣いて怒って叱ったチチと同じように・・・・・チチに会いてえ・・・・強い奴と戦うワクワクと、修行で強くなるのと同じくらいにチチの笑顔を見ながらチチの作ってくれた美味い料理が突然浮かぶ・・・・じっちゃんと同じくらいに、チチは自分を好きなんだと突然浮かぶと同時に・・・・

 

「じっちゃん・・・・今からでもおら達の地球と宇宙に本気で謝って許してくれっかな?」

 

帰りたいという強い望郷の念が生まれた・・・・修行はする、だって好きだしそれと同じくらいの理由があるから

 

地球に住むチチと家族を守りたい

仲間を守りたい

 

だから・・・・強くなりたいから・・・・・魔人ブウのような敵がいつ現れるか分らないから

 

でも・・・・その方法をきちんと考えないといけない・・・・・そもそもが、向こうへの帰り方も分からないのだが・・・

 

「ふむ・・・・その辺は儂には分からんのう・・・・」

 

孫悟飯も悟空の問いに困ってしまう。

 

この地球の-テラ-と自在に意思疎通が出来るのは悟雲ことラディッツ唯一人であり、世界の行き来なぞそれこそ神様でさえ知っているかどうかであろうし・・・・・

 

だが

 

「いつだって諦めなければなんとかなるもんじゃよ。」

 

どんな困難があろうとも、諦めずに足掻いて今日まで来た孫達を見続けてきた悟飯には確信がある。

 

みんなで知恵を出しあって考えれば希望の灯がともるかもしれないし

 

それでもどうにもならなければ・・・・・・いや、悟雲は使う事を反対している・・・・

 

兎にも角にも・・・・

 

「-儂等二人-だけじゃ埒が明かんのう・・・・下に戻ってみんなの知恵を拝借せねばなるまいて。」

 

今二人は悟雲とジュニアの共同寝室にいる。

 

悟空が突然蹲り、どうしたのじゃと案じる爺様と、その爺様に縋るようにして見上げる悟空の表情を見たラディッツが、悟空と爺様を二人きりで話が出来るようにと取り計らい、おかげで悟空は周りの耳を気にする事無く話が出来て・・・

 

「そうだな、おら馬鹿だから皆に助けてもらわねえとな!」

 

この世界に来て初めて、悟空はからりとした笑みを浮かべることが出来た。

 

帰れない焦燥感がなくなったわけではないが、それでも自分には頼もしい仲間がいるのだから・・・・それに・・・

 

「この世界のフリーザは兎も角・・・・ビルス様とウィスさんならもしかしたらなんか知ってかもしんねえし・・・」

「そうじゃのう、フリーザさんももしかしたら知ってるかもしれんがな。」

「・・・・・この世界って本当にすげえな・・・・・じっちゃんがフリーザにさん付けしてるなんておらからすれば驚きだ・・・」

 

自分達が二階に上がろうとした時、突如として天使の転移でウィスとビルスとそして鬼の形相をしたフリーザが来た時には驚いたが・・・・・気にせずに話し合ってきてくれと言ったラディッツにもびっくりしたし・・・フリーザにさんをつけて呼ぶじっちゃんにもびっくりしたが・・・・段々とおかしくもなって来た

 

あの飄々としながら優しそうでそれでいて激しい一面をもったこの世界のラディッツがきっと何かしら関わっているのだろうと

 

おらはいっつも騒ぎの中心の様に言われてけっど、この世界ではあの・・・・・あんちゃんがそうなんだろう・・・・下でドタバタが聞こえたけれどもすっかりと静かになっているのを止めたのもきっと・・・・・自分の知るじっちゃんよりも年を経て階段降りるの辛いだろうからとじっちゃんを抱っこしながら、を悟空は浮かんでいる人物の事を思いうかべて笑いつつ階段をゆっくりと降りる。

 

くよくよしていても始まらない!絶対にチチ達の居る地球に帰るぞと、思い出し笑いを力強い笑みになる。

 

その表情に気が付いた悟飯が、悟空の腕を優しくさすってくれた事に気が付き今度は太陽のように明るい二カリとした笑みを浮かべるのであった

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