俺ラディッツは弟を絶対に守り抜く   作:ドゥナシオン

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次々と巻き起こる騒動・後編

ピッコロ大魔王の変調と向こうのラディッツと思しきものが現れたという地球の神様からのお知らせのすぐ後で孫家宅は結構な騒ぎには・・・・・ならなかった

 

だって今のお知らせの億倍以上の荒事揉め事厄介ごと、よわい十二歳まで平然と処理してきた文官様がいるんだもん・・・・

 

「神様、可能であれば地獄の方のラディッツと名乗っている男はピッコロ大魔王の事が落ち着くまでそちらにいていただくようにお願いできそうですか?」

「それは可能だが・・・」

「大魔王の方は・・・・来たみたいです。」

 

ラディッツが解決策を全て提示する前に、確かに普段と違う気を有したピッコロ大魔王と普段と変わらないピラフの気配を捉えたラディッツ達は直ぐに玄関を開けて表で待ち

 

「大魔王!今のお前が家に近づいたらアウト判定喰らってテラが張ってくれている結界の力で消滅するぞ!!ピラフ受取に行くからそこで止まってくれ!!!!!」

 

陰の気なんてラディッツのいる家に入れるかと気合いの入った結界は、今の大魔王は不味かろうと、上空百メートルで大魔王に止まるように指示したラディッツはピッコロ大魔王が止まると同時に飛んで

 

「・・・・・ピラフが静かな訳だ・・・気絶させたか・・・・成程、確かに陰の気があんたを蝕もうとしているな。

地球の陰陽の気のバランスが崩れた原因はもう分かっている。騒動が落ち着くまで俺の家で必ずピラフを守るからそれまでどこか・・・・ペンギン村の山の中でもいれば緩和される筈だ。」

 

ピッコロ大魔王の側により気絶しているのか眠っているピラフをラディッツは受け取りながら話しかけるも、大魔王はラディッツだけに対する特有の嫌味を交えた返答をするでもなく、何かを堪えるような表情を浮かべながら、震える腕でピラフをラディッツに差し出した。

 

ともすれば、眠る小さなピラフを八つ裂きにしそうになる腕を精神力で抑え込みながら。

それを察するようにピラフを受け取ったラディッツは距離を取り行くように目で促し、ピッコロ大魔王もまた無言で東へと飛んで行く。

 

これ以上留まれば陰の気がさらに自分を蝕み、そうなれば・・・・自分はまだまだピラフとこの世を見に行きたい・・・・・業腹だが、大切なピラフを守り抜くことが出来るのは地球の中ではあの男がいる山村が一番なのだからと辛うじて残っている理性を総動員しての決断を、ラディッツは感じ取りながらゆっくりと下に降りれば

 

「・・・・・この世界ってピッコロ大魔王はまだ生きてんだな・・・」

「・・・・そうだ・・・少し騒がしくなる。」

 

驚きを通り越して唖然としているピッコロと悟飯君と向こうの悟空達の疑問に答える事無く、ラディッツは断りを入れる。

外に出た全員を家の中に入れ抱えているピラフにそっと気を流し込み目を覚まさせる為に

 

案の定目を覚ませば自分を見て驚き、大魔王様はどこかと聞かれたラディッツは今までの一連の出来事を全て話し、それが原因で地球(テラ)の陰陽の気のバランスが乱れ大量に発生した陰の気が大魔王を蝕み悪に堕ちる寸前てあった事を話せばピラフはボロボロと涙を流し始め

 

「私もお供する!!!私をそこに連れていってくれ!!!!」

 

大魔王の後を追ってくれというピラフの頼みに、この世界の悟空達もピラフがどれだけピッコロ大魔王を慕っているか知っているだけに

 

「兄ちゃん、おらが連れて行ってやろうか?」

「悟空の言う通り、ピラフは大魔王の下にいたほうが・・・・」

「駄目だ。」

 

二人の言葉に珍しくにべもない返答をする事に、ラディッツの事を知る全員が、其れこそ泣いているピラフ自身も驚くが

 

「大魔王なら何があっても生き残れる可能性が高いが、先ほど言ったような輩がいる以上お前は俺達が必ず守る必要があるからだ。」

 

ピラフはラディッツの中では其れなりの位置にいるうえに、ヤムチャの妻のマイと仲良くなりつつある犬獣人のシュウの大切な人でもある。

そんな者を、向こうのセルの様な厄介な敵がいつ動くか分らない世間様に放り出すという選択肢はない。

 

第一

 

「前に大魔王自身が言っただろう、お前が生きている事が大魔王の生きる理由だ。

今ピッコロ大魔王はお前といる事が全てでそれ以外はどうでもいいんだ。

仮にお前が寿命で死ねば躊躇いも無くあの男は後を追うぞ。」

「・・・・そ・・・・それは・・・」

 

ピラフが死ねばピッコロ大魔王が死ぬそれは

 

「大魔王が死ねばジュニアは兎も角神様も死んでしまう・・・・あのお方もご高齢なのだが未だに跡継ぎがおられない・・・・わかるかピラフ?

お前が急死する事態になれば地球は間違いなく滅ぶ。」

 

テラがいるとかそういう次元ではなく、テラも神の運行で生命の息吹の潤滑をしてもらっている。

 

正しい気の循環を

 

それが絶えれば地球は長くとも五年で理が乱れ尽くし、百年も待たないうちに生命は存在しない死の星となりやがて朽ちるとは、神の居る星の定めだと天使のウィスに教えられた

 

「ちょ!!!ちょっと待ってくださいよ!ピッコロ大魔王が生きていてもピッコ・・・ジュニアさんがいますよね!!??だとしたらその・・・大魔王に何かあって欲しい訳ではありませんが、ジュニアさんが無事なら神様にも影響がないのではありませんか?」

 

この世界の人は、ピッコロが生み出した子供がいれば神様がピッコロ大魔王と運命を共にせずに済む事を知らないのだろうかと悟飯がくちをはさんだ。

 

人道的にもこの世界のピラフとまだ生きている大魔王も生きているのが望ましいだろうが、そこまで悲観しなくてもいいように思っての事だが

 

「・・・・・俺が死んでも生きていてもきっと天上の神に変わりないぞ。」

「へ?」

「・・・・俺をあいつの分身のように思っているのか、そちらの・・・ピッコロがそうだからそう思っているのかは知らんが、あいつは俺の事を-お手軽な賭けの道具-くらいで産んだのだからな。」

「・・・・・はぁ!!??」

 

ジュニア自身のあんまりな告白に、悟飯君も向こうのピッコロの事情を知る一同が唖然とするのを、ジュニア自身が淡々と自分が産まれた経緯を話し、よって自分は神ともピッコロ大魔王自身とも生命の共有は何も無いのだと教えた。

 

これは神自身にも確認を取ってもらった事がある

 

自分は確かにピッコロ大魔王自身によって産み出されたものだが

 

「以前大魔王が死ねばお前も死ぬと言っていたが、俺が死ねばお前は死ぬのか?」

 

もしくはどちらかが生きていれば大丈夫なのかと、フリーザ達が敵として迫る十日前に父ラディッツを伴って確認しに行ったのだ。

 

もしもジュニアか大魔王のどちらか片方だけでも影響が出てはまずく、其の時には地球と地球に生きとし生ける全ての生命為にもジュニアを戦力から外さねばならないだろうと覚悟して。

 

だが

 

「実はな・・・・ピッコロ大魔王と感じている生命の共有をジュニアからは一切感じんのだ。」

 

どうやらジュニアは確かにピッコロ大魔王から生まれた同種族のようだが、それだけであり自分達の様な繋がりは何もないと・・・

 

「そ・・・・そうなんですね・・・」

「本当に俺とは違うのだな・・・・・」

 

ピッコロが死ねば神も死ぬというのは、この世界ではピッコロ大魔王が死ねば神も死ぬという事のようで、自分は孫悟空を打ち倒す為にピッコロ大魔王が全てを自分に託したのだとおもうと、ピッコロは複雑になる・・・・今のその仇の筈の息子を愛弟子として、そして大魔王を捨てた神を己の中に入れているのだから・・・・

 

しかしすべての疑問が解け、そうであるのならば神とこの地球の為にもピッコロ大魔王存命が必須であり、諸事情で大魔王の生命線たるピラフはこの家で守られるべきだと納得をし

 

「ピラフ君さえよければいつまでもここにいてもいいのじゃよ。」

「そんな!騒動が収まれば私は直ぐに・・・」

「水臭え事いうなよ、お前の旅話を悟天も聞くの楽しみにしてんだからよ・・・後でおらの家に来て悟天に話してやってくれよ。」

「マイさんとシュウもお前に会いたがってるぞ?」

 

なんだかんだと孫家の輪の中に張っているピラフ見て落ち着き、さてここからが本番・・・だったのだろうか?

 

 

「ひゃあ!!・・・・・・兄ちゃんの顔に戦士の体だ・・・・」

「こらカカロット!!!・・・・すまない・・・弟達がじろじろと見て・・・だが本当にいい戦士の肉体をしているんだな・・・・それに戦闘服も昔の・・・懐かしいな。」

「親父!悟空の事言えんぞ!!すまない・・・・親父は諸事情であんたみたいな戦士の肉体になれなくて憧れが強いんだ・・・」

 

兄弟そろっていきなり連れてこられた向こうのラディッツをじろじろと見るのをいい加減にしろと止めたジュニアの言葉に

 

「・・・・別にいい・・・・向こうの世界で生きていた時も、生き残りのサイヤ人として珍しがられていたから慣れている・・・・」

 

地獄にいつまでも置いておけないと、武天老師の姉占いババが置いて行き、ババ様は直ぐに帰ってしまい頭に輪のある憮然とした表情のラディッツだけが残され周りを見まわしぎょっとは・・・・しなかった

 

その態度に、-弱虫-で直ぐに動揺を表に出す情けないラディッツを知っているベジータが訝しそうにするのも、向こうのラディッツは動じる事は無かった。

 

「ベジータ、あんたは俺が今の状況で落ち着いているのが不思議だろうが、俺にも色々あったし待っている間に何が起きたのかをこっちの閻魔大王に教えてもらっていたんだ。俺そっくりのやつとカカロットそっくりな奴らもいる事をな。

それに俺は向こうの世界で年に二度、閻魔大王の依頼で現世に出て仕事をして、余った時間でお前達をずっと見てきたんでな・・・・・悟飯と言ったな・・・・カカロットを手に入れる為とはいえあの時はすまなかったな・・・まぁ許してくれとは言わんが・・・」

「・・・・・おめえ・・・・本当にあの時の奴なんか?」

「そうだ・・・・・」

 

何とも度胸がついて丸くなったラディッツに、声を掛けられらた悟飯君も、敵対時であっても悟空と共闘せねばならなかったピッコロも、尻尾でぶっ叩かれたクリリンも結構な非道を見せつけられた亀仙人もブルマだってびっくりであるし第一

 

「お前本当に俺の知っているラディッツか?」

 

この世界のラディッツをお前はラディッツではないと言ったベジータも、数十年ぶりに再会をしたー弱虫ラディッツーの様変わりに唖然とするが

 

「・・・・あんただとて今や家庭を持ってきちんと父親をしているだろうが・・・・俺よりもあんたの方がよっぽど変わったぞ。」

 

ナッパが知れば驚くだろうがと落ち着き払ってかつての王子に話しかけるラディッツも大概だろう。

 

あの頃の死にたくなくて何もかもが怖かった頃と違い、地獄で様々な悪党達の末路を見続けた事と、そして何よりも地獄で任された仕事を二十年以上し続けてきた自負心からか自信がついたのだろうか、かつては恐怖の対象であったフリーザを見ても震えもしない事に当のラディッツ自身も不思議になる。

 

それとも死んでいるからこれ以上酷い事にならないせいだろかと思いつつ、向こうのラディッツは-あの後-を話し始めた。

 

唯一の肉親となったカカロットを迎えに行ったのは単に戦力が欲しいだけで、肉親の情はなかった・・・・・あの時点では

 

だが、後に知ったピッコロという戦士に殺された後、罪の償いの為の刑罰を受けている合間に-仕事-を任された。

 

それも閻魔大王直々に

 

「地球ではお前ほどの強さの者はいないからな、春と秋の彼岸であの世とこの世が繋がる数日に、地上で悪さをする悪霊をお前に捕まえて地獄に戻してほしいのだ。」

「なるほど・・・・宇宙ではゴミカスだった俺でも地球なら通用するわけか・・・暇だしいいだろう。」

 

皮肉の様な本音で応じながら罰を受ける以外は本当に何もする事がなく暇であった。

広い地獄では先に来ているというサイヤ人達に出会う事は無く・・・・そもそもが親と会いたいとも思わず探す気も無かった。

 

・・・・・・こっちのラディッツ達とは全く違うラディッツの殺伐としたというか情が全く感じられない心情に唖然としたが、悟空達は黙って向こうのラディッツの話を聞き続ける。

 

退屈するよりは地上見物のつもりでラディッツは二つ返事で受け、そしてそれなりの成果を見せ数年経てば地獄の鬼たちの一部、地上とあの世を見張っている獄吏達から感謝されるようになったが・・・・・セルとフリーザの反乱もどきの時はとばっちり食わないように避難して事なきを得て、また年に二回の仕事に戻った

 

地上は驚く事ばかりであった

 

兎に角地上はカカロットを中心に落ち着きがなく次から次へと戦いが途切れる事は無く、そのカカロットが死んで生き帰らなければ平和であった事には唖然とし、生き返ればまた大騒動があったと仲の良くなった獄吏達からの情報を聞いて、あんなトラブルメーカの側にいなくて良かったと心底感謝した程であり、カカロットよりも遠めから見ていたベジータの徐々に変わっていく姿にも驚きと、月日が流れるとはこういう事なのかとも想いもした。

 

自分とナッパとベジータの三人で固まっていた時は何の変化もなかったが・・・・居てもナッパが辛うじて自分とベジータを繋いでいてくれていた程度で、いつか破綻する気がしていた・・・・自分とベジータはあまりにも情というものを知らなさ過ぎたせいだろうか

 

強くなりいつかフリーザを倒す事だけを第一としてベジータ

死にたくなかっただけの自分達だけでは時間が止まっていた

・・・・・きっとナッパはそんな俺達に挟まれて苦労して・・・・だから髪の毛が無くなって禿げてしまったのだろうか?

・・その点だけは申し訳ないが・・・・それ以外は本当に何の未練も無い事に気が付いた時には・・・・虚しさは無く不思議と心が穏やかになって

 

「俺も十数年もすれば刑期も終わり来世に行くらしいが・・・・・お前には本当にすまなかったとは思う。」

「え!!??・・・あの・・・・」

「あの時はお前には悪い事をしたな、すまない。」

「は!!??いや・・・・あの僕本当に大丈夫です!!・・・・貴方は今は罪を償っているなら僕は・・・・・第一お陰で僕は素敵なお師匠様を得て沢山の冒険をして・・・・恨む事もあって憎んだ時も・・・・」

 

いきなり謝られた向こうの悟飯は驚きながらも、ラディッツが本当に罪を償っている事が分かり、生来の優しさでラディッツの謝罪を受け入れる。

 

この世界のラディッツに八つ当たりをする程に、-ラディッツ-を恨んでいた筈なのに・・・・きっと、自分はこのラディッツを知ることが出来たのだから、もうあの悪夢を見ない気がして・・・・

 

「もう大丈夫です。」

 

穏やかな笑みで応えるのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「地獄の中の様子が変わって、閻魔大王様にに頼まれて調べていて-穴-を見つけて吸い込まれたと・・・」

「その穴はまだあるぞ。」

 

悟飯に許されたラディッツから、とんでもないお知らせを受けて一同違う意味で唖然とした

 

・・・・・・どちらの世界のラディッツも、何かしらの重要な事をする人物であるのだろうかと・・・・・

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