俺ラディッツは弟を絶対に守り抜く   作:ドゥナシオン

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静かに傾く形勢・・・・

世界の気配が一変した

 

 

「・・・・お母さん・・・・なんだか寒くない?」

「悟天・・・・」

 

山村は避難してい配とはいえども最新設備で防衛設備を揃えた公民館に、誰が言うともなく集まり身を寄せ合う中、孫悟空の長男・悟天が直ぐに異変を察知した。

 

寒いのだ、気温が下がったという類のものではなく-大切な何か-が自分達の中から消えてしまったようで・・・・それがどういう事かは分からないが兎に角寒くて・・・そして悲しくて・・・・

 

「悟天ちゃん!!!??」

「悟天・・・・」

「悟天や・・・」

 

悟天は知らずポロポロと涙を流して母のチチと祖父達と周りの友人達と山村の大人達を驚かせる。

 

どうしてこんなに悲しいのか・・・・・・まるで大切な人が急にいなくなってしまったような・・・胸が痛くなるのは何故なのかか分らなくて・・・

 

「・・・・おとうさん・・・・・おじさん・・・・」

 

自分が最も信頼している人達を思い浮かべて呟きながら、悟天は小さな体からはちきれそうになる力を抑えて母にしがみつく。

 

力があってもお前はおらが守る大事な子だ

何時か何かを守ろうと戦うかもしれないが、それは今すぐであってほしくないんだ・・・

 

途轍もない力を手に入れて、体の弱いおじさんをお父さんと守れるとはしゃいだ自分に、お父さんとおじさんが言った言葉・・・そして

 

「大丈夫だぞ悟天・・・・おっ父達がきっと勝って悪い奴を倒すだよ。」

 

小さな息子をしっかりと抱きしめながら、チチも悟天が感じたー寒さーに襲われたが、悟空さ達のいない今自分がしっかりするのだと気力を奮い立たせて震えそうになる体を意志の力で押さえつけ、優しい声で息子をはげまし

 

「そうじゃぞ悟天、悟空も皆も強いんじゃぞ。」

「それに向こうの強い奴等もおるからのう・・・・悟雲の出番がないくらいかもしれん。」

「儂等は皆を信じて待ってやろうのう。」

「儂等の悟空達もあんた強いのじゃぞ。」

「・・・あいつらは地獄の悪鬼のジャネンバというバケモノすら倒した奴らだ。」

 

悟飯が、鶴仙人、亀仙人達とラディッツと共に悟天を慰める。

 

母の胸に抱かれて、大祖父ちゃんと鶴大爺ちゃんと亀大爺ちゃん達の優しい言葉と暖かい思いに悟天はホッとする・・・・嫌な予感が消えてくれないけれども・・・きっと最後は大丈夫だと信じられる思いが芽生えるほどに

 

 

だが、現実はそう甘くはなかった

 

 

 

「どうしたのだ?悟空とベジータが合体してもその程度か!!??」

 

早く逃げんと大量の気功弾の餌食になるぞと、どす黒い気を纏ったセルが生み出した気功弾から-ゴジータ-になった戦士を追い立てセルは愉快そうに嗤い

 

「「クソったれが!!!!!」」

 

天運が味方したのか、悟空とベジータのフュージョンはクール系のゴジータの方になれた・・・・ピッコロとクリリンの奮戦のお陰で。

 

クリリンは地球人枠の中では最強ではあるが、あくまでもそれは-地球人-という枠組みの中の事であり、ネイルと神と融合しそして魔人ブウが倒された後でも鍛錬を積んで高みを目指したピッコロにも追いつかない程であるが

 

「悟空とベジータの邪魔すんじゃねえ!!!!」

 

ピッコロとタッグを組んでのこととはいえ、力量の差が明らかなセルを相手に啖呵を切って戦った。

 

ピッコロは初手から重りの服全てを取り去り全開でセルに突っ込んでいき、肉弾戦を挑んだ。

 

小手先の技なぞセルに通用する筈も無く時間さえ稼げればそれでいいと瞬時に割り切った上での行動に、セルは余裕で相手をしてやる。

 

初期段階では死にそうになったが、パーフェクトセルになった上に陰の気とやらを取り込み数段は無いだろうが、孫悟飯に敗れた時以上の強さを手に入れた自分の相手ではないと・・・・・ザン!!

 

 

「なんだよ・・・・俺の気円斬でもまだ切れる程度なのかよお前は・・・」

 

数十手で飽きたセルはピッコロの両拳を握りしめると同時に右膝を腹にめり込ませた。

 

立った一発の膝蹴りは、ピッコロの全身の細胞を砕く程の威力があり意識のとんだピッコロにとどめをさそうとした時

 

悟空とベジータはフュージョンしてろと言う大音声と共に、セルの振り上げた右腕がふっと消え、クリリンの言葉が嫌に響いた。

 

安い挑発であった

 

どう見てもピッコロから自分に向かってくるようにする為のものだと分かっているのだが

 

「・・・・虫けらが・・・・」

 

セルは、フリーザ達の細胞も組み込まれたためか格下の相手に傷つけられることが何よりも許せない性格を有しており、クリリンの目論見通りセルはクリリンに・・・・向かおうとして

 

「「貴様の相手は俺だ!!!!!」」

 

よこからベジータでも孫悟空でもない戦士に横っ面をぶん殴られたセルは吹き飛び

 

「「クリリン、ピッコロを連れてここから離れろ。」」

 

お前達を守る余裕はないという悟空とベジータが合わさった戦士の言外の言葉を汲んだクリリンは、気を失ったピッコロを連れて遠くへと飛び去った。

 

山村に向かえば気絶してしまったピッコロを見て不安が広がるだろうと考えたクリリンは、一路神殿を目指した。

 

あそこならば気絶してしまったピッコロを安心して寝かせる事も出来る。

 

ピッコロを預けた後、クリリンは戻る為の算段をした上で神殿に行く事を選択した。

 

自分に何が出来るとは思っていない・・・・だが!自分達のせいで自分達に良くしてくれたラディッツさんが・・・そう考えるだけでじっとしてはいられないクリリンは心の中で妻に詫びる。

 

知らない世界で死ぬかもしれない事を・・・・

 

でも・・・・十八号ならわかってくれる気がする・・・・恩人なんかよりもあんたの命の方が大事だって怒るかもしれないけれども・・・・本当に優しい人だから・・・・可愛くて優しくて俺の自慢の奥さんに、胸を張って再会できるようにセルをぶっ倒して帰るんだというクリリンの想いと、戦っている戦士達を信じている人達の想いを踏み躙るようにセルの力は凄まじいものであった。

 

超化できないとはいえ魔人ブウを倒した後も破壊神と天使を相手に修練を積んで限界突破を幾度もしてきた悟空とベジータの合わさったゴジータに、セルの肉体箇所は何度も消されたが、ナメック星人の再生能力をもつセルは当然再生させていく。

 

ゴジータにとっては其れはセルの気が削られて行く事を意味するので寧ろ都合が良かった・・・・筈であった・・・・だが、いくら再生してもセルの気の総量が減る事は無く!むしろ増えていく一方で!!

 

「私の気が減らない事が不思議かね、ベジータと孫悟空が合わさった戦士・・・何と呼べばいい?」

「「・・・・ゴジータだ・・・」」

「ふむ、ネーミングセンスにかける名前ではあるが、必死になるお前達に種明かしをしてやろう。」

 

数十回目の再生をしても平然としている自分に訝しそうにするゴジータに、セルは愉悦を隠せずににたりと嗤い

 

「この世界のラディッツという男は弱い筈であるのに数々の困難を退けてきた歴史があるのだよ。

この世界のフリーザしかり、クウラしかり、果てはお前達でも手を焼いたブロリーさへも降してみせたのだよ。」

「「・・・・・あの・・・あんちゃんが・・・」」

 

セルの言葉に、ゴジータは警戒こそ解きはしなかったが信じられんと唖然とした。

 

細くて首に手刀を入れただけでも死にそうな、優しそうなあの人が・・・

 

だがそこには絡繰りがあったのだよというセルの言葉は続いた。

 

「この世界のラディッツは地球と星々の力を借りて力を振った!!そして-今-は私が彼の代わりにこの星の陰の気とやらをもらい受けているのだよ!!!」

 

こんな風にと、セルは数百・数千の気功弾を瞬時に形成しゴジータに放ち・・・ゴジータを翻弄する。

 

東の海岸ではゴジータ達が地球の気を扱るセルに苦戦し、地球の三か所でセルジュニアと戦う者達もセルジュニアの素早さに振り回されていた。

 

機甲団の攻撃も肉弾戦も軽いセルジュニアの攻撃は、しかし素早さという長所で弱点が補われ少しずつ戦士達の肉体と気を削り、クスクスと笑う様が不気味ですらあった。

 

元来小動物が好きなジュニアも、見た目だけはそこそこ愛らしいセルジュニアの小狡さにブチギレを起こして一気呵成に責め立てようとするが手を焼いている。

 

圧倒的な窮地ではないがじりじりと天秤が傾きそうな地球の戦士達の近くに-銀色の生命体-が一体ひっそりと降りたとうとしていた・・・・・

 

精神と時の部屋で修行をしている悟空と悟飯は・・・・・間に合うのだろうか・・・

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