下界でセル同士の戦いが十数分足らずで終わったのに反し、超超高度それも成層圏ギリギリの場所を戦いのステージに選んだ悟空と孫悟飯は、メタルクウラを相手に戦っている。
酸素を気にしての戦いとなるが、悟空はそこから先にメタルクウラを行かせまいと奮闘する。
理由は至極単純
兄が、大好きな兄ちゃんが今は向こうのセルのせいでテラの内部におり、陰の気をふんだんにまき散らすこのメタルクウラの悪影響をテラ諸共に兄ちゃんにも行ってしまうと思うと・・・・冗談ではない!
兄ちゃんは弱いのだ!!
どれ程の力を振い敵対した者達を退けてこようとも、それは周りからの借り物でいつもその後には本来の弱い肉体が耐え切れずに疲弊して倒れて、遂には死にかける程に弱い兄ちゃんに悪影響なぞ一欠けらとても与えてなるものか!!
そして大切な者は兄だけではない!!
大事な-家族-がいる地球に!!こんな悪人を入れてなるものか!!!
大切な自分の-家-に!!入れてなるものか!!!
「お前は絶対におらがぶっ倒す!!!!お前みたいな奴に兄ちゃん達の姿を拝ませてなんぞやるものか!!!!」
・・・・・そんな悟空の言葉に面食らったのは、共に戦っている孫悟飯かそれとも敵対しているメタルクウラのどちらだろう?
地球に攻め込まれないようにと、守る為に闘うと吠え上げるならわかるが・・・お前の兄なぞ俺が知るかと思ったメタルクウラは悪くなく・・・
「貴様の兄なぞ知らんし心底どうでもいいわ!!!!」
思いっきり悟空の横っ面を殴りながら反論したこの言葉も悪くないと思う・・・・が、悟空はそんなメタルクウラの攻撃に吹き飛ばされる事無く顔面で拳を受け止めながら、右足を思いっきりぶん回して膝蹴りでメタルクウラを吹き飛ばして月の方向へと行くように閃光弾を連発し、メタルクウラをそちらに追いやろうと撃ち続ける。
兄達からメタルクウラを少しでも遠ざける為に
悟空がメタルクウラを地球に入れずに戦う理由は全てこれに尽きる。
相手が自分の大切な者達に興味があるがどうかなぞではない。
あろうがなかろうがそんな事は関係ない
家族と仲間を-敵-の目に触れさせることを厭う程に、孫悟空という男は愛する者達への愛情が深すぎる程に深い
愛する家族たち同士が互いを慈しみあい触れ合うのを見るのが大好きな悟空は、半面他人と定義する者が自分の家族や仲間と定めた人達に近寄るのを嫌い、敵であれば視認される事すらも許せない面をもって成長した・・・・それは偏にラディッツの所為が多分に含まれている。
他人・・・・それも初見の本当の強い者は兄を害する者というイメージがターレスとの最悪の出会い方で出来てしまったから
今でこそそれなりに打ち解け合いそこそこに口を利くようにまでにはなったが、心の奥底では本当の意味でターレスと・・・・あの事態の発端を引き起こしてしまった自分を心の奥底では許すことが出来ていないせいである。
ラディッツが知が其の事を知れば悲しそうな顔をしながら、カカロットが連れてこなくともあいつは自分から来たぞと慰めるだろうがそれでも兄が・・・初めて傷だらけにされた発端を作った自分を許せない・・・・そして、最期には兄ちゃんに託さなければいけない弱い自分はもっと許せない!!
こいつはどうあっても兄ちゃんに相手させるもんか!!!
兄はもうすぐ父になる
姉ちゃんをようやく娶れて幸せな家庭を築いて自分と同じ父ちゃんになる
ずっとブルマ姉ちゃんとくっついてほしいと、クリリンとジュニアと自分達三人でコッソリと話して夢見ていた平和を!!
「邪魔すんじゃねえ!!!!」
「が!!!!」
地球と月の中間地点での殴りあいは悟空に軍配が・・・・・上がったかのように見えた。
悟空はもてる力でメタルクウラの頭の頭を気功弾で吹き飛ばそうとした。
濃密で重い気功弾の嵐の後に接近され超近距離からの悟空の一撃が決まり、頭が吹き飛びそこで終わったかのように見えたが、頭を吹き飛ばされメタルクウラがセルのように超再生をしたのだ。
それはメタルクウラの本体であるビックゲデスターの無事を意味しており、未だに本物のビックゲデスターの位置を掴めずに破壊神ビルスと天使ウィスとこの世界のクウラ達が翻弄されていることを意味する。
ビックゲデスターがある限り、無限に増殖すると孫悟飯とベジータから聞かされていた悟空は、其の時にメタルクウラの再生とそれにより防御力が上がってしまう事も聞かされていた。
そして再生時の弱点も聞いていたのだが・・・・頭を吹き飛ばして直ぐに追加のダメージを与えれべく二連撃をしようとしたのだが急激に手に入れたパワーに慣れずに常のように気を練り放出するタイミングにロスが生じ
「・・・・返すぞ。」
再生を終えたメタルクウラに無造作に打ち返せれ、避けた先でメタルクウラの想い足技を頭部にくらって脳を揺らされ意識が数瞬だけ飛んでしまった!
「悟空さん!!!!!魔閃光!!!!!」
意識が飛んだ悟空を援護すべく、悟飯は残りのエネルギーの大半を魔閃光に込めてメタルクウラに当たるかどうかの寸前でエネルギーの供給を止めて悟空を受け止めメタルクウラから遠ざかりつつ、神殿で出会ったこの世界のカリン様から与えられた仙豆を悟空の口に押し込めると同時に悟空を思いっきり投げ飛ばし・・・・クウラの踵落としを頭に食らうギリギリで両腕で受け止める事に成功をした。
今の自分の魔閃光が目の前のメタルクウラに通じるとは端から考えてはおらず、目くらましで一瞬でも時間を稼げればいいと思った悟飯の読み通りであったが・・・
「このまま脳天を潰してやろうか小僧?」
「ぐ・・・・う・・・・」
メタルクウラの踵落としは威力は殺せず、悟飯の腕はミシミシと音をたてながら少しずつ悟飯の頭部に迫り、悟飯も死に物狂いで抵抗をする。
死は怖ろしい・・・・愛する者と二度と会えない経験をしそうになっただけでも怖ろしいのに・・・・二度も死んで三度も家族と会えなくなってもケロリとした父の精神は凄いと尊敬するほどに悟飯は死を怖れる。
それは生物として至極当然であり、そして自分の死はこの世界の孫悟空の死にも直結する。
自分が死ねば、仙豆だとて万能ではなくエネルギー回復を瞬時に出来たとても直ぐに肉体機能全てが完全に戻る訳ではないのは経験上知っている。
死に近いダメージ程、直ぐには動けない・・・せめて数分だけでも稼ぎたい・・・
だが、そんな悟飯の願いもむなしくメタルクウラの尾に横っ面をひっ叩かれ吹き飛ばされた。
その攻撃を読めなかった悟飯は無防備な状態でくらいそして・・・・・目の前の光景が見えた悟飯は己の死を確信してしまった・・・・スーパーノヴァが形成されてしまったから
あれを迎撃できる力が自分にはなく、復活したであろうこの世界の悟空さんも咄嗟でどうにかできるものではない・・・・力をかき集めて爆発させようにも現座の自分の潜在能力を全て開放したアルティメット化した後は本当に何も残っていなくて・・・・ここで・・本当の意味で無関係であるこの世界の悟空さん達と地球を守れない自分が悔しくて・・・
「ちっくしょうが!!!!!!!」
孫悟飯は敵を煽る以外の言葉以外で、生まれて初めての罵りの言葉を叫んだ
口汚いことばなぞ言葉はいけないと、優しいながらも厳格な母が許さず自分もまたあれは言いたくないなと思って成長して今に至るが、最後の最後で何も出来ない自分が許せなくて悪に屈する弱い己に向けて叫んだ時・・・・
おおおおおおおお!!!!
悪に負けたくないという悟飯の思いに呼応するが如く雄叫びが当たりに響き渡った
しかしメタルクウラは声の主を確かめようとはせずにスーパーノヴァを悟飯の方向に撃ち込んだ。
もしかしたら先程死にかけていたサルが、何らかの方法で復活を果たしたとしても今の自分のスーパーノヴァで消せずとも、耐えているところを横から攻撃するなどやりようは幾らでもやりようがあると思考しての事だが・・・
か・め・は・め波!!!!!!!
ズア!!!!!!
「なん・・・・だと?」
復活を果たした悟空は瞬時にスーパーノヴァを上回るかめはめ波で掻き消し、それが当然の結果だと知っているが如く、双方の技が相打ちで掻き消える事を見届けもせずにメタルクウラに突っ込み、メタルクウラは想定外の事に数瞬だけ思考が止まりその隙を悟空が見逃さずに容赦ない拳の嵐でメタルクウラの顔面を打ち据える。
その拳は黄金に光っており、悟空が拳を撃ち抜くごとに辺りに光の粒子が舞い上がりメタルクウラを閉じ込めるようにきらめきを溢している。
その光景に、悟飯は呆然とする
なにも悟空が超化している訳ではない・・・・先程と同じく黒髪のまま・・・それなのに攻撃に黄金の気が使われているのはどういう訳か・・・超化特有の陰の気は感じられず・・・そう!それとは反対に温かい・・・あれは
「元気玉?」
自分が知る限りの暖かい極大エネルギーが悟飯の口から零れ落ちたが、今悟空が使っている黄金の気は、地球の生命から気を借りる元気玉ではない。
今倒されたセルによって陰の気を使い放題に使われた地球・・・ひいてはテラからエネルギーを借りる事は不可能であり、地球存続の危機だと本能的に悟った悟空は、この空間で最も-陽の気-が強く、万物に降り注がれる生命体から降り注ぐエネルギーを借りてメタルクウラを殴り続ける。
原理は元気玉と同じ理論だろうと・・・無茶苦茶な理論を実践でやってのけられて殴られているメタルクウラは堪らないだろう。
本体のビックゲデスターから離れているメタルクウラはエネルギー供給が思うようにできずスーパーノヴァを使った反動で、上がった防御力もダウンし再生した頭部にまたもや亀裂が生じた時、悟空はそこに勝機を見出した!!
ここしかねぇ!!!もうおらも次の一撃使っちまったら空っぽだ!!!
覚悟を決めてありったけを使う!!!
「おらの全てを!!!!この拳に賭ける!!!!!!」
右腕を思いっきり後ろに引き、右拳に残りのエネルギーと借り受けた陽の気をありったけを込めた悟空の動きに察したクウラも、調子に乗るなよサルと怒鳴りながら迎撃すべく右拳を繰り出し、またもや打ち合いになってしまうのだろうかと危惧した悟飯の目の前で、悟空は文字通り己の全てを右拳に乗せ渾身の力を込めこの場で最も陽の気を擁する太陽の力をも上乗せた一撃を放った!
貫け!!!太陽拳!!!!!!!
「な・・・・・・あぁああああ!!!!こんな!サル如きが!!!!」
悟空の放った太陽拳は、メタルクウラの右拳に当たると同時に圧縮していた膨大な気を解放し、解放された黄金の気のエネルギー波が奔流のようにメタルクウラを呑み込みんだ
それははたから見れば、黄金の龍が敵を呑み込んだが如く映ったかもしれない破壊力があり、光の奔流は太陽系の端まで行っても消えず、更にその先へと軌跡を伸ばしていったのであった・・・・・