俺ラディッツは弟を絶対に守り抜く   作:ドゥナシオン

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黄金の戦士

地球の大気圏ギリギリで悟空と悟飯が気力を振り絞ってメタルクウラフュージョンと戦っている時、宇宙では破壊神ビルスと天使ウィスと、フリーザ軍とクウラと機甲戦隊、そして惑星サイヤのサイヤ軍団が血眼になって-ビックゲデスター-の行方を追っている。

 

狩れども狩れどもどこからともなく現れるメタルクウラの群れに、集団のトップと-ラディッツ命!!-の全員の堪忍袋の緒が切れた。

 

こんな奴を地球に近づけて堪るか!!!!

 

あの地球には!か弱く優しいラディッツと、同じように優しい人達が沢山いる奇跡の星

 

百万が一でもこんな訳の分からない愚者に荒らされると思うだけで血が逆流する思いであり、そもそもが!こんな愚者の目に映るというだけでも我慢ならない!!

 

三つの組織は共同戦線を張った

 

破壊神ビルスと天使ウィスとは通信機器要らずで見つけ次第破壊するが、フリーザ軍とサイヤ軍団はトップと側近達以外はメタルクウラ一体倒すのも困難であり、発見次第三つの組織に一斉に知らせる事でフリーザ・ベジータ・クウラは合意し北銀河一大捜索網が構築をされた。

 

それは十九年前のあの日に、ラディッツ捜索で敷かれた捜索網の比ではなく当初は直ぐにビックゲデスターが見つけられると誰もが考えていた。

 

だが結果は芳しくはなかった

 

クウラ達は北銀河の西側の、フリーザ軍は中央を、サイヤ軍団は東と南に展開してビックゲデスターを探すが杳として行方が掴めずにいた。

 

メタルクウラを続々と生み出している分目立つのですぐに見つかると思いきや、急にメタルクウラ達の襲撃がなくなりそしてビックゲデスターの行方が更に知れなくなった・・・

 

メタルクウラ自身の目標である孫悟空とベジータに対する復讐の目途がたったからという理由を知らないこの宇宙の絶対的強者達は、まるで己を嘲笑われているようでそれすらもが腹ただしい上に焦っていた。

 

特にフリーザは、長引けば絶対に-あの子-が前線に出てしまうと・・・・それだけは絶対に阻止せねばと死に物狂いで探すが時間だけが過ぎていく中

 

「・・・・・はは・・・・無茶苦茶強すぎんじゃねえのあいつ?」

「・・・・・・僕達とこの世界に来てしまったフリーザも、向こうではあのくらいの強さでしたね・・・」

「まじバケモンじゃんかよ・・・」

「はは!お父さんと同じ人からまじとかって言葉が聞けるなんて面白いですね・・・」

 

メタルクウラフュージョンと対峙している悟空と悟飯は軽口をたたきながら上空から自分達を見下すようにしているメタルクウラフュージョンを見据えている。

 

あまりにもメタルクウラフュージョンが強すぎて、仙豆の力で全快しアルティメット化をした二人は蹴りの一撃で地表に叩きつけられ、そこからは降り注がれるエネルギー弾の雨を地球ひいてはテラと内部にいるラディッツにダメージが行かないように相殺するので精一杯で、五分もそんな状態を強いられた二人はボロボロであり軽口でも叩いていないと気を失いそうになっている。

 

メタルクウラフュージョンのエネルギー弾は技名も何もなく、本当にエネルギー弾の雨でありそれ以外の何も無いというのにアルティメット化している二人を地に沈めんばかりの奔流に、生きているのが不思議なくらいだと二人の考えが一致している。

 

こんなバケモン・・・・・今の自分達の中ではブロリーしか勝てないだろうとは悟空の思いであり、ゴット化した父とベジータさん出ないと無理だとは悟飯の思いであった。

 

増えた自分達と同化する・・・・・狂った思考だ

 

実際に考え付いたとしても、どの個体だとて自我を喪うのが怖くないのだろうか?

 

自分だったら絶対にご免である!

 

残れる個体は一体だけで、自分が残れるという保証がどこにも無いのに・・・・それほどまでにメタルクウラは復讐に狂ったのだろうかと、クウラを元から知っている悟飯をしてゾッとさせられるのを、メタルクウラフュージョンは詰まらなさそうなものを見る・・・それこそ虫けら化ゴミ屑を見るような何の感慨も無い無機質な瞳で二人を見下ろし、そしてスッと右手の人差し指を前に突き出した。

 

来る!!!

 

「・・・・・悟飯さんよ・・・・おらと一緒に死んでくんねえか?」

「はは・・・・特攻しかけてあのメタルクウラを道連れに出来れば上出来ですね。」

 

悟空は限界ギリギリまで・・・・それこそ自分の生命エネルギーをも戦闘エネルギーへと変換するという文字通り己の命を賭した最後の攻撃に付き合ってくれと悟飯に言えば、青年とは思えないような深い笑みを浮かべて応えてくれた・・・・・帰してあげたかった、元の世界に。

 

悟空の思いに偽りはなく、打ち解け合えたい世界の者達を全員帰してやりたかったのだが

 

儘ならないってのは小いう事を言うんか・・・・・おらが死んじまったら兄ちゃんが父達の面倒を見てくれんだろうけど・・・・

 

きっと兄ちゃんは死にそうな程泣いちまうんだろうな・・・・-あの時-のおらみてえに

 

 

フリーザが敵として来た時の地球の存亡と自分達の未来を賭けた一大決戦のあの時の、兄を喪ったかもしれないという喪失感を悟空は今でも忘れられない・・・・

 

己の腕の中で力を喪っていった兄・・・・暖かさがなくなっていき・・・・其の時の感触は今でもはっきりと覚えている・・・・忘れたいのに・・・・兄の温もりに包まれている時だけの感触以外はいらないのに・・・・その絶望を兄に味あわせるのが申し訳ないが

 

おらだって兄ちゃんを守りてえんだ

 

死の淵にいた自分を守ろうとしたように、今度は自分が!!

 

 

そんな覚悟が決まった時

 

デスボール

 

 

巨大な死のボールが形成された

 

エネルギーの密度も巨大さも先程とは比較にならなくて・・・・・自分達の全てを使っても止められる気すらさせてもらえない・・・・・

 

兄ちゃんを守るどころか、兄ちゃんと一緒に死んじまうのかおら達は・・・・

 

この地球丸ごと呑み込みそうなデスボールを前に悟空と悟飯はありったけの力を込め

 

 

 

か!め!!は!!!め!!!!波!!!!!!!!

 

 

撃ちだしたかめはめ波が合わさるように体を密着させ、渾身の力をそれこそ体の奥底の丹田の中が空になるほどの全てのエネルギーを込めて撃ったかめはめ波は・・・・・デスボールを打ち返すことは出来ずにの落下を遅くする事しか出来なかった・・・・

 

これで本当に死んじまうのか?

 

お前達はきっと天国に行く

 

不意に兄が言っていた言葉が悟空の頭に浮かんだ

 

自分達の死後は、兄以外はきっと天国で再会できる筈だと・・・・

 

そうだ・・・・・兄ちゃんは自分が死んだら地獄に行くって・・・・・そんでおら達とは向こうでは会えないって!!

 

嫌だ・・・嫌だ!!!死んじまったらあの世では兄ちゃんに二度と会えねえんだ!!!

一緒に死んじまっても離れ離れで!!!

 

「嫌だ!!!!兄ちゃんに会えなくなるなんておらは絶対に嫌だぞ!!!!!」

 

魂の叫びに、隣で聞いている悟飯は胸が掻きむしられるほどの痛みを覚える。

 

自分も・・・・もう二度と愛する人達と会えなくなるなんて・・・・それも誰も守れずに無為に死ぬしかない事が悔しくて堪らない!!!

 

「・・・・・嫌だ・・・・」

 

歯を食いしばりながらも二人は悔し涙が止められずに、嗚咽の代わりに嫌だと漏らす。

 

そんな状況でも、じりじりとデスボールは無情にも落下をやめずに二人の心は絶望で覆われ力が抜けかけた時・・・・・・・・

 

 

カァァァァァァァ

 

 

「まぶ!!!!!」

「なん!!!!!」

 

閃光弾の中でも戦う事に慣れている二人の目がくらむ程の強烈な光が当たりを覆い・・・気が付けばデスボールと迎え撃っていた合わせかめはめ波が消滅をし・・・・

 

 

「・・・・頑張ったなカカロット、悟飯君・・・・」

「あ・・・・・ああ・・・」

「どう・・・して・・・・」

 

気が付けば自分達は誰かの腕の中に納められていて優しくて暖かい言葉を聞いていて・・

 

自分達を抱きしめている腕は普段使いのコットンの長袖シャツに包まれた、折れそうな程に細い腕なのに力強さを感じられて・・・・その声に聞き覚えのある二人が上を見上げればその人物は・・・・・確信した通りこの世界のラディッツであった。

 

きっとテラがセルという脅威がいなくなった事で兄を解放しただろう事は容易に想像がつき、戦場に出て欲しくなかったが二人が驚愕したのはそこではない。

 

今回の作戦は、向こうの敵に陰の気を渡さない為のものだという-兄-自身立てた作戦であるはずなのに・・・・・なのに!

 

「・・・・・その金の髪に尻尾・・・・貴様もサイヤ人か?」

 

新たな敵の出現に訝しむメタルクウラフュージョンの言う通り、ラディッツの髪は金色に光っており、超化している証である!!

 

だが、兄の超化は白銀化かゴットという特殊なものであり自分達とは違うはずであると悟空は混乱しかける。

 

そしてそんなラディッツの諸事情を知らない悟飯が、ラディッツを見て驚いたのはラディッツの瞳が自分達の超化した時の瞳とは全く違うから・・・・

 

通常超化すれば、第一であろうが第三形態であろうが瞳は碧眼になる筈なのに・・・・ラディッツは瞳も金色に輝いている・・・・超化ではない?だが・・・・それ以外の何であるのか分からない二人を他所に、ラディッツは二人を抱えたまま飛んだ。

 

魔法とも言えるラディッツの飛びに、メタルクウラフュージョンをしても感覚で追う事すらできずに気が付けば超上空まで蹴飛ばされて元の位置に戻された。

 

蹴られたのは腹部だと痛みが訪れてようやくわかった時、ラディッツはそんなメタルクウラフュージョンを放っておき

 

「・・・・・・・・・」

 

無言で黄金のエネルギーを地球を起点として周囲の宇宙空間に発した。

 

それは一個人で出来る訳の無い程の膨大なエネルギーであり、エネルギーは光の粒子となって宇宙空間を奔りそして・・・・・

 

「見つけた・・・・」

 

フリーザ達と破壊神達をして血眼になって探しても見つけられないビックゲデスターをいとも簡単に見つけ出した。

 

距離は地球から太陽までの距離を三倍にした地球の西側の星々の間にひっそりといたのを見つけ出したのだ・・・・

 

それは-人-の範疇を遥かに超えた御業であった・・・・

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