ラディッツがビックゲデスターを見つけて程なくして北銀河の強者達は驚愕する事になった
ラディッツが地球に居ながらにして、地球と太陽との距離の三倍に位置する場所に-普通の惑星-二擬態して隠れ潜んでいたビックゲデスターを発見したと-北の界王-が破壊神ビルスを始めとしてクウラ・フリーザ・ベジータに一斉に知らせを入れたから。
ラディッツは北の界王との接触していた感覚を思い出しながら念じてみれば、北の界王と繋がり、いきなり向こうから繋げられた北の界王は仰天したが時間が惜しいというラディッツの言葉にはっとして、驚きは後でしようと北の界王は頑張って自制心を保ちながらフリーザ達にお知らせをしたのだ。
ビックゲデスターは元々が小さなコンピューターチップが壊れた人工衛星や宇宙を漂う機会を取り込んで惑星になった機械惑星であり、そこに孫悟空に負けて宇宙を漂っていたクウラを取り込んで反対に支配された星である。
コンピューターチップは惑星を捕食するだけの能力しかなかったが、取り込んだクウラは機械惑星のスペックをおおいに活かしてビックゲデスターをステルスモードは無理だが周辺惑星と遜色ない擬態をさせる事に成功し、まんまと破壊神達の目を掻い潜っていた。
フリーザ達が現在本拠地に定めている惑星ポンジャや、コルド大王の本拠地周辺などでそんな事をすれば本来の地図と照合されればすぐに見つかること請負だが、北の辺境の宇宙地図の詳細などはラディッツが地球にいるので周辺惑星地図を作成しようとフリーザ達が言い出さなければ、大まかな航路以外はほぼ空白に等しく、だからこそ惑星が一つ増えていても誰も気が付かなかった。
だが、ラディッツは北の界王の言う通り地球から一歩も出る事無く見つけたという・・・それも一個人から発せらるはずの無い膨大なエネルギーを宇宙空間に奔らせ索敵のようにして発見したなどと・・・・聞いた瞬間フリーザ達はゾッとした!
またあの子が無茶な事をしでかして・・・・・駄目だ・・・・
「あの子の下に行かなければ・・・・」
北の界王からの一斉連絡(・・・もうこれしか言いようがねぇ・・)を受けたフリーザはふらりと母艦の中にポットを置き去りにして出口を開けて北の界王の言っていたビックゲデスターのいる位置に飛んで行った・・・・その表情焦りに満ちており、知らされた場所の付近に行けば続々と出てくるメタルクウラの群れを
「クウラ様の偽物が!!!!貴様等殲滅してやるから大人しく殺されろ!!!!」
「うざいんだよ!!うちのクウラ様の形しているくせして数頼みなんて恥晒しな真似しやがって!!!」
「お前等なんざうちのクウラ様を出すまでもないな!!!!!」
サウザー・ドーレ・ネイズが吶喊していて・・・・・配下の自分を思ってのあまりの怒り具合にあの兄が呆然として見てる・・・・
兄も自分の偽物が恥を晒したと怒り狂っていたようだが、慕われてされると恥ずかしいのだ色々と・・・その気持ちはフリーザもなんとなく分かり、かえって冷静さが戻ってきたほどであった。
「・・・・何を高みの見物をしているのですか愚兄?」
「・・・・・あの中に混じれというのか愚弟?」
・・・・・・・・恥ずかしいのは恥ずかしいが、しかし忠臣の邪魔をするようで自分も気が引けそうだと、クウラの言い分を早々に飲み込んだフリーザは、ならさっさとあの屑星を本当の屑ゴミにすればいいだろうと二人でデスボールを作っているところに
「・・・・クウラ殿・・・フリーザ殿も・・・」
王となっても鍛錬を怠らずに、近頃はビルスがちょくちょくとちょっかいを賭けていた事もあり超化二段階になれたベジータ王も駆けつけてきた。
ベジータ王もフリーザ同様に胸騒ぎを覚えたから。
フリーザ軍とサイヤ軍の科学の粋を集めた最新の機器をもってしても見つけられなかったビックゲデスターの擬態を地球に居ながらにして見つけるなど・・・・まるで-地球上
の出来事を全て感知できる-と言っていたラディッツの言葉が、-宇宙のあらゆる出来事を感知できる-と言われたようで・・・・確かにラディッツは他のサイヤ人とは全く違う
それは同じ白銀化できる軍医・トンミをしても
「僕もラディッツの事はさっぱりと分かりませんね。僕の未来視も結局はラディッツがいる事で発動しませんし・・・第一-個人-の未来だけを見ることが出来る僕と違って、不特定多数の者達の未来すらも生きている事で変えられるなんて・・・・本当にラディッツは僕と同じ種族なのかと思う時があるんですよ。」
生きているだけで、誰かに笑いかけてその誰かと仲良くなるだけでそれだけで周囲の不特定多数の者達の未来を変える者
それは果たして-サイヤ人-という枠組みを超えて-人-という種族であるのかすら疑問だと・・・・それではまるで・・・
それは嫌だ!あいつは自分と同じサイヤ人で!!尻尾があって満月を見れば大猿化する同じサイヤ人で!!!いつか自分にも仕えて欲しい奴で・・・行かないでほしい・・・・自分が辿り着く訳にはいかない場所になぞ・・・・
「・・・・・一気にあの屑星を消しますよ・・・・」
焦るべじーの気持ちはフリーザとそしてクウラにも当て嵌まる事であり、三人は無言でビックゲデスターに向けて最大火力の攻撃を仕掛けそしてビックゲデスターは消滅をした
中にいる核となるクウラ本体が抗う瞬間を欠片も与える事無く・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
ビックゲデスターにフリーザ達が向かっていた頃、金の髪と瞳をしたラディッツは弟と悟飯を抱きしめたまま静かにメタルクウラフュージョンを見下ろしていた。
メタルクウラフュージョンが肉弾戦を仕掛ければ腕の中にいる二人に衝撃がいかない程度の速度でのらりくらりと躱し、エネルギー弾は全て完成された-シールド-で遮断され、メタルクウラフュージョンの攻撃は毛一筋ほどもラディッツに付ける事は叶わず、消費されたエネルギーはビックゲデスターが破壊された事により供給が断たれエネルギー切れを起こし力尽きた。
・・・・・悟空と悟飯はそれを信じられないものを見る目でラディッツの腕の中で見つめ続ける。
圧倒的で、この世界では破壊神ビルス様でしか、それこそ今のブロリーであっても勝ち確は低い筈なのに・・・・兄は何をするわけでもなくただ攻撃を避けて防いで・・・それだけであった筈なのに・・・
「終わりだ、異界より招いてもおらずに来た迷惑な
「は・・・・そこな小僧とて俺と同じ身であるだろうに・・・・」
「・・・・・この子は分を知っている、礼節を知っている。お前とは違う・・・・他人の-家-を土足で踏みにじったからには殺される覚悟くらいあるだろうお前とても・・」
お前が引き起こした事は、この北銀河に住まう数多の星々と攻め寄せられた惑星の人々の嘆きを溢れさせたと、まるで断罪するようなラディッツの口振りにメタルクウラフュージョンは苛立つが、その嘆きこそが・・・・嘆き救いを求める声こそが今ラディッツに力を与えているとはつゆも思っていない。
地球の人々は祈った
侵略者から愛する人達を守ってほしいと
それは互いに思い合う純粋な優しい願いであった
それはメタルクウラに襲われた星々の人達も同様であった。
破壊神ビルス達の目を掻い潜る為に、わざとちきゅとは遠く離れて復讐とは関係ない星々を襲い注意をひきつける
たったそれだけの為に数千・数万の者達を蹂躙し・・・・・宇宙に嘆きが、助けてほしいという願いが、愛する者達を守りたい・・・・守ってほしいという願いが力となり、テラの余波で近隣の宇宙に意思が芽生えたように、この宇宙に芽生え始めていた意思が、テラを頼りそして一人の男に願いを託した。
人々の純粋な願いによって力を得たラディッツの髪と瞳は黄金に輝き
さながら-陽神-ともいえそうで・・・・
太陽の神というには太陽の苛烈さと熱はなく、だが優しい陽光を一身に集めた神と・・・
その陽神ともいえるラディッツの右肩に光り輝く鳥が留まった。
その鳥を見た悟空は一目で分かった
「テラ・・・・おめえの力なんか?」
今兄がこんな状態になっているのはまたテラが何かしらの力を与えているのかという悟空の問いに、テラは首を振って違うと答えた後、一声鳴きそして羽ばたきみるみるうちに巨大化をして、遂には自分達を呑み込む程のくちばしを有する大きさにまでなった。
普段のテラは-ひよこに翼を与えたようだ-と見たもの誰からも言われるほどのポワポワとした可愛らしい鳥なのに、今は羽も流れるように長い尾羽もくちばしも瞳すらも金色に輝くテラ
そのテラがくちばしを大きく開けメタルクウラフュージョンに迫り・・・・・
「なんだ・・・・なにを・・・・・・やめ!!!」
ビシ!!!
「・・・・・・散々命を食らったお前がどこに行こうと言うんだ?」
食われると、本能が怯えたメタルクウラフュージョンは後退してテラを攻撃しようとしたがラディッツの風切羽・閃が深々と突き刺さり返しの付いた針の様に抜けず、その閃に付けられた金の糸の様なラディッツの闘気に引っ張られ逃げる事は叶わなかった・・・
断罪するような冷えたラディッツの瞳に、かつて自分はこんな瞳を見た事がなく、あの孫悟空とベジータとてももっと-人間味-のある闘志を燃え上がらせていたというのに・・
「何なのだ貴様は・・・・なんだというのだ貴様は!!!!」
自分が怖れを抱かされたと認めたくはないクウラは、必死にその思いを掻き消そうと叫ぶのをラディッツは応える事無く、テラがメタルクウラフュージョンを呑み込むのをただ見続ける。
自分は人々の願いによって力を得た者だというには烏滸がましくて・・・・そんなラディッツの思いを知らずにテラに飲み込まれていくクウラは生まれて初めて知った絶望と共にテラの中に消えていった・・・・・・
「に・・・・兄ちゃん・・・・」
「あ・・ぁ・・・・」
そんなメタルクウラフュージョンの末路を見た悟空と悟飯は心の底から慄く・・・・倒すでも殺すでもなく・・・・・文字通り喰われていった者を見てしまい・・・・寸前まで殺し合っていたとはいえ憐れすぎる末路に・・・・
ポン
怯えた二人の頭に、暖かい掌が乗せられ
「二人共、向こうの世界のセルが陰の気を好き放題使っていたのは知っているだろう?」
・・・・唐突にメタルクウラフュージョンの事ではなく先程倒したセルの話が出た事に少し混乱しながらも、それは知っていると二人は頷いて意思表示をしたのを見たラディッツはさらに話を続ける。
「向こうのセルが陰の気をテラから搾取した事で、今テラひいては地球の状態が良くない。
そこに陰の気が溢れているメタルクウラはテラの失われた陰の気を直ぐに取り込むには必要不可欠だったんだよ。」
陽の気だけが満ち溢れていれば世界は回るなどいうというのは荒唐無稽な話であり、地球で例えれば朝と昼だけで、夕と夜の無い世界も同然だというラディッツの言葉に、悟空と悟飯は少しだけ考えて納得をした。
確かに夕と夜の無い世界がどこかにあるかも知れないが、自分達は朝・昼・夕・夜がある中で生きている。
どちらもバランスよくあるのが大事なのだと
・・・・・残酷なようだが、メタルクウラは散々大勢の者達を殺した者でありその報いが訪れたのだと思う事にした二人を、ラディッツは大事な宝物のようにそっと抱きしめゆっくりと地球に降り立ちながら少しずつ元の黒髪・黒瞳の姿へと戻っていった。
不思議な事に、今回はいつもの様な疲労感はなく清々しい気分すらする。
自分の力がどこまでも使えるような気すらも・・・・・
そんな馬鹿なと首を一つ振り、山村に降り立ったラディッツは悟空と悟飯をそっと手放しそして王宮へと一路飛んで行き事態の終了宣言を国王に知らせ、十数分後の地球はまたもや孫悟雲とその仲間達に救われたと大歓声が地球に響き渡り、それは宇宙でメタルクウラに襲われた星々の人々も同様であった。
周辺の星々の治安の為にも人心の安定こそが一番だと知っているフリーザとベジータは、北の界王の自主的な続報によって最後のメタルクウラが滅んだことを知ると同時にスカウターをオープンチャンネルにして一斉に知らせ触れ回らせ、人々の喜びの大歓声が上がった。
「・・・・・・見えますかビルス様・・・」
「あぁ・・・・・宇宙に光のエネルギーが流れてる・・・・なんなんだいこの現象は?」
「さて・・・地球の人々の言うところの陽の気とやらが宇宙全体を満たそうとしているのでしょうかね・・・」
北銀河一帯だけとはいえ、-神と天使-の目に映る光の粒子は大歓声とともに生み出され北銀河のみならず東西何の銀河に漂うとしているのを、ビルスが訝し気にしウィスは憂い気にその光景を見る。
自分達の第七宇宙の危機は確かに去った。
異界のセルとメタルクウラという脅威が消えた事で
その二人の胸中は決して穏やかではないが、それでも近頃できたーお気に入り達ーを守れたのだから良しとすべきだと一路地球を目指さなであった