俺ラディッツは弟を絶対に守り抜く   作:ドゥナシオン

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特別な力よりも大事なものの為に

エイジ760 四月四日 地球

 

「・・・・・・おら馬鹿だから難しい事分んねえんだけどよ・・・・あんな大騒動が三十分以内に終わったておかしくねえか?」

「カカロット・・・・今回の事は俺もブルマも同意見だから安心しろ。」

 

なんなら自分たちサイドの者達全員の、それこそフリーザも入れた(破壊神と天使の実力では瞬殺だろうからこの二人は除外)総意に近い感想だという言葉に、この世界のラディッツを筆頭にキョトンとされた・・・・・この世界マジでおかしいと、地球だの宇宙だのの聡ん坊を賭けた戦いを幾度もしてきた向こうの一同・・・・・それこそ普段は何があったて、まあいいかで済ます超前向きな悟空だってびっくりな幕引きだったんだから・・・・

 

今日の昼の十二時にこの世界の悟空と向こうの悟飯が精神と時の部屋に入り、其の二十分後に異界のセルの策謀が発動し、そして悟空とベジータが・・・・・まぁ内容はここでは割愛しよう。

 

大事なのはセルとゴジータの激突から地球に潜り込むように来たメタルクウラの合体版を倒しての合計時間が三十分よりも短い!!

 

セルなんて向こうの世界で倒すのに実質十日以上かかった奴だぞ!

クウラなんてメタルクウラの事を入れて、地球の仲間全員で力を合わせた末に何時間もかけて倒した奴だぞ!!??

 

しかもこの世界の破壊神と天使と宇宙にいる強者達全員が総力を挙げても倒し切れなかったのが、終わってみれば三十分以内でしたってない!!!・・・・・自分達が毎度している苦労って何なんだろ・・・・・向こうの世界の悟空は初めて-理不尽-という言葉の意味を実体験した・・・・・させられた・・・

 

自分達がセルに敗れて山村に連れてこられてその十五分後に悟飯お爺ちゃんから

 

「今悟雲からこの世界に一斉連絡が放たれての、向こうのセルとクウラという敵は完全に消滅したそうだ。」

 

・・・・・・その一言に回復を果たして第二ラウンドに行く気満々だった悟空とベジータの目は点になり二人の側にいたブルマなんてはぇとか変な声を出してしまい、それは天界避難させられたピッコロも同様で・・・・・

 

あのセルは強かったと、実際に戦った悟空とベジータは今思い出しても肌がひりつく

そしてメタルクウラも合体したメタルクウラも、この世界の破壊神様くらいでないと勝てないのではと悟飯が危惧した事とは裏腹に・・・・

 

「このセルのあんちゃんががセルを喰っちまって・・・・」

「・・・・・この世界の地球の意志だというテラとやらがメタルクウラを喰っただと?」

 

どうやってあのとんでもない強敵達を倒したのかを、山村の孫家宅に全員が戻り実際に見ていたクリリンと悟飯に聞いた悟空とベジータは、倒し方なんて聞かなきゃよかったと後悔する羽目になった

 

・・・・・倒し方が出鱈目すぎる・・・・・・喰って万事解決って-魔人ブゥ-じゃないんだから・・・・しかもセルも合体版メタルクウラもお菓子にされたのではなくてそのままの状態で喰われたって・・・・・・如何にゲテモノが食べられる向こうの世界の悟空だってお断りな倒し方を見ても平然としているこっちの人達のメンタルってどうなっているのだろか?

 

第一

 

「それにしても・・・・・こっちの世界の地球の人達って侵略とか戦争とかに慣れてんの?いやに手際よく日常生活に戻っているじゃないの。」

 

向こうのブルマが呆れて言う程に、この世界の地球に住まう人々は敵が倒されたという一世連絡を孫悟雲から受け取ってから十分後には-日常生活-が動き出した・・・・何が言いたいかというと、昼の十二時頃に侵略者達対応の避難がされて、午後二時には人々は避難シェルターから出てきて

 

「スーパーを再開しましたよ~。祝・孫悟雲さん達による侵略者撃退記念でタイムセールを終日しますよ!!」

「デパートも同じく!貴金属以外は三割セールを実施します!!」

「今日カフェは最初の一杯は通常の半分ですが無料にして、二杯目からも半額セールとさせて頂きます!!」

 

スーパーやデパート、それに飲食業界がこぞって祝・孫悟雲さん達による侵略者撃退記念というイベントを臨時開催し、値引きセール効果か避難の為に閑散としていたあちこちの歳や街の活気はあっという間に賑わう中で、どこの店も家もテレビやラジオを付けて

 

「今回も孫悟雲氏達による活躍により、一般社会に影響を及ぼされる事無く・・・・」

「王室は孫悟雲氏への爵位の打診の-二度目-をする事を決めたと・・・」

「実質何の被害もなくこの地球を守ってくれている彼等は英雄で・・・・」

 

明るい話題とそれを聞いた人々の笑顔で町は溢れかえっていった・・・・侵略からたったの二時間以内で・・・

 

向こうのブルマの言葉にこの世界のラディッツは苦笑する。

 

確かにこの地球の人々は侵略される事に慣れている・・・・・正確に言えば地球に侵略者が現れた時の対応に慣れていると言うべきだろうか?

 

ピッコロ大魔王による都市部一斉攻撃の記憶は人々にとってはまだ新しい。

 

そして去年のフリーザ軍による侵略の一月前には事前通達をされて大規模避難訓練をした事で人々は宇宙にはとんでもない者達がいていつ何時自分達が脅威にさらされるか分らないという事実を学んでいる。

 

そしてその反面、そんな脅威から自分達を守る為に敢然と立ち向かってくれる英雄達の存在こそが心の支えであり拠り所となっている。

 

ピッコロ大魔王の時も、宇宙からの侵略者達(フリーザ軍というのは超国家機密で地球国家内のデータベースから名称は永久削除とされてる・・・)そして一般人は知らないだろうがその前に来たスラッグ一味を倒しちきゅうを平和と日常の平穏な日々を守ってくれている孫悟雲とその仲間と鶴仙流の達人達とサイヤンℱ警備会社と国軍と警察がいる。

 

そして在野にも日常の平和に貢献している武道家達とそしてリング名サタンことマークが筆頭となっているプロ格闘家達が人々をさりげなく守っている。

 

それをして一般の人々は脅威に怯えるのではなく、怖くても自分達を守る為に頑張ってくれている大勢の人々とラディッツ達を信じて指示通りに避難をする。

 

誰一人不平不満を言う事無く、それこそ普段は不良やならず者で通っている者達ですらもが其の時だけは大人しく指示に従う。

 

文字通り命を懸けて最前線で戦う人々に敬意を表して・・・そして祈る

 

自分達の無事と大切な者達の安全と・・・・・そして最前線で戦う者達の無事を・・・

 

そんな素敵な星なのだこの地球は・・・・・

 

そしてそんな地球の内情に驚いていたブルマ達がほんの五分後に、これまで以上に心底驚かせる事が待っていようとは思ってもみなかったでろう・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

それはこの世界のセルの別れの言葉から始まった。

 

騒動の決着をみて世間も落ち着いて少しした後、この世界のセルはあの世に戻ると悄然とした様子でラディッツ達に告げた。

 

「・・・・これにてお別れですな父君・・・」

 

頭に輪のあるセルは寂しそうな笑みをして、山村に戻ってきた父達に別れを告げるのを、ラディッツ達の目にも涙が浮かぶ。

 

再会が嬉しくとも本来のセルはもう死人であり、生命を賭して善行を貫いた特別な戦士だけが貰える特別な肉体で現世で生きていた時のような顕現できていたとしても、それは本来であれば-特別-な事であり、死人があの世からこの世に戻れる時間は一日だという決まりごとがある。

 

だが、今回の大騒動はその特別に定められた法を一時的に棚上げせねばならない程の大騒動であり、その決着は向こうの者達を返さなければ全て解決したとは言えないが、少なくとも死人のセルを現世に留めておく案件ではないだろと、意外にも・・・・本当に以外にもセルは法と理を尊重しており(ラディッツとの戦いの為のあれやこれやらはプログラムを優先した結果です・・・)よってあの世とこの世のルールをすべて覚えている超優等生であり、この世界の-大界王-の目に留まるほどの逸材なのだ!!・・・・いやマジで

 

 

 

遡った三年前

 

セルはフリーザ達から父と愛する者達を守る為にジュニアと同化した後、見知らない巨大な人物を見上げていた。

 

髭も髪も黒くてもさもさで・・・・鬼のようなのにスーツを着て何やら書類仕事で励んでいる・・・・ここはどこだ?

 

「・・・・・私は兄君と同化して・・・・・」

 

何故自分が兄君の中ではなく全く知らないところに居るのだっというポツンとした言葉を、目の前の巨大なスーツ姿の人・閻魔大王が拾い上げ書類から顔を上げセルに話しかけた。

 

「ここがどこか分かるか孫セル?」

 

ここはあの世であり、お前はもう死んでこれから死後の裁判があると告げられたセルは必至に最後の記憶を辿り

 

「・・・・兄君の種族は種族間で同化できて・・・・私は兄君の中に入って・・」

「うむ、魂はあの世の裁判所に来たんだぞ。」

 

ジュニアと同化した後の補足を閻魔大王自らがしてくれた。

 

閻魔大王は-第七宇宙-のあの世の裁判官でありほとんどの種族の特徴を把握している。

 

そしてその中には当然ナメック星人の情報もあり

 

「確かに純粋なナメック星人同士の同化であれば、主人格となった者が死なない限りは共に同じ肉体の中で生きている。」

 

何千年も閻魔大王をしていればそういうナメック星人達に出会う事もあり、その情報をよく覚えているという大王の言葉に、ならば何故自分は兄の中におらずここにいるのだというセルの怪訝そうな言葉に閻魔大王は-推測-だがと前置きをして私見を述べた。

 

曰くセルはそもそもが人工生命体であり、細胞は確かにナメック星人のものがありそれをしてジュニアと同化する事に成功はしたかもしれないが、ナメック星人由来以外の例えばラディッツのサイヤ人の細胞と、他の地球人の細胞は弾かれそこにセルの魂が定着をして-きちんとした死人-となり、よってあの世に来ることになったのではないだろうかと。

 

閻魔大王の私見に、セルはそうかもしれないと納得をした。

 

兄・ジュニアも自分とセルは同化できるだろうが悟白とセルでは最早細胞も遺伝子も違いすぎて同化は出来ないと言っていた。

 

ならば自分のナメック星人由来の者以外は魂も含めて弾かれたのだろうと・・・・だが、自分の力が失われているのがセルには分かる。

 

鍛えていたものではなく、核としてあった自分の中の力の根源は確かに兄に渡ったのを確信したセルは穏やかに笑い

 

「私は父君と呼んでいる孫悟雲に仇なし大勢の者達を巻き込んでの死闘をした身だ。」

 

殺人は父とその身内によって未遂に終わり、その為に刑罰は軽いだろうが天国にはいかんだろうから早く地獄に案内をしてくれと、閻魔大王を相手に宣った。

 

もしかしたら、人造人間という仮初の疑似生命は存在そのものが罪であり消滅かもしれないがと、地獄にいる事も今後の事もどこか他人事のように捉えていたセルの耳に入ったのは自分が考えていた事とは真逆な事であった。

 

それはセルが残っていた寿命と輪廻をくぐる魂を代償にしてでも愛する者達を守ろうとした行為が評価され、善を成した戦士だけに提案をされる-あの世での修業-の話であった。

 

自分が善とは・・・・・目の前の男は正気かと、セルは閻魔大王の頭の中身を案じるというマジもんの不敬罪しやがるほどに驚いた・・・

 

そもそも自分は復讐の為に生み出された仮初の疑似生命体・人造人間だという事と全てに悪行を知っているだろいうと告げたのだが

 

「お前はそれを償っても有り余るほどの善行をしたんだぞセル。」

 

そんなセルを諭すように閻魔大王は優しい声でセルに事情を説明してくれた。

 

何百年という長い時を渡り、同化する事に抵抗のない種族のナメック星で育ったのであれば兎も角、地球でまして誰かを殺す為だけに生み出された者が意志をもったと言えど同化できるからと、己の寿命と魂を捧げ愛する者達を守らんとする行為は尊く評価されるべき事であり

 

「孫セル、お前は生命を賭して地球と愛する者達を守らんとする善なる戦士だ。」

 

そこは胸を張っていいのだという閻魔大王の言葉に、何かが報われた思いをセルはした。

 

父と戦う為に成長細胞を全て戦闘力に回し、結果成長細胞が消費された事で老化が超加速し・・・・・それは愛する者達を得たセルを絶望の底に落とした。

 

まさか勝負後に父の容姿にされそして・・・・・愛を知った、愛する事を知った、愛されるという事を知った。

 

ここまではまだいい

 

愛を胸にあの世に行った時、暖かい思いがあれば地獄でもやっていけそうだと

 

だが、愛を知ってしまったからこそ父を奪いに来るフリーザ達に自分は戦う事すら叶わない事にセルは絶望した

 

何が最強の人造人間か・・・・ガラクタで役立たずの自分・・・・せめてこの力を生まれたばかりの赤子ではあるが息子の悟白に渡して己の身を守るちからをのこしてやりたかったのを、紆余曲折して兄に力を託し、父達を守ってもらおうと兄に縋っただけの行為が、こんな風に誰かに評価してもらえたのが本当に嬉しかった・・・・お前の力は無くなっても心は戦士だと言って貰えた気がして・・・・

 

「・・・・・その提案を受けよう・・・・」

 

喜ばしい評価をしてくれた閻魔大王の提案をセルが受けたのは偏にそれがあったから

 

そして半年でセルは往年の力を取り戻して更にその先へと駆け上がっていった。

 

-あの世一武道界-で知り合ったパイクーハンとはウマが合った。

 

その時点ではセルの実力はパイクーハンに及ぶべくもないが、パイクーハンはそんな事を全く気にもせずセルと友誼を結び、鶴仙人や亀仙人でファンキー爺ちゃんにはなれているので初対面でもぶっ飛んだことを言う大界王にも敬意を持ちつつも親近感が湧いて少しだけ砕けた言葉遣いをすれば

 

「君面白いね!!将来有望そうだ!!!!」

 

何ていう風に大界王の目にもとまったセルのことは、あの世の鬼たちからも慕われる存在になった。

 

地獄で暴れている亡者をパイクーハン達と共に制圧する中、いつしかセルはセルさんやセル殿と呼ばれるようになっており、セルもあの世を第二の故郷と定め

 

「名残惜しいが、私は天国にも地獄にも行ける身分がありますので、父君達がどちらにいこうとも必ず会いに行きますぞ。」

 

などと・・・・優しいセルの言葉にラディッツ達は涙をボロボロと流し、お父さんセルの事をぼんやりと覚えていた悟白がソラの腕の中でお父さんどこ行っちゃうのと泣きそうになるのを、向こうの悟空達・・・特にとどめをさし合ったクリリンは複雑そうな顔をする。

 

「セル・・・・・悟雲さんが美味しい物作る時一緒に作るって言ったじゃないか・・」

「・・・・申し訳ない・・・敵対勢力がなく現世の平和が戻ったのならば理を犯し続ける訳にはいかんのだよ・・・」

 

向こうのクリリンの言葉に、セルはバツの悪い顔をする。

 

あの時は、メタルクウラとやらの決着はなかなかつかず、それが決着をしない限りは戻らなくていいという昨夜閻魔大王から直々に念話連絡をされていたのでその通りにしようとしたら・・・・世の中は本当に儘ならないとセルが溜息をつきたくなるが、名残惜しんでばかりはいられないと、セルが五行山の通路から地獄へと戻ろうとした時に待ったが入った。

 

「お前・・・・・そんな陰の気を大量に体内に納めたままあの世に戻ろうってのかい?」

 

止めたのはこの世界の破壊神ビルスであった。

 

いきなりの出現と言葉に、セルとラディッツ達が驚く中でビルスの後ろに控えていたウィスが前に出てビルスの言葉を細くした。

 

あの世とは元々が陰の気に満ち溢れた場所であり、そんな場所に地球と向こうの大量の陰の気を持ち込めば、あの世のパワーが増しすぎてあの世とこの世が直接つながり滅茶苦茶になる。

 

それは死人と生者が同じ場所で強制共存させられ、そうなれば大量の陰の気に普通の人々は耐えきれずに死が蔓延するという・・・・・文字通りの地獄の出現だと・・・・聞いた一同はゾッとした。

 

今孫家宅には孫ファミリーの主要メンバー達と向こうの者達しかいないが、不可思議な事・不条理で怖ろしい事に関して百戦錬磨の彼等をしても蒼白になる事態がセルの帰還によって起こってしまう。

 

だがと、ウィスの言葉は続いた

 

「セルさんの中にある膨大な陰の気を、同量の陽の気を注ぎ込めば-一つの惑星-が誕生するエネルギーになるんですよ。」

 

・・・・・・それって益々不味いんではないかと、聞いていた一同がそう思ったのは悪くないだろうが

 

「そうか!・・・・・それならドラゴンボールを使わなくても・・・」

 

向こうのビルスとウィスが反応して納得するのを、この世界のウィスは満足そうにうなずきながらこの世界のラディッツに近づき

 

「貴方の息子であるセルに貴方が宇宙とこの地球から得た陽の気を差し上げる気はありますか?」

 

それをすればきっと良い事が起きますよという胡散臭い言葉に、ラディッツはその良い事の内容をとても小さな声で告げられた。

 

ウィスの声は小さく、ジュニアとピッコロの聴覚をもってしてもきこえなかったが、聞かされたラディッツはその内容に一も二もなくセルに近づいてセルの左手を両手で包み込んで有無を言わさず己の中にある-特別な陽の気-を惜しげもなく息子の中にゆっくりと確実に注ぎ込んだ。

 

それは父の新たな力となると、-闘う能力-を父が得られたと喜んでいたセルはその力の譲渡を拒もうとしたが・・・・

 

「受け取るんだセル!!!!」

 

これは父親としての命令だという強い口調に、言われたセルは無論の事周りが驚く中ラディッツはセルを抱きしめた。

 

力強く自分を抱きしめる父を振りほどくことは父の愛を否定する事になる。

父の心情を傷つける事は本意ではないセルは観念して父のする事に身を委ねる。

 

何が起ころうとも父を信じて

 

そんな息子にラディッツは己の最大の武器となるであろう特別な陽の気を注ぎ続ける。

 

自分のこの力は-愛する者を守ってほしい-という純粋な願いが具現化した力であり、ならば自分の愛する息子の為に失せるならば惜しくも無いという願いを込めてセルに注ぎ終わった時・・・あの世で修行するように誂えられた特別な肉体にも必ず付いてくる死人の証である金色の輪が薄れセルの頭上から消え果てた・・・・

 

「「成功ですね、おめでとうございます。」」

 

その事実に、予め聞かされたラディッツをしても驚く一同に向こうとこちらのウィスは同時に寿ぎを伝えた。

 

これは神が起こした奇跡では決してない

 

先程この世界のウィスが言った通り、セルの中に蓄えられてしまった陰の気と、ラディッツの中の特別な陽の気が合わされば星をも生み出す生命エネルギーに変換すれば、あの世で管理されている寿命帳にセルの尽きてしまった天命に生命を吹き込み、再び生者にするのは訳のない事であったのだ。

 

そんな凄すぎて物語を見るような事実に追いつけず、セルも周りも呆然とた時

 

音がした

 

その音を聞いた途端、この世界の大人達は静かにセルの側によりセルの中からしだした-音-に耳を澄ました

 

トックン トックン

 

それは気も放て死人であっても強くなる肉体であっても絶対に聞こえるはずの無い心音であり、その音が途切れる事無く聞こえると知れた時、セルの周囲は大泣きの声が響き渡った

 

セルが蘇った事が嬉しくて・・・嬉しすぎて

 

嬉し泣きの大嵐の中、ラディッツはセルの左胸に耳を当てたまま泣き崩れるのをセルに支えられ・・・・そしてそのまま眠りについてしまった・・・・

 

特別な陽の気によって得ていた肉体の強さが無くなり、-ラディッツにとっての通常の休息-時間が訪れたのだ。

 

だが、ラディッツの突然の眠りに驚きラディッツとセルの周りに集まった全員が見たものは、穏やかなラディッツの寝顔であった。

 

 

特別な力と愛する息子ならば、ラディッツは考えることもせずに愛する息子を選ぶのは当然であり、愛する息子の心音にラディッツの心は満たされたのだ

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