エイジ760 四月八日の地球の朝・孫家宅
夜明けと共に鶏が鳴き、それと共に山村農村部の人達は目が覚め一日が始まる。
それは孫家宅も例外ではないが、今日に限っては鶏などの動物を飼っている家以外はどこも静かで、朝寝坊を決め込む事が確定している。
理由は一つ!・・・・・昨夜の宴が夜通しで、ついつい子供達も起きてしまいいわんや大人のお酒を呑む人達は・・・・である。
ばかすかご飯食べる人達もついつい酒を勧められて楽しくなって飲み過ぎて、飲まなかった人達も楽しすぎて疲れて
「・・・・・もう九時か・・・・寝すぎた・・」
「仕方がねえよ兄ちゃん・・・・本当は兄ちゃんはもっと寝ててもいいと思うぞ?」
「悟空の言う通り、親父はもっと寝て来い。」
「・・・寝すぎて腐るぞジュニア・・・」
確かに楽しい宴で、ラディッツはそこまで呑むつもりはなくビール一杯ですましていたのだが、疲れに負けてぐっすりと眠ってしまった・・・・不覚であるとがっくりとしていると
「ラディ!!!!お腹がすいたぞ!!!」
・・・・・人様を疲れさせた元凶様が元気だって理不尽だろうと思ったラディッツと、兄ちゃん疲れさせやがってとお冠な悟空達はきっと悪くないと思う・・・・
昨日の宴の中盤までは-真っ当な宴-であった
この世界のラディッツが来る人来る人達に構いつけられているのに慣れた向こうの悟空達は、あんちゃんって本当に人気があるんだな~で済ませながら、この世界の人達とも楽しく美味しいものを食べ合い分け合い、飲める者達は其れなりに飲んで楽しく過ごしていると、宇宙からご帰還したブロリーに、抱き着かれるは無事でよかったとわんわん泣かれるわ・・・・・・ラディはもう俺が絶対守る宣言に、その子は私のものですよなフリーザ様達が聞き捨てならずと殺気立ち、小僧はその内絶対俺様の物だの野心捨てていないクウラ様達も参戦し、一触即発化しかけるのを宥めたのは家中の本人で・・・・・気疲れして宥め終わって何とかした後にベットにバタンキューしたのだ・・・
まぁそんな中一触即発化しそうで周りが腹ハラハラする中
「お前が向こうの世界のラディッツか・・・・」
「本当に戦士の肉体なのね~。」
「あ・・・・・・」
「・・・・・おらそっくりの人・・・・なぁこの人達誰だ?」
この世界のラディッツと悟空の両親が、大量の食い物と飲み物を持って悟空達の所にやって来たのだ。
もう記憶の底にまで埋もれていた両親と同じ顔の者達が近づいてきた事で、ラディッツとしてはどう対応していいのか分からず唖然とし、ブロリーの出現とそのブロリーの中身の有り得なさに呆然としていたのを復活しても二人を知らない悟空、意外にも向こうの世界のベジータが間に入った。
「そっちの女は誰かは分からんが、カカロットそっくりなのはカカロットとラディッツの父親で・・・・確かバーダックと言ったか・・」
向こうの世界のバーダックも反逆児で名を売っており、どんな奴かと子供の頃に見に行った事のあるのでベジータはバーダックの事を今でも覚えていたおかげであった。
鋭い眼光に、誰が相手であっても真に頭を下げなさそうな威風堂々とした姿をベジータはよく覚えていたのだ。
其の時に見たバーダックと、今目の前にいるバーダックもベジータにとっては色あせる事の無い理想的な戦士の姿のままであった。
たとえ着ている物が地球の一般的なものであってもだ。
そんなバーダックがしげしげと自分達のラディッツを見ているという事は・・
「・・・・・あんたも俺とあいつの違いに驚いているのか?」
しげしげと二人から見られているラディッツも平常心を取り戻して、問うてみれば
「そうだな・・・・・ただな、あいつがあのまま惑星ベジータで戦士として過ごして大人になったとしても、お前みたいな戦士の肉体を手に入れている想像つかなくてよ、お前見ていると不思議になるんだよ。」
「・・・・・何故だ?」
「まぁ・・・・・あいつはてんで戦いに向かない奴だからかな・・・・」
「はぁ?」
自分の問いに答えた親父と同じやつが何かヘンテコライな事を言っていると、ラディッツはその答えにこそ唖然とする。
闘いに向かないサイヤ人なんて、惑星ベジータでは価値無く非戦闘員として飼い殺しにされるのがおちだろうに・・・・・・この世界の惑星ベジータとその周辺は本当にどうなっているんだと呆然とする。
そんなラディッツに邪魔したなと放っていって、息子達の側に戻り酒をばかすか飲んでそして朝寝坊をしながら埒も無い事を考える。
弱ければ死ぬ
ただそれだけの世界で生きてきたバーダックだが
-あのクソガキが死んじまうって想像した事ねえんだよな・・・・つうか想像つかねえが正解か-
何故か・・・・死とは縁遠いところに居る気がしてならない
何度も何度も死の縁を彷徨う姿を見ている筈なのに、不思議と最後には助かっている。
それもドラゴンボールとかいう不可思議な訳の分からない力ではなく、聞けばよくは分からないが自然の摂理に沿って助かるのだという納得のいくような方法でだ。
それもこれも地球という大勢の人々の中でラディッツが築き上げた良縁と悪縁の両方が揃っていなければ成し遂げられないような方法で。
ラディッツは常に何かに守られている
始まりは・・・・・自分であるとは到底言えないだろうが結果的にはきちんと六歳まであいつを守っていたし、そこから先はフリーザとその周りで、その後は地球の人々と地球自身とか・・・・その内この宇宙そのものがあいつを守るんじゃないかとバーダックは考えている。
あのとんでもないクソガキなら有りえそうだから
だが、守られているせいなのか生来なのか兎に角あいつは戦いに向いていない
闘争心というものが欠落してんじゃなかろうかとは、ラディッツを知る者達の中では満場一致している意見である。
だが別に其れでも問題ない。
何故なら
「ラディまだできないのか?俺腹減ったってば!!」
「今沢山作ってるからもう少し待てーブロリーー」
「へへ!あの卵とベーコンとトマトを一緒に炒めた奴を白いご飯にかけて食べるやつを沢山ほしい!!」
「はいはい・・・・宇宙で沢山メタルクウラを倒したんだからお腹も減るよな。もう少しで出来るからいい子で待ってろブロリー。
カカロットもむくれない。お前の好きな黒豚チャーシユウ入りの肉まんも沢山こさえているから仲良く待ってろ。」
「むぅ・・・・ブロリー、皿とか箸出して直ぐに食えるように支度すんぞ。」
「お!ラディの手伝いか!!どっちがきちんと多く手伝えるか競争だぞ!!!」
「・・・・兄ちゃんの手伝いでおらは負けねえぞ?」
「俺だって!!!!」
朝っぱらから五月蠅くて何事だと頭をかきながら見に行った先の光景が答えなのかもしれない。
近頃は破壊神様と天使の薫陶を受け、ゴット化をせずに神の力を手に入れつつありウィス曰く武神が産まれるのも近いですよと褒められている。
そんな武神に近いブロリーは、無邪気にラディッツの食事の支度を悟空と共に他の思想に手伝っていやがり・・・・・・それを見せつけられている向こうの人達の心中お察しであろうがそれは兎も角として・・・戦闘力が弱くても別にいいのだラディッツは、というのがこの世界のバーダックの考えである。
あいつの肉体が弱かろうが戦闘力が低かろうが、心は誰よりも強いのだから。
泣き虫の癖に逃げないで
闘いに興味がないくせに誰よりも先頭に立って戦い抜き
愛している者達に対しても間違っている事に対して真正面から向かっていく
そしてそんな不思議で優しいクソガキの周りには自然と強者達が寄ってきて居ついてああやってあいつを自動的に守ろうとするんだから。
殺伐とした戦場しか知らない自分のガキのはずなのに・・・ー半分ーはギネに似たのだろうが
「やっぱうちのクソガキが一番かもしんねえな・・・・・・」
偶には書きたい馬鹿親父・・・・