エイジ760 四月九日 地球 八卦炉の前
「長らくお世話になりました・・・・・もう二度とは会えませんが、御恩は決して忘れません。」
・・・・・いやそのね?俺は君達にご飯と寝床を提供しただけだよ?・・・・それも君達が何かの悪事をしないか、テラに影響がないかを監視する目的が大半だったんだよ?
名残惜しそうにされながら感謝されたら物凄く胸が痛いんだが・・・・
短いようでいて長い長い四日間をラディッツが家長の孫家でお世話になったお礼を、悟飯が代表して見送りに来てくれたラディッツ達にするのを、ラディッツの弟達や息子達は当然の様に受けるのだが・・・・・当の本人は監視目的が多分にあったので素直に受け取れないどころか、内心では冷や汗が決まっているのである・・・ご愁傷様・・・
だが!そこはあのフリーザ軍で文官長補佐官をしていた頃に培ったポーカーフェイスに笑顔を張り付けて乗り越えてこちらからもきちんとお礼を伝えた。
それに魔人ブウの情報だけではなく、悟飯達には本当にお礼を言いたい事があるラディッツは自然と笑みが浮かんだのだ。
「俺の弟も君から心を荒らさずに強くなれるアルティメット化という力を授かれたんだ。
悟空さんにはフュージョンと-瞬間移動-のやり方も教えてもらえたし、ベジータさんとブルマさんには-重力室-でのトレーニング方法も教えてもらえて是非参考にさせてもらう。
ピッコロさんのお陰でジュニアのお仲間の事やナメック星の事も知られたし、こちらの方こそお礼を言わなければいけないことだらけだ。」
これである
自分達を更に高めてくれる情報を沢山もらえたのだ!
ナメック星のことに至ってはジュニアと神様を両方喜ばしてあげられる。
それになによりフュージョンはポーズは些かあれだが(・・・・些かでいいのだろうか?)、瞬間移動は体得できれば大変便利であると、瞬間移動の術の事を聞いた時はラディッツよりも周りの者達が張り切った!
何となれば!兄に親父にクソガキにラディッツに何かあれば!!直ぐにラディッツの下へと飛べるからだ!!
そして瞬間移動のやり方を聞いて短期間で習得してやると意気込んだラディッツ以外の一同は・・・・・悟空からやり方を聞いた瞬間全員死んだ目になった・・・・
だって・・・・相手の気を感知してその気の主の下に飛ぶ代物って・・・・・駄目じゃん
絶対ラディッツ相手には使えないじゃん!!
白銀化しようがゴットになろうが陽神(以降ラディッツの金色化はこれで固定)になろうが!膨大な気を体内に入れて操っても微塵もラディッツの気を感じとれないのだ!
感じられるのはラディッツが風切羽や球体にしたエネルギー弾を撃つときだけで、普段まったく気配零のお人相手には通用しない・・・・
幸いなのは、ラディッツは地球に居なければすぐにではないが一週間もすれば身を損ねてしまう為、宇宙のあちこちに行く予定が無い事である。
新しいサイヤ人の故郷となった惑星サイヤや、今でも気に掛けている惑星ポンジャにラディッツが心の中でどれ程行きたいと願っても、そうでなくともまたフリーザ様の片割れで仕事をしながら宇宙船であちこち行きたいと願っても出来ない事を意味しているのだが、後者は往復三日の距離で宇宙遊覧しながら叶えて上げる事は出来るだろうが、遠い星に行くにはフリーザ軍の最速の特別製・アタックボールを使っても不可能。
なので現在は地球の自宅で通信機器を使って惑星サイヤとポンジャの映像を送ってもらい、よもやま話をしてそれで良しとすべきだとしているのでラディッツの居場所は地球と決まっているのだ。
ならば瞬間移動をそこまで必死に覚える必要性はないだろうと大半の者達は思ったのだが
「あの・・・・ラディッツさんに適用できなくとも、ラディッツさんが行きたい惑星サイヤとポンジャの人のどなたかの気を覚えてお連れする事は出来ると思いますよ?」
またもや向こうの地球の良心的存在(こちらの悟空達の評価はそうなった・・・)孫悟飯君の啓示が下された!!
「そっか!!兄ちゃんの行きたい所の人達の気を覚えればいいんだよ!!!」
「悟飯君!!!あんた天才よ!!!」
「悟雲兄さん!!これで俺達のうちの誰かが瞬間移動覚えれば!兄さんの行きたい所に安全に行き放題できます!!!」
頑張って習得するぞ!!!!
「よ・・・・・良かったですね・・・・」
ラディッツさんの弟の悟空さんとクリリンさんと、妹にして奥さんのブルマさんにがっしりと手を握られつつ、他からも真剣な表情でお礼を言われた悟飯君の顔は大いに引きつった笑みが浮かんだ・・・・真剣に怖いよこの人達の気迫・・・・
悟飯君としては、遠いナメック星に幾度も行っている父を参考にして意見を述べただけなのに天才って・・・・
だが、悟空とクリリンが真剣にお礼を言ったようにブルマだとて世辞を言ったわけでは決してない。
今回異次元の人達をこちらの世界に引き寄せた一端を担った物質転送装置は、悟飯君が言った事を兄にして夫である最愛のラディッツにしてあげたかったからこそ作ったものである。
今はまだ小さな物質を一キロという短い距離でしか成功していないが、数年以内には少しずつ宇宙の方まで安全に転送できるようにし、何年かかろうともお兄ちゃんを惑星サイヤとポンジャに遊びに行かせてあげたかったからだ。
だが向こうの悟空さんの瞬間移動を体得できれば、『万が一機器の故障というとんでもないリスク』が全くない状況でお兄ちゃんを好きなところに連れて行ってあげる事が出来る事に、ブルマ達は心の底から喜び満場一致で孫悟飯君を称えて・・・・・嬉しさ天元突破しすぎて使い道を教えてくれた悟飯君をビビらせたのであった・・・なんだかな
しかしだ、ノウハウはきちんと説明を受けて資料に残し更にこの世界にいるかもしれない-ヤードラット-の人達の事も教えてもらい
「・・・・確かに彼らならば不思議な術をいくつか持っている様なので、この世界の彼等も瞬間移動を使えるかもしれませんね。」
と、この世界のウィスが可能性は高いですよと道を示してくれた。
ヤードラットもこの地球同様に、いくらでも戦力に使える事を平和利用している良い星なので見ていて楽しく、時折その善良さが損なわれていないか見に行くのでよく知っていますよというウィスの言葉にこちらの世界の者達は俄然張り切り
「そうか・・・・俺も其れを会得したいな~。」
・・・・なんていうこの世界のラディッツの発言は待ったが入った!
それも-全員-から・・・・
「ラディッツさん!貴方はのほほんとして過ごしていればいいと僕は思うんです!!
悟空さんや繊細な技を使うのが得手のジュニアさん達に任せておけばいいと思います!」
「そうだぞ親父!!親父が覚えた日には・・・・・頼むからこれ以上危険を背負い込むような事はしないでくれ・・・・」
悟飯君とジュニアを筆頭に、双方の人達から同じような理由で却下された。
ラディッツがそんな技を覚えた日には、遠い宇宙の異変に気が付き黙って飛ばれた日には洒落にもならないから・・・・
そんな遣り取りが夕べの夕飯を挟んでの出来事であり、今日も朝食を出して貰い悟飯お爺さんやこの世界の武天老師様と鶴仙人様達は自宅の外で見送りを終え、仕事のある者達も最後まで見送れず申し訳ないと言い、得られた知己は決して忘れないと悟飯君と同じことを言い、ラディッツと悟空とクリリンとジュニアとセルが五行山の八卦炉まで見送りに来たのだ。
「あんた達!いつまで挨拶のしあいをしてるんだい!!!帰れる時にさっさと帰るんだよ!!!」
この度五行山も地獄の極卒達の手で補強工事が終了し、支える為に石化していた太上老君ことアンニンも石化封印を解いてもらい復活を果たし、元気いっぱいに一行を送り出すようにラディッツ達を促し、地獄への通路へと案内する。
これで本当にお別れですと悟飯も頭を下げて通路に向かう
漸く帰れると万感の思いを胸に抱いて