エイジ779 地球
あの出来事は夢だったんだろうか?
自分達の世界の地球に無事に戻ってきた悟飯は先ずは父達と別れて自分の家にすぐさま戻り、妻ビーデルと生まれたばかりのパンの下へと一直線をした。
ビーデルは夫・悟飯が宇宙からの侵略者を倒しに行く事を知っていた。
それが一日経っても戻ってこなかった事に不安に駆られていたが、娘を守れるのは自分だけだと気丈にも泣かずに待っていたのを・・
「悟飯君!!!悟飯君!!!!!」
「ビーデルさん・・・パンも・・・ただいま・・・」
自分の世界を文字通り羽ばたかせてくれた最愛の夫の無事をビーデルは心の底から喜び、異次元の世界に追放された自分は二度とこの腕の中にいる最愛の人達に会えないのかと絶望しただけに、こうしてまた二人温もりを身に抱けることが幸せで・・・・
「あぁ・・う!!!!」
ぺしょ・・・・からん
そんな両親の感動を知りようもない愛娘パンちゃんは二人の抱擁が苦しいと二人の顔を同時にぺしょりとはたいて、悟飯の眼鏡が落ちてしまった。
「あ!!パン・・・・もぅ・・・」
「はは・・・ごめんねパン、苦しかったね・・・・」
「だう!!!」
まだ赤ん坊とは言え、愛娘を挟んで熱々になった事に気が付いた二人は顔を真っ赤にしながら少し離れ、そしてクスクスと笑い合いあいそしてまたそっと抱き合う。
この平和な日常に戻れた事が嬉しくて・・・・・
それは悟飯宅だけではなくクリリンの家もそしてなんと・・・・
「お兄ちゃん!!今日僕この家に泊めて!!!!」
「え!!??・・・・悟天?」
「もうさ!お父さんんがお母さんの事を抱きしめてお母さんが顔を真っ赤にして怒っても放さなくてさ・・・僕邪魔になりそうだから逃げてきたって・・・・・ここでも邪魔?」
悟空の家も同様か、下手したらそれ以上の熱々になりそうなのを悟った世渡り上手の片りんを見せ始めている悟天は自己判断で兄の家に逃げ込んできたのだが・・・・逃げてきた先も同じような感じなのでカプセルコーポレーション行こうかと言いそうなのを
「大丈夫よ悟天君!!!ね?いいわよね貴方?」
「ああ・・・うん!!!何日でもいていいんだからな悟天!!パンもお兄ちゃん来て嬉しいよね?」
ここでも夫婦熱々になるのかと聞かれた大人二人は真っ赤になって、何日でも好きなだけ居てねを大急ぎで了承し
「・・・・うん・・・多分一週間は家に戻れないと思う・・・」
本気で兄夫婦の言葉を有難く受けた悟天の予想り、一週間はなくとも数日は悟空は様々な意味でチチを手元から放さなかった・・・・・チチさん・・・・嬉しいやら・・・こっぱずかしいやらそもそもが・・・・
「悟空さ!!一体何があったんだ!!!!」
数日してようやく夫の熱(・・・・色々とお察しください・・)が多少冷めて落ち着きを取り戻した悟空にベットの上で抱きしめ合ったままの状態でチチが問い詰めた。
まぁ・・・・今回も自分には詳しい事は教えてくれないだろうと半ばあきらめの境地で聞いたのだが
「おら達さ・・・・フリーザ達が来たからやっつけに行ったんだけどよ・・」
過去一番のとんでもない話を、昼頃から夕暮れになるまでの長い時間をかけて全てを教えてもらえた。
「・・・・悟空さ・・・・えがったな・・・・」
全てを聞き終え全ての事に理解が追い付くまでに時間がかかったチチを悟空は何も言わずに抱きしめ、そして理解したチチは万感の思いを込めてえがったなと、泣きながら何度も何度も悟空におくり続けた。
それはこの世界に無事に全員で戻ってこらた事であろうか、それとも長年謝りたかった祖父と同じ人に許しの言葉を貰えた事か・・・・父と同じ人に出会えた事か、-兄-と少しでも心を繋げる事が出来た事か・・・・それら全てに対してかは分からないが
「チチ・・・・・そのさ・・・・おらさ・・・・その・・」
「ん?」
「・・・・・愛してっぞ・・・」
「ご・・・・悟空さ?」
「おらさ!・・・・あぁ・・・・やっぱこれいうの恥ずかしいぞ!!なんであのあんちゃんこんな恥ずかしい事ポンポンと言えんだよ!!!!」
「悟空さ!!??」
「おらの・・・・その・・さ・・・とにかく!あっちのあんちゃんは聞いてるこっちが恥ずかしくなるくれぇにポンポンと愛だとか好きだとか言ってたんだよ!」
もう兎に角向こうの世界のラディッツは、奥さんのブルマだけではなく弟妹達やじっちゃん達や!もう周りの人間全員に対して自然に愛や好きを何度も何度も口にして、自分だけではなくベジータだって赤面してクリリンだってたはは笑いするくらいで・・・でも言われていた向こうのブルマ達は嬉しそうで・・・・チチに言ったら喜んでくれっかなと、頑張ったのだが一度しか言えないし・・・・言われたチチは呆然としている。
やっぱり何度も言った方が喜んでくれるかなと思ったのだが
「・・・・悟空さ!!!」
「うわ!!??・・・・チチ?」
「おらも・・・いんや!おらは悟空さが思う何倍も何十倍も愛してるだよ!!!」
「チチ・・・」
「好きだぞ悟空さ!!!」
「うん・・・・」
「愛してるだよ!!!」
「おらもだ・・・」
・・・・・訂正、矢張り一週間を見込んだ悟天が正しかった
悟空夫婦は新婚時代よりも新婚さんになったのだ・・・・・悟空の修行馬鹿が直ったわけではないが、それでも三日以上は家を空ける事は無くなり、ベジータと共に空ける時も夜には通信気を使ってチチさんときちんと話す程になったのだ・・・いわんやベジータはである・・・・そして家に帰れば妻も夫も熱々で
「お兄ちゃん・・・・・暫く僕お兄ちゃんの家の子になりたい・・」
「うん・・・・部屋は沢山空いてるから好きなところを自室にして、ここから学校に通うといいよ。」
「・・・・お義父さん気持ちわかるけど・・・・・」
熟年夫婦が新婚になって良いのか恥ずかしいのか、息子達とお嫁さんは悩むところであったとか・・・
そんなこんな事があったおかげか
エイジ780
「悟空さビルス様の所に修行に行かなくなっただよ。」
「うちもそうなのよ・・・・まぁ-私達-の今の状態で行くわけないか?」
「変われば変わるもんだな・・・・ベジータさはどんどんと家庭を顧みる夫になっていったから納得いくけど・・・」
「ん・・・・孫君も異次元に行って二度と戻れないかもっていうのが効いたと思うのよ。」
「そっか・・・・ブルマさんもそん時大変だったべ?」
「私?・・・・・私は向こうの世界のラディッツさん達に良くしてもらって戦いだって関与しなくていいようにしてもらったからね~・・・・大変だったのはベジータ達の方よ。」
その時の事を思い出して俯くブルマの頭に、そっと手が置かれ
「チチ!おら達もう黙ってどこにもいかねえぞ?」
俯いたブルマを慰めようとしたチチは誰かに抱き上げられて、驚いて二人が見上げれば
「悟空さ!!」
「ベジータ!!・・・・あんた達重力室で修行してたんじゃ・・・」
「・・・・三時間はしたから休憩がてら来ただけだ・・・」
「おらはもういいかなって思ってよ。チチ、夕飯なんにする?」
「もう悟空さは・・・」
「あのね孫君・・・・そうね、クッキングマシーンに大半作らせて、チチさんには肉饅頭作ってもらう位にして頂戴ね?」
「分かってるよ・・・・おら早くチチが作ってくれた飯だけ食いてえな~。」
「はいはい・・・・後そうね・・・・三か月は待ちなさいね?」
「いぃ!!!・・・・まだそんなに・・・」
今悟空とチチはカプセルコーポレーションのブルマの家で居候をさせてもらっている。
その理由は
「あのね孫君!女が、特に私達みたいに歳のいった女が子供産むってのは大変なのよ!!!チチさん愛してるんなら生まれた子供の面倒全部あんたが見るくらいの覚悟がいる位の大変な事なのよ!!!
産んだ後だって産後の肥立ちが回復するのだって若い時以上に大変なのよ!!!
・・・・いっとくけどね、なら仙豆で回復させればとか考えたらあんた最低よ!?」
「いぃ!!??・・・・はは・・・・はぁ・・・・分かってるけどよ・・・言うくらい。」
「・・・カカロット・・・・諦めてブルマのいった事を全面的に聞いておけ。」
「・・・うん・・・」
これである
今サイヤ人二人の愛妻二人は、仲良く妊婦さんなのである。
あとひと月以内に産まれるのだが二人共に四十を超えての高齢出産であり、チチも大事をとって病院が近いカプセルコーポレーションに悟空ともどもいさせてもらっている。
若い時とは違い本当に命の危機もありうるのだと口を酸っぱくしてブルマは何度も何度も悟空に教え込み、悟空も真剣に聞いて
おらチチが子供産んで大丈夫になるまで側にいる宣言を発令したのだ。
悟天の時は様々な意味でしょうがないが、悟飯の時は修行に熱を上げ過ぎて側にいなかったが、それが当たり前であった。
しかし今の悟空はチチの側にいて寄り添っていたい。
・・・・・もしも敵なんてものが来たら、仮にフリーザが再戦しに来たら様子見なんてしないで瞬殺しようという思考にもなっている・・・
だが、この一年-なんにも-なかったのだ・・・・そうなにも・・・・
「平和よね~。」
「平和だべな~。」
夫二人がシャワー室に行き、妻二人は夕飯何にしようかと穏やかに話し
「母さん!チチさん!!なんか手伝う?」
「お母さん、食材用意するの手伝うよ。」
トランクスと悟天が手伝いに来る・・・そんな平和な毎日を送っている・・・・・・
どこかの世界のように未来からのSОSもなく・・・・・ぶっちゃけ言えばシャンパだって来ておらず、超ドラゴンボールの存在も第七宇宙の者達は知らない
原因は、現在第七宇宙が他のマルチバースの世界から隔絶と言おうか隔離された状態だからだ。
異次元の地球-テラ-影響とはいえ、破壊神と天使をも追い出してしまう超弩級の厄ネタが、まかり間違って他の宇宙に感染させないための大神官の措置である。
よって、この世界の第十宇宙の厄介な界王神見習いも、第七宇宙とその線上にある未来にも立ち入る事が出来ない・・・・・といおうか、更にぶっちゃければこの世界の見習い界王神は、第七宇宙に起こった出来事とそれに伴い閉鎖される事が知らされ、全宇宙にその兆しがないかを直ぐに点検するようにと全宇宙に大神官からのお達しを天使によって知らされた時に・・・見習い界王神の受けた衝撃が凄まじかったりする
彼は-人間-という知性をもち過ぎた者は世界を醜くする者ではないかと感じていた矢先に、人間どころか-宇宙-そのものも意志が芽生えれば人間と同様に凄まじい-間違い-を犯すのかと衝撃を受けたのだ。
ならば・・・・人間だけを絶滅させたとしても、この先別の生命体が知性をもてば同様の事が起き・・・ならば・・・・生命体全てが無くならない限り自分の理想とした静寂で平和な世界は訪れず・・・・だが・・・宇宙にもその可能性があるのなら・・・・
・・・・・お察しの通り思考がカオスの迷宮に入り訳の分からない状態になったのだ
見習い界王神は人間の身勝手さに醜さを感じ、最後は諍いしか生まないゴミのようだと見始めていたのが、宇宙そのものにも意思が宿る可能性とそうなれば身勝手な事をするという前例をまざまざと教えられ、ならば自分の理想とする人間のいない世界を作ったところで無駄ではないかと挫折し、自分の理想は世界には無いのと勝手に自滅し、師である現職界王神はそんな弟子にかける言葉が見つからないのを第十宇宙の破壊神がある決定を下した。
曰く思考がまともになるまで界王神見習いの立場から降ろせというもっともな言葉に、現界王神は頷き弟子を休ませることにして・・・・・結果、第七宇宙と第十宇宙の危機は勝手に回避されたのだ。
のみならず、大神官は第七宇宙の天使・ウィスの言葉を聞いてある奏上を全王に上げた。
「全王様、異次元の者がドラゴンボールを使った時の対価を、彼の龍神族に聞いたそうです。それによりますと・・・」
それはドラゴンボールの危険性について
「ふ~ん・・・・それって危険なの?」
「さて、それを調べたいのでその為に-全宇宙のドラゴンボール-を一時的に全王様のお膝元で保管をしたいのですが。」
「いいよ・・・・・ちょっと宇宙が淀んできたからそれを使って-大会-開こうと思ってたけど延期する。」
大神官に任せると言ったきり、全王はもう超ドラゴンボールを使った大会の事は忘れて他に楽しい事はないかを探しに行くのを見送った大神官は溜息をつく。
「・・・・・・十二ある宇宙の緩んでしまった規律を締めるための大会の代わりを考えますか・・・」
-力の大会-もなし崩し的になくなってしまったのだ。
異次元の世界のラディッツが生じさせたテラのせいで第七宇宙は閉鎖され、それにより様々な事象が良くも悪くも消え去り、全宇宙の全世界のドラゴンボールも一斉に回収された事で-グランドツーリングの可能性-も無くなって・・・・良くも悪くも異次元の世界のラディッツは、直接であれ間接であれかかわった者達とその世界の未来をまっさらな白紙にしてしまったのだ。
白紙になった世界
それを知らない悟空達は、それでも自分達を鍛え続ける
-お前達戦士の看板を下ろせ-
あの本物の戦士・バーダックの言葉を跳ね返すように、悟飯もまた日常の中での鍛錬を再開したのだ。
世界に再び危機が訪れても自分達の手で守れるようにするべく
その決意が、今後何度も訪れる危機を跳ね返す一助になるとは知らずに・・・
そしてエイジ780の夏に、チチとブルマはそれぞれの家族全員が見守る中で珠のような女の子を揃って生んで周りはお祭り騒ぎになったのだ。
そして
エイジ760の方の五月五日の地球では
「「ふんぎゃ!!おんぎゃあ!!!」」
「・・・・兄ちゃん二人とも産まれたぞ!!!」
「兄さん!!」
「兄様!!!」
「親父!!!」
「悟雲・・・生まれたの・・・」
「あ・・・・あぁ・・・・ブルマ!!!」
シュン!!!
病院の分娩室の前で待っていた大勢の者達は、赤ん坊の泣き声が一つ聞こえそして二つ聞こえた時、待っていた者達は歓声を上げラディッツが真っ先に分娩室の扉をくぐり他の者達は医師の許可が下りるまで外で待つ事にした。
ラディッツが部屋に入り直ぐに目に映ったのが、二人の赤ん坊をぐったりとしながらも胸元に抱きしめている最愛の妻の姿であった。
汗で髪も濡れている程で疲労も一目で分かるほど濃いというのに・・・
微かな声で呼ばれたラディッツはフラフラと寄り、そんなラディッツに可愛いのと促されてみた赤ん坊は、一人はブルマと同じ空色だが母ギネに似た髪型をした男の子で、もう一人は黒髪で父と弟とターレスと同じような髪型をした男の子であった。
二人共尻尾があり空色の髪の子も尻尾は茶色で、そっと抱き上げたラディッツの腕にそっと自然に絡みついてきて・・・・その温もりがまた愛おしくて・・・
「ブルマ・・・・ブルマ・・・・あり・・・・がとう・・・・」
その瞬間、ラディッツの涙腺は決壊してボロボロと泣きながら様々な意味の詰まったありがとうを繰り返した。
毒に侵された身体を、ドラゴンボールを使って大人にしてくれたのはブルマ
自分の酷い過去を知っても結婚してくれたブルマ
そして家族を作ってくれたブルマに、どれほどありがとうを言ったとても足りなくて・・・
そんな有様のラディッツの後から入って来た家族達にブルマと共に囲まれ、ブルマも泣きながら生涯で一番の笑みを浮かべながら眠りについた。
幸せで・・・・・この幸せがいつまでも続くのだと誰も疑わずに笑い合って
「空色の髪の子は悟水(ごすい)、水のように流れゆきやがては大河にも海にもなる子になってほしい。
こちらの子は悟優(ごう)、優しい心をもった子供になってほしい。」
子供達が生まれたその日のうちに孫家の大家長たる悟飯が、二人の赤ん坊に名付けをして、山村ではいつものように大宴会になって宇宙のあちこちからお祝いの人達が駆け付けて・・・・・破壊神様なんて病院までブルマの下へと訪れて
「・・・・この子達にもなんかあったら助けてあげるよ・・・・」
お前の子だからねとか言われちゃって・・・・まぁ物凄い喜びのカオスになったと言っておこう。
双方の世界に新たな生命を授かった孫家とその周り異次元の世界騒動はそれぞれの胸に教訓を抱かれながらも騒ぎそのものは薄れていくのであった。
「兄ちゃん!おらあの子達もぜってえに守るからな!!!」
「カカロット・・・・ありがとう・・・」
幸せ一杯の彩の中で
そうさ・・・・・・おらが兄ちゃん達を守んだ・・・・・兄ちゃんの幸せ守るのはおらだ・・・・あいつ等なんかじゃねぇ・・・・おらがだ!!