俺ラディッツは弟を絶対に守り抜く   作:ドゥナシオン

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出掛けて直ぐに大好きな鶴に撃たれた・・・いやなんで?

△月○日

 

カカロットと共に地球に来て早半年がたった・・・ついに!念願の十万ゼニーが貯まった!

 

爺様と約束して、外を見に行くのは十万ゼニーを貯めてからと約束した。

 

「爺様!今日親方にお給料を頂いて爺様に半分渡して全部で十万ゼニー貯まった!」

「おぉ、もうそんなに貯まったのか・・・ラディッツは村の店で何も買わんからのぅ。」

「そうかな?服は直ぐに買って、カカロットにでんでん太鼓買ってあげたら喜んでたけど?」

「うむ・・・・自分で何か欲しいものは無かったのか?」

 

むむ、爺様は俺の事を無欲か何かと勘違いしてるのかな?

単に・・・村の子供が買うようなものに興味持てなかったのと、品数が少なくて買わないだけなんだけどな~。

 

それはそれで

 

「爺様、約束の十万ゼニー貯まったので外見てきます。」

 

椅子に座ってカカロットをあやしながら切り出せば、爺様の顔は少し寂しそうにしてた。

 

だから安心させてあげた!

 

「爺様!俺三日に一度は顔見せるから。」

「ラディッツ、それは嬉しいがそれではお前は遠くにいけないではないか。」

「大丈夫!俺空飛べるから!!」

 

だから安心してって言ったら、爺様の目が丸くなってた・・・・不味い・・俺自分ともしかしたらそのうちカカロットも空飛べるようになる事を言ってなかった・・・びっくりして心臓止まらないでね爺様。

 

「明日村の皆に言って明後日行こうと思う。」

 

驚いた爺様にお茶を淹れながら提案してみた。

お茶は俺が淹れるよりも爺様の方が美味しいけど、爺様は美味しそうに飲んでくれる。

お茶を飲んで落ち着いた爺様は、快く許してくれた。

 

空が飛べれば直ぐに爺様とカカロットの下に帰ってこれる。

 

「爺様、これ通信機器になっていつでも俺と連絡とれるよ。」

 

予備三つの内の一つを爺様に渡しておく、使い方は通信オンリーに設定したから横のボタンを押せばほぼノータイムで俺と繋がる。

これは太陽のエネルギーで半永久的に充電出来るから、時折お日様にあてて来ればいい事も説明して、少し距離を置いて練習もしてみた。

 

「もしもし、悟飯じゃ。」

「聞こえてるよ爺様。その内地球の通信機器見つけて帰るようにするね。」

「無理はせんでええぞ~。」

「ははっ!無理せず頑張るよ。」

 

スカウターは地球文明に無いから知らない人が見たら目立つ。

爺様が村で浮かないようになるべく早く地球の通信機器を手に入れて遣り取りしたいな。

 

尚スカウター連絡練習中にカカロットが爺様からスカウターを奪って口に入れてよだれまみれにした音は・・・・可愛い弟の音であってもきつかったと記しておこう・・いい思い出だ・・・きっと

 

▲▲▲

 

早すぎやしないかの~。

 

明後日から出かけることを決めたラディッツの寝顔を見ながら、悟飯は溜息をつく。

 

確かにラディッツはどこに行こうとも生きていける力があるのを悟飯はきちんと理解している。

 

自分の孫だからという事に胡坐をかかずに懸命に働き、言う事がどこか大人びているので面白半分に経理の仕事を見せてみれば、あっという間に半月貯まっていた経理の書類を処理して見せたとか。

 

「悟飯さん!あの子を一人前の土方の親方にしてゆくゆくは独立させます!!どうかおらにあの子を預けてくだせぇ!!!」

 

もとからいる経理の人がラディッツの処理した書類は全て完璧であり、何なら計算間違いも直してくれたと。

働きぶりも周りと笑って沢山動く事で、あの子が来てから仕事がはかどっていると。

 

「ラディッツや、実はの・・」

 

親方の申し出をその日の内に伝えてみれば、ラディッツは困った顔をして笑いながら話してくれた。

 

「爺様、俺は六歳の頃から宇宙規模の場所で文官として働いていたんだよ。」

 

主に経理や食材と人材手配の方で

 

「でも今はその仕事に就きたいとは思えないんだ。」

「何故じゃ?それほどの手腕があれば、大きくなった時にどこでも雇ってもらえるじゃろうに。」

 

宇宙規模というのがどれ程の規模かは分からんが、凄い事でありならば村の土建屋程の経理であればラディッツにとって仕事をしたうちには入らんかっただろう事は想像がつく。

 

その才を生かさないのは勿体ないと言ってみれば、ラディッツはまた困った顔で笑って断って来た。

 

「大きくなったら考えるよ。」

 

その話は其れっきりになって親方は酷くがっかりとしておったが・・・ラディッツが時折夜中に起きる事と関係があるのだろうか?

 

籐の籠をもっと大きくして悟空をねかせて、まだ体の小さいラディッツと二人で寝るが時折ラディッツは寝台から出て机に突っ伏している。

 

月明かりの中、アメの入ったガラスの瓶を目の前において

 

コロコロと、アメを少し転がしては口から取り出しコップに入った水を少しかけて乾かしてまたガラスの瓶に仕舞っていながら嬉しそうに微笑んでいるラディッツは、そのまま月明かりに溶けて消えるのではないかとドキリとさせられる。

 

アメの瓶はラディッツにとってはよすが・・・・もっとこの地球の事と縁づいてから行かせねば、-ナニカ-に連れ去られ帰ってこなくなるのではないかと思うのは杞憂であってほしい・・・

 

悟飯がどれ程ラディッツの事を案じようとも、出発の日はやって来た。

 

▲▲▲

 

「悟雲、都に行ったら悪い人に騙されるんじゃぁねえぞ。」

「そうだぞ、お前はしっかりしているように見えてかなりのお人よしだからな。」

「辛くなったらいつでも帰ってきていいんだからね?ここはあんたと悟空ちゃんの故郷なんだから。」

「悟飯さんの顔時折見に帰ってくるんだぞ。」

「悟雲お兄ちゃん・・・行っちゃやだよ・・・」

「シュウ・・」

「出かけたら日が暮れる前に帰らないと怒られるんだよ!!??」

「マイちゃん・・・」

 

・・・・嬉しいな~・・・たった三ヶ月しかいない俺が外に行くって昨日村長さんに言ったら、村の人達特に親方と土建屋のみんなに止められた。

 

「お前はおらの跡継ぎとして村におればいいでないかよ!!!」

 

たはは・・・親方の顔から出る物全部出て俺に迫る光景ってデジャヴ・・・・ナナバ様と初めて出会った時と重なるなぁ~。

 

嬉しいやら困ったやらでもラディッツはしがみついて止める親方を邪険にはせずに優しく背を叩き、誘ってくれて有難いがどうしても外の世界を見に行きたいという穏やかなラディッツの言葉に、親方は渋々と離れて今日は送別会すっぞという号令を発して村中で大祭りになった。

 

奥さん連中は急いで中華まんや手で食べやすい食べ物を大量に用意し、村初の喫茶店の前で男達が急いで櫓を組んだ。

 

ラディッツが外に行くと言ったのは何も十万ゼニーが貯まったからだけではなく、丁度喫茶店も完成したからだ。

 

祖父が斡旋してくれた仕事も完了させ、目標金額も行ったので外に行くのだ。

 

 

「えぇ・・・・これより・・・不本意じゃが・・・・非常に不本意だが!!!悟雲君の門出をみなと祝そうと思う・・・」

 

・・・・送り出す本人目の前にしてそれ言うかね村長さんと、ラディッツは弟を膝に乗せて筵の上に胡坐をかいて苦笑するが、周りの大人達どころか村の子供達もその通りだと力強く頷いている・・・不本意の意味わかってるのかな?

 

祖父よりも少しだけ若そうだが白髪を後ろで結って村には珍しいアロハシャツを着ているファンキー村長は物凄くお茶目な人だった・・・・多分それでラディッツの旅立ちを不本意だと言ったのだ!・・・ほんとかな・・・

 

それは兎も角もういいから乾杯と、土建屋の親方の音頭でお酒とジュースが飛び交って乾杯がされた。

 

どう言っても止められそうにないラディッツに、村人一同諦めた・・・・表面上は

 

悟空はキャラキャラと笑うまだ赤ん坊が抜けない可愛い子であり、同い年のシュウとマイの双子の兄妹と遊んでいる。

 

シュウがお兄ちゃんでマイが妹の双子は二人とも柔らかな毛にあうようなハニーブランドで、シュウはショートにマイは長い髪をいつもポニーテールに結いている。

 

二人とも子供が少ない村で、弟のような悟空が現れてくれて嬉しくて仕方ない様子で悟空をあやしている。

 

そんな中大人達は祖父の悟飯に断りを入れてラディッツに突撃した。

 

「悟雲!お前はあの土方の星の下に生まれてきた天才だ!!」

 

・・・指差してるの火星ですよ親方・・・そして俺は惑星ベジータの星の下に生まれました・・・

 

「悟雲!お前がいなくなったら何をわしゃわしゃして癒しを得ればいいんだよ!!」

 

・・・俺の頭は猫か何かの癒し枠かい・・・

 

上司から同僚だった大人達にわんわん泣かれるのを、ラディッツは手馴れた様子でさばいていく。

相手の話を遮る事もまして否定する事も無くじっくりと聞き、話が止まれば優しく背中を叩いて外に言っても必ず帰ると言われては、大人として送り出さねばいけないと思わせられる・・・・こんないい子だから外に出したくないのに・・・

 

雨が降って出発延期にならないかなと、ポツリと言ったのは誰であったか・・・

その願いは叶わず翌日は晴天であった・・・しかし悟空の顔は雨空だった・・・

 

「にぃちゃ・・・」

 

大好きなお兄ちゃんがどっか行ってしまうのが幼いながらにも感じた悟空は、近頃着慣れた青色の中華風の子ども服を着て兄の膝にしがみつく・・・ラディッツ一千万ダメージをくらった・・・・

 

・・・・カカロットの第一声がじいちゃだったけど!!この可愛さの前には何があったとしてもモーマンタイ!!!可愛い顔をフルフルと歪めて泣きそうになって・・・出掛けるのやめようかな?

 

ひそひそ・・

 

「見れ・・・悟空さのあの顔を見て悟雲の奴震えてるぞ・・」

「もう一押しだべか?」

「シュウとマイも行かせてみっか?」

 

・・・皆さん聞こえてますよ・・・

 

「行って来るぞ悟空、ちゃんと爺様の言う事を聞くんだぞ。爺様、悟空の事をよろしくお願いします。」

 

ここは頑張らねば!!・・・・なにをだろう・・・・・

 

カカロットが大猿になる恐れがあるので、一月前に親方に依頼して表にあったトイレを家の横に改築してもらって、ついでに家の壁を拡大して中でおトイレできるようにしてもらった。

 

ちゃんと施工料出そうとしたら、水臭いと言われて爺様もお言葉に甘えさせてもらおうと言ったのでお礼を言ってやってもらった。

 

とは言え爺様の家は水道通ってないから昔のぼっとん式だけど、それは畑の肥やしにするからいいそうだ。

 

カカロットの憂いも無くなって、俺も三日に一度は帰郷する。

 

「行ってきます!!」

 

祖父と弟と村人たちの見送りの中、ラディッツは思いっきり駆け出した。

 

気持ちいい!!!

 

地球に来て空を飛んでて直ぐに気が付いた。

この星の重力は惑星ベジータと比べれば無いにも等しい。

 

体が軽い!心も祖父と弟と村のみんなのお陰で滅茶苦茶軽い!!

 

荒野の方に爆速するラディッツの姿が見えなくなるまで送り出す人々は立ち去らなかった。

 

どうか悟雲の旅に良い事がありますように

 

▲▲▲

 

「おーいい!!」

「ぎゃ?ぎゃぎゃ!!」

「はは!逃げるなよティラノ!もうお前のお肉獲らないよ。」

「・・・ぎゃぎゃ?」

 

荒野まで爆速したラディッツは、いつもの肉を獲る恐竜に挨拶に来た。

三月の間、悟飯宅の家計を助ける為に肉を自分で獲って来たのは同じティラノサウルスもどきからで、その肉をもう取らないと言いに来たのだ。

 

「俺は外に行く・・・今まですまなかったな。」

「ぎゃ・・・ぎゃぁ~。」

 

通じたかどうかわからないが、自分の言葉を聞いた後は恐慌状態が収まってゆっくりと背を向けてどこかに行ってしまった。

三ヶ月前は自分を見れば食べようとしてきて三回も会えば逃げる様になってたティラノサウルスもどき、元気で生きてけよ!!

 

その後東の都を目指してひたすらにラディッツは走った。

飛べば直ぐだろうがこの世界に空を飛べるのはいなくも無いが稀であると悟飯に言われたラディッツは、目立つの嫌だし困るし最初の爆速も抑えてゆっくりと走る・・百メートル八秒台とラディッツ的にゆっくりとだが・・・

 

余談だが田舎道に-風小僧-が出ると、噂が出始めたのはどうしてだろうか・・・

 

それは兎も角ラディッツは風景も楽しんでいた。

 

荒野から大道を見つけてそれに沿って走れば、小麦畑や野菜畑が広がり、牛や豚を飼っているパオズ山のふもとの村よりも大きな村の様子を立ち止まって眺め、表で売られていた冷えた牛乳を買って飲んでみれば美味しく、そこで持たせてもらったお弁当を使わせてもらい、柵から顔を出した牛に顔を舐められたのはご愛敬で・・・いつか爺様と弟と一緒に来ようと決めて、また走り出す。

 

だがしかしだ・・・・折角だから飛びたい!!

 

都会に行ってしまって夜中であっても一目があるだろうから今の内に思いっきり空を飛びたい!!

 

もしかしたら地球なら、空飛んで郵便とかのお届け物できる仕事につけるかな・・・背中にジェットエンジンぽいのを背負って其れで空飛んでますよと偽装して

 

埒も無い事を考えながらラディッツは、夜になるのを待つ。

幸い満月は二日前で当分は大丈夫、夜の星の中を思う存分飛んでいける。

 

▲▲▲

 

日が暮れて・・・人も無し!!

 

「はぁぁぁ・・・・綺麗だな・・・・」

 

惑星ベジータ寄りの大気が綺麗な地球は星空が綺麗に見えて・・・・あいつ等とも見たかったと、空中で横たわるように止まって星を見ながら友人たちの顔を思い出す。

 

パオズ山のふもとの村には同い年の子はいなかった・・・ラディッツの思い浮かべるのはマトマ・スーナ・リーキュそしてゲンイン・・・・みんなはきっとフリーザ様達が保護して今も元気に仕事しているのだろう。

 

出来れば・・・・宙域海賊や魔獣討伐や惑星連合が莫大な懸賞金を付けた指名手配犯や組織を潰す仕事をしていてほしい・・・その中に父と母とトーマさん達もいてくれればと、ラディッツはぼんやりと懐かしむのを邪魔された

 

ピピピ!!

どどん!!!

 

夜にもしかしたら通信が入ると思って付けていたスカウターに、突如戦闘力が表示され直後、大喝と共にラディッツの背中に衝撃が走った。

今着ているのはフリーザ軍に支給された(ラディッツ仕様に防御力をめちゃんこフリーザが上げさせた特注品)は家に置いてきて、形は祖父が来ていたのと同じで色はもう少し橙色にした服に黒のズボンであり、服が貫通されたのを感じて驚いて空から落ちるラディッツを嘲笑う声が聞こえた。

 

「ふふん!我が鶴仙流でもない輩が、生意気にも飛べずとも空に浮いていたのが悪いのじゃ。」

 

 

落ちながら下を見た先には、右腕を上げて指先を自分に向けている・・・横に飛び出た様な髪と眉毛と髭が白いところを見るにお爺ちゃん・・・しかも頭の上に鶴の首を模したものを置いた帽子被ってサングラスをかけてるファンキーそうなお爺ちゃん!!

 

 

俺あの鶴のお爺ちゃんに撃たれたの?・・・・なんでだ?・・・・鶴好きなのに・・・




※パオズ山麓の村の双子、シュウ君とマイちゃんはピラフ一味のあのお二人とは別人ですm(_ _)m
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