星空の下、ぱちぱちと音を立てる焚火の前で、沢山夕餉を摂った事で腹がくちくなってご満悦なラディッツは今日一日の事を振り返りかえる。
・・・生きてる・・・俺は生きてるぞ!!!
今修行一日目でマジで死にたくなった・・・意識失う様に寝ていたのを叩き起こされて同じ事を日が暮れるまで二度もやったんだから!やり切った俺は偉いと褒めて貰ってもいい気がするぞお師匠様!!
自分の気を空にして今度はお師匠様の補助なしで、少しずつ回復する気を感じ取る事が課題で、一度目は最初の時のように感じられないって言ったら追加でもう一回になった。
二度目は三度目して堪るかと死に物狂いで自分の中にある筈の気を感知しようと目を瞑ってひたすらに感覚を内側に向けてら、暖かいものをきちんと感じられた。
少しずつじわじわと、どうして今まで感じられなかったのか分からないくらいに温かいものが自分の体をゆっくりと巡って満たしてくれるのがくすぐったいような嬉しいような、へにゃりとした笑いが思わず出た俺を見て、お師匠様も俺が気を自前で感じられたのが分かったようだ。
・・・・でも褒めてくれるんじゃなくて、二度もしてようやくかと毒づかれた・・・俺のお師匠様可愛くない・・・・
昼食は俺は寝虚仮て食べ損ねたがお師匠様は食べて、俺は夕食を今までにないくらいがっつりと摂った。
お師匠様のいうところの舞空術で昨日の牧場に戻ってあるだけの食糧品(成人男性二十人前)買い込んでお師匠様の前で調理する。
鍋かまはいらない!岩を平らに切って気功弾を薄く放って熱処理してその上で焼けばよろしい!
味付けは買った塩と胡椒を振ったら香草を上に乗せて全部焼けるまでひたすら平らな石の端で気を渡して熱していればいいのだ。
ふっふ、大量の気功弾を撃った事で俺は気の扱い方の一つを熟知した!
気功弾を軽く放てば木が燃えるそれはすなわち気功弾にされた気は熱いという事で、これを気功弾の熱を維持したまま掌に留めたらどうなるかと買い物途中で考えて、途中にあったいい感じの倒木を見つけた。
水分もとんで枯れているので試してみら、掌に留めた気は気功弾にならずとも熱を帯びている事になる・・・・これはサバイバルにとっても便利だ!・・・何かの方向性間違えていないかこいつ
しかしラディッツ的には仮に面と向かってそう突っ込まれても痛くも痒くも無い!
おかげでこうしてお師匠様に熱々の焼いたお肉と、端っこで焼いているキノコや玉ねぎの輪切りやら温野菜もとって体にいい物をお出しできると鼻高々であった。
前世で見た焼き肉のたれっぽいソースも買って来たからお師匠様美味しく食べてくれてる。
「お師匠様、其の内小さな鍋買って暖かいスープも作りますね~。」
今は初夏だからいいものの、秋口から冬は荒野の修行は寒い・・・・のかな?
気を巡らせていれば問題なさそうだけど、寒さ対策はしておくに越した事ないしな。
俺の修行は荒野でないとできない代物だ。
あんな荒行を小さな村であっても人里近くでやったら完全にアウト・・・・ウルトラマンレオも森林や滝で修行していたのってこういう理由か・・・・周りの一般市民に怪我をさせてはいけないよと・・・・いやあれは子供心に見ても死にかけてそうな過酷な特訓してたな・・・・・俺のお師匠様の方がモロボシダンよりも優しいな・・うん・・・
黙って俺の作ったご飯食べてくれたし。
お師匠様今は焚火の横で気持ちよさそうに寝息立ててる。
俺も寝よう。
明後日は爺様とカカロットに・・・・いい・・お土産ばな・・・・^~~・・・スゥ〜フゥ〜
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ふん、ようやく寝おったか馬鹿弟子は
ラディッツが寝ていたと思っていた鶴仙人は狸寝入りをしていたのだ。
元来が用心深く、そして暗い道を歩いてきたが故にこびり付いた猜疑心が力の使い方を体得しかけた弟子が、自分の事をもう用済みだと消すか立ち去るかどちらかでもするだろうかと試しに態と隙を見せたのだが・・・・・一向に何も無かった。
立ち去るでも、まして昨日の怨みと襲ってくることも無く・・・・
ラディッツの善性という一番自分が信用していない心掛けに、一度結んだ師弟の縁を直ぐには切るまいとも思った一種の賭けに勝ったのだが鶴仙人は何か釈然としない。
嘘の寝息を立て始めた自分に、背中に小さな穴の開いた服を被せてきたのだこの馬鹿弟子は・・・
寝る前は自分の身銭切って二人分・・・・以上の食料買い込んできて調理して儂にも出してきおった。
しかも気の習得を初歩的とはいえなしえた奴が、あんなへんてこりんな気の使い方をするとはやはり此奴馬鹿弟子決定じゃ。
「言葉遣いも態度も考えている事も世慣れているのに・・・・妙に幼い可笑しな奴じゃ・・」
まるで素直な子供が知識を得てもそのまま育ちましたとでも言うような・・・・そもそもこいつは十二歳だと言っていたが・・・・本当に可笑しな奴だと、掛けられた上着をすぅすぅと無防備に寝ている馬鹿弟子の上に放り返した。
気の習得をしていればこんなもの必要なく、そもそも老人扱いするなと内心で毒づきながら
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「お師匠様、今日修行したら明日は・・」
「あぁ、お前が祖父と約束をした帰郷の日だったな・・・・過保護なもんじゃ、お前ほどの強さを持った奴を襲って勝てる者なぞこの地球にいるとは思えんがな。」
「はは・・・まぁ俺も弟と爺様の事が心配なんで。」
ラディッツは鶴仙人と師弟関係を結んだ時、きちんと祖父・悟飯との約束を果たせるように予め断りを入れておいた。
三日外に行き一日帰ると言うあの約束を
そもそも悟飯としてはまだラディッツを外に出したくはなかったのだ。
しっかりとしているようであって人生経験豊富な自分から見たら、心の成長が果たせていないラディッツが都に行って悪人に騙され傷つかないかと・・・・いやな予感は的中する。
現在進行形で悪人にまんまと言いくるめられて師弟関係まで結んじゃっている子ザルなのだラディッツは・・・・そもそもラディッツの周りの大半の大人は悪人しかいなかったので変に免疫が出来ている分質が悪い
この位の人なら自分で対処可能だと・・・思っていてもころりと絆されるのだから始末に負えないとも言う。
そしてラディッツを取り込んだつもりのいわんや悪人は・・・
それは兎も角として自分の大切な孫の一人を案じてくれる偉大な祖父に会いに行く前に、今日もがっつりと特訓をお願いするつもりであったラディッツの言葉はお師匠様の意外な一言で遮られた。
「この近くにある東の都に行くぞ」
・・・・はぇ?
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高い柱の上に置かれている丸い球状の建物があると思えば、遊牧民族のゲルに近いような建物がひしめてる・・・
地上で車が走っていると思えば空には・・・俺の知っているエアーカーでいいのか似たようなものも飛び交って、中にはバイク型もある不思議な都・・・程よく俺の知ってる世界と未来が融合したような摩訶不思議な世界・・・アドベンチャーワールド
「キョロキョロとするな!田舎者丸出しじゃぞ。」
何かがちぐはぐとしているような雰囲気を醸し出している-都-にたいしてキョロ付いている馬鹿弟子を鶴仙人が注意する。
鶴仙人は東の都の裏社会に活動拠点を置いている。
西の都は国王が住む中の都に近すぎ、治安がいいので裏社会は活動しにくく、その中の都は論外である。
では他にある北はというと冬は雪に閉ざされ寒くてかなわず辛気臭くて好きではない。
南の都はジャングルが近くて暑すぎる。
残った東の都はまぁまぁ程よく気に入ったので鶴仙人はここを活動拠点選んだのだ。
普段は金払いの良い仕事(裏社会のろくでもない事と記しておく・・)の為にどこへでも足を運ぶが、だからと言って休みたい時だってある。
気ままに酒を飲み、若くて美しい女性を侍らせ怠惰に耽る日が・・・・
要は鶴仙人は気ままに暴れて良い酒を飲んで美味しい物を食べそして美女達から黄色い声援を送られる人生を送り、其の上で名声が高まり裏どころか堅気の衆からも尊敬の念を贈られれば最高なのだ・・・・絶対に屑だろうとは・・・今更である・・
そんな都合のいい事起こる訳ねぇのであるのだから
裏の世界と繋がりを持てば、其の内いやでも表の世界にも其の事が知られてしまう。
どうしてか分らないが、リークする奴はどこの世界にでもおり、リークした奴もその自覚がなくとも表の世界の飲み屋で呑んで酔っ払って口を軽くして暴露してしまう事もある・・・そんなこんなで東の都の表の世界の住人は本性を知っているので鶴仙人とはあまり関わろうとしない。
しかしそれも一種ステータスの様に鶴仙人は感じている。
一般人と自分は様々な事が違いすぎる、人種からして違うのだと
そうカッコつけている悪人が、田舎者丸出しの小僧を連れていると思われるのは業腹なので馬鹿弟子を叱りつけるが馬耳東風である。
ラディッツは予めこの世界の住人事情を祖父から教わっていたが、実際に見るとたまげるものがある。
虎・獅子・熊・豚など・・・もっと見回せば自分の知っている動物たちが獣人化して服を着て歩いているのだ。
ワイシャツを着て営業鞄らしき物を持った虎の男性は遅刻すると言いながら大汗かいて走っており、途中でぶつかったウサギの老女にひたすら謝り、その横を人間が当たり前のように歩いている・・・・シュールだ・・・
完全にラディッツは都の坩堝に飲み込まれていた。
ここを南下したところに祖父と弟が待っているパオズ山があるとは思えない程の別世界だと
孫悟飯が建てた家があるパオズ山は丁度ここを南下したところにあり、ラディッツは自分にお肉を提供してくれていた(ラディッツ的に思っている事・・)ティラノサウルスもどきに会う為に少し西寄りに走った為に売店のある牧場に辿り着く。
牧場でお弁当を使って休憩してから、祖父や村の大人達に教えてもらった東の都に辿り着くために夜を待って東に向かって空を飛んだ時、様々な事でむしゃくしゃしていた鶴仙人の鬱憤晴らしに撃たれたのだ・・・・ふつうそんな目に遭わせてきた輩と師弟関係結ぶってない。
ラディッツ大好きな某極悪人達や大好きっ子達が知れば鶴仙人の明日はない!!
・・それは兎も角として、二人が出会うきっかけになった講演に呼ばれたのが活動拠点の東の都の近くの街であったから鶴仙人は面倒くさがらずに出掛けたのだ。
もしも鶴仙人の活動拠点が他の都や街であったれば、そしてラディッツがティラノサウルスもどきに挨拶に行かずにそのまま真っ直ぐ北上して都入りをしていれば、何かのかけ違いがあればこの奇妙なデコボコ師弟が生まれる事は無く、唯々都の凄さにポカンとしていただけであったのかもしれない。
そんな事情は全く知らないが、ラディッツは素直に世界の広さに驚く。
この広い世界を見てきなさいと言った、祖父の言葉をしみじみと思い出しながら歩く様は、鶴仙人の言うところの田舎者であった。
馬鹿弟子が出掛ける前に今日も含めて二日は羽を広げる気満々だったお師匠様の気も知らずに・・・一日くらい修行せんでも馬鹿弟子は強いのだから