俺ラディッツは弟を絶対に守り抜く   作:ドゥナシオン

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新たな出会い

「な・・なんじゃと!!・・・・鶴の奴・・・・何しとんのじゃあいつは・・」

 

某南国の小さな島に居を構えている老人は、お昼に出てくる美人の姉ちゃんキャスターが出るニュースでも見ながらお昼ご飯食べようかなとテレビをつけた時、飛び込んできたニュースにぶったまげた。

 

「今日のお昼のニュースです。

昨日シネマキーン映画会社配給予定の【燃えよ少年】の主演子役の-ラディッツ-さんの武の師匠である鶴仙流創始者・鶴仙人氏が、地元警察と合同で東の都に蔓延る犯罪者集団を壊滅させたことが分かりました。

警察の話によれば氏は売名行為の為ではなく、あくまでも弟子の出る映画公開の前に掃除がしたかっただけだと・・・・」

 

 

ラディッツが無事撮影を終えて映画の宣伝を全国テレビでしたその次の日に、世界の一部の人達が驚くニュースが世を駆け巡ったのだ。

 

 

「あの鶴が・・・・裏社会を潰して・・・・弟子の為じゃと?・・・・何があったんじゃ?」

 

アロハシャツを着て亀の甲羅を背負ったファンキー爺ちゃんは昼ごはんを食べるという事も、そもそもニュースの続報を読み上げている綺麗なお姉ちゃんにデレデレするのも忘れ果てる程に内容に驚いた。

 

かつては同じ師を持ち同門でありながらも道を違えた鶴仙人が、悪党を壊滅させたとは到底信じられなくて・・・

 

 

「親分!あの裏切り者!!俺達の所にまで来ませんかね!!!」

「落ち着け!あのおいぼれの拠点は東の都だ、大方あの爺さんの怒りを買うような下手をうったんだろうよ。

俺達は金払い良くして礼儀もちゃんとしてたんだ、ビビる事ねぇさ。」

「へ・・・へぇ・・・・ならいいんすけど・・・」

「それに最近は例の組織が動き出してんだ・・・・暫く俺達は静観するぞ。」

「へ?けどそしたら実入りがあがったりで・・」

「心配すんな、裏界隈が落ち着いたらまた薬だのなんだのの商売に戻るさ・・・ただ、武器の類はあそことかち合いそうだから辞めるぞ。」

「へい!!・・・・世界征服掲げてんですかねぇあそこは・・・」

「知らんしどうでもいい。」

 

俺達には関係ないと裏の世界も騒ぎ出し、当然裏社会と繋がっているのを知っていた東の都の住人は驚いたが、近頃空き巣やひったくりをひっ捕らえ、お年寄りの重い荷物を率先して運びながら笑っている孫悟雲こと役者名ラディッツの師が、悪人であるはずがなかったのだと、悪党だと言うのがデマだったと・・・・平和の中で娯楽を愉しむ一般人達は楽しい方を信じた。

 

昨日から悟雲ことラディッツは、役者名でも名乗ってみるかいと言うシネマキーンの言葉に喜び、ラディッツと名乗りたいと要望を出した。

 

地球名は孫悟雲、そしてサイヤ人としてはラディッツだが、役者名を名乗る事もできるので両親が付けてくれたラディッツという名前を第二の故郷に定めたこの地球の人達にも知ってほしくて。

 

カカロットも子役になれれば孫悟空またの名をカカロットって自然に名乗れるかな~と先走るほどに喜んだ。

 

そのラディッツは、師の鶴仙人から何も知らされていなかったので正午のニュースをシネマキーンの自社ビルの食堂で他のスタッフ達と見て、ラーメンを食べている手を止める程に驚いて口をポカンと開けている。

 

「・・・その様子だと悟雲君・・・えっと・・・どっちで呼ばれたい?」

「悟雲でもラディッツでもどうぞ・・・」

「君のお師匠様やるねぃ~。これじゃあ燃えよ少年の宣伝効果喰われちゃいそうだよ。」

「は・・・はは・・・そうですね・・・」

 

お師匠様・・・・・今度は何があったのですか・・・・・

 

あの小悪党っぽいお師匠様が、自分の為にやったのだという発言を当然ラディッツは信じてない。

しかし悪党達をぶっ潰したのは事実らしい・・・・明日空から槍降るの?

 

弟子が一番驚いたかもしれない件について・・・・・ラディッツ乙

 

 

そして亀と弟子と同じくらいに驚いたのが

 

「・・・・・・何をしとるのだ兄者は・・・・・」

 

 

▲▲▲

 

「お師匠様、その内に東の都の偉い人から感謝状か勲章でも貰えそうですね・・」

「ふふん!あんなもの何ほどのものでもないが、くれると言うのなら貰ってやらん事も無いのう。」

「・・・・その辺素直じゃないですね・・」

 

何ほどの事もないと言いながらも、機嫌がよくなると髭を触る癖が出ているのをばっちりと見ているラディッツは、溜息の様な小さな声でしょうがないお師匠様だと呟く。

 

すっかりシネマキーンの手配で朝から晩までスタッフに衣食住の面倒を見てもらいながらホテル住まいの二人、特に鶴仙人の機嫌はすこぶるよく、弟子の呟きが耳に入っても機嫌がいいままである。

 

「儂がいい方面で活躍をすればお前の出る映画の売り上げも伸びるだろう。

そうすればこのホテルにいながら仕事が出来るんだぞ?

もっと儂に感謝せんか。」

「はぁ・・・・でも時折俺も料理作りたいんですけどね・・・・このホテルの部屋に小さな調理場がないって言うのは罰当たりますかね?」

「当たり前じゃ!お前は変なところがあるの・・・普通の者はこんな豪華なホテルの食事を毎日食べる為ならしゃかりきになるというに・・・」

「はは・・・・まぁお師匠様が嬉しいなら俺も嬉しいです。

ご飯美味しいですしね。」

 

▲▲▲

 

・・・・そんな風に暢気にお師匠様と話し合ってた時が懐かしいな・・・

 

「兄者、本当にこんなひょろっこい小僧の為に得意先を切って捨てたのか?」

「そうじゃ、悟雲を見てくれで侮るなよ白白。」

「ふむ・・・・気配は己の力量で消しているだけか・・・・」

 

・・・・映画が封切りされて一か月後に、お師匠様の弟さんって人が突然来たよ・・

 

映画の宣伝が終わった一か月後に封切りがされ、様々な意味で話題沸騰となったラディッツ主演の燃えよ少年はシネマキーンとカッチン監督が見込んだ通りの売り上げを叩きだし、このままうまくいけばロングラン間違いなしという程の人気を博した。

 

主演は無論の事、出てくる武闘家達は仇に至るまで洗礼された美しい武の型に魅入り、憎しみに染まりかけながらも世の人々の優しさに救われていく少年の成長の過程が人々の心を打ち、最後に青空に向かって飛び立ちながら終わる様に感動し、二度見三度見のリピーターが続出した。

 

「私の見込んだ通りです。鶴仙人様、悟雲君、次回も頼みますね。」

 

シネマキーンとの再契約時の、あのほくほく顔は凄かった。

 

しかし次回作まで時間はまだまだあるので、一旦ホテルを払って荒野での修業は再開された。

 

とはいえ前回と違いシネマキーンは-一軒家入りのホイポイカプセル-を鶴仙人に譲渡した。

 

ホイポイカプセルは安い物があれば高級品もあり、全ての家具を仕込んで男二人が住める家入りは当然高く値が張るのを平然と渡した。

 

荒野で初めてホイポイカプセルを見せられたラディッツは口を開けて暫く固まった。

 

こんな技術、フリーザ軍でも見たことが無い・・・・何度目か思う

 

 

この地球色々とバグってない?

 

 

▲▲▲

 

「気配を消す事と弱めることが出来たからには次の修行に移るぞ。」

「はい!」

「ふむ・・・・そうじゃのう・・・む?」

 

修行のステップアップという言葉に、ラディッツはウキウキになった。

周りの同世代たちが戦闘力をめきめきと伸ばす中、教えていた筈の自分が置いて行かれたのは実は物凄くショックだったので、次に行ける程の力を蓄えている事が嬉しくて。

 

だがその時間は、鶴仙人にとっては歓迎する人物の訪れによって中断された。

 

地面に座って話していた二人の間に、ラディッツに背を向けて降り立った人物に目を見張る。

 

ピンクの袍と黒いズボンに身を包み黒髪を伸ばして三つ編みにしている細身の男の出現に鶴仙人は嬉しそうに迎え入れた。

 

「おお!久しぶりだな弟よ!!どうした突然?」

 

この世界で空を飛ぶ舞空術をつかえるのは儂と弟だけという言葉を、ラディッツはゆっくりと立ち上がりながら思い出す。

 

この人がお師匠様の弟さん?

 

あまり似ていない気もするが、お師匠様の喜びを見ている限り嘘ではなさそう・・・なのだが・・・

 

「あの・・・初めまして・・・鶴仙人様の弟子の孫悟雲と申します・・・何か俺の顔についてますか?」

「・・・ふむ・・・・小僧、お前は儂の事が怖くないのか?」

「はぁ・・・えっと・・・まぁ・・」

 

いきなり出現したお師匠様の弟という男に顔を覗き込まれて聞かれても、ラディッツは怖くありませんとぺらっというのは躊躇われた。

 

怖いと言えば嘘になる、なにせ本物の鉄火場を仕事場にしていたラディッツ的には、この地球で今会っている人物で怖いと言うのはシネマキーンの様に遣りての商売人の方が怖く、力の強さだけで言えば目の前の人物に怖れを抱く理由はない。

 

気配は静かだが凄味はあり、きっと卓越した武を持っているのだろうが

 

そして怖くないと言ってしまえばそれはお師匠様の面子も潰すような気がして言うのが憚れる。

あんなに嬉しそうなのはシネマキーンとの契約の時に見たのみで、兄弟関係はすこぶる良さそうなので、大切にしているかもしれない弟さんに怖くありませんというには失礼すぎる。

 

様々な事が要因で口ごもるラディッツに、何となく自分を怖れていないのを見てとった桃白白は兄の動向が変わった理由がこれなのだろうかと問いただし、鶴仙人は堂々とその通りだと答えた。

 

ラディッツが手元にいれば、面倒な悪事をしなくても自然と見も名声も手に入るのを後で話してやろうと言う兄の思惑も何と無しに悟った桃白白は、自分達の遣り取りの間も集中して立っているラディッツに目を向ける。

 

自然体に立っているが、こ奴は今儂が攻撃しても止められるのではないか

 

「成る程、奇貨か・・・・兄者にしては妙なものを拾ったな。」

「はぃ?」

「ふふ、お主もそ奴を知ればぶったまげるぞ?」

 

何を言われたのか分からないラディッツは妙な声を出し、鶴仙人は自分の慧眼を裏社会で名が通っている弟に褒められたようで満更でもない返答をするのを、桃白白は益々笑みを浮かべ

 

「面白い、兄者儂にこの小僧の実力を見せてくれぬか?」

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