俺ラディッツは弟を絶対に守り抜く   作:ドゥナシオン

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欲望と野望は簡単には消えない・・・前編

エイジ744 地球

 

レッドリボン軍が世間に悪名を本格的に広める前に、鶴仙人の弟・桃白白と、鶴仙人の弟子・孫悟雲ことラディッツが中の都の軍と協力をして潰してから三年の月日が流れた。

 

その間レッドリボン軍にとって代わるような巨悪が現れる事も無く、地球は平穏な日常が流れていた・・・・地球規模では・・・・

 

 

「はぁ!!!!」

「キェェェェェ!!!」

 

風切羽!!

 

その平穏は一人の少年には訪れてくれず、ここ一年の間にー約束-を果たす為に東の都から数キロ離れた荒野で仕合をしている・・・・ラディッツ自身は超不本意そうに、目の前で壊れはてた-人造人間-を見て溜息をつく。

 

「・・・・・ゲロさん・・・・今度からは俺が壊す前にやめてもいいよね?」

 

人造人間であっても喋って挨拶してから立ち向かってくるのを相手にするのは精神的にきついのだがと嘆息しながら愚痴るラディッツに

 

「お前は弟を守る武闘家になるのだろうが!

敵を倒せんでどうやって弟とやらを守る積もりなんじゃえぇ!!!」

「・・・そうは言いますがお師匠様・・・ゲロさん俺やらないからね。」

「ふむ、前回は三十秒で壊されたが、三号は二分もったか・・・・小僧、今回は何故時間がかかった?」

「きちんと初めましてって言われた相手を壊すのに躊躇っただけ・・」

「・・・・性能は?」

「前回よりも動きは早くっても単調で、-エネルギー吸収-見え見えなので近寄って来たのを横に避けて俺の-風切羽-一発で終わったでしょう?」

「っく!今度はもっと複雑に動けるようにか・・・・」

 

白衣を着た老人・ドクターゲロの今度という言葉に、ラディッツは溜息をつく。

 

自分が蒔いた種とはいえども、人格のある相手をそう何度も壊すのは本当に気が引けるのだ・・・・何がどうしてこうなったかというと、三年前に組織を潰した時にやらかしたラディッツが全部悪い・・・・・とも言えない。

 

-あの時-は緊急事態だったのでしゃーない部分があり、その後もやむおえない事が確かにあり、事情を知る者達も納得しているのだから

 

 

▲▲▲

 

遡った三年前のレッドリボン軍本部

 

ラディッツは保護した(捕らえたの間違い・・)お爺ちゃん科学者と親孝行そうな兵士さん一人の罪一等減じられないかを兄弟子・桃白白に交渉した時、突如レッドリボン軍本部の敷地内の地面が左右に開き、大量のミサイルが西に向かって撃ちだされたのだ。

 

 

「ふっふっふふ!!くっはっはっはっはっは!!!思い知るがいい我等の怖ろしさを!!!」

「き・・・貴様!!!今すぐにミサイルを自爆させろ!!!」

「どうせ我等は反乱分子として極刑か終身刑が待っているだろう!!その前に地獄を味わうがいい間抜けどもが!!!」

 

ミサイルはレッド総帥が時計に仕込んでいた発射装置を起動させた報復用のミサイルであった。

 

自分が死にかけたり捕まったなりした時、世間が平和になる事が許せないという身勝手な思惑を積んだミサイルを破壊するべく、ラディッツはすぐ様ゲロにミサイルの内訳を問いただす!

 

「ゲロさん!!あのミサイルに核弾頭や放射能汚染をまき散らす物を搭載してますか!!」

「はぁ!!??そんなもん積んだ日には、儂等が住めない星になってしまうではないか!!」

 

報復とは言えそんな死の星作る片棒担がされた日には割に合わないだろうという打算的な言葉であってもラディッツは納得をした。

 

この地球に住んで半年地球を見て周り気がついた事は、意外に穀倉地帯は少なく放射線で大地が汚されれば自分達に跳ね返る・・・悪に加担しながらも優秀な科学者がそんな間抜けに気が付かない筈も無いと、ラディッツらドクターゲロの言葉を聞いたと同時に飛んでミサイルの前に回り込みながら言葉の成否を素早く算段し、そして信じた。

 

地上に出る間に息子のゲボから聞いた、ゲロの優秀であろう頭脳を

 

俺にも親父みたいな広範囲型気功弾撃てれば放射線物質丸ごと焼き尽くすことが出来たかもしれないけれど、今の俺に出来る事を精一杯にやる!!

 

ミサイルの前に回り込みながらラディッツは両手に気を巡らせ、回り込むと同時に鳥の羽の様な気を放出しながらミサイルの群れに向け羽ばたくように両腕を閃かせ叩き込んだ!

 

「風切羽!!!」

 

気の通り道をわずかでも拡張してもらい二ヶ月頃から、ラディッツの表に出せる気の総量が上がったが矢張り練れずに密度は無く、兄弟子のどどん波に競り負ける程であった。

 

しかし鶴仙人はそれをカバーできればいいのだと、いつになく労わるように声を掛けられたラディッツはお師匠様らしくないなと思いつつも、助言を貰って自分なりの技を作った。

 

一つの密度で負けても数でカバーできれば

 

幸い気の放出は素早くでき、飛ぶ時と同じく掌からだけではなく指先やそれこそ腕の毛穴からも気を放出をイメージするだけでラディッツはいとも簡単に複数の小さな気功弾を出して見せたのを、鶴仙人は驚き、お前は本当に兄者の弟子向きだと桃白白は笑っていた。

 

気を出した後周囲に散らせるために動かした両手の動きと、もう一度打ち出す為に両腕を閃かせれば鳥が空を飛ぼうとしているようだと

 

其れでラディッツの技の名前は決まった

 

鳥が空を飛ぶためには風切羽を羽ばたかして大空を高く飛ぶ、ラディッツもこの技を以て戦いの空を飛べるようにと、ラディッツ自身が付けた名前

 

風切羽

 

人間が作り出した兵器をいとも簡単に切り裂き爆発させていき、爆発を確認する前にラディッツは破片が落ちる箇所に場所を移し替え右腕を掲げて真上に円を描く。

 

円はラディッツの気の振動を伴い徐々に範囲を広げ、平らな光の膜が十メートル程になった時、落ちてきた破片は膜に当たると同時に灰となって地上に無害で降り積もっていく。

 

いつかこの技をもっと高密度にしてこう叫びたい

 

バリヤーと・・・もう少しカッコいい名前の方がいいかなと思わないでもない・・・シールドの方がいいだろうか?

 

本来は高密度のバリヤーだかシールドに当たった物質を灰にしながら跳ね返す予定なのだが、残念ながら密度が全く足りずに灰は下に落ちてしまうし、特戦隊の皆さんやマトマやゲンイン達ならあっさりと掻き消すだろうなと思いつつ、今はこれだけでも地球の皆さん守れているから、ここから精進すればいいと思いつつ、完全に破片が無くなったのを確認して下に降りたったラディッツは、あっという間に軍の兵士達や将校達に大歓声を以て取り囲まれてもみくちゃにされた!

 

「ありがとうよ少年!!!」

「お前は英雄だぞ!!!」

 

あの方向は間違いなく中の都が目標であり、一足先に飛び立ったヘリからレッド総帥が目標にしたのは国王の住む王宮であった事が判明したとの通信が飛び込んできた。

 

レッド総帥はヘリの窓から王宮が燃える様を嗤って見てやるつもりであったが、子供一人によって撃ち落されたの目の当たりにして完全に心が折られ聞かれるままに素直に白状したのだ。

 

国王と国民を守った、それは味方にとっては歓声を上げると同時に敵であるドクターゲロの目に留まってしまったラディッツは

 

「お前を倒せれば儂の作るであろう人造人間が最強である証になるのだな。」

 

・・・・・物凄く物騒な事をゲロから言われ、兄弟子からも獲物見つけたというような獰猛な笑み向けられた・・・後者はいつも通りだったか

 

▲▲▲

 

「・・・・・レッドリボン軍に資金を出してもらって、人造人間を作って其れで世界征服を企んだと・・・・爺さん正気か?」

「無論じゃ!儂の理論をもってすれば、パワースーツや銃やそれこそ先程あの小僧がしたように通常兵器のミサイルも玩具と化し、儂の生み出した人造人間が世界を征服する予定だったのだ!」

 

・・・・・・えっと・・・

 

「あの大佐さん・・・・その・・・ドクターゲロさんに俺からも質問させてもらっていいですか?」

「・・・・構わんよ、英雄殿。」

「はは・・・・それ内緒にしてもらう約束ですからね・・」

「ふむ、君は無欲だね~。桃白白殿の様に報奨金だけでいいのかね?」

「はい、俺は映画俳優で今のところ食べていけそうなので・・・ちなみにドクターゲロさんを含めて科学者の皆さんの求刑はどんな感じになりますか?」

「ん・・む・・・レッドリボン軍が地下活動をしていた時の相手は専ら犯罪集団を併呑していて、一般市民にはまだ実害がなかったのと彼等の歳を鑑みて執行猶予が付くな。」

 

牢に入れている間に老衰で死なれてもかなわんしという言葉にラディッツは頷き、前世でも今世でも悪の組織に一度本気で聞いてみたい事を質問した。

 

「世界征服をした後の世界をどうするつもりだったんですか?」

 

これは本当にラディッツ個人が純粋に感じていた疑問であった。

 

物語の悪役は分かりやすく世界ないし宇宙征服を企てている事が多く、現実世界でも独裁者は一国を牛耳たがり、そして目の前の-優秀な科学者-は平然と世界征服を口にした。

 

大佐が取り調べている間、彼を捕らえた者として立ち会えませんかという言葉が聞き届けられ、ドクターゲロが取り調べを受けている間にドクターゲロの経歴に目を通していた。

 

メカトロニクスからバイオテクノロジーの権威者であり、ドクターゲロの頭脳をもってすれば確かに可能かもしれないとラディッツは感じた。

 

余談になるだろうが倫理観だけが抜けていて、己の頭脳に絶対の自信がある所なんてフリーザ軍の科学者達とも似通っている・・・マッドサイエンティストなら征服した後の世界をこうしたいというヴィジョンが理路整然としてあるのかと思ったのだが・・・

 

「そんなもんには興味ない。」

 

・・・・・一言でぶった切られた・・・・

 

そんな無責任な事があるかという憤慨する軍関係者一同の言葉にもゲロは眉一つ動かさず

 

「儂は己の頭脳を試しそして理論を証明したかった。

その後の世界の行政だの統治だのの雑事はレッドリボン軍の総帥どもがする予定だったのを!お前達が邪魔をしたんじゃぞ!!!」

 

反対に切れられたのを見てラディッツ個人はゲロの言い分を信じた。

これはあれだ、どこまでも力を試したい戦闘馬鹿な戦闘民族サイヤ人と変わらない。

時折いたのだ、ナッパだのの世代に自分達の今後のヴィジョンを考えずにただ暴れたいから暴れる馬鹿が・・・・その点親父達は自分達の楽しみの為とはいえ線引きしてたな~とラディッツが軽い思考逃避をしている間に、話は変な方向に転がっていった。

 

「しかし世界征服はもういい!!」

「・・・・はぁ・・・」

「小僧!お前はなんじゃ!何者じゃ!!!そこいらの武闘家ですなぞという言い訳は聞かんぞ!!」

 

・・・・・頭のいい悪党ほど面倒なものはないと、ラディッツは溜息をつきながら、宇宙人な事は伏せて気を扱い気功弾で山は無理でも建物位なら壊せますを素直に教えれば、なるほど分かったと何かを納得され

 

「お前を倒せれば儂の作るであろう人造人間が最強である証になるのだな。」

 

・・・・地球の中だけならそうなるかもしれないとラディッツ的にも納得したのでそうかもしれませんと答えれば

 

「儂はお前を倒す事を人生の目標としよう。」

 

儂の夢を奪ったのじゃから付き合え小僧と、嗤っていながらも目が笑っていない表情に気圧されたラディッツは一つ頷いてしまったのが運の尽き・・・・だって本当に気迫が凄かったんだもん・・・

 

▲▲▲

 

壊滅作戦から半年後、ラディッツは中の都の軍から連絡を受けた。

 

執行猶予が付く事になった科学者達の大半は、監視を付けられながらも製薬会社や紹介された化学工業に雇用された。

 

他の者達の仕事先が決まった中、ゲロと息子のゲボだけが決まっていないと連絡を受けたラディッツは、なんでそんな事を俺が連絡受けたんだと思いつつ、お師匠様に断りを入れてとりあえず中の都に向かってみれば

 

「小僧の家の隣に住む。」

「・・・父が済まない悟雲・・・」

 

ドヤ顔で宣言するゲロと、すまなさそうに愁眉を潜めているゲボの姿にラディッツは物凄く馬鹿親ゲロに言葉を叩きつけたくなるのをぐっと堪えて柔らかめに言った

 

「俺の住んでる所は田舎で、科学者を雇うようなお仕事なんてありませんよ。」

 

きちんと自分の住んでいる所はぼかしながらも田舎である事を伝える。

 

仕事しないでこいつどうやって人造人間作るつもりだまさか犯罪また犯すのかと、ラディッツは半眼になって一応聞いて納得できなければご老体でも容赦しねぇと拳に力を籠めれば、ゲロは馬鹿にしたように鼻を鳴らした。

 

「儂位になれば通信で製薬会社が望むような薬の開発は訳はない。

その他にも特許を取るものを作ってそれだけでも食うには困らん!しかし儂の人造人間開発の為にはお前を研究せねばならん!!」

「・・・なんで俺が俺を倒す奴の研究素体になるんですか・・・」

 

馬鹿馬鹿しいと断りかけたのだが、はたと思い留まり冷汗が出た。

 

こんな厄介な頭脳を有した爺様なら、警察だの軍の関係者であっても行方を晦ます事は造作もないんではないかと・・・・目的がはっきりとして自分という餌に食い付いているから自分の側にいるという意思を無下にした日には・・・・やばいやばすぎる!!

 

今は表に居ようとしているこいつを突き放して野放しにしたら絶対にやばい事になる!!!てかやばい事にしかならない!!!

 

頭脳明晰で天才爺様は道徳観だの倫理観など無く、息子さんは人柄的にはいい人そうではあるが、目の前の凶悪頭脳持ちの爺様を止められそうな意志は見られずに、なんならレッドリボン軍に一緒に居たくらいだからブレーキ役になってくれそうにもない!!!!

 

自分と同じくらい強い師兄を思い浮かべたが、監視を頼んだところで面倒だと断られるのが目に浮かぶ・・・・・あの人も武術という分野で、方向性が違うだけで中身は目の前のドクターゲロと変わらないのであるし

 

・・・・・・つまるところ自分が見るしかないではないか!!!!

 

「・・・・・・・村長に会わせるから住民登録自分達でしてくれ・・・」

 

 

ラディッツはこの世界に生を受けて初めてご老体に対してぞんざいな口を利いた。

 

こいつ敬ってやる理由なんぞ欠片もねぇである!!!!

 

「言っとくがな爺さん!逃亡した日には本気でぶっ飛ばすから覚えておけ!!」

 

村に帰る時も修行しに行くにしても、決して目を離さんというラディッツの言葉は、ゲロにとっては願ったり叶ったりであった。

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