俺ラディッツは弟を絶対に守り抜く   作:ドゥナシオン

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パオズ山の麓の山村は良いところなのだ

エイジ744 地球

 

チュンチュン

 

「ふぁ~・・・・じいちゃんお早う・・・。」

「おぉ起きたか悟空や。今日も畑に行くのか?」

「うん!ゲボ兄ちゃんとシュウとマイが待ってっから行ってきます。」

「ふぉふぉふぉ、行っておいで悟空。」

 

孫家の朝はお日様昇って雀が鳴く前から悟飯が目を覚まし、雀が二度鳴いた辺りから悟空が起き出して始まる。

 

ここにラディッツがいる時は悟飯よりも前に起きて基礎鍛錬をしているところであるが、今日は東の都の方にいる。

 

悟空も六歳になり身支度を自分で終えて布団をたたみ、水を悟飯から貰って飲み干して渡されたリンゴを食べながらパオズ山の麓の山村にある畑に向かうのが最近の日課になっている。

 

悟空の服のデザインはじいちゃんと同じがいいという悟空のお願いで、悟飯の服をそのまま小さくした衣装である。

 

お金を稼ぐようになった兄としては、もっと多くのデザインの服を弟に着せたいと目論んでいるのだが、春・夏は同じデザインの服を半袖にしただけで、おらはじいちゃんと同じがいいのという弟の言葉に撃沈されて野望は果たせずにいる。

 

沢山動く悟空としては、丈夫で動きやすいので今の服が一番好きなのだ。

 

悟空は走りながら近所のサルの親子や、本気で喧嘩して(喰われかけて)引き分けた白い虎やその他の猛獣達に挨拶をしながら走る・・・弟を襲われた事を知った某お兄さまが、山中の動物達を脅しまくったとかなんとか、以来悟空と喧嘩する猛獣はいないのである・・・調教済みで白虎など悟空とそのお兄さまを見かけたらごろにゃんとか言いそうであるがそれは兎も角

 

それ以降は山中の動物と友達になった悟空は、沢山の友達に挨拶し終わるころに村に着き、友達が出迎えてくれる。

 

「悟空おはよう!」

「悟空ちゃんこっちこっち!!」

「シュウ!マイ!おはよう!!!・・・あれ?ゲボ兄ちゃんは?」

「さっき井戸の中に猫の子が落ちたみたいで助けに入ってる。」

「い!!・・・でぇじょうぶかな?」

「ゲボお兄ちゃんなら大丈夫よ。私達は昨日取り切れなかった雑草抜きの続きしましょう。」

「うん!へへ、早くあったかくなって、採れたジャガイモ食べてぇぞ。」

「じゃがバターか?」

「おら蒸かしたのに塩付けるのが一番好きだぞ。」

「私はフライドポテト!!悟雲お兄ちゃんがあれにコンソメの粉付けてくれたの美味しかったよね!」

「お~お前達、精が出るな~。」

「あ、ソラマメおじさんおはようございます!」

「悟空、明日は正月準備するから、悟飯さんには伝えておいたけんどももう一度伝えておいてくれろ~。」

「うん!分かった!!」

 

悟飯が村で借りている畑は、近頃はゲボが面倒を見て悟空が手伝っている。

 

理由はよく食べるようになった悟空の食事の支度に(・・・サイヤ人の食欲)掃除に洗濯と家事をしており、畑は自分がすると悟空は五歳になった頃に手伝うと言い出し、悟空から畑の手伝いするんだと直接聞いたゲボが、自分の家の畑のついでに悟空を手伝い、シュウとマイの家は林業を営んでいるので畑は無いが、悟空の手伝いすると張り切っているのを村の大人達と悟飯はほっこりとして見守っている。

 

長閑な田舎は、悟空達をのびやかに育んでいる

 

「また後でな!」

「うん!!待ってるね!」

「悟飯さんによろしくな!!」

 

結局ゲボが戻る前に雑草取りは終わり、水を与えた後の麦踏も終えたので悟空は一旦家に帰り、朝食を摂り終えた後はシュウとマイと一緒にゲボに国語・算数を教わり理科とか社会は別の日に教わる。

 

ここは子供が少なく近隣には他の村はない。

そうすると子供達に基礎学習を教えるのは親であり、もっと上の教育を受けたければ学校のある町などに引っ越すか家庭教師を呼ぶ。

 

だが、山村には今先生と呼ばれるドクターゲロの息子のゲボがいる。

 

ゲボは一般教養と子供の頃に教わった小学生までの勉学ならば一通り覚えており、悟空達に教えるくらいならば何の問題も無い。

 

「いっその事教員免許取って先生になればいいのに。」

 

とはラディッツの言葉で、村の人達もこの村も賑わって学校できるくらいになればいいなと笑う。

 

山村は爺様・婆様が多く、若いのはちらほらいるが子供は悟空とシュウとマイと生まれる予定の赤ん坊を含めて四人だけである。

 

特産品や珍しいところは何もないが、長閑でいいところなんだから住んでみればいいのにと。

 

「じいちゃんただいまああぁ!!おらの好きな焼き魚だ!!!」

「これ悟空、ただいまと喜んだ声を一緒に言う奴があるか。」

 

元気いっぱいの孫の声に嬉しいやら苦笑するやら悟飯は手を洗ってきなさいと言って朝食の支度を終えて朝ご飯になる。

 

「じいちゃん!ソラマメさんが明日は正月の準備するからじいちゃんによろしくって言ってたぞ。」

「そうじゃったな・・・ラディッツも明日から長い休みを取ると言っておったな。」

「兄ちゃんが!!やった!!!!兄ちゃん沢山家にいてくれんだ!!」

「これこれ悟空、食べるか喜ぶかどっちかにせんか。」

「あ・・・へへ・・・兄ちゃんずっと家にいてくれればいいのにな・・」

「悟空・・・・」

「んでもおらにはじいちゃんやシュウとマイや村のおっちゃん達やおばちゃん達がいてくれるもんね!

兄ちゃん大好きだけどおら皆の事も大好きだもん!!」

「そうか・・・儂も悟空と皆の事が大好きじゃぞ。」

「へへ・・じいちゃん大好き。」

 

兄が毎日いない事に少し寂しそうにしながらも明るく笑う悟空の健気さに、悟飯は寂しい思いをさせまいと悟空の頭を優しく撫でる。

 

太陽のように明るく笑う愛しい孫息子と、ほんのりと優しく笑う孫息子

 

悟空も悟雲もどちらも自分の大切な孫息子・・・二人に出会えて、幸せを貰っているのは自分なのだと感謝をしながら。

 

 

「悟空や、ここはいいから手習いに行っておいで。」

「もうちょっと・・」

 

悟空は背がまだ小さいので、踏み台を使いながら悟飯の隣で自分の食器を洗う。

 

数人で洗っても狭くないように流しをリフォームしたが、小さな手つきで食器を洗う悟空に、悟飯は毎回ハラハラとさせられる。

 

兄ちゃんも自分で洗ってる

 

兄が容易く沢山の食器を洗っているのだから、自分の使った食器をちゃんと洗うという悟空の気持ちは嬉しいのだが、如何せん悟空の手は小さく、なのに使っている食器は何度もお代わりしなくていいように大人と同じ大きさにしているので、明らかに悟空の手に余る。

 

洗剤でヌルつくのを悟空はカチャカチャと音をたてながら一生懸命、それこそ鼻の頭の上にも泡を付けて洗うのを、悟飯は見守る・・・・茶碗は今年で三回割れてしまって取り換えたが

 

「へへ!ちゃんと洗えた!!」

「偉いぞ悟空。」

 

今日も食器を落として割る事無く、泡もきちんと流し終えるのを嬉しそうに祖父に言って褒められ、作って置いた沢山のおにぎりを持ってまた山村に行く悟空を見送るのが、悟飯にとっては何よりも楽しいのである。

 

「さて、夕飯は何にしようかのう・・・」

 

もう一人の孫息子も夕方帰ると言っておったし、そうするとゲロさんとゲボさんも来るのかと思うと今から仕込んで置かんと大変じゃと、悟飯が大変さを笑う。

 

本当に忙しい毎日だ

 

 

▲▲▲

 

「えっと・・・豚が四頭いて・・・子豚が七頭生まれて・・・・豚の家族は全部で十一頭になったんだ!!」

「正解だシュウ。」

「うへぇ・・・おら十頭って書いちまった・・」

「私も・・」

「ゆっくりと覚えていこう。シュウも指を使わずに計算できるようになる事を目指そう。」

「「「は~い。」」」

「ゲボさん、そろそろお昼にしねぇか?

-ババの会-も会合終わって芋汁作っておいたのあっためて来るよ。」

「やった!ソメ婆ちゃん大好き!!」

「ご飯!お昼ご飯!!」

「おソメさん。お言葉に甘えて・・」

「ゲボさんはかたっ苦しいね~。ばぁちゃん達はあんた達と一緒にご飯食べてもらったほうが嬉しいんだよ。」

「んだんだ、明日は悟空ちゃんとシュウちゃんと一緒にゲボさんにもにたんとおもち搗いてもらうから今から沢山食べて力溜めてくれや。」

「へへ!おら頑張る!!」

「俺も悟空に負けないからな!」

「私は二人が搗いてくれた餅を沢山丸めて鏡もち沢山こさえるね!!」

「あんれマイちゃん、おっとうのゴサクさが搗いたのはどうすんだ?」

「お母さんが何とかするわよ。」

 

マイの言葉に、それもそうだと公民館の中は笑いの渦が起きる。

 

ゲボは三人を公民館で勉強を教え、空いたスペースで御老女が結成したババの会や、青年団などもこうして一緒にいる事もあり、なくても近所の誰かがゲボと子供達に昼食時に差し入れをする。

 

大抵は汁物や漬物や煮物であり、偶にほうとう鍋などが来るのを、皆で残さずきれいに食べ尽くす・・・・一度など鍋ごと食べてお代わりと言った悟空の言葉に、周り全員がひっくり返った事があるので多めに作って・・・それでも残らないとこはお察しである・・・・サイヤ人の子供いるし・・・うん・・・

 

ちなみに悟飯はこぶし大のおにぎり十個を悟空に持たせている事は明言しておこう!

・・・もっと持たせるべきだろうか・・・

 

お昼ご飯の後は子供達とゲボは少し寝る。

 

公民館は夏は風通しを良くし、冬は火鉢でお湯を沸かしたり持ちを焼くので中は温かいのでぐっすりと眠れる。

 

以前はゲボは起きていたのだが、先生も忙しいんだから休みなと、シュウとマイの肝っ玉母ちゃんに言われて、お言葉に甘えさせていただいている。

 

起きたら暫くはおしゃべりをしたり絵をかいたりして遊び、お腹が落ち着いてから最後の授業をして、悟空達はまた一頻り遊んでから帰路につく。

 

「また明日ね悟空ちゃん!」

「お正月のもち搗くぞ!!」

「うん!またな~。」

 

冬は日が短いので、日暮れ前には帰る約束をしているので、子供達は早く日が伸びる春になってほしいと願う。

そうすれば悟空ともっと遊べるのに・・・

 

「悟空、気ぃつけて帰れよ~。」

「明日はもしかしたら珍しく雪降るかもしれねぇから、夜温かくして寝るんだぞ。」

「うん!!分かった!!!また明日な!!!」

 

走って帰る悟空を、用水路の掃除や畑仕事をしている大人達は手を休めて見送り、悟空もにかっと笑って手を振りながら元気いっぱいに走っていく。

 

偶に猪を見つけて背に乗せてもらい

 

「じいちゃんただいま!!!!」

「お帰り悟空。」

 

家に帰って今日はねと、大好きな爺ちゃんに沢山話す。

 

それは在りし日に、自分の一日の出来事を父と母に嬉しそうに話していた兄と図らずも似た、悟空の楽しい一日の締めくくる方であった。

 

日が暮れる頃にはきっと大好きな兄ちゃんも帰ってきてくれる。

 

悟空と悟飯達の一日は、こうして長閑で平和に閉じられているのであった。




明けましておめでとうございますm(_ _)m
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