エイジ747 地球
△月○日
・・・何年振りだろう・・・・惑星ベジータと同じ重力の中で日記を書くのは・・
まぁここまで重力に慣れるのに半月はかかった。
地球の重力に慣れて七年になるとはいえ、惑星ベジータに十二年も住んでいた俺が、重力装置をブリーフ博士に依頼して半年で設計してもらって、そこから少しずつ慣らして
二ヶ月かけてようやく惑星ベジータと同じ重力の中で日記を書けるようになった。
今重力装置の数値は十・・・そうか、十も重力が違っていれば何もかもが軽い訳だ。
この中で暫く生活をしてみるのもありかな・・・その前に・・・
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エイジ746 東の都
弟と祖父が助けたのは西の都どころかこの世界有数の大企業にして大財閥になりつつあるカプセルコーポレーションの一人娘のブルマちゃんだった。
世の中って狭いな
俺と師兄がレッドリボン軍を壊滅させた時、確か逃げ道全部潰せるように超小型偵察機を作ってくれたのがカプセルコーポレーションの社長さんだって言っていた。
ゲボさんが、畑仕事はなくともゴサクさんの手伝いをする予定なので子供達の無事を喜びながら山村へと帰った後、カカロットと爺様に助けられてほっとしたのか、俺の腕の中でカカロットと一緒にくぅくぅと寝息を立てているブルマちゃんを起こさないように、五分歩いた先にある師匠と俺の定宿になっているホテルに爺様とブリーフさんをお招きし、自分達の部屋の隣を手配して、二人をそっとベッドに寝かせてからブリーフさんがお礼を言う前に俺の方からお礼をした。
「先年レッドリボン軍壊滅の為にご協力をしてくださりありがとうございました。」
おかげでドクターゲロみたいな超絶やばい科学者逃がさずに済み、世界平和に超貢献してくれたのをお礼を言うのは当然なのだが
「いやぁ、儂のは個人的手慰みで作った超小型カメラを使ってもらっただけじゃよ。
そんな事よりも、悟飯さん、そして眠っている悟空君には感謝してもし切れんよ。」
自分がした事は何でもないように言いながら、この通りだと立ち上がって頭を下げるブリーフに、悟飯は儂もできる事をしただけですよと笑い、互いに椅子に座ってそのまま仲良く話し合いだしたのでラディッツはそっとルームサービスでお茶と夕餉になるようなものを頼んだ。
きっとお腹がすけば起きるであろう弟の分も考えて大量に頼み、ルームサービスが来れば匂いを嗅ぎつけたのか悟空はがばりと起きて、そのまま夕餉になった。
「悟空君、娘を助けてくれて本当にありがとう。」
「んん・・・おら声聞いただけだぞ・・・じいちゃん・・」
「ふむふむ、謙虚で良い子ですな。」
「ふふ、悟空もここにいる悟雲も儂には過ぎたる良き孫ですじゃ・・・しかし悟雲や、確かこの都は・・」
「はい、お師匠様と俺が警察に協力をして誘拐犯やその他の犯罪集団は潰しておいたのですが、甘かったようです。」
ブリーフにお礼を言われた悟空は恥ずかしいと祖父に助けを求め、悟飯もお礼も一頻り受けたのと、何よりも気になる事があるのでラディッツに話を振った。
悟飯もドクターゲロとその息子ゲボが山村にまで聞き及び始めた元レッドリボン軍であり、ラディッツと兄弟子が壊滅させたことはラディッツ自身から聞いて知っている。
ゲロさんは分からないが、少なくとも息子のゲボさんは優しい人だと、だから何とかなるだろうと話してくれたのだ。
だが、そのレッドリボン軍が壊滅されるよりも前には東の都の犯罪者集団は組織諸共に壊滅をさせ、警察も二度と悪党であった筈の鶴仙人に借りを作らんとばかりに治安維持に躍起になっていた筈なのだがと、ラディッツはまだ残っていたのだろうかと臍を噛んだが
「いや・・・お恥ずかしい話、あれはきっと西の都から儂かブルマをつけ狙ったものでしょう。」
近頃東の都から逃げてきた犯罪者集団が住み着き、警察からも警告を受けていたのだが
「治安の良い東の都に来るなら大丈夫だと思ってな、警護の話を断って久しぶりにブルマの羽を伸ばしてやりたかったのじゃよ。」
話を聞けば、どうも鶴仙流の名前に怯えた悪党どもは、中の都近くでも東の都近くよりはましと、新たなシンジゲートを作ろうとし、中の都の軍や西の都の警察の目を掻い潜って根を伸ばそうとしているという。
軍よりも鶴仙人達の方が犯罪者集団には恐ろしいらしい。
北の都は東の都に近く、南の都はお金の流通が少ないので西の都が選ばれた・・傍迷惑な理由である
だが、聞きつけた鶴仙人や孫悟雲が出張らないように、ひっそりと証拠もなく慎重に進められているので警察や軍も手が出せないでいるようで
「その内儂等の周りを怪しい奴等がうろつき始めてな、しかし何をするでもないのじゃよ。」
敷地内を伺うだけで、入るでも危害を加えるでもないので警告しか出せず、とは言え危険な事には変わりないので幼いブルマの外出を制限せざるをえなくなった。
ブルマは時折り倉庫や新しい発明品をいじくるのが大好きだが、元来外で遊ぶことも大好きでそれが出来ずに癇癪を起すようになった。
無論広い敷地ブリーフもあの手この手で愛娘を遊ばせているのだが、ブルマは其れよりも外に出たかったのだ。
外で自分が知らない建物や乗り物を見る事が、綺麗な洋服や髪飾りなどをお店で見る事が、公園の池にいる鯉や鳥たちに餌をあげ、知らない同い年の子達と日が暮れるまでお喋りや遊ぶことが・・・・大人の最低な思惑でそれを制限された娘が可哀そうで
「東の都まで警護を付けてもらって、また帰りに迎えに来てもらう予定じゃったのだよ。」
しかし悪党達はひっそりとつけてきて、そして娘の手を放してしまい、そして助けてもらったのだと。
・・・・・西の都の犯罪組織潰すか・・・
弟の口の周りを綺麗にしつつ、ラディッツは西の都の大掃除に算段を付ける。
こんな可愛い小さな子供が、外で遊ぶことも儘らないなんていいわけがない。
子供が子供らしくあれるように、確か二つ目の道場の場所まだ決まっていなかった。
西の都に建ててもらい、自分と近頃腕を上げ始めた有力者たちを何名か派遣すれば、少なくとも抑止力になり、そのまま壊滅させるかと腹の中で算段を付けたラディッツは、そのままブリーフと悟飯にも泊まってもらう事にしてもらう。
仕事を抜け出した事を話して部屋を出て、打ち上げ会の会場でスポンサーに平謝りに謝った後、お師匠様とシネマキーンに叱られ、たははと笑いながら他の後援者の人達にも挨拶回りをすべてこなした後
「お師匠様、実はお願いがあります。」
「何じゃ藪から棒に改まって。」
「実は・・・」
打ち上げ会がはねた後、ホテルに戻りながら鶴仙人に一通りを話せば
「ふむ・・・カプセルコーポレーションのご令嬢と社長をな・・・好きにしろ。」
ラディッツの思う通りにしろとお墨付きを得た。
そして次の日は・・・・まぁまた色々とあったのだ・・・・(お察しください・・)
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「悟空君!お兄ちゃん!この広い所全部がうちなのよ!!!」
「ふぇ・・・お姉ちゃんの家広いんだな・・・畑が百個作れそうだ・・」
「ん・・・畑はないけどママがお花を植えてるところがあるの!後で見に行こう!!」
「おぉ!おら花見るもの好きだぞ!!兄ちゃんも一緒に行こうよ!」
「そうだな。」
目を覚ましたブルマは、どうしても悟飯と悟空とラディッツにうちに来てほしいと頑張った。
だって憧れのラディッツさんと、自分を助けてくれた悟飯さんと悟空君というヒーローに家に来てほしいと思うのは当たり前である!!・・・・間違ってはいないなうん
そしてブリーフも是非にというので三人はそのまま招待を受ける事になった。
元々握手会の次の日は休みをもらっている。
ちなみに鶴仙人は二日酔いで撃沈しているので二日酔いに効く薬と飲み物を置いてラディッツはそっと出てきて、昨日ブリーフが話していた警護の人に連絡をして迎えに来てもらい、五人はあっという間に西の都のブルーフ達の家についた。
「貴方!!ブルマちゃん!!!」
「ママ!!」
「おお心配かけたな!!」
家の門の前ではブルマの母親と思しき金の髪の女性が、泣きながらブリーフとブルマを出迎え、二人も喜色満面の笑みで抱きしめ合い喜んでいた。
「これは家内のビキニです。」
「私の自慢のママよ!あ、ママって言うのはお母さんて言う事ね。」
娘が誘拐されかけたことを事前連絡されていたビキニは、ブルマを見るまで心配で胸が潰れそうになった。
何時もは泰然自若としており、きっと世界が終わる日が来てもその前に美味しいものをみんなで食べましょうと笑いそうなところがあるが、近頃の不穏な気配が現実になりかけたのには流石に堪えた。
しかしそれを救ってくれた人達が客として来てくれた事を喜び出迎えそして愛する子供の無事も確かめられ
「ありがとう孫悟飯さん、悟空ちゃん!私はブリーフの妻でブルマちゃんのママ・ビキニです。」
ブルマとってもよく似た太陽のような笑みを浮かべるのであった。
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エイジ747
あの後ブルマの案内で、悟空とラディッツは温室をはじめ様々なところに連れて行ってもらった。
流石は発明家ブルーフの本拠地であり、ブルマが家の中でも楽しめる娯楽をたくさん用意してあった。
「この動く馬すげぇな!」
「私これのパンダちゃんが好きよ・・・・お兄ちゃんは・・乗らないわよね・・」
「はは・・・二人を見ているだけで楽しいから大丈夫だよ。」
「そ・・そう?」
すっかりブルマにもお兄ちゃん呼びされているラディッツが言った事は本心だ。
可愛い弟に加えて妹が急に出来たようで、そんな可愛い二人が楽しそうに遊んでいるのを見ているだけでマジ尊い!!・・・・犯罪者じゃないぞ!!・・・ホントかな
しかしブルマはお兄ちゃんにも楽しんでほしいと、宇宙船を模した部屋に二人を連れて行った。
「ここをこうすると・・」
「おぁ!」
「・・・これは・・」
「ふふ!驚いたでしょう!パパが作ってくれたのよ!!」
ブルマが何かの装置のボタンを押せば、締め切られた部屋の中にいる三人の体がふわりと浮いた。
無重力発生装置か?
「へへ!兄ちゃん!!俺も空飛んでる!!!」
「そうだな、ブルマちゃん、これは本当にすごいもんだ。」
「・・・ブルマだもん・・」
「ん?」
「ちゃんいらない!ブルマって呼んで!あ、でも悟空君は私の事お姉ちゃんって言うのよ。」
私兄弟が欲しかったのというブルマに押し切られる形でラディッツはブルマと呼び、悟空はそのままお姉ちゃんと呼ぶことになって三人は日が暮れるまで無重力装置や他の事で沢山遊んで仲良くなったのであった。
悟飯と悟空を空を飛んで山村に送り届ける前に、ラディッツは無重力装置で反対に重力発生装置は作れないかとブリーフに確認をし、出来るぞと気軽に言われたので後日また相談に来ますと約束をして、ブリーフ達が見送る中夕焼けの仲を三人で飛んで帰っていき、後日予算を話し合って発注をかけた。
惑星ベジータと同じ重力を味わいたくて
自費だが一応名目は重力装置で鶴仙流のお弟子さん達の稽古にならないかという事で、道場の広い敷地内に畳二十畳分の広さの部屋に装置を取り付けてもらい、試運転と安全確認をかねて三ヶ月は自分が使うと宣言し、速攻使おうとした兄弟子と最近腕をめきめきと・・・身長も筋肉も自分を超え始めた天津飯をけん制し、お金出したのだからとお師匠様も最近優しいので擁護してくれて、合計で二ヶ月半かけて惑星ベジータと同じ重力を見つけて満喫したラディッツであったが
・・・・・そろそろか・・・
「爺様、ちょっとカカロットを数日俺の下で見ます。」
「ほう?・・・・話すのかラディッツ?」
「はい、カカロットも常識を身につけ世間も知りました。」
「そうか・・・・そうじゃな・・」
行って来いと、言った時の悟飯の少し悲し気な顔にラディッツは頭を下げた。
悟空がカカロットと呼ばれている所以を話すという事は、悟飯と自分達は血が繋がっていないと話す事になる。
だがそれでも、自分達を愛してくれた両親がいた事を、そして何故、弟と自分は弟が泣いて月見の会に行きたいと言っても了と言わないのかを、話さなければならない。
いつか知らずに満月を見てしまった悟空が大惨事を起きてからでは遅いのだから
「兄ちゃん・・・この部屋はいると体重くなるな・・」
「ここはブルマの家にあった無重力装置とは反対に、体を重くする装置を使っているからな。」
「ふぇ・・・世の中色んなもんがまだまだあんだな・・」
でも何故体を重くするのだという弟の素朴な疑問に、ラディッツは悟空を床に座らせ己も弟に相対するように座り、長い長い話をした。
自分達がこの星の生まれではなく、行く事も叶わない程の遠い星で生まれた事を。
不器用で戦闘大好きで口が悪いがそれでも家族を愛していた父バーダックと、愛情深く芯の強い母ギネの事を
そして、バーダックが自分達をラディッツとカカロットとつけてくれた事を。
戦闘民族であった事は伏せ、サイヤ人という種族の生まれであり故郷の星・惑星ベジータは隕石の衝突で最早無く、自分達は生涯この地球で生きていく事を。
話し終え、どのくらいの時間が経ったのか分からない程の沈黙が流れ後に、真っ先に悟空が尋ねた事は
「おら・・・おら達じいちゃんの孫じゃねぇの?」
自分達に父ちゃん母ちゃんはいない・・・シュウとマイと新しくできた弟分のハルのようにはいないが、それでも大好きな兄ちゃんとじいちゃんがいる、だから良いと今まで思っていたのに・・
「おら達・・・じいちゃんの孫じゃねぇの!!!」
それが違うといわれた悟空が今まで楽しいと思ていた世界が崩れる程の恐怖に包まれ足元が崩れそうになり泣きかけたのを
「それは違う、爺様は俺とお前の爺様だ。」
何時もの様に、泣きそうになる自分を優しい兄が抱き上げぎゅっとしてくれる。
「お前と俺は確かに惑星ベジータ生まれのサイヤ人で、カカロットとラディッツという名前がある。
それでも、誰が何と言おうと、天地が裂けても俺達は孫悟飯の孫の孫悟空と孫悟雲なんだ。
爺様はこの地球に来たお前を、尻尾があっても構わずに家に連れ帰ってお前を生涯孫にすると決めてくれた。
お前を探し回って爺様の家に辿り着いた俺も孫にすると言って抱きしめてくれた。」
其の時から、俺達は孫家の悟空と悟雲になったという兄の力強い言葉に、難しい言葉は何一つわからなくてもそれでも
「おら・・・おら達にはおら達の事大好きな父ちゃん母ちゃんがいたの?」
「あぁ、素晴らしい親父と母さんだ。」
「でも、おら達はじいちゃんの孫なの?」
「そうだ。」
不安そうに孫なのかという弟の顔をしっかりと見る為に、ラディッツは体を少し話し、弟の目をしっかりと見つめて力強く肯定した。
「俺もお前も孫悟飯の孫だ。
誰かにお前の名前を聞かれた時は、パオズ山に住む孫悟飯の孫で、孫悟空だと胸を張って言うんだ。
俺もそう名乗る、俺達は惑星ベジータ生まれで地球育ちのサイヤ人、孫悟飯の孫だ。」
「うん・・・うん!!!おら!!おらじいちゃんの孫だ!!絶対絶対にじいちゃんの孫だ!!!」
泣きながら、それでもいつものにっぱりとした笑顔で言い切る悟空を、ラディッツはしっかりと抱きしめ誇りに思う。
出自を知っても、それでも祖父が大好きだというこの弟が誇らしく母ギネのように愛情深く、父の様に弟を守る男になるとラディッツはまた誓いを新たにする。
カカロットという名前を、嬉しそうに呼んでいた両親の笑顔を思い浮かべながら
そしていくつかサイヤ人の特性も話しておく。
沢山食糧を消費する事もだが重大な事を
自分達は満月を見てしまったら何も考えることが出来ない大猿と化し、きっと周りを壊し最悪はパオズ山と祖父と山村に被害が及んでしまうだろうと。
「おら!満月を見たいってもう言わねぇ!!皆の事大好きだもん!!!」
「そうだな、兄ちゃんと一緒に満月の前と後の月を見よう。」
「うん!そん時はお空で見たい。シュウとマイと、ハルは大きくなったら兄ちゃんにお空に連れてってもらいてぇ!」
「そうしよう、約束だ。」
「うん!約束」
少し大きくなったラディッツの小指は、小さな弟の小指と搦めて約束をする
満月ではなくとも、きっとお空の月は美しいだろうと