「はぁ・・・これがドラゴンボール・・・こんなものが何でも一つだけ願いを叶えてくれるのか・・・」
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「初めてお目にかかります。俺は孫悟飯の孫で孫悟雲と申します。
以降お見知りおきを。」
悟飯が無事師匠に再会を果たし、ラディッツは抱えた悟空とブルマを降ろして祖父のお師匠様だという亀仙人に右手の拳を左掌で合わせる包拳礼で正式に挨拶をした。
何となれば武道の先達であり、祖父のお師匠様である。
己の門派の先達ではなくとも十二分に礼を取るのがラディッツにとっては当たり前であった。
そう、ラディッツにとっては・・・・だが、その礼を受ける側の亀仙人の心情はどうであったか・・・考えるまでも無く複雑であった。
弟子を二人取り、一人は昨今では噂を聞かなくったがそれでも己の宝を守る為に無益な殺生を繰り返した愚かな弟子であり、もう一人は世間のものから徳のある御仁として名を広めた後隠遁してそれからは音信不通になってしまった、目の前にいる孫悟飯である。
その悟飯の孫であるという二人は礼儀正しく、まさしく好人物であると分かるのだが・・・・悟雲と名乗った者が着ている白袍の左胸の位置にある黒い線で丸を縁取られた中には-鶴-という一文字が入っているからだ。
こ奴が・・・・鶴を悪党から引き離した弟子か・・・
今より八年前、鶴仙人は己の居を構えている東の都の犯罪組織全てを、地元警察と共に壊滅させたというニュースが世界中を駆け巡り、亀仙人もニュースを見て心底驚いた。
そしてその後も鶴仙人はテレビに出ることが多かった。
内容は殆どが正義の味方の様に、鶴仙流を広める傍らで弟子達が武道の修行の一環として都の川の底に溜まっている粗大ごみやらをせっせと運んで川を綺麗にし、犯罪者達を率先して捕まえ、そして遂には民間警備会社と提携した事を正式発表が成されたのを、亀仙人は驚きの連続で見ていたのだ。
ピッコロ大魔王という巨悪を、武泰斗様が己の命と引き換えにした封印した後、自分と共にお師匠様の志を継いで良き世界を守ろうと言った自分の手を払いのけ、正義なぞくだらん!自分は好きに生きると言って、その頃はまだ鶴にとっても未完成であった舞空術でヨタヨタと飛び去るのを見た時、自分達はもう相容れぬ存在になってしまったと心の中で嘆いたのが昨日の事のように思いだされる。
そして数百年が経った時、鶴仙人の名前は良くない・・・はっきり言えば悪名ばかりが聞こえてきた。
鶴仙人の弟も殺し屋になっていると聞いた時は、いつか自分と対峙するかもしれないとまで覚悟を決めいてのだが、その鶴仙人の弟子であろう悟飯の孫は、礼儀正しい好人物である事に、複雑な思いを抱くなという方が無理であろう。
悟雲は今礼をとる為に目を瞑ってうつむいているが、先程ちらりと見た瞳は澄んでおり、何よりも悟空とブルマが慕っているからには悪いものであろうはずがない。
それは分かっているのだが・・・自分と鶴の因果が、この少年のような青年に何と声をかければいいのか・・・亀仙人は本気で悩むのを
「お師匠様・・・・悟雲は奇縁を得て鶴仙人様の弟子となり、今や鶴仙流の高弟として名を馳せるまでになりました。」
「・・・・・」
「私自身は鶴仙人様にはまだお会いした事はありませんが、悟空とブルマは幾度も鶴仙人様とそのお弟子さん達と交流を結んでいるのです。
二人とも鶴仙人様達に可愛がられているのか、会うのがいつも楽しいと言っております。」
「なんと!!」
鶴との因縁を知る悟飯の助け舟の内容に、亀仙人は驚く。
自分の身内と弟子以外には排他的なところがあるあの鶴が、悟空とブルマと交流を持っていて、そして二人の良い子達から慕われていると。
まだ幼さそうな悟空は兎も角、世間の裏表を知っていそうなブルマまでもが鶴仙人をそう評価している・・・・もしかしたら鶴は本当に・・・・・
「孫悟飯の孫である其方が、鶴と縁を結んだとは本当に奇縁じゃわい。」
「・・・・お師匠様も似たような事を言っておられました。」
漸く亀仙人から声をかけられたラディッツは包拳は解かずとも目を開いて顔を上げながら、亀仙人の声かけに応える。
「亀の弟子の孫を弟子に持つ事ほど奇妙な事は無いと。」
「鶴らしい言葉じゃ・・・すまんの、儂とあ奴の因縁でお主の礼をきちんと受けずに。
孫悟飯の孫の孫悟雲よ、儂が武天老師こと世間からは亀仙人と呼ばれるものじゃ。
以降よろしくな。」
「はい、こちらこそ。」
弟子と子等のお陰で鶴の弟子となっている悟雲ともきちんと挨拶をすることが出来た亀仙人は、ここでは何じゃから儂の家に来いと、家を仕舞わせ自分は海亀の背に乗り、ブルマと悟空と悟飯を亀から聞いた空飛ぶスクーターに乗らせてラディッツには舞空術で付いてくるように指示を出し、四人を海上の孤島にある亀ハウスへと招きいれ、とりあえず悟空とブルマに亀を助けたお礼をしたいが何か欲しいものや願いはないかという言葉に、ブルマは兄と亀仙人が話していた時に気が付いた物に目をやり強請ってみた。
「武天老師のお爺ちゃんが首にかけているボールを見せて欲しいんだけど。」
「ふぇ?こんなもんをか?」
「そう!・・・・あぁ!!悟空!お爺ちゃん見て!!!やっぱりこれドラゴンボールよ!!」
ブルマの意外なお願いに、亀仙人はボールを首から外してブルマに渡せば、ブルマは嬉しいのと驚いた声を発して二人を呼びながら、亀ハウスにあるテーブルの上に、ポーチの中にしまっておいたドラゴンボールを取り出し、早速受け取った新しいボールを近くに置けば
ブォン
一瞬だけだが重々しい音共にボールは共鳴するように光った。
「ふぇ!・・・なんじゃ今のは・・・」
「ほぅ・・・・不思議な現象だな・・」
「ふっふ!武天老師のお爺ちゃんもお兄ちゃんも驚いたわね!!」
初見の二人が驚いた事に気を良くしたブルマはまたもや腰に手を当ててドヤり、分須と鼻息を荒くしながら文献で呼んだドラゴンボールの記述を全て話しつくした上で、武天老師のお爺ちゃんにこのボールを貸してほしいとお願いをした。
「一年は石になって探せないけど、その次の年には元に戻るみたい。
二年後にこの三星球(サンシンチュウ)のボールを悟空とまた探してきて武天老師のお爺ちゃんに返すから!」
「亀仙人のじっちゃん!おらも探しに行くからその球を貸してほしい!!」
「う・・・んむ・・」
ブルマはドラゴンボールの願い事を一つ叶えてくれる事と、その後ドラゴンボールは世界中にまた散らばって一年は石になってしまう事を話し、また探して返すから貰うのではなく貸してほしいと願うのを、亀仙人は亀のお礼だから返さんでもいいと言うべきか、ブルマという良い子の決意を受け取るべきかを真剣に悩む。
若者の情熱は素晴らしい・・・・だが・・・自分はお礼をしたいのであって試練を課したいわけではない。
この球があったのは海底であり、偶々カニが食べたいからと海底に、それこを水深何百キロというところに居る珍しいカニ欲しさに潜って見つけた代物・・・・あんなところに行くには自分程の気を操れる達人か、潜水艦であっても最新装備でなければ潰れてしまう・・・さてどうしたもんかのぅ・・・・
「亀仙人様・・・仙人様・・」
「ん?どうした亀や?」
悩んでいると、亀に服を引っ張られて声をかけられたので意識を浮上させた亀仙人は、海亀にため息をつかれながら前を見てくださいと言われたので見てみれば
「ありゃ!!!・・・・あ・・・」
「亀仙人様が難しい顔したからお嬢ちゃんと坊ちゃん泣きそうでしょう・・・」
海亀を海に連れてきたくらいでは伝説のドラゴンボールを貸してくださいというのはやはり無理があり、断られると思ったブルマと悟空は早とちりをして泣きそうであるのに亀仙人は慌てて葛藤していた事を話して、其の上でこれは上げるから探しにいかんで良いときちんと譲ったのであった・・・・悩めるのは若人だけじゃないんじゃよ・・
「へへ・・・亀仙人のじっちゃんありがとう!」
「でも本当に貰っていいの?」
「構わん、儂も偶然見つけたものじゃからな。しかし・・・これではお礼に足らんのう。」
「へ?こんな凄いボールくれるのに?」
それでもお礼が足りないという亀仙人の言葉に、悟空とブルマは不思議そうにするが
「それは偶然見つけたと言っただろう。亀は儂にとって家族じゃ。お主達は家族を助けてくれた者に対して偶然手に入れたものでお礼をして済ませるのか?」
「あ!そうか・・・」
「んと・・・・道で拾った綺麗なもん上げるだけって事か?」
亀仙人は答えを教えるのではなく、答えを出すように仕向けるタイプであり、二人の子供は亀仙人の言葉に導かれてそれぞれ出した答えを言えば、優しい笑いと共に賢い子等じゃと頭をそれぞれに撫でられ褒められる。
いいお師匠様で、自分のお師匠様とはタイプが違うのだなとラディッツは亀仙人に師に対するものとは違うが尊敬の念を亀仙人に抱く。
お師匠様の良いところも悪いところも駄目なところもバッチリと知っているラディッツは、鶴仙人師匠だったら、そんなもんでいいのか変わっておるのうで終わらせているかもしれないと内心で苦笑しながら。
だが、この地球できちんと生きていけるようにしてくれたのは祖父と山村の人達とお師匠様であり、ラディッツは亀仙人に尊敬の念を抱こうともお師匠様は鶴仙人只一人だけなのには変わりはなく、自分と悟空とブルマがお師匠様の因縁の相手に出会った事を話しても大丈夫かなと考えていると、その亀仙人はそうじゃと手を打って四人を再び外へと連れ出した。
「ブルマにはそのドラゴンボールを与えよう。亀を助けてくれて本当にありがとうのぅ。」
「ありがとう!!武天老師のお爺ちゃん大好き!!!」
「あ!こりゃ!!!」
嬉しさ極まったブルマは、なんと亀仙人に抱き着いてツルツル頭部にキスしたのだ!!
儂・・・・儂嬉しいぞい!!!!
意外と豊満な体つきをしている、中身清純そうな娘っ子が自分の意志でキスをしてくれたのだ!!!・・・・もう儂・・・天に・・・・・召されかけた・・
「これ悟雲!!!その禍々しい気配を消さんか!!!!お前はいつからその様な悪しき気を出すような者になり下がったのじゃ!!!」
「兄ちゃんやだよ!!おらそのドロドロとしたの怖いよ!!!!」
「・・・・はへ?」
「ちょ!!!お兄ちゃん!!!!???」
「・・・・・・ブルマ・・・嬉しくても・・・・・・嫁入り前の娘がご老体とは言え異性にそんなことするんじゃありません・・・」
ブルマが亀仙人に抱き着いただけでもラディッツ的には大問題であったのに、何とあまつさえ頭部にとは言え口付けをしたのを見た、妹大好きお兄ちゃんの気が大暴走した!!
本人も-皆様-もお忘れかも知れないが!こいつは現地球上で最強の実力を持っている人畜無害とは程遠いやばい奴なのである!!!
普段ののほほんとした、若しくは間抜けそうでおバカな事をしまくっているが!怒らせたら地球を本当に滅せられる超危険人物なのだ!!!・・・その一端であろうが漏れ出てしまい、祖父の説教と弟の本気の怯えで引っ込めながら、口先だけは真っ当な事を言いやがったのだ・・・・馬鹿であろう・・・
しかしブルマも嬉しいとはいえ男性に抱き着いて口付けをしたのが急に恥ずかしくなり、顔をグミのように赤らめながら亀仙人からおずおずと離れ・・・・亀仙人の体から抜けかけた魂はおずおずと亀仙人の体の中にまた戻った・・・・だって・・・・あのマジもんの怨念気配は怖かったんだもんとは、亀仙人の魂の叫びであり、このお嬢ちゃんをエロの対象にしていたとばれた日には、きっとその日が自分の命日だと悟った亀仙人であった・・・・うん、本当に何してるんだろう双方であろう・・
「はぁ・・・びっくらこいたわい・・」
「未熟な孫が申し訳ありません・・」
「御無礼致しました・・本当に申し訳ありません。」
「もうええわいな。それよりもブルマの次は悟空の番じゃ。」
少しして落ち着いた亀仙人に、悟飯とラディッツは平謝りに謝って、悟空に対するお礼を渡す続きとなれた。
「来い!!不死鳥よ!!!!」
海に向かって雄々しく立った亀仙人は、杖を振り上げ叫びあげたが・・・
ミャアミャア
数分しても何も来ず長閑な海鳥の声だけがした・・・
「あの・・・亀仙人様・・」
「ん?」
「不死鳥の奴は食中毒で死んだのでは?」
「あ・・・そうじゃった・・」
だあ!!!
亀仙人がカッコよく不死鳥といったので、凄い者が見れると期待していたラディッツ・悟飯・悟空・ブルマは海亀と亀仙人の遣り取りを聞いてひっくり返った。
「ふ・・・不死鳥が食中毒って・・・」
「・・・不死鳥なのに死んじゃうって、それ本当に不死鳥だったの?」
「なんかゲボ兄ちゃんがお伽噺で話してくれた奴と全然違った・・」
「亀仙人様・・・」
青年一人と子供二人は不死鳥が食中毒で死んだというギャグの様な話に、悟飯はそんな大事な事を忘れてカッコよく呼ぼうとしたお師匠様のちょっとアレなところに、それぞれの理由で砂浜に寝転ぶ四人に、たははと笑った亀仙人様って・・・お茶目で済まそう、そうしよう・・・
とはいえ
「んむ、悟空に永遠の命をやろうと思ったのだがのぅ・・」
割とやばい事を更っと言った亀仙人の言葉に、ラディッツは弟がそんなもんにならなくて良かったと、割と本気だほっとした。
永遠の命に夢見るものは結構いるが、ラディッツとしては千年どころか万年・・・億年・・・地球が滅びても生きている様なものになって幸せであるとはどうしても思えない方であり、他の穏便なお礼をしてほしいと心の底から願ったのが通じたのが
「よし!!なら儂のとっておきを贈ろう!!!筋斗雲やい!!!!」
またもや亀仙人が杖を空に向けて叫び、程なくして黄色い雲が飛んで来た!!
「ふぅ、きちんと来てくれたか。良かったわい。」
神様から貰って以来、めっきり呼ぶことが無くなったので不死鳥と同じく来なかったらどうしようと内心ドキドキとした亀仙人は、ほっとしながら雲に驚いている四人に説明を始め
「これは筋斗雲といってな、良い子だけが乗れる特別な雲なのじゃ!
見てお・・・・で!!!!」
仙人である自分がお手本を示そうと思って雲に飛び乗ろうとしたが・・・・ものの見事に落ちた・・・そりゃそうだ・・・朴訥な娘っ子相手にラッキースケベ仕掛けようとした輩を乗せる程筋斗雲は甘くないのだ!!
・・・・悟空以外の全員が察して腰を痛ててとさする亀仙人をしら~とした目で見つめれば
「わっほっほ!乗れた!乗れたぞ!!!」
悟空の大歓声が聞こえた。
良い子かどうかわからないが、試してみようと飛び乗った悟空は見事筋斗雲に乗れたのだ!
「やった悟空!!流石私の弟ね!!」
「はりゃ・・・儂駄目じゃったがのぅ・・・」
「・・・悟空さんと亀仙人様ではその・・・」
ブルマは自分の事のように弟が良い子である事を喜び、亀仙人は落ち込む。
昔は乗れたのに解せんと。
「ふふ!雲の上フワフワで気持ちがいいぞ!!姉ちゃんも乗ってみなよ!!!」
雲の上で弾む悟空は、当然ブルマにも声をかけた。
空飛ぶスクーターも良いが、これはとっても乗り後事がいいと。
「そうね、乗せて・・・・あれ?」
「・・・・なんと・・・・」
「そんな・・・・」
「へ?・・・雲!!意地悪しないで姉ちゃん乗っけてよ!!!!」
筋斗雲は乗ろうとしたブルマの足を通しただけであり・・・・乗れなかったのだ。
「亀仙人様・・・この雲は本当に・・・」
「・・・儂が神様から貰った時、確かに良い子しか乗れないと・・」
「それならばブルマのようないい子が乗れない筈が・・・」
「姉ちゃんだって乗れるはずだぞ!!」
悟空と同じくらいに優しいブルマが乗れないのはどうしてだと、ショックを受けているブルマを悟飯たちは優しく抱いて慰めつつ、筋斗雲の特性を再度聞いたが、亀仙人としてもどうしてか分からない。
亀仙人もブルマが乗れると信じて疑わなかっただけに、何故だと答えを探すが見つからずに途方に暮れかけた時
「ブルマ、悟空、ちょっと見ててくれ!」
嫌な雰囲気を破るような明るいラディッツの声が響いた。
自分は雲に乗せてもらえない悪い子なのかと泣いていたブルマの顔も上げる程の優しく明るい声の方を見てみれば
「ど・・・どうしてよ!!!なんでお兄ちゃんが乗れないの!!!!」
自分と同じく、筋斗雲に素通っている兄の姿に、ブルマは自分の時以上に嫌であった。
兄は正義の人で、大勢の人達を助けているまさしく良い子を大人にしたような人の筈なのに・・・だが、ラディッツは気にもしていないのか笑っている。
ラディッツは筋斗雲に乗れる悟空と乗れないブルマを見て先程の亀仙人の説明を考えてみたのだ。
良い子は乗れる・・・・しかし、良い子にも様々な良い子がいるとラディッツは考えた。
悟空のように純粋な心を持っている良い子、良い事をするが時々ちょっと狡い事やいたずらを考えてしまう良い子、悪い事を平然としながらもいい事もする子も、良い事をした時は良い子と、様々な良い子がある。
きっと筋斗雲というのはその辺の判断が物凄く厳格というか、零か一しかない判断刺客出せない単純コンピューターの類ではないかと。
知性がなければ道具という観点で考えてみれば、そんな千差万別の酌量が出来るというのは無理があり、世の中単純明快な良い子でいる事の方が難しいのではと。
別に筋斗雲がアウト判定出そうが、自分はブルマがいい子であることを知っているし、亀仙人への尊敬の念が無くなる事も無いのであり
「ブルマ!雲に乗れない俺は、お前のお兄ちゃん失格か?」
雲に乗れない自分を見せて問いかければ
「そんなわけない!お兄ちゃんが素敵な人だって!私も悟空も!!お爺ちゃんだってお爺ちゃん先生だって!皆が知ってるもん!!!」
「そうか、だからと言って悟空、お前は雲に乗ってやれ。」
「う・・・兄ちゃんと姉ちゃん乗せてくれないのにか?」
「雲が悪いんじゃない、この雲は単純な判定しか出来ないんだ・・・そうだな。難しい質問に答えるのは悟空も苦手だろう?」
「う・・・・うん・・」
「この雲も、悪いもんじゃない。沢山の色んな事を考えている人を乗せるのが苦手なんだと兄ちゃんは思うんだ。」
「・・・・こいつ悪い奴じゃなくて、おらみたいに難しい事苦手なんか?」
「・・・・・まぁ悪い意味ではなくな・・」
「そっか・・・そしたらこの雲とおらって似てるんか・・・・筋斗雲・・・おら乗せてくれるか?」
一度は嫌いかけた筋斗雲に、自分と似ていると言われて友達みたいに感じた悟空は、再び筋斗雲に話しかけておずおずと飛び乗れば
「乗れた・・」
「そうだな・・・ブルマ・・」
「大丈夫・・・悟空!筋斗雲と私の空飛ぶスクーターどっちが早いか競争しましょうよ!!」
「おお!いいなそれ!!!」
「・・・・・危ないからやめてくれ・・・」
「・・・良い子達じゃのう・・」
「全くです・・・筋斗雲の特性でどうなるかと思いましたが・・」
お礼のつもりであげた物が、子供達の心を傷つけてしまうところであったがラディッツのファインプレーのお陰で助かったと、亀仙人と悟飯はほっとする。
筋斗雲・・・もう少し情緒読んでくれとは酷じゃろか?
一頻りスクーターと筋斗雲の追いかけっこを、ラディッツが舞空術で追って見守る中、ラディッツも仕事に行く時間になってしまった。
「すまないな二人共、何かあったら連絡してくれ。爺様は当分亀仙人様の下に?」
「うむ、山村には儂から連絡する。久しぶりにお会いしたのじゃから暫くはお師匠様とおるわい。」
「そうせい悟飯、買い物はせんでいいくらいの食糧はある。爺二人と亀だけじゃったら一週間は持つわい。」
祖父と亀仙人は快くラディッツを送るが
「兄ちゃん行ってらっしゃい・・」
悟空は寂しいとしょぼくれ
ツイツイ・・・
「ん?どうしたブルマ?」
「あのねお兄ちゃん・・・この飴食べて、ピイピイって言えばお腹下してくれるの・・」
「・・・・はい?」
ラディッツの白袍をツイツイと掴んで顔を寄せさせたブルマは、兄の耳にとんでもない事を吹き込んだ!
「お腹壊してるお兄ちゃんを・・・お爺ちゃん先生働かせられないでしょう?・・・お兄ちゃんもお爺ちゃん達とここで暫く静養して・・・」
「・・・・あのなぁブルマ・・・・」
ブルマのとんでもない提案を、ラディッツは遮る
きっと忙しい自分を休ませてくれようとして、仮病になりそうでならないとんでも発明品をよこしてくれたのだが・・・良い子や優しさの種類って本当に千差万別であり、筋斗雲が乗せない良い子ってこういう事なんだろうなと、ラディッツは天を仰ぐのであった・・・・・そういうところだぞブルマちゃん・・・・とりあえず物騒な飴を全て出させ、手のひらに熱を集めて全て溶かした・・・こんな物は二度と作っちゃいけませんとお説教しながら