エイジ750 五月 パパイヤ島
「ご・・・悟空・・・人がいっぱいるな・・・」
「そうか?東の都や西の都の方が人一杯いんぞ?」
「お前何気にシティーボーイかよ!!???」
自分と同じくちょっと田舎もんだと思っていたのに裏切り者がと、半ギレするクリリンに、悟空は兄と姉のところに遊びに行っているだけという言葉にクリリンは落ち着きを取り戻す。
「・・・これ終わったらお前のお兄さんとお姉さんの所に連れてってくれよ?」
「うんいいぞ!これが終わったらおらたち一人前だって亀仙人のじっちゃん言ってたし、兄ちゃんに会っても大丈夫だ!」
「お前のお兄さん厳しい人なのか?」
「うんと・・・・いっつも優しくておらと姉ちゃんの事大事にしてくれっけど、怒ると怖いかも?」
「・・・・・俺会って大丈夫かな・・・」
悟空の兄と姉には会う楽しみが減るからと深く聞かないクリリンに、優しいぞという悟空。
その二人のいでたちは全身オレンジの道着に胸元と背中に亀の文字が刺繍されている。
つい先日師匠の亀仙人の課した修行を修めて合格を貰った二人は、最後の仕上げにと大舞台・天下一武道会に出場する事のなったのだ。
▲▲▲
「・・・・お前達凄いのう、百メートル走をクリリンは九秒八で、悟空は七秒五じゃとはたまげたわ・・・」
「・・・武天老師様は甲羅降ろして走られたら四秒九じゃないですか・・・」
「じっちゃんはええな・・・・」
眠り姫ではないが、ピチピチギャルのランチさん連れてきた事で悟空とクリリンは見事亀仙人の正式な弟子となり、早速次の日から修行をする事になった。
先ずは小手調べの百メートル走
走る前に二人は魔神城で何となく感じた丹田の気というものを引き出し、最初に走ったクリリンは自己ベストを物凄く更新していてビックらこいて、悟空も山村の競争で計ってもらった時よりも一秒縮まっていておどろいて、二人のタイムを見た亀仙人もビックらこいてる。
二人がそこまで早く走れるとは思わず・・・・これは負けておれんわい!!
爺ちゃんハッスルして頑張って、五秒の壁を突き破った!
小手調べの後は早朝ランニングしながらの牛乳配達をして、山寺に行った時に出迎えてくれた和尚様に亀仙人と弟子二人もきちんと挨拶をして二人共立派な子だと褒められた上に、亀仙人からも見込みがあり、来年の天下一武道会に出してもらえることを知って大いにはしゃいで手を取り合ってぴょんぴょんと跳びはねた。
「俺優勝できるか分らないけどお前には負けないぞ悟空!」
「おらだって負けねぇぞクリリン!!」
内容は兎も角、笑い合いながら話す二人を、和尚様と亀仙人は良い子達じゃのう微笑んで見ているのを知らずに。
牛乳配達の後は素手で畑を耕すように言われて、クリリンは仰天したが、悟空は真面目な顔をクリリンに向けた。
「・・・・なんだよ悟空、おっかない顔して・・」
「クリリン、畑耕すんなら聞いてほしい事がある。」
物凄い真面目な顔をしている悟空の言葉はなんであるかと、言われるクリリンと見ていた亀仙人も驚く。
底抜けに明るい悟空がこれほどまでに真面目は顔をしてい言う言葉とは言ったなんであるのだろう・・・ゴクリ
「ミミズを見つけたら殺さないで耕し終えた土の中に戻してやってくれ。」
「・・・へ?ミミズ?」
「ミミズは畑を自然に耕してくれるとってもいい奴なんだ。一匹だって殺したらいけねぇってゴサクおじさんとべこじっちゃんが言ってた。」
「・・・はぁ・・・」
「後は石を見つけたら人のいない遠くに放って、植えた作物の成長の妨げになんねえようにすると農家のおじさん達は嬉しいと思う。」
・・・・・
「あのさ悟空・・・」
「ん?どうしたクリリン?」
「・・・・お前の家はお百姓さんか?」
何故にここまで畑の作り方に詳しいんだか、呆れるクリリンと悟飯の奴は悟空に何を教えているんだろうと思った亀仙人であったとか・・・・こいつ農耕した方が向いてるのではなかろうか?
まぁ・・・それは兎も角として悟空とクリリンは指と手と腕に力を込めてせっせと耕し終わって善良ランチの待つカメハウスに戻った。
小さな島では修行は無理なので、ホイポイカプセルの家なのでこの修行の島に移る事になり、食事と洗濯などはランチさんが見てくれることになった・・・・余談だが、金髪美女のランチさんの方は、暴れる前に亀仙人がランチと二人きりで話をした。
それは、ブルマが取った作戦、即ち虎の威を借りる狐大作戦・イン亀仙人版で
自分の弟子となる孫悟空の兄が、サイヤンℱのスポンサーであり武侠ヒーローで名を馳せている孫悟雲である事を
「ここで普通に暮らしていれば悟雲も五月蠅くは言って来んだろう。
島で好きに暮らす傍らで、あの二人の飯を作るのを手伝ってくれればいい。」
無論蓄えもそれなりにあるので給料を出すと話せば、物凄くおっかない奴を身内に持つ奴の側に来ちまったと頭を抱えた金髪ランチは、あの良い子ちゃんにやらせろよと自らくしゃみをして元に戻り、亀仙人もきちんと青い髪のランチと契約を正式に結んだ。
どうやら金髪ランチは青い髪のランチと違って自分の変身体質(?)を知っているようであったようだが、青い髪のランチはよろしくお願いしますと笑って次の日の朝から沢山の食事を作って三人を待っていた。
お腹がすいたとがつがつと食べる二人に嫌な顔一つ見せずににこにことしているランチに、お代わりと二人は次々に飯を平らげおかずを食いつくし、悟空も満腹になってから修行の続き。
「さて・・・悟空とクリリンは勉学はどれ程できるかのう?」
クリリンは分からないが、悟飯と悟雲の下で育っている悟空が足し算引き算だの九九だのはもう習っているだろうと見積もった亀仙人に、
「ぼくは算数なら九九と割り算までは、国語でしたら一般的に使われている漢字まで読み書きできます。」
「おらもそんな感じかな、あと最近ゲボの兄ちゃんが分数っての教えてくれたけど途中だ。」
「げ!お前勉強もできんのかよ・・・これなら勝てるって思ったのに・・」
「そうか?クリリンだって勉強できんだろう?」
「・・・まぁな・・」
「それに勉強も大切だけど、其れよりももっと大切な事があるっておらのじっちゃんと兄ちゃんが言ってるぞ。」
「大切な事って?」
「えっと・・・クリリンが昨日へたばったおらを庇ってくれた事かな・・・おらすんげえ嬉しかったんだぞ?」
「・・・・よせやい・・・」
勝ち負けの話になりそうであったが、悟空とクリリンはもう幼馴染か兄弟のようにじゃれ合っている事に、亀仙人は笑って分数と社会についての勉強を始める。
世の中に出たら守らなければいけないルールと、様々な職業など、学ぶことは沢山あるのだから。
その後は一時間のお昼寝タイム
「良く動き、良く学び、よく遊び、よく食べて、よく休む。
これが亀仙流の修行じゃ。」
一時間ぐっすりと休んだ後は、亀仙人は幾ら悟空でもこの大岩は動かせまいと用意した岩を、クリリンは無理だと思ったのを・・・・まぁ結果はお分かりであろう、悟空は百メートル動かしたので十メートルある山ほどの大岩に切り替えた・・・流石の悟空も動かせず、弟子達に良いところを見せたいとダイハッスルして見本で動かして見せた亀仙人を少年達はキラキラの瞳で見つめ、気を良くした亀仙人あったとか・・ちなみに動いた距離は十センチであったのだが・・・体鍛えなおそうと決意した亀仙人であったとか・・・頑張れお爺ちゃん・・
そして悟空とクリリンは湖で何故か住んでいる人食いサメに追いかけられながら岸を十往復し、木に括りつけられながら蜂に襲われるのを手刀で倒そうとして刺され・・・とどめは明日からこれを二十キロの甲羅を背負ってとなったが
「亀仙人のじっちゃん・・・これ軽いよ・・・」
「ほへ?」
「悟空・・・お前幾ら出鱈目にすごいからってあんまり調子に乗ると痛い目見るぞ?」
「だってクリリン、丹田に力入れてみろよ?」
「あのなぁ・・・・あれ?本当だ軽い・・」
「だろ?」
「・・・・こりゃたまげたわい・・・・お前達薄っすらとだが気の扱いが出来てるのか・・・しかし丹田に力を常時入れたままではばててしまう。
戦う時や修行以外はお前達の体はまだ幼いのだから無理をさせるな。
悟空、クリリン、お前達はまだ若い。体の基礎をしっかりと作る方が大切なのじゃ。」
「・・・こんなにすごい力が溢れるの使ったら駄目なんか?」
「力とはきちんと基礎を鍛えていけば自然身につく。
目先の力に溺れるでない、基礎鍛錬とそれに伴う心を一人前にしていくのが肝心なのじゃ。」
「えっと・・・ちょっと難しいけど丹田の力に頼り切ったら駄目って事か?」
「武天老師様の言う通り、これずっと使ってたら俺達の体直ぐばてそうだ。
体力とか筋力とかきちんと身につけないとだな。」
「その通りじゃ二人共、気を扱えることに越した事は無いが、気の力頼みはいかんぞ。
最後に物を言うのは基礎を怠らず鍛え抜いた心身である事を、この先も忘れてはならぬぞ。」
「「はい!!!」」
後のこの亀仙人の言葉が、やがて数多の戦士達を高みへと育てる言葉だとは知らずとも、師匠の言葉を素直に受け取り元気一杯返事をした悟空とクリリンは、次の日からは己の肉体の力だけで二十キロの甲羅を背負って毎日毎日修行をし、ある日とうとう山の様な岩を悟空が二十メートル、クリリンが十五メートルも動かし亀戦の度肝を抜かし!見事!!・・・・亀の甲羅は四十キロで背負うことが出来た!!!・・・修行の成果だうん・・・
そして年が明けて五月になり
「へへ・・・似合うじゃないか悟空・・」
「お前だってよく似合ってるぞクリリン。」
「お二人とも良く似合いますよ。」
「悟空さんとクリリンさん、良くお似合いです。」
二人はニヤニヤしながら、師の亀仙人が用意してくれた山高帽付き紺のスーツに身を包んで嬉し恥ずかしをしている。
そして青い髪のランチと海亀が誉めそやすのに二人は益々照れ臭くなる。
何となれば弟子達の晴れ舞台となる天下一武道会に出場する為に出掛けるにあたり、お祝いも込めて道着とスーツをそれぞれに発注をかけたのだ。
「お前達の日々の修行の中には武術の基本がある。
後はそれを自分達で生かすがいい。
どうせ優勝なぞ出来んのだから、世界の広さを知る為に思いっきり戦ってこい。」
青い髪のランチはちょっと見るのが怖いと言って海亀とお留守番する事になり、三人でいざ出陣となり、クリリンは天下一武道会の雰囲気に飲み込まれかけるが、隣でいつも通りにしている亀仙人と悟空を見て次第に落ち着きを取り戻す。
俺だった悟空と一緒に凄い修行を武天老師様からつけてもらったんだ!!
悟空と一緒に大暴れしてやる!!!!