エイジ750 天下一武道会会場
弟子二人を先に受付を済まさせ見送った亀仙人は、さて自分も-ジャッキー・チュン-という偽名で受付しようかと向かった時
「あぁ!武天老師のお爺ちゃん!!」
「亀のじいさん久しぶりだな。」
「こらウーロン!失礼しました、お久しぶりです老師様。」
「おぉ!ブルマにウーロンとプーアルか!元気そうじゃな!!!」
久しぶりに会ったブルマ達に、亀仙人は近づき息災そうで何よりと互いの再会を喜び合う。
「ヤムチャが天下一武道会に出るって言うから一緒に来たのよ。
もしかして悟空が出るの?」
「おお!そうじゃ、悟空ともう一人の弟子のクリリンというのが一緒に出るんじゃよ。」
「へぇ!あいつ強いからヤムチャやばいかもしれないな。」
「ウーロン!!ヤムチャ様だってカプセルコーポレーションの警備員をやりながら鍛えてたの知ってるだろう!!」
「そ・・そりゃ知ってるけどよ・・」
「まぁまぁ二人共、ヤムチャと悟空の両方を応援してあげましょうよ。
武天老師のおじいちゃんはお弟子さん二人の応援ね。」
思った事を正直に言ってしまうウーロンと、ヤムチャ様大好きなプーアルが揉めそうになるのをブルマが止めて、どちらも応援しようと宥める姿は、益々女ぶりを上げている事に亀仙人は・・・ちびっとだけスケベ心が騒ぎ出す・・・・前みたいに何か関心を買ってチュウしてもらえんかのぅと邪な考えがよぎった時・・・
「お兄ちゃんに悟空出ること知らせようかしら?」
「ブルマ、昨日会った悟雲さん、今日は決算の書類作るってぼやいてたぞ?」
「そうだった・・・思い出したわ・・・」
・・・・悟雲の名前が出たので即座に邪心は霧散した!!
そうじゃった!ブルマをスケベな対象にした日には、自分をして実力の底がしれない悟雲の怒りを買ってしまう事は必定であり!今度こそ命日になってしまう!!・・・コホン
「悟雲の奴は息災かのぅ?」
「お兄ちゃん?・・・・相変わらず忙しそうなの・・今日もお仕事なのよ・・・」
「昨日なんて鶴仙流のお弟子さん達との組手試合と、写真集の撮影の日がブッキングしちまって、俺とプーアルが撮影会の代役したんだぜ?」
「ほぅ?写真集とな?」
「そうなのよ!あのね!!お兄ちゃんの背がとっても伸びて!!お爺ちゃん先生が大喜びして鶴仙流の新たな看板になるべく鶴仙流の道着を着た写真集出すぞって去年から気炎をあげてね、日程調整ついたと思ったら・・・」
「悟雲さんとにかく忙しすぎるよ!サイヤンℱの人員配置や設備投資の事とか・・・もっと人雇った方がいいと思うぞ?」
神龍に願って無事に悟雲の身長が伸びたら伸びたで仕事が増えたらしく、あ奴も大変じゃなとは思う亀仙人だが、その辺は情が生まれつつある鶴が何とかする筈じゃと信じて亀仙人は何も言わず、少しこの辺りを散策しくる、後で落ち合おうと一旦別れて再び受付に戻った。
悟空とクリリン、二人の内どちらかが優勝を・・・・するじゃろうな十中八九・・・
ヤムチャの今の実力を見ない事には断言できないが、少しくらい強くなったくらいでは半年前に会った時に感じた実力では二人には勝てんじゃろう。
先程から参加者を見る限り、あの二人にかないそうな者が見当たらない。
無論その事は師としては誇らしいのだが、若い者がいきなり頂点をとった事で慢心して腐ってしまう事を見てきた自分としては、上には上がいるのだと最後の教えを体を張って教えるべく出場する・・・・本気で叩きのめしに行かねば負けるのは自分だと覚悟を決めながら。
一方此方は予選会場内
亀仙人に連れられてパパイヤ島の天下一武道会の受付場所でエントリーした二人は、亀仙人に頑張ってこいと激励をされながら予選会場に入り、中に入ってから早速まっさらな道着に着替えた。
「ふふ!これで俺達武天老師様の亀仙流だって堂々と言えるな。」
「亀のマークが背中にまであるのか。へへ、どっから見てもおら達亀仙人のじっちゃんの弟子だな。」
大人達が大勢いる中で、キャイキャイとはしゃいでいる二人は実に可愛かった。
殺伐としたおじさんや、中にはおばさんや娘さんも少しはいるが、それでも目の保養になってリラックスできるな~と・・・・そういう者達ばかりでは当然ない。
「おい!!天下一武道会ってのはいつから子供の遊び場になったんだ!!」
当然絡む輩もいる
どっから見ても腕自慢で傲慢そうで図体のでかいのにからまれた二人は、困った顔を見合わせる。
ここで騒ぎを起こしたら、師の顔に泥を塗ってしまうのではないかという分別が二人にはきちんと備わっている。
負かるが勝ち
「「騒がせてごめんなさい」」
二人があっさりと頭を下げた事で絡んできた男は気をよくして、騒ぐなよガキどもと偉そうに言ってのしのしと行ってしまった。
「天下一決めるのに色んな奴がいるんだな・・・」
鶴じいちゃんのお弟子さんにも体が二メートル以上ある筋骨隆々な人はいるが、偉そうな人はいないのにと悟空は人にも本当に色々いるのだと一つ学んだ。
しかし、その絡んだ相手は何と悟空の予選第一回の相手であり、大男の振り下ろした腕をよけた悟空が、こっちだよ脛をつついて知らせて上げたら・・・痛いと悲鳴を上げてぶっ倒れて終わりを告げた。
・・・もしかして自分達は強さが物凄い事になっているのだろうかと思い至り、クマの獣人にあたったクリリンに、あんまり力使おうとしない方がいいのではとアドバイスする・・・・間違って大惨事になったら大変だ・・・
悟空のアドバイスに首を傾げながらも、クリリンが舞台に上がるのを見ていた悟空に話しかけてきた男がいた。
「悟空。」
短い髪の毛に見覚えがない悟空は、それでも着ている服ですぐに思い出せた!!
「あぁ!!ヤムチャじゃねぇか!!!おめぇも天下一を目指しに来たんか?」
「まぁな。悟空と今戦っている小僧さんはもしかして・・」
「うん!おら亀仙人のじっちゃんに今戦ってるクリリンと弟子になったんだ。」
「成る程、其れであんなに強くなったのか。
・・・お前に再会するまでは自信があったんだが、こりゃ優勝無理そうだ。」
「ほぇ?」
久しぶりに会った悟空が、大男を指一本で倒したのを見た時にヤムチャは悟空の技量が一段どころか数段上がったのを確信し、見た感想を正直に話すのを悟空は不思議そうに首を傾げる。
ヤムチャが強いのは、ピラフ一味との戦いで共闘した悟空が一番知っている。
刃物がこようが床が無くなろうが心を乱さずに自分と共に快進撃をしたヤムチャが弱い筈は無いだろうと。
しかし、悟空と違ってヤムチャは修行も何もかもが我流であり、亀仙人のようにこういう鍛錬をすればこう強くるという体系が全くなく、ジムでのトレーニングや走り込みが悪いとは言わないが圧倒的に色々と足りないのは仕方がないと言える。
それをヤムチャ自身が痛感したのだが、だからと言ってむざと負ける気も無い。
「本選で会おう。」
「うん!!あ!ヤムチャいるって事は姉ちゃんやウーロンとプーアルも来てるんか?」
「あぁ、俺が優勝だって言ってくれた・・・期待には応えたいがな。」
「おらも頑張るぞ!!後でな・・・」
一頻り二人が話し合い終わった時、丁度緊張していて碌に力が出せなかったクリリンが必死に熊の足に正拳突きをして熊をぶっ倒し終わった後だった。
自分達は師のお陰で本当に強くなったんだなと喜んでいたのもつかの間
「クリリンじゃないか?」
「へ?あぁ・・・」
「クリリン、どう・・・」
「お前まだ武道家になる事諦めていなかったのかよ!」
おかしな声を上げたクリリンにどうしたのかと聞こうとした悟空の声をかき消すように、悟空が何故か嫌だと思う声音でクリリンに話しかけながら近づいて来た二人は
「お前、修業が辛くて多林寺から逃げたのにこんなところで何してんだよ~?」
「あぁぁ・・・お・・・お久しぶりです・・・先輩・・・」
「は!本当に久しぶりだなちびのクリリン。」
細くて背の高い者がクリリンの頭をぴしゃぴしゃと叩き、クリリンの番号を知ると自分の対戦相手ではないかと笑って、精々遊んでやるぜと嫌な言葉を残して去って行った。
「・・・クリリン・・・・」
「ど・・・どうしよう悟空・・・あの二人、俺が前にいた多林寺ってところで一番強かった人達なんだ・・・そんな人相手じゃ俺の負けは・・」
「そんな事ねぇ!!!」
「悟空・・・」
かつてのいじめっ子兄弟子に強烈なトラウマがあるクリリンが様々な事を思い出して弱気になるのを、悟空は力強くそんな事無いと言った。
「おめぇもおらも!亀仙人のじっちゃんの辛ぇ修行をやり遂げてここにいるんだ!
じっちゃんだっておら達の事を一人前だって言ってくれたんだ。
大丈夫、きっと今のクリリンの方があんな奴等よりも強ぇぞ。」
「悟空・・・うん・・・うん!おれ!!思い切ってやってみるよ!!!」
魔神城のあの赤鬼よりも怖いものかと腹を括ったクリリンは
「はじめ!!!」
その一言で先手必勝とばかりに、にやついて油断している元兄弟子の腹に蹴りをぶち込んだ時
「危ない!!!」
クリリンの蹴りで吹っ飛んで壁に激突しかけた元兄弟子を、黒い長袖道着に身を包んだ老人が受け止めた。
「ふぃ・・・・そこのお主!こ奴がこのまま壁に激突してたら今の勢いであれば会場外の道路まで行っておったぞ!」
「へ?あ・・・わわわわわ・・・」
この予選会場は天下一武道会の会場の隅にあり、十メートル先に道路がある。
もしも壁を突き抜けた衝撃ですぐ近くに落ちるのであれば老人は放っておいたが、クリリンの蹴りの威力をもろに受けた衝撃を見積もって、道路に出て最悪は車に轢かれていたかもしれない事を指摘すれば、クリリンは思い至り真っ青になった。
自分はそんなつもりはなく、ただただ強い元兄弟子に勝とうと無我夢中であったのに、
「試合を見ていたそこのお主も、同じ道着を着ているところを見ると同門のようじゃな。
本選は兎も角として予選の相手ではお主等が手加減せんと本当に死人が出るぞ?」
気を付けろと言って颯爽と去っていく老人に、二人は助言を貰った事で本気を出したら周りの人達が危ないのだと知った。
先程もしかして自分達はここの人達よりもうんと強いのではと思った事もあり、それが現実なのだと教えてくれた老人の背中に頭を下げた。
・・・・しかし老人・・・ジャッキー・チュンこと亀仙人は、二人の成長の凄まじさに本気で肝をつぶしたのだ。
まさか悟空どころかクリリンまでもがあそこまでの力量を身につけているとは思わなかった。
先程自分が対戦相手を助けていなければ、最悪クリリンの心に傷になるところであったと冷汗が止まらない・・・・もっと一般武道家の強さを教えておけばよかったと頭を抱えるのであった・・・
悟空とクリリンも、単純に勝って良かったねとなれずに微妙になったのはまぁ仕方がない・・・・だって二人の強さが尋常じゃなくなったんだもの。
その後悟空とクリリンは・・・・まぁあのやりとり見てた対戦相手は降参して順当に勝ち上がったのであった・・・そうなるよね、うん・・・・その一部始終を見ていたヤムチャは今回の天下一武道会優勝はやはり無理だと嘆息したのであった。
その後予選で悟空とクリリンとヤムチャとジャッキー・チュンこと亀仙人は当然残り、他の四人も決まったところでお昼ご飯となった。
お昼ご飯は会場内のご飯所は出場者は無料という事で悟空とクリリンとヤムチャはそちらに行き、亀仙人はそっと外に出てブルマ達と合流してお昼を共にした。
「・・・・相変わらずよく食べるな悟空は。」
「お前その小さな体のどこに入ってるんだ?」
「ふぐふぐ・・・だってここのご飯美味しいんだもん。」
「まぁお前の食べっぷり見てると俺も沢山食べちゃうけどな。ヤムチャさんはどこで悟空と知り合ったんですか?」
「俺はな・・」
悟空達は旧交を温めつつ新たな絆を結び合い
「さっき出場表が張り出されての、悟空とクリリンとヤムチャの名前があったぞい。」
「そっか!!そしたら悟空とヤムチャと同門のクリリンって子も応援してあげたほうがいいわよね。」
「悟空とヤムチャとクリリンってやつがあったらどうすんだよ?」
「へ?どっちもがんばれじゃ・・・プーアルはプーアルで応援してもいいんだからね。」
「うん・・・僕もどっちも頑張れって応援します。ヤムチャ様ならフェアな応援の方が喜んでくれると思うので。」
「然様、試合とは何もお互いを倒す事が全てではない。互いを尊敬し合い高め合う為の場でもあると儂も思うのじゃ。」
ブルマ達も午後の本選について盛り上がって昼食を摂り、終わったところでちょうど本選の始まりが近い城内アナウスが流れ、ブルマ達は真正面から見るというのを、亀仙人は弟子達の戦いを多角的に見えるところで観戦するというのでまた別れた。
ゴーーーーーンンンン
これより!第二十一回天下一武道会の本選を始める!!!!!