俺ラディッツは弟を絶対に守り抜く   作:ドゥナシオン

75 / 233
世界の異変

エイジ750 地球・九月八日

 

何時もの長閑な朝、天気はまだまだ夏の様にピーカンで、今日も暑くなるのだろうかとニュースの天気予報士が予報を出している時、中の都の防衛部が大騒ぎになっていた。

 

「駄目です!!防衛用通信機器の衛星が、全てロストしました!!」

「それと同時に地上を監視する衛星も全てロスト!!!」

「地上用の通信機器はジャミングなどされておらず、またケーブルも寸断された様子はなくこちらは機能しております!!!」

「ならばそちらにも異変が起こる前に!王国軍全部署に通達!!!

謎の異変で防衛用の通信機器衛星がロストした事を鑑み!各部隊第一級警戒態勢で戦闘配備準備を!!国王陛下への報告は終わったか!!??」

「三分前に報告が終わり、陛下は各大臣と官僚達を緊急招集されています!!」

 

部下かなの報告に、中の都の軍の大将ジェネラルは一息つく。

閣僚達が会議にここに集まれば国王陛下と共に守りやすくもなる。

 

準備が出来次第、どのような異常事態が発生するか予測しかねる。

 

そして通信機器がいつ絶たれるか分らない故に、部隊展開の判断はいつであろうとも各自の判断でする事を厳命した。

 

今から六年前、二人の武道家の手を借りて世界征服の野望を持っていたレッドリボン軍という悪が芽吹く前に叩き潰した時、レッドリボンの総帥・ブラックは最後の足搔きで中の都、それも国王の離宮目掛けて百発のミサイルを発射させてきたとんでもない事態が勃発をした。

 

其の時は孫悟雲が未然に防いでくれたが、中の都の軍部全員が知らしめられた

 

この世には思ってもいないような凶悪が組織として在るのだと

 

この地球が単一国家になってもう五百年近くがたち、その間紛争も内紛も前世紀では起こったと教科書で少し習う程度に平和であったこの世界にも、邪悪な者達が組織を作る事があるのを今一度現実感をもって叩き込まれた。

 

あの教訓を生かすべく、警戒なぞどれ程してもいいくらいの非常事態に見舞われている。

 

「情報部に通達!各種の民放に国家緊急事態宣言を発せさせろ!!国民にも・・・」

「ジェネラル大将!!」

「なんだ!!今は国民への通達の指示を・・・」

「孫悟雲さんから緊急通信が入りました、民放と国営放送の国家緊急事態の指示出しのマニュアル対応をします!!」

「分かった・・・回してくれ・・・・」

 

世界の危機や、未曾有の大災害が起きる前に対処している・・・・テレビや映画のヒーローが現実に飛び出たような人物が、このタイミングで緊急通信を使うという事は、彼もまた何かを感じたのだろうか?

 

「もしもし!そ・・・」

「すまないが一方的に言わせてもらう。世界の危機です!」

「そ・・」

「今世界中から、得体のしれない化け物のような者達の気配を感じまして、すぐに一番近くの気配がした北の山に行ったところ、容貌が怪異な者ども数百がジングルベル村に向かっていたのでそちらは消しました。

消してみてわかりましたが、グレネードランチャーやロケットランチャーだのの高火力の兵器であれば通じそうです。

ジングルベル村を襲おうとしていた同程度の気配が世界中に展開しつつあります!!

早く国民に向かって何者かが世界を一斉攻撃しようとしている事を伝えてください!

鶴仙流の弟子とサイヤンℱの警備員一同と、カプセルコーポレーションの警備ロボットを全て世界各地で敵の気配が多いところに回しました、少ないところはこれから俺が出向いて殲滅してきます。

ただ、中の都と西の都の近くが一番敵の気配が多く少なく見積もっても五百ずつは向かっています!!、お気を付けを!!」

 

通信は切られ、それは本当に孫悟雲からの一方的な指示であった

 

怪異の化け物とはどんなものか・・・・・幸い、高火力であれば通常兵器でも通じるという情報は有難く、孫悟雲との通信はスピーカーで聞いていたのが幸いして、自分が支持を出す前に、国民に向けての軍部からの発表を先程の部下がもう段取りに入っていた。

 

国王陛下からの発表を待っている訳にはいかない・・・あの青年が、世界の危機だと言ったからにはその通りになる筈だ・・・

 

「私だ、各部隊の装備を今持たせているものから最低でもロケットランチャーを装備させて直ぐに部隊を展開させろ!!

部隊展開は円陣とし、都・町・村を問わずに住民全てを円の中心に入れて守り抜け!

鶴仙流とサイヤンℱが全面協力をする事を、-あの-孫悟雲が確約してくれた!!

気張れよ!!!」

 

あの、と、枕詞がつくほどに、王国軍の孫悟雲への信頼は凄まじかった

 

生ける伝説、本物の英雄、何と言っても言い足りない程に孫悟雲は人々を日夜助けている・・・それも孫悟雲が単体で動いた場合は全てが無償で

 

いつだったか森林火災が村まで迫った時、彼は村の近くにあった巨大な滝の流れ口を押し広げて火に向かわせて鎮火させた。

 

その時の大規模火災の鎮火を評して勲一等と賞金という名のお礼金を渡そうとしたが

 

そのお金は森林の復興に使って欲しい

 

そう言われた・・・・それを聞いて、彼を偽善という者もいたが大半は彼に畏敬の念を抱いた

 

その彼が全面的に力を貸すと言ってくれた・・・如何に訓練をしている軍とはいえでも、自分達は本当の意味で組織的攻撃を受けたのは今回が初であり、不安がる者がきっと大勢いる

 

だから、お守り代わりに孫悟雲が絶対に手を貸してくれると伝えた・・・これが効いて全兵士が奮い立ってくれることを、ジェネラルは祈るような思いであった

 

そのお守り、孫悟雲ことラディッツの形相は修羅であった

 

誰が、何の目的で、こんな化け物どもを作ったのか、心当たりを脳裏に浮かべて一番に東の都の鶴仙流の本部に来ていたドクターゲロに無言で残しておいた死骸を見せつけたら、なんだこれはとドクターゲロに本気で驚かれ、お師匠様・鶴仙人の方が真っ青な顔をして震えはじめていた。

 

これは本気で不味い・・・・そう確信したラディッツは、鶴仙人に話を聞く前に自己判断で弟妹弟子達に敵の気が多い都や村に全て派遣し、サイヤンℱの実働部隊を動かしつつ、文官に居続けされる社員に、誼を得た在野の武道家達に警告と救援要請を発せさせ、ホースのかつての上司・ジェネラルから正式に教えられた緊急通信を使って世界の危機を警告を発し、落ち着いたであろう鶴仙人から震えるような声が絞り出された・・・・

 

化け物の遺骸はピッコロ大魔王という魔族の眷属であると・・・・ピッコロ大魔王がこの世に顕現しない限りは決して現れないものである事を・・・・・

 

 

そこから世界は一気に沸騰した・・・文字通り

 

襲撃が来る前に防衛線の中に入れた者もいれば、運悪く逃げ遅れた者がいるが舞空術を身につけた鶴仙流の弟子達が駆け付け、気功弾を連続で撃ち続け民間人を逃がし、軍の兵士も化け物の容貌に怯みそうになりながらも、与えられた場所で踏ん張る・・

 

中の都と西の都にピッコロ大魔王の眷属と思しき化け物どもが殺到したのを、天津飯を始めとした高弟達が駆け付けた。

 

王宮内には桃白白自らが入り、離宮のてっぺんに陣取り睨みを利かせる。

 

「ヤムチャ、聞こえるな。」

「はい!念話がよく聞こえてます。」

「お前に色々と仕込んでからの初実戦だ、狼なら自力で敵を食らいつくして生き残れよ?」

「了解です・・・・桃白白師兄も・・」

「ふん!多少腕が上がったとて調子に乗るなよ小童、自分と周りの心配だけしておれ。」

「はは・・・・頑張りますよ・・」

 

念話で話しながらも、ヤムチャは迫る化け物の集団に自ら突っ込んだ。

 

ヒュ~・・・

 

「新!!狼牙風風拳!!!」

 

数個の気功弾を周りに浮かせて自分よりも先に敵にぶつけ、穴の開いたところに飛び込み食い荒らしていく周りを、カプセルコーポレーションが用意した警備ロボットと、ランチャー系の武装をした兵士達が鶴仙流の弟子達と共に戦うのを、桃白白は遠目で見ている。

 

もしも彼等が死ぬ事態になっても、自分はここから離れない、優先すべきは国王陛下だから・・・金の話ではない、この世界の為の話だ・・・・だが、もしもの時はこの目に焼き付ける・・・・彼等が最後まで抗う事を疑わない桃白白は、彼等の最後までの奮闘と死に様を覚えていてやるために・・・

 

 

カプセルコーポレーションは敷地内全てを解放した。

 

避難民の為に場所を提供し、ありったけの高火力武器を拠出し、ドクターゲロと共に開発した医療品を倉庫から全てだし、怪我人用のテントも出せるだけ出した。

 

「まだ場所は沢山あります!!落ち着いて奥に進んでください!!もしも誰かととはぐれても大丈夫!!落ち着いたらきっと出会えるようにしますので今は誰とであっても共に奥に避難してください!!!!」

 

お兄ちゃん・・・怖いよお兄ちゃん!!!

 

テレビとラジオから聞いた非常事態宣言と、直ぐにやって来た異変にブルマは怯えて誰よりも信頼しているお兄ちゃんを思いながらも、気丈に振舞い逃げる人々を励ます。

 

小さな体から発せられるとは思えない声を敷地内全てに響く拡声機を使って、絶対王国軍が孫悟雲と鶴仙流のお弟子さん達とサイヤンℱの人達が助けてくれると、自分が信じている事を伝えながら・・・震える足を叱咤しながら・・・・それと同時にブルマは気が気でない事がある・・・・悟空達は無事だろうか・・・・山村は?フライパン山は?・・・・お願い!!間に合ってお兄ちゃん!!!

 

ブルマと、そして世界各地を飛び回りながらも心はその場所に飛びたいラディッツの想いとは裏腹に、山村も温泉街になりつつあるフライパン山も無事であった

 

フライパン山の方は、湧いている温泉があの世とこの世が交わらないように焚かれている炎の湯気でわかされている事が要因であった。

 

焚かれている炎は聖なる炎であり、自然温泉のお湯にも聖属性が付与され、湯気であっても魔族達にとっては焼かれるような痛みが発せられる、謂わば結界となり近づけなかった事と、数年も聖なる炎に燃やされたフライパン山の跡地にも聖属性が発せられ二重結界が旗後に逃れた牛魔王達を守っている・・・・だが、山村の方ではサイヤンℱの警備員が訝しむ程に何事も無かったのは・・・現時点では誰にも分からなかった。

 

だが、人々を守るのに圧倒的に守り手が足りない・・・・・そんな中、絶海の孤島でバカンスをしてテレビもラジオも付けていない亀仙人の下に、一本の電話がかかった

 

 

「もしもし、どな・・・」

「亀!!!!お前は世界がとんでもない時に何を暢気にしておるのだ!!!」

「・・・つ!!鶴の!!!な・・・なんじゃ突然・・」

 

掛かって来た電話に出た亀仙人は本気でぶっ飛んだ

 

自分の弟子の孫悟飯の孫が鶴の弟子だと知った時以上に・・・・数百年前のあの時に別たれた兄弟弟子が・・・・いまさら何を・・・そう言おうとしたら

 

「ピッコロ大魔王が復活した!!!」

「な!!???ピッコロ大魔王が・・・」

「今朝方悟雲の奴が、ピッコロ大魔王の眷属と思しき化け物を数百倒し、其の遺骸を儂がこの目で見た!!

そういえばお前ならばわかるじゃろう!!!」

 

わかる・・・・鶴が見たというのであればそれは全てが本当である事が・・・

 

「・・・あの時と同じか?」

「そうだ・・・亀らしく情報を知るのものろまか・・・今儂の弟子とサイヤンℱが国王軍に協力している・・・・儂も出る・・」

「分かった・・・儂はどこに行けばいい?」

「・・・貴様今どこにいる?」

「南の島じゃ・・・」

「悟雲の奴からの情報じゃと不思議とそちらにはおらんらしい・・・西の都の手が足らん!どうにかして這ってでも行け!!!」

「ふん!!お主こそ腰を痛めてでも行けよ!!!」

 

互いに憎まれ口を聞きながら、同時に電話を切った

 

あの・・・・ピッコロ大魔王が・・・・

 

「・・・・ドンパチかいじいさん?」

「ランチちゃん・・・」

 

蒼い髪のランチではなく、金の髪のランチが腕組みをして仁王立ちになって問うてきた。

 

「さっきラジオをつけたら世界中がドンパチしてるってんじゃねぇか・・・面白れぇから俺がじいさんをドンパチの場所に連れてってやるよ。」

 

なにせあんた、飛行機飛ばせられないもんなという言葉に、亀仙人は真剣な顔をした。

 

「これから行く場所は殺し合いの場所じゃ!素人のお主が行っていい場所ではないんだぞ!!」

 

幸いここには敵がこない、亀と共に待っておれという言葉を、ランチは鼻で笑った。

 

「今は来なくてもじいさんが行って少しして来たら俺はどうすんだ?」

 

亀は海に逃げればいいだろいうがという言葉に、亀仙人は何も言えなくなってしまった。

 

こうとなっては、ランチの言う通り連れて行くしかない・・・

 

亀を海に逃がした時、お二人ともご無事でという言葉に、ランチはまた帰ってきてここを起点に宝物探しをしに行くさと笑った。

 

盗賊をやめさせられたランチは、ラディッツから魔神城の秘宝の様に・・・そこまで危険でない場所の秘宝の地図や情報を貰ってトレジャーハンターに転向した。

 

未知の場所、襲ってくる肉食動物に恐竜達を倒して或いは掻い潜って宝を手に入れるスリルにはまった・・・そして、カメハウスに戻ればお帰りと、金の髪でも青い髪でも戻って来た自分を邪険にせずに出迎えてくれるじいさんと亀がいる生活を案外気に入っている・・・・絶対に帰ってきてやると亀に約束をしてやるほどに・・・

 

 

そして二人が最新のジェットフライヤーで駆け付けた西の都は外側が酷い事になっていた。

 

死人こそ出ていないが、怪我人で溢れ、化け物どもの遺骸や焼けた匂いが辺りを充満させている・・・・どうやら第一波は凌げたかと、亀仙人はほっとしたが、昔と同じであれば第二波がきっとくる・・・

 

「武天老師のおじいちゃん!!!!」

「じいさん無事だったのか!!」

「ランチさんも来られてよかった・・

「おぉ・・・ブルマもウーロンもプーアルもぶじであったか・・・だが再会を喜び合うにはまだ早い・・・ブルマよ、カプセルコーポレーションで一番の火力のある銃をランチさんに貸してほしい。」

「ちょ!!ランチさんって確か武術何も知らないんでしょう!!??」

 

そんな女の子に何させるつもりよと、ランチを守ろうと怒るブルマを、ランチがブルマの頭を撫でて宥めた。

 

「お嬢さん、俺はあんたと違ってドンパチには慣れてんだ。

高火力武器で遠くから援護くらいは出来んだよ。」

 

お前の事はじいさんや時折くる悟雲から聞いてる。

可愛い女の子、人の為に沢山の想いを持てる良い子だと・・・確かに、戦力がほしいこんな時に、戦えるかもしれないという赤の他人を心配する、頭のねじが緩い良い奴だ

 

「あんたの事もじいさんの事もこのランチ様が守ってやるよ。」

 

くしゃみをしないようにと、ランチは普段なら絶対に嫌がってしない事をしている。

 

髪をゴムで一纏めにしている

 

自分を縛る事は髪留めであっても嫌がるランチが、生き残る為にした・・・・くしゃみをしたら絶対に自分も周りも死んでしまう・・・そんな間抜けはごめんだと・・・

 

世界同時侵攻に対して防衛網が築きつつある

 

中の都と西の都に鶴仙人と桃白白が入り、最前線戦に武天老師が来た事に誰もが驚き、ビルの屋上の一つ下のフロアーからランチはいつでも援護できるようにランチャーと弾丸を置いた、無論予備の入ったホイポイカプセルをありったけ持たされて

 

そして逃げ遅れた人々を、ラディッツが必死に飛び回って近くの防衛線の中に連れて行く・・・・ピッコロ大魔王という奴を探しに行きたいのに、物量攻撃の前でそれが叶わない・・・・大量にいる敵の中に、大魔王が紛れていては探しようがない!!

 

苛立つラディッツを尻目に、他の事態が動いてた・・・世界中に散っている筈のドラゴンボールが一か所に集まりつつある・・・・そして今日この日、ドラゴンボールを悟空とクリリンが南の島に探しに行っている事なぞ知りようがなかったのだ・・・

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。