エイジ753 地球 第二十二回天下一武道会・・・・
「・・・なぁ悟雲・・」
「・・・・どうしたマーク・・」
「あの二人、何時まで空中でどつき合ってるんだ・・・」
「・・・俺に聞かんでくれ・・」
「悟空とクリリン君は本当に強くなったのだな・・・」
「馬鹿ね馬鹿・・・やるなら地べたで殴り合ってなさいよ・・」
「ミゲル~・・・本当にあの二人大丈夫かなジュニア?」
「おらも心配だよ・・・二人ともいつ落ちてくるか・・」
「チチ、ここは武道家の妻になるものとして堪えれ・・んだどもおらもも心臓飛び出しそうだ・・」
「いざとなったら-親父-が何とかするだろうからマーク達も曾祖父様も安心してくれ。」
・・・・俺の責任重くしないでくれるかなジュニア君?
折角悟空達の雄姿見せようと学校仲間のマークとミゲルとトニー(・・・お前それでいいのか・・)の両親に頼んで三人を天下一武道会の特別実況者に呼ばれた自分の席の横にご招待して、爺様とチチと牛魔王さんも呼んだのに、肝心の悟空とクリリンが五分もお空の上って・・
全く持ってミゲルの言う通り、空中行かんで地面の上でやり合って欲しいとラディッツは切実に思う・・・五回戦まではそんな感じで済んでいたのにと・・・
今は天下一武道会第二十二回大会の第六試合、つまり準決勝進出をかけた大勝負を、亀仙流の同門対決・クリリンVS悟空が繰り広げ、もうかれころ五分ほど空中で蹴飛ばし合い殴り合いそれを防ぎつつまた殴るというのをしている・・・体力底なしかあの二人は・・・
あまりの長さに、プロ実況者は特別実況解説者・孫悟雲に助けを求めた!
「えぇ・・・ここでちょっと今回の特別実況解説をしてくださる、孫悟雲さんにお尋ねしますが、あのお二人は舞空術を使っていないんですよね?」
「はい、今期からの特別ルールで三分以上の舞空術での空中での戦いは、会場外にどのような危険を及ぼすか分らないので禁止になっています。」
例えば夢中になりすぎて左右どちらかに気功弾を放ってしまっては、空中ではシールドが無く、気功弾の類でけが人が出ないように見張っているラディッツと鶴仙流の高弟だとて万能ではないので禁止事項に盛り込んである。
「しかしクリリン選手と孫悟雲選手が空中に上がってもう五分経過していますが・・」
「あの二人は・・・・互いの蹴りや殴る力で互いを押し合って・・・その力で空中に留まるという・・・・あまりにも並外れた事をしてるんです・・」
なので特別ルールには抵触していないという孫悟雲の溜息のような言葉に、周りはざわつき凄いもん見てるんだなと興奮する。
今回の天下一武道会も前回同様に凄いことだらけだと・・・
▲▲▲
今回は鶴仙人が、亀仙人の弟子だけでワンツーを決めさせるかと息巻いて、天津飯・餃子・ヤムチャと近頃腕を上げてきた黒ヒョウ族のピューリを武道会に送り込み、結果全員が本選に出場・・・・まぁ当たり前だな・・・
「今回は出なくて良かったんですか武天老師様?」
前回同様にジャッキー・チュンとして出るかと思っていた亀仙人が、予選会場にも入らないのを気になったラディッツが尋ねてみれば
「もう儂の出番は無かろう、これからは若いお主等の・・・・・お主は出んのだったな・・・」
「・・・・・天下一武道会の実行委員会から睨まれたくないですよ・・」
亀仙人が老兵は去るのみと言おうとして悟雲たち若者の時代だといおうとしたのを亀仙人ははたっと思い至る。
孫悟雲が出ちゃったら洒落にもなってない・・・そういう事だ・・・うん・・
まぁそれは兎も角として、本選のくじの結果は・・・・凄かった。
一回戦目はクリリンの相手はパンプットという、ラディッツの様に武道のできる子役として名を馳せて天下一武道会に出たのだが・・・・運が悪いとしか言いようがない。
その次の悟空の相手はキックボクシング界の期待の星だったが・・・・・お察しであろう
そして第四試合で餃子とピューリの試合は、試合で矢張り一分足らずで終わらせた・・・だってピューリ君はまだ十五歳で初試合でかちんこちんなのを容赦なくドリル頭突きで場外に追いだしたんだもん・・・可愛い顔してえぐい・・・
「勝者餃子選手!!!」
少し照れたのか白い頬が赤くなりブイをするが可愛いので観客大盛り上がるが
今までの試合が一分もたない・・・・
「・・・・天下一武道会の大会って素人や子供にはわからん・・・」
「・・・・・・マーク、こうなったのは前回大会からで今大会もちょっと特殊案件だからそう言ってやるな・・」
「互いの意地をぶつけ合う血沸き肉躍るは無いのかしら?」
「儂が聞いた話じゃと前回の決勝戦の最終はそんな感じじゃったらしいぞ?」
「悟空さとジャッキー・チュンってお人の奴だか?」
「今回はハイレベルすぎて、武道をしなくなっちまったおらの目にはもう見えないだよ悟飯さん・・・」
「・・・あの人達・・・人ですよね?」
その問いに席に戻って来たラディッツは苦笑する。
一か月前に自分は宇宙人ですをマーク達にカミングアウトしたら、
「お前まだ俺達に隠し事してたのか!!!!」
「全部この際ゲロっちゃいなさい!!!」
「自白剤作りますよ本当に!!!」
「痛い!!もう無いから!!髪の毛引っ張らないで!!!!!」
・・・とんでもない目に遭ったのを思い出して苦めの苦笑が浮かんでしまうがそれは兎も角として、
第四試合はヤムチャVS天津飯!
超大物対決!!!
片や前回の大会の特別試合で腕前と心意気の凄さを見せつけたヤムチャと、片や鶴仙流の高弟の三番手を自力で手に入れ日夜町の治安を守っている一般人から慕われている天津飯!
「さぁ!今回の本選は鶴仙流のお弟子さん達が多く勝ち上がって来たので当然同門対決はありますが!!互いに試合経験豊富で場慣れしている二人が!!どのような試合展開になるのか皆様と同じく私もとても楽しみなのです!!!」
プロ実況者の喉破れんのかと思う程に初っ端から飛ばす実況と共に、ヤムチャは背中に鶴とその足元に雄々しく立つ狼の刺繍が施された白い中華服に黒のズボンで低い構えをとり、上半身は剥き出しの天津飯は片足立ちの鶴の構えをとった。
きっとヤムチャなら・・・
「始め!!!」
「狼牙風風拳!!!」
矢張り来た!!!
天津飯の読み通り、ヤムチャは出し惜しみなく初手から己の最大級の技でぶつかって来た!
突進してくるヤムチャの手数をさばくために鶴の構えを天津飯はとったが
「なんと!!??・・・ちぃ!!!」
それはヤムチャが自分に到達する前に届いた五つの気功弾をさばくためにとかされた!
狼は群れで狩りをする!ならば、今や気功弾を八つまでは操作する事が可能になったヤムチャは、瞬時に五つの気功弾を掌から出して天津飯の構えを崩させ、気功弾が残っているのに構わずに自らも突っ込んでいった。
何と無茶な・・・・
ヤムチャの突っ込む速度が五つ目の気功弾を追い抜き、四つで構えを解かされた天津飯は、後からくる気功弾がヤムチャの後頭部に当たるように手刀を防ぎつつヤムチャの顎を蹴ろうとすれば・・
「足上げて良いのか?」
「なに!!??」
五つ目の気功弾は天津飯の残った脚をあやまたずに撃ち抜いた。
「な!!!」
「狼牙風風拳・・・牙!!!」
五つの気功弾は一つ一つはさしたる威力はなく、足に当たりながらも天津飯にはさしたる痛みは無かったが蹴られたくらいの威力があり、少しだけ宙に浮いた天津飯の体の中央にヤムチャの両手は獲物を食らう狼の口のように合わせ気を天津飯の体内に流し込んだ!
「ぐぁあああ!!!」
当然天津飯だとてヤムチャの気の技の巧みさを知っているだけに対峙した瞬間から全身に防御用に気を全身に張り巡らせていたが、ゼロ距離からの一点集中の気に突破されて体内を焼かれ
「わぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
痛む体の耳元で気を纏った声を大音量で流された天津飯は気で脳をゆすられ意識はそこで沈んだ。
一度大地を蹴れば獲物を食らうまさに狼の狩りは、試合を始めて一分もせずに終わりを告げた。
「しょ・・・勝者ヤムチャ選手!!!!」
うおおおおおお!!!!
あまりの凄さに呆気に取られていた観客は、勝者の名乗りに歓声を上げる中、ラディッツが直ぐに天津飯を抱えて待機室に入って容態を見るのを、ヤムチャがやり過ぎたかと心配そうにし始めるのを、ラディッツは苦笑して大丈夫だと請け負う
「体内の気脈に乱れは無し・・・耳からも血は出ていないが一応はドクターにチェックしてもらおう。」
ラディッツの見立てに全員がほっとする中、天津飯は自力で目を覚まして体を起こし苦しい中でも痩せ我慢をしてニヤリと笑ってヤムチャを見つめ
「次は負けんぞ。」
「また勝たせてもらうぞ。」
笑う天津飯をヤムチャも笑って立たせながら再戦を今から楽しみにしあう。
三年後はどちらが勝つのかと、悟空達をワクワクさせる男の顔をして
そして準決勝進出をかけた悟空とクリリンは、初手から互いにかめはめ波を出し合ってから互いに突っ込んでいた!
「悟空!!!」
「クリリン!!!!」
流れるように蹴り合い繰り出す拳に、プロ実況者は互いの本気度の度合いに冷や汗を流しながら胸を熱くする。
「互いに兄弟だと言って日頃が仲の良い二人が!互いに積んだ研鑽をぶつけ合う!!これこそが!!これこそが天下一武道会なのです!!!!」
互いの技量と想いをぶつけ合うこれこそがと、絶叫する様に言い放たれる言葉に、観客もワンサイドゲームに退屈を覚えていたマーク達もブルマ達も声を嗄らす程に互いを応援しあった!
「悟空とクリリン!!どっちも頑張れ!!!」
もうこれ一択である
どちらが勝っても恨みっこ無し!!
互いにかめはめ波を撃ったのは一度きりで、悟空はジャン拳をこの場で出したがフェイクを入れてもクリリンは悟空の僅かな動きで騙されず、悟空もクリリンの動きが見えているので防ぎ、だが互いに荒行の如くの修行をしてきた二人の技量に差は無く、何時しか互いの力を上に逃がす事で宙に浮いてしまい・・・五分経った
今回気功弾と舞空術が使える者には特別ルールが科せられる。
一つは観客席に気功弾が行かないように、カプセルコーポレーションとドクターゲロとの共同開発でシールドが張られているが、空中までははれないので上空からの大量の気功弾をぶっパするのは禁止
そして三分以上の舞空術も禁止だが、どちらにも当て嵌まらないので困る・・・だが、その均衡も崩れた!
悟空がクリリンを蹴り飛ばし!これで場外になるかと誰もが思ったが!!
「かめはめ波!!!」
クリリンはルールに抵触しない斜め下、ギリギリ試合の舞台内の範囲の場所にかめはめ波を撃って勢いで宙に飛びながら、悟空の頭上をとったのだ!
「悟空!!!覚悟!!!」
「おらだって負けねえぞ!!!」
悟空とクリリンは互いに照準を向けてかめはめ波を撃った!!
「いかん!!!!」
二人はまだ舞空術は使えず、クリリンは大丈夫だろうがかめはめ波に押されて落下する弟が危ないと身構えたが、クリリンだって悟空を死なせる気は毛頭なく、かめはめ波を途中で止めて何を思ったのか上空に再び放って落下速度を自ら上げそして、
バキン!!!!
一足先に自分から舞台に降り立ったクリリンは、悟空を横に蹴り場外に出そうとしたが察していた悟空も無防備で降りる筈も無くクリリンの蹴りを受け止めそのまま足を抱えて振り回し、場外に叩きだした!
「なんと・・・逆転に次ぐ逆転で!!勝者!!孫悟空選手!!!!」
うおおおおおお!!!!
「凄いぞおちび共!!」
「惜しかったなクリリン!!!」
「またお前が暴れるのを見られるのか・・・・おい!!」
大歓声の中で、勝利の名乗りを上げた悟空もふらりと体を崩して・・・・そして
「ね・・・寝ていますね・・・」
プロ実況者が倒れた悟空を確認したところ、スヤスヤと寝息を立て一方場外から戻らないクリリンもまた寝ていた・・・
互いの殴り合いの力で空中に五分もいればそうなる・・・・まだまだ力の配分が苦手な二人であった・・・
「えぇ・・・非常に残念ですが!次のヤムチャ選手と餃子選手の試合が事実上の決勝戦となります!!!」
なんともな試合展開で波乱づくめな第二十二回天下一武道会の決勝戦を制したのは
餃子であった。
試合開始の合図とともに、餃子はマックスのテレキネシスでヤムチャの全ての筋力を止めてどどん波で吹き飛ばしたのだ。
当然、観客どころかプロ実況者にだってついていけない展開をラディッツが懇切丁寧に説明をして・・・・観客達をドン引き出せた・・・・・筋力全て止めるって何だろう・・・・これを天下一武道会と言っていいのだろうかと授与式でもざわめく観客達に、ラディッツが発表したい事があると舞台に上がった。
「えぇ・・・観客の皆様にお知らせがあります。
今見た通り、気功を扱える武道家とそうでない武道家の差がありすぎる事は一目瞭然かと思います。」
その通りだと、観客の誰もが思う中
「実は前回大会の終了後に、皆様の安全を期して気功弾の類が舞台外に出ないようにという話し合いの中で、気功を扱える武道家とそうでない武道家を同じ舞台に上げる事は果たして公平なのかという疑問点も上がりました。」
実はこれはマークの父のデビットというプロレス格闘界の重鎮から上がった声であった。
先年きちんと大人の姿でマークの家に遊びに行かせてもらった時に、ラディッツが天下一武道会の大会運営委員会の特別顧問だと知っているデビットから非公式な場ではあるがと断りを入れられて呈された疑問に、ラディッツもそれはそうだなと思った。
例えは悪いが、大人と十歳前の子供が戦うに等しくこれは住み分けしないと在野の格闘家達の目指す夢を一つで最大の目的を潰す事になりはしないかと
天下一武道会は全員とは言わずとも、武道家にとっては憧れでありここを目指して厳しい修行に耐えている者が多いという・・・それを鶴仙流と亀仙流の独壇場にしても行かんだろうし、在野でも気功を使える者がいたとしてもその者の独壇場にするのも考え所であり、世間一般の格闘家達の活躍の場を潰したくないと提案されて生まれた案が
「これより三年後の第二十三回天下一武道会では気功を一定以上使える者は出場を認めず、その代り一年後に第一回超人大会を開催する運びとなりました!」
図らずもトニーの言う通り、気功をあそこまで使える人達は人間であるがこと戦いの中では地球内では超人枠だろうとあいなり、観客達もラディッツ達が考えた案に共感して大歓声が沸き起こる!
自分達だとてプロレスやボクシングの試合は好きだ!だが!!気功を扱える武道家達の戦いも知ってしまったからには是非見たい!!
三年とその次の年にもおいしいものが見られるとあっては格闘観戦者達が大いに沸いた。
ちなみに超人大会の方の費用はラディッツがシネマキーンと結んだ二十年の印税とカプセルコーポレーションの宣伝もかねてスポンサーになり、そして今回の大会の優勝者餃子は出場資格は無くなり、超人大会は一度優勝したらそこで大会は引退になる仕組みにしてあり、優勝できなくとも常連で五回出場したら同様に引退と細かいルールが決められている。
独占ではなく誰もが目指せる大会にしようと、五回の機会を与えられる。
この事で、鶴仙流の高弟のみならず在野の気功を使う者達は目の色が変わったように精進し、格闘界も自分達に機会が巡るとあっては気合いを入れ直し、図らずも地球全土の武道家達の底上げになった
これが後にどれほどの助けとなるか、この時はまだ誰にも予想できはしない事であった