俺ラディッツは弟を絶対に守り抜く   作:ドゥナシオン

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ファーストインベーダー:複雑に絡んでいる事情・・・

・・・・ダイーズはラディッツにターレス以外の自分達の自己紹介をしながら、十数年振りに本気で泣きたくなっていた・・・主に馬鹿なリーダー様がやらかしたせいで・・・

 

フリーザ軍からのあのとんでもお手配書の時は泣かなかった!

 

いつかそのくらいの目には遭うだろうといういう程の悪事をしてきた自覚があったから覚悟はしていた。

 

では最後に泣きたくなったのはいつか?

 

ターレスが自分の惑星に攻めて来た時、王宮軍を纏め上げて突貫したが一人生き残って仲間になれと半ば強引に配下にされた時であった。

 

その時の条件は、生き残りに手を出さない事

 

自分達の星を本気で手に入れる気が無く、己の強さを試したかったからというふざけた理由の気まぐれで、王宮軍兵士五千人は殺され街は荒廃したが、王宮内も含めて結構な数の生き残りの命と引き換えに悪党軍団に入れられたあの時、自分の愛した星には帰れない程己はこの男の命令一つで穢れた事をするのだと思ったあの時・・・全てを捨て去るように涙を一つ零したきりで・・・・・そんな冷酷で気まぐれで、それでいて計算高くずる賢いこのリーダー様は・・・・

 

「本当にあなたは何しちゃってくれたんですか。

契約不履行起こしたら向こうは直ぐに気が付くんですよ!!??」

 

先程文官長補佐官様に呼ばれて姿を見せた時は、余裕があるように見せかける為に笑ったが・・・実際は笑えもしない!!

 

もしもリーダー様・ターレスがラディッツを殺したら、自分達の命運だって尽きてしまう。

 

「良いですか?

何度も言う様ですか!ネズミとの契約でこちらのお人を殺した日には、俺達の居場所なんてこの宇宙のどこにもなくなるんですよ文字通り!」

 

ネズミとの契約不履行した日には、即座に自分達の居場所をフリーザ軍に通達される仕掛けになっているのをいやという程ターレスに言い含めたダイーズとしては、もうなんでこんな殺し合いに発展したんだと頭を抱えたくなる!!

 

「そんな事言うがな!あいつが俺達を・・・・」

「それだとてもう昔の話でしょう!俺が怒っているのは現状あの人を殺したら本当に俺達の首が飛ぶんですよ!!??

契約対象のあの人殺そうとしたとかって馬鹿でしょう貴方は!!!」

 

しかも地球人の戦える者達の大半を敵に回してとダイーズは怒り心頭に発している

 

ラディッツの呼びかけで出てきた残りのクラッシャーターレス軍団は出てきた後、

 

「フリーザ軍文官長補佐官・ラディッツ殿・・・・・うちの馬鹿なリーダーが乱暴狼藉を働いて申し訳ない・・・詫びは・・・やれお前達!!!」

「そいでっせ!!」

「ンダ!!!」

「あそれ!」

「よいしょと!」

「あ!!何しやがる!!」

 

いきなりダイーズは謝罪して、何あやまってるんだよと言いかけたターレスは、アモンドとカカオの手によってラディッツから引き離された後取り押さえられ、レズンとラカセイの触れられるとあら不思議・気が吸収されるロープでぐるぐる巻きにされていっちょ上がり・・・

 

「て・・・・てめえ・・・・ダイーズ!!」

「やかましいですよ!!見なさい上空を!!

 

新手の男の言葉に悟空達も上空を見れば、天津飯とヤムチャを中央に据えて両掌に気功弾をためている数多の鶴仙流の弟子達の姿と、その中央には冷たい瞳でターレスを見つめる桃白白の姿と

 

「鶴のじっちゃん・・・・」

「お師匠様・・・・」

「・・・・・馬鹿弟子が・・・」

 

鶴仙人の姿があった。

 

 

別にこの程度の戦力をダイーズをはじめとしたクラッシャーターレス軍団は誰も怖れを成したわけでは全くない。

 

それこそレズンとラカセイだけでも勝てるが、この件ではこの星の住人を誰一人でも殺したら非常に不味いのだ

 

一人でも殺したが最後!目の前で自分達の遣り取りを冷静に見ているラディッツは、それこそ死に物狂いで自分達を殺しにかかってきて、まかり間違ってラディッツを死なせたら自分達の身が危ういのだ。

 

自分達にとって様々な不運な条件が重なり、受けざるを得なかったネズミとの契約の為にも、ダイーズはターレスに再度自分達の話をする振りしながら、リーダーのターレスが暴走止められなかったが、いかに自分達はラディッツと事を構える気が無い事がないかの説明をしている・・・・この件をしくじれば、本当に今度こそ自分達の居場所がなくなるからだ、文字通り・・・

 

もしかしたら、ターレス一人に責任を押し付けて(そもそもこいつが悪い訳だが!)自分達の身の潔白を垂れる道もあるかも知れないが、ダイーズも暴れる今年にしか基本興味がないアモンドとカカオも、科学馬鹿なところがあるレズンとラカセイも、遺憾ではあるが見捨てられないのだ・・・・この短気でおバカなところがあるリーダー様を

 

・・・・屈折十数年・・・・軍門に降らざるを得なかったあの時に思った通り、数多の汚れ仕事をしてきたダイーズではあるが、どうしてもターレスを心底憎むことは出来なかった。

 

非道であった、冷酷でもあった・・・・だが、軍団の誰かが死にかけた時には必ず駆け付け、何かを思い悩んでいればふらりと酒なんて持ってきて、どうしても気が進まなければあぁもう不機嫌そうにしながらももういいと幾つか仕事を断っていて・・・情があるのだ、サイヤ人にしては

 

サイヤ人は味方にも冷淡である種族で有名だが、変に情のあるターレスの側にいるのは嫌いではなくなったのだから仕方がない

 

恥をかこうが何をしようが生き残る事が肝要だと思い定めたら

 

はぁ・・・・

 

溜息付かれた!!

 

びくりとしたダイーズと名乗った男に、ラディッツはそっと話しかける。

 

「・・・・・話を聞きます。

ターレスをそのままにしてついて来てください。」

 

敵かもしれないのだが・・・・こういう手で来られてはラディッツはターレスの時のようなぞんざいな口をきくのを憚られ、自然敬語になるのを

 

「あ・・・分かった。」

 

ダイーズも年下に敬語を使うのはどうもとなる中、ラディッツは疲れた溜息をもう一度つく。

 

どうにも物凄く厄介ごとだと腹を括ったラディッツはダイーズに詳しい話を聞く事にした。

 

 

ダイーズの言葉の端々や、他のクラッシャーターレス軍団の焦った表情と気配から、どうやらネズミとやらに相当な弱みを握られ、そして自分に手を出す事を固く禁じられている事が伺い知ったラディッツは、とりあえず殺し合いは避けられそうだと警戒を解かないまでも一つ息を吸った。

 

上空に同門の弟妹達と、お師匠様と師兄が来ている事には驚いてはいない・・・・寧ろ戦いの中で察知して、こ内容に念話をしながら戦っていたのだ。

 

 

今来られたら邪魔です!俺にも勝てないお師匠様達は殺されます!!!

 

 

それは武道家の矜恃を著しく傷つけることが分かっていても、どうにもできない真実であり、膨大な気の乱れですっ飛んで来た鶴仙人は歯噛みをしながら上空で弟子達を待機させた。

 

無論兄者大事な全員も駆け付けたかったが、彼我の戦力差を言われてしまっては唇をかむしかなく・・・・切に願った・・・強くなりたい・・・・力が欲しいと

 

そして上空で気功弾を構えて欲しいと要請された鶴仙人達が姿を現し、クラッシャーターレス軍団も何かしらの事情があるようで一先ず戦いの矛先は落ち着いたと判断したラディッツは祖父と弟達を先に安全な場所に行かせようとした。

 

「ジュニア!先に山村に戻って今日はシュウとマイの家に爺様達と共に泊めてもらえ。明朝・・・・」

「嫌だ!!!!」

「・・・カカロット・・・・」

「放せよジュニア!!!!」

 

ゴォ!!!!

 

「悟空!!」

「おい!大丈夫かジュニア!!??」

 

 

だが兄の言葉に、態度に、様々な事に腹を据えかね気を昂らせた悟空がジュニアの腕を振りほどき、兄の張ったシールドを突き破って天高く飛翔し、遮二無二に兄の胸に飛びついた!

 

「兄ちゃん!!兄ちゃん!!!!!おらだってサイヤ人なんだ!!!おらだっ戦えるんだ!!おらだって・・・おらだって・・・・おらだけ置いてけぼりにすんなよ兄ちゃん!!!!」

 

兄が、自分の知らない兄がいて自分を一人にしてどこかに行ってしまいそうだと感じた悟空は、ラディッツにぶつかるように抱き着いて叫ぶ

 

宇宙の何処かにいた時の兄の事なんて何も知らず教えてもらえず、なのに自分達の事を何でも知っている兄は・・・・不公平ではないか!狡いではないか!!

 

何か大変な事があるなら自分だって兄ちゃんを助けたいのに!

だから沢山沢山修行して!クリリンと一緒に兄ちゃん助けるんだって頑張っているのに・・・・なのに・・・・白い袍は赤く染まって、傷だらけになっていく姿を見ている事しか出来ない上にまたもや遠くに追いやられようとしているなんて嫌だ!!

 

 

眦に涙を溜めながら、闘志を秘めた瞳で兄を睨みつける悟空の姿は・・・・

 

「あんたよりよっぽどサイヤ人の漢らしいじゃねえかよ文官長補佐官様よ?」

「・・・五月蠅い・・・そんな事、とっくに分かっている・・・」

 

一端の戦士だと・・・・ターレスに言われずとも分かっていた。

 

悟空の体がまだ幼年の体でであっても

 

「・・・・お前ももう十六歳だったな・・・・・」

 

サイヤ人の体は幼年から急激に成体に変わる・・・・自分にはそれが無くて失念していたが・・・悟空だとてもう一人前の漢だ・・・それは下で悟空の闘気に弾かれたジュニアを案じてここには来ないが、途轍もなく自分に怒っているクリリンとても・・・

 

それに、クラッシャーターレス軍団のダイーズの口ぶりからして自分の周りに途轍もない厄介ごとが起きそうである。

 

その話を聞いた時、果たして自分は悟空達に嘘偽りなく言われた事をそのまま伝えることが出来るだろうか?

 

・・・無理だ、心配させまいとしてしまう・・・ならば

 

「ジュニア、クリリン・・・爺様も聞きますか?」

 

怒れる悟空を腕に納めながらラディッツは祖父たちの側に立ち、全員で聞きに行きますかと聞けば

 

行くという言葉が力強く返って来た

 

・・・・どうしてこの人達はこんなにも強いのだろうと、ラディッツは泣きそうになりながらも笑って全員で聞こうと山村の自分達の家に全員で戻ったのであった


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