三日で戦闘力とやらを悟空とクリリンの双方が千を超えなければならない!!
「おらはジュニアと死に物狂いで戦えば簡単に超えられるってターレスの奴言ってたけどよ、クリリンが難しいって・・」
「うん・・・・最近俺も技の練度やバリエーションは兎も角として、単純な力押しだったら悟空に負け続けてるからもしかしたらとは思ってたんだよ。」
悟空とクリリンが出会って共に亀仙流になってはや四年が経つ中、どうしても地球人と戦闘民族サイヤ人の個体差が出てきてしまう。
そもそもが地球人であればクリリンの年齢で戦闘力が五百あるという方が驚異であるのだが、それでも兄弟だと定めた悟空に置いて行かれるという寂しさがクリリンにはある。
もっと様々な経験を積んで大人になれば、戦いだけが全てではないといえるのだろうが宇宙の様々な者達を相手にして生き抜いて来たターレスをして冴えた奴と本気の賛辞を贈られたクリリンはまだ少年なのだ。
兄弟と同じ速さで同じ道を行きたいのだ
その先で待っているであろう悟雲兄さんの下に悟空と共に辿り着きたいのだ。
賭けの事もあるが、クリリンは今まで漠然と感じていた悟空との差を数字として具体的につきつけられた事で物凄い焦りを覚えた
ピンと来ないなんて嘘だ・・・・明確な差に泣きたくなったなんて言えないじゃないか!
俺が腹が減ったら自分の分をやるだなんて言ってくれる悟空が気に病むような事を知られたくなくて誤魔化したが・・・・悔しいのではない、妬みでも決してない!
ただ・・・置いて行かれるのが悲しい・・・悟雲兄さんと同じ一族のあいつに、俺は一生追いつける気がしない
そして悟雲兄さんの一族・戦闘民族サイヤ人とはほとんどがそんな感じで強いと悟雲兄さん自身が言っていた!
だから俺は弱いと言っただろうと、普通に話していた。
ラディッツは常々俺は強くなんてない、弱いぞと言ってた。
それは自分達を慮って言っていた言葉だと、いつか自分達もこの位になれるんだぞという励ましの言葉だとラディッツの出自を知らなかった全員がそう思っていたが、実際にラディッツよりも遥かに上のターレスを見て誰もが知らしめられた。
広大な宇宙にはとんでもない者がいるのだと
打ちのめされた
気功が使えて空を飛ぶのが当たり前になって来た鶴仙流の達人たちをしても、誰一人として悟雲に敵うものはなくそこは全員が桃白白師兄とはまた違ったベクトルの強さを持っているのだと納得をしていた。
・・・地球の気を感じて地球全土の危機を察知するってそれだけで特別だろうし
そういう風に考えていた事が一夜にしてひっくり返された・・・・もう自分達は・・とはならなかったのだ!地球人の鶴仙流の高弟達は!!
あいつ等の強さ反則級だろうがだからなんだ!!??
俺達は私達は!好きで強くなりたいんだからそれがどうした!!!!
・・・・地球のバグは、何もラディッツが言うところの科学だけでは無かったりする
メンタルが宇宙規模で最強なのだ実は・・・・
平和の中で危機感が無いにしても宇宙規模の狂暴そうな男に堂々と会いに行ったり、怖ろしいのを知っているのに普通に意見をを口にしたり、どこか能天気で楽天的で、やったらどうにかなるんじゃないかという超前向き気質なお人だらけなのだ地球とは
それは良くも悪くもで・・・・だから世界征服やろうと思えばできんじゃねえのの赤いリボンとかイタ飯野郎とか・・・・頭脳で世界最強生物生めるだろうとか怖いお爺ちゃんがいやがる訳だが・・・まぁそれは今は置いといて!!
なのでやる!何をと言えば強くなりたきゃ修行するっきゃねえである!!!
追いつかないからってそれがどうしたと鶴仙流の弟子達の熱量が下がる事は無く、ヤムチャと餃子と天津飯が率先しておりだからと言って我武者羅にはしていない。
そこは近頃お師匠様とまた交流が出来た武天老師様のお言葉の一つの休む事も遊ぶ事も大事という事も大切にしている。
何故自分達が強くなるのかなりたいのか、それは様々な理由があれども鶴仙流の門戸を叩いた者達の最終的な理由は、生けるヒーロー孫悟雲への憧れであり大切な者を誰かの手ではなく自分の手で守れる者になりたいという強烈な憧憬であったから。
子役時代のラディッツが撮っていた全ての映画のテーマは大切な者を守る事
どんなに残酷な描写が入ってもそこだけは絶対に違えられなかったシネマキーンの想いが詰まっていた
どれ程過酷な中であっても、愛する誰かを守れるヒーローを英雄を子供達に見せてあげたいという彼の夢に共感したラディッツは、どれ程のハードスケジュールの中であってもヒーローとなった。
それは自分もそんなヒーローになりたいという夢があったから・・・
そしてその傍らで絶対に修練を怠らなかったからこそ今の強さにまでなれたのだ。
その孫悟雲というヒーローに憧れた彼等彼女等の想いの根っこが一緒だったのは当然であったのかもしれない
最期の瞬間まで、愛しい誰かを守る為に逃げない心を持ち続けたいと・・・・
それは図らずもラディッツの死生観と同じであった
どうしても勝てない相手というのがいるという事実が、孫悟雲という形で目の前に居続けたからこそ鶴仙流の弟妹弟子達の中に自然に生まれた考え
だからと言って、愛する者と共に逃げるのはありでも自分一人で逃げるなどという事をしたくなんてない!
逃げなくて立ち向かえる強さがあればなお結構だが、其れよりも逃げ出さない心の強さを自然求めるようになった
彼等は尊敬する孫悟雲に追いつけない事にもう悲しむ事はせずに代わりの強さを手に入れようとしているのだが、それはまだ少年のクリリンには難しい話であった。
まだクリリンは強さも共に同じでありたいと望んでいる
そんな健気な弟に堪らなくなったブルマはクリリンと悟空を力強く抱きしめる
どちらが強いとか弱いとかなんて関係ない、あんた達はどちらも私の可愛い弟なのよ言外に込めて
そんな三人を、ジュニアが何か思案しそして
「クリリン、お前はどんな過酷な修行でもやり抜くか?」
とんでもなく重々しい口調でクリリンに尋ねた。
確かにターレスの言う通り、ここのところクリリンは伸び悩んでいるとは修行を共にしているジュニアにも察しがついていた。
原因はというか・・・これは生まれの差なので才能云々出言えないのが良かったといおうか何と言おうかそれは兎も角として・・・間違いなく武の才能は親父よりもあると世辞抜きで言える。
ジュニアの考える武の才能とは、どれだけ楽しんで強くなろうかという心が持てるかどうかだと考えている。
例えばヤムチャは狼のような強さを手に入れるのに夢中になってあの強さを手に入れ、天津飯は己の上がった気の総力でどのような技を開発するかを楽しんでしており、餃子もテレキネシスで何が出来るかなとワクワクしているそんな中、父だけは強くなって皆を守るという使命感だけしか考えていない・・・・父は戦う事自体に興味が無いのだ。
ヒーロー物や物語を見るのは好きであっても、己の力を高める事がそもそもどうでもいい。
それよりも自分達の日々を如何に楽しませて楽をさせて人生とは素晴らしいのだと謳歌させてくれようとしている・・・・それを守る為に-必要だから-しているに過ぎない・・・・ジュニアの考えている戦いの才能は皆無だ・・・
ではクリリンはというと、ジュニアからすれば百点満点中百五十点だ
悟空と共に強くなる事が楽しい、その力で誰かを助ける事が嬉しい
己と周りが共に強くなると事が楽しくて嬉しくて修行が苦にならないというのはなかなかの逸材だと、神と大魔王の記憶と経験を受け継いでいるジュニアからすればクリリンは世辞なぞいらない程の戦士だ。
戦闘力というのは確かに必要で、圧倒的な差があれば確かに負けよう・・・だが、戦士というのはそれだけではないとジュニアは考えている。
現に戦闘力がかけ離れている筈の親父が、今一歩の所までターレスを追い詰めたのだから。
あのままいけばきっと親父の技でターレスの心臓は壊れて死んでいてだろう・・・その後はもしかしたら軍団の報復で地球全滅してたかもしれんが・・・大局的には負けても局地的には勝っていた。
要は抗えば、足掻けば、死に物狂いで事を成そうとすれば道は開けるかもしれない
無論全てがそうである訳ではなく寧ろ百に一つかもしれないが可能性があるのであれば・・・
「やる!!!やってやる!!!」
一つに手を伸ばそうとする者が戦士なのだろうとジュニアは微笑みクリリンの肩に手を置き提案をする。
自分が知る限りこの世界で最も過酷な修行場へのいざないを・・・
「・・・・・こんなに大勢の者をあの部屋に一度に入れられるか馬鹿者が・・・」
地球の神様びっくりである・・・・
「・・・・あの神様ってジュニアと似てないか?」
「ジュニアってもしかして神様の親類か同じ一族の出なのかな・・・」
「五月蠅いぞお前達!!!・・・こほん・・・地球の神にご挨拶を申し上げる。
儂はしがない武道家で鶴仙人と申す。
後ろに居る者達は儂の弟子達であり、この度は突然大勢で押しかけて誠に申し訳もありません。」
・・・・・・カリン塔の上空にある神殿に、悟空とクリリンとジュニアに連れて来て貰ったブルマと、何と鶴仙人とカリン塔に自力で昇ってカリン様から超聖水をとったヤムチャと天津飯と餃子と、他七名の鶴仙人の弟子達が押しかけた・・・なんでこうなった・・・
ジュニアは考えたのだ
ターレス達の様なやばい奴等ばかりではなくとも、超トラブル吸引機の父が地球にいる限り、絶対に今後も何かが起きる!
ならばその時が来る前にこの地球の戦える者達の力を底上げしておきたい!
あの駄目父だけを前線に出すだなんて冗談ではない!!!
無論絶対に自分は隣に立つ、だがそれだけでは足りない
ならば今から駆け足で素質ある奴等を強くする!!其の為にもジュニアはクリリンの決断を聞いた後全員を抱えて鶴仙流の本部に飛んで今回の賭け騒動を鶴仙人話をした。
「・・・・お前だけは常識があると儂は信じていたんだぞ・・・」
「・・・・・そこは本当に申し訳ないと思ってる・・・」
第一声で鶴仙人に嘆かれた・・・・・だって・・・雲のようにふらふらしている風天馬鹿弟子の重しになってくれると見込んだジュニアが!!ブルマと悟空とクリリンをとんでもない男と対面させてるってなんじゃそれは!!
しかしだ・・・勢いに乗ったブルマを自分だって止められるかと言われればそれは無理だろうと嘆息した・・・ジュニアもその辺に負けたんじゃろうと
そしてジュニアからの提案を聞いて思案し候補を絞って神殿に押しかけ・・・押しかけられた神様だってあの冷静沈着なポポだってびっくりである・・・地球人って思い込んだらとことんなのね・・・・
「だがなジュニアよ、お前だとて私の知識があるのならば知っているだろう。精神と時の部屋は最大・・・」
「二人をお前の力を最大限に振り絞れば四人まで入れるように改造できるだろう?」
「・・・・知っておったか・・」
「ふん!今この地球は瞑想していても親父が気を配ってる。
つまるところほぼ神の役目の代行をしてもらっているんだからその親父の役に立ったらどうだ?」
今の精神と時の部屋は最大はいれるのは二人だが、地球全土を見守る役目を一時切って集中して部屋を改造すれば、最大四人は入れて修行できる効率がぐんと上がる!
そんな神の役目を自然と日々知らずにしている父・孫悟雲の助けくらいしろというジュニアの物言いに、神様になんちゅうこと言ってんだよと悟空とクリリン達は慌てるが、その通りだと頷き悟空達の頭を優しく撫でてそして・・・・神は本気で頑張った
己の今までの神の人生の粋を集めてドラゴンボールを作った時以上の力を部屋に注ぎ込み
「・・・・出来たぞ・・・・最大四人まで入れるようにした。」
後はお前が知っている通りだから案内してやれとジュニアに託した神は、疲れ切って眠りに落ちるのを、ポポが優しく抱き留める。
「・・・・・神様ここまで疲れたのポポ見た事無い・・・・神様の頑張り、無駄にしないでほしい・・・」
「分かってる・・・・」
ああは言ったが、ジュニアだとて神の仕事が下界を見守る事だけでは無いのは分かっている。
神でもないのに同じように働く父を思い言わずにはおれなかったエゴだと
一同は眠る神に頭を下げ、ブルマは神を寝所に寝かせたポポとお茶をして待つ事になった。
精神と時の部屋でどのような修行をするのだろうか・・・悟空達は大丈夫なのかと案じながら・・・