俺ラディッツは弟を絶対に守り抜く   作:ドゥナシオン

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悩む青年は旅に出るが・・吉?

・・・・この場所は陽の気しかない変わったところだと事前に聞かされていたが・・

 

「ペンギン村にようこそ~。」

 

 

・・・・・太陽に歓迎の言葉を言われる日が来るとは・・

 

「はっはっは!悟雲師兄がピラフから聞いた通りだな天津飯!!」

「面白い太陽だね天さん。」

「俺あの太陽いいと思うぞ!!今日は太陽!!」

「おぉ!元気だね~少年!!」

 

・・・・可笑しな太陽見て笑っているヤムチャも、あの太陽が言いとあいさつを交わしてるマークも大概な気しかしない天津飯は、同じようになんだろうあれと呆然としているミゲルとトニーに同じ常識仲間がいてよかったと心の中で涙を流して感謝しかない!

 

 

自分達はとんでもないところに来てしまったと、生真面目な天津飯は頭を抱える

 

どうしてこんな事になったんだか・・・・兄者からの頼みでマーク達の旅行の引率を引き受けたのが間違いであったか・・・

 

 

▲▲▲

 

遡った三日前

 

孫悟雲事ラディッツは物凄く落ち込んでいる

 

半月前から天津飯が自分を避けている・・・・折角!カカロットとクリリンは普通に接してくれるようになったのに!何故か天津飯が俺を見ると辛そうな顔したり・・どうしていいかわからない顔して・・・・

 

「俺・・・何かしちゃいましたかお師匠様~。」

 

・・・・大の大人がみっともなくえぐえぐと泣くなと言いかける鶴仙人は、理由を知っているだけになんとも言えない顔で茶をしばきながら、隣に座っている息子に本気で慰められている馬鹿弟子を見つめる。

 

まさか天津飯が生粋のヒーローだと疑いもしなかったお前さんの過去を知って、お前さんに対して不信感や嫌悪感は無いにしても、どう捉えればよいのか分からずに避けていますとは言えんしの・・・それにブルマも悟空達も亀の奴も・・・悟飯も知ったと聞いたら、お前さんはどう思う?

 

ちなみにチチと牛魔王は外している

 

彼女と父親は一度としてラディッツの過去を詮索しようとする素振りはなく、ラディッツと悟空が宇宙人だと知っても、おらにとっては二人とも優しい兄様とお婿さんになる人だよと・・・・その想いを大事にしてあげたくて・・・・いつか話すにしても其れは今ではないとジュニアには思えたのだ。

 

ターレスが悟空達との賭けをジュニアからの要請で三日後にきちんと履行したのだ

 

父の大切な人達が、誰が聞いて誰が聞かなかったかとならないように、ジュニアが声をかけた。

 

無論父が大切な人はもっと大勢いるがそうではなく、父があの日カプセルコーポレーションで己の出自を明かしたメンバーだけをジュニアは選んだのだ。

 

この人達だけには本当の自分を知ってもらいたいと願ったであろう人々だと推察し、またカプセルコーポレーションに集まり、本当に聞いて大丈夫なのかというターレスの言葉に、全員が頷くのを物好きだね~とターレスは呆れた。

 

こんな平和な世界で生きているなら、何も好き好んであいつの過去なんて詮索しないでお気楽に生きてりゃいいものを・・・まぁ良いか、そしたら俺の知る限りの事を全部話してやる・・・・・地獄見たって俺は知らねえぞっと・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

ターレスが知る限りの、フリーザ軍本部付き文官長補佐官兼フリーザの小姓としての仕事全般と、フリーザ軍とサイヤ人の-全ての仕事-を話してやれば、部屋は沈黙で満たされた。

 

ラディッツが・・・・ひた隠しにしたがっていた理由が漸く分かったがそれをどうしてあげる事もできやしない・・・・犯してしまった罪と・・・言う資格が誰にも無いからだ

 

宇宙とは広大で果てなくこの地球のような場所こそ珍しく、常に食料と資源を巡って己達の力で奪い合い確保しているという。

 

「俺達サイヤ人ってのは元から傭兵やっててな、地上げ屋しようっていうんでノウハウを持ってるフリーザとその軍と手を組んだ時にあいつは生まれたんだよ。」

 

己が生まれる前から生きる道に選択肢なぞ無く、武官として戦うか文官として侵略行為を支えるか・・・・ラディッツの知っている魔獣・海賊・指名手配犯の討伐こそが少なく、大半は惑星侵略で土地の地上げ・レアメタルか食料かその両方目当ての制圧が主であり、ラディッツ自身も作戦の立案から後方指示で実行もしていたという。

 

その行為が、何億もの人々を死なせることになるのを知った上で・・・・

 

何故この地球が平和であると知った時、あれほど自分がいてはいけないかと泣いたのを悟飯は知った

 

何故悪党であると知っても驚きもせずに師弟関係を解消しなかったのかを鶴仙人と亀仙人は知った

 

何故悪党を相手にしても平然としていたのかを悟空達全員が知った・・・

 

ラディッツという男自体が、巨悪と位置づけされるからだ・・・

 

「だから言っただろう?あいつの過去を知っても碌な事になんてなんないってさ。」

 

情報も感情の整理も追いつかずに青褪めたジュニア以外の一同を見ながら、椅子をゆらゆらと動かして座るターレスはへらへらと笑う。

 

「こんな平和な地球に住んでるんだからさ、俺達みたいなならず者の過去なんて知ったって意味なんてねぇんだよ。」

 

だってこの星は金を出せばちゃんと飯が出る

金がなくとも善意で食べさせてもらえる

困っていれば助けを求めれば誰かが必ず助けてくれる

働きたいと意欲を出せば必ずどこかで真っ当に働けて金が貰える

悪人だとて罪を償えばと言ってもらえる範囲内の悪事しかない

 

「俺もこの星に興味があって調べてみたんだがな、あいつが正義のヒーローみたいな警備会社立ち上げてから犯罪件数は減少の一途をたどって、ここ数年殺人事件が無い・・・俺から言わせてもらえればこの星は異常だよ。」

 

過日悪党デスマッチの場所に選ばれたポンジャの様な単一民族ではなくそれこそありとあらゆる多民族がすんでいるこの星で、事故や災害以外での所謂殺人事件が一件も記録されていなかった。

 

無論まだまだ未開の地やサイヤンℱや警察署が配置されていない奥地などもありそこは知らないが、少なくとも

 

「ラディッツさんの手の届く範囲内では一件もないな。」

 

そんな幸せな星で住んでいる事に感謝しながら暮らしていればいいんだよと、ターレスは嗤いながら部屋を後にした

 

それは、お前達とラディッツを入れた俺達じゃ住む世界が違うんだよと言われた気がしたのだ・・・

 

あの後、悟空達はそれでも兄ちゃんは自分達と地球を守る為に沢山の事をして頑張ってくれてんだと考えられたが・・・・天津飯は分からなくなってしまった

 

元々真面目気質で悪事を嫌い、しかし公平で改心しようという者を率先して手助けしようと幾人もの立ち直ろうとしている者達の後見人もしている天津飯だが・・・生粋のヒーローだと憧れていた兄者の過去は天津飯の中の正義に反しすぎていて・・

 

 

今更言ってもどうにもなる事ではなく、ターレスの言っている事がすべて本当であるのならば、兄者がラディッツであった時に選べる道は無かったのだと分かっていてもそれでも・・・・どうしようもないではないかと・・・・・言えるヤムチャが羨ましい・・・

 

師匠も悟空達も、数日はラディッツとギクシャクしたが少しずつ元に戻るのを、天津飯は羨ましく見ていたそんなある日

 

「あ・・・天・・・」

「・・・どうしましたか兄者?」

「いや・・・そのな・・・マーク達の事で頼みがあってな・・」

「?」

 

あいつ福引で旅行チケット三枚当たってミゲルとトニーと行こうって計画して俺が同伴する事で親御さんたちの許可取ったんだが・・・・

 

「俺にサイヤンℱのオーナーとして外せない仕事が入ってな・・・天と餃子とヤムチャの分の旅費を出すからマーク達の引率をお願いしたいんだ・・・・駄目かな?」

 

恐る恐る話す兄者・・・・本当にターレスが言っていたような巨悪を成した人物と思えない・・・どちらが本当の兄者なのか・・・状況が変われば・・・また悪事を厭わなくなるのだろうか・・・・そんな事を考えてしまう自分が本当に嫌になるが・・・

 

「分かりました。」

「行ってくれるか!!助かる!!」

 

ありがとう天と笑う兄者・・・・兄者・・・・俺は・・・・貴方が分からない・・・

 

 

そんなどんよりとした思いを抱えてマーク達と共に船に乗って東に進めば・・・太陽は喋るし・・・・・島について程なく歩けばスケボーに乗ってスッパマンとかいう変な親父はいるし・・・・奇妙でけったいな村の名前は・・・・

 

「ここがペンギン村か・・・」

「温泉はここから歩いて三時間・・・天津飯さん達は免許もってるんでしたっけ?」

「あぁ、ヤムチャと俺は持っているがどうする?」

 

車に乗っていくか、散策がてら歩いて行くか・・・・ミゲルも割とアウトドア派で歩くのも苦ではなく、歩いて島を観光してみようと決まった時!

 

キィィィィィィィン!!!

 

キンキンキィィィン!!!

 

何か物凄い声と共に、こちらに爆速してくる・・・・少女だろうか?

 

なんだあの速さは!兄者の舞空術やそれを応用した動きの次に速くないか!!??

 

物凄い声と共に砂煙を上げて走ってくる少女に天津飯達が驚く中、相手も天津飯達に気が付き目の前で急ブレーキをした!!

 

 

キッキーーーーーー!!!

 

「んちゃ!!」

「へ?」

「お兄さん達見た事無い人達だ!!」

「あ・・・あぁ・・・こんにちは、俺達は観光旅行でこの島に着いたばかりなんだ。」

 

どうやら島の人だと察して立ち直りが早かった天津飯が、少女の言ったんちゃとは挨拶かも知れないと思って挨拶をすれば

 

「そっか!ここペンギン村ってんだよ!

あ!あたしは則巻 アラレだよ!!」

「そっか・・・アラレちゃんか、俺は天津飯、後ろの長い髪の男はヤムチャで白い子は餃子だ。」

 

物凄い爆速してきた子の挨拶にようやく立ち直ったマーク達もきちんとアラレちゃんと挨拶をしあえば、アラレちゃんは無邪気に筋肉質の天津飯に質問をした。

 

「ねぇねぇ!天さんってつおいの?」

「ん?・・・・俺は・・・普通の人よりは少しは強い・・・よなヤムチャ?」

「・・・・お前な、近頃悟雲師兄を意識しすぎだ・・・俺達と一般人がやりあったらどうなると思う?」

「・・・・アラレちゃんよりは強いかな・・」

 

近頃何でも悟雲師兄を基準にしすぎだと他の一同呆れて溜息をつく中、

 

「そしたらアラレと遊ぼう!!!」

 

プロレスごっこしようと・・・・いきなりアラレちゃんが勢いをつけてお腹で天津飯にぶつかれば・・・

 

 

「どああああああぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・」

 

 

・・・・・・えええ!!!????

 

 

 

・・・・・・・・・・・

 

「ジュニア・・・天津飯あれで気晴らしになるかな?」

「あのな親父・・・天津飯だってもう大人なんだ。」

 

今回の旅行引率は嘘ではないが、行き先がペンギン村だと知って天津飯達に振ったのだ。

 

陽の気しかない土地、地球産魔族のあの男の言葉が本当であれば、多少の心のモヤモヤを吹き飛ばしてくれるかもしれないと望みをかけて送り出し、仕事がひと段落してジュニアに空のお散歩に付き合ってもらっている。

 

今頃は向こうについておいしいお昼ご飯・・・・でも・・・

 

 

「あああぁぁぁぁ・・・にじゃ!!????ぁぁぁっぁ・・・・」

 

・・・・・・・・

 

「・・・・・ジュニア・・・・今・・・」

「・・・天津飯だったな・・・・」

 

えええええええ!!!!

 

「ジュニア!!なんでマーク達と東の果てのペンギン村にいるはずの天が此処にいたんだ!!!??」

 

それも何かに吹き飛ばされるようなカッコでマッハも真っ青な勢いで見えなくなってるし!!!!!

 

ジュニアの襟首掴んで真っ青なラディッツははたと思った

 

まさか・・・・ターレスみたいな危険人物がペンギン村ってところに!!

 

「お・・・・俺も今からペンギン村に行くぞ!!!」

「ば!これから重要書類決済してハンコ押さなければサイヤンℱの信用がた落ちなんだぞ!!!」

「内容は絶対に大丈夫だから!!プーアルに頼んで俺に変身してもらってハンコだけ押してもらおう!!」

「アホか!!!プーアルに何をさせるつもりだ!会社潰す気か馬鹿親父!!!!!」

「会社よりも天達が!!」

「俺が探っても邪悪な気は無いんだぞ駄目父が!!!!」

 

 

そんなやりとりの間に、アラレちゃんに吹き飛ばされた天津飯は、あっという間にペンギン村のアラレちゃんに掴まれていた。

 

「お帰り天さん!!」

 

・・・・

 

「嘘だろ!!?吹き飛ばされた天津飯がなんで反対側から!!」

「天さん、まさか地球を・・・」

 

一周して来たの?と言いかける餃子の言葉は、

 

「・・飛ばされてる途中で兄者とジュニアと!筋斗雲に乗ってる悟空とすれ違って置き去りにしてきたが!!!なんだ今のは!!??」

 

自身で体験して来た事だが!数分で地球一周させられるってなんだそれは!!?

 

・・俺達は人外魔境に来てしまったんだろうか

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